第二十一回

死の商人およびそれをネタに一儲けを企んだ総会屋を叩き潰す.
復讐する女の標的は黒いミサイル

脚本:田上雄 監督:児玉進

夜の街.E・Tが安田という男のマンションを訪ねると, 安田はナイフで背中を刺されて死んでいた. そしてE・Tはハンドバッグを見つけた.その頃, 若い女(朝比奈順子)が歩道橋で泣いているところに, 警官がやってきて職務質問を始めた. 女の手に血がついていたので警官は女を怪しんだ. そこへE・Tがやって来て,女を弁護した. 近くの喫茶店で喧嘩をしたというのだ.警官が去った後, 女はE・Tに素性を聞いた. E・Tが女を殺しに来たんじゃないかと怪しんだからだ. E・Tが何も答えなかったので女は去って行った.

今週のギャラ交渉 その1

「田園調布」の通りに園山とチャンプが座って携帯テレビを見ていた.
テレビのニュース「今朝, 目黒区のマンションで男の人の他殺死体が発見されました. 被害者の安田幹雄さん30歳はフリーのルポライターで, 最近は右翼系の総会屋グループと交際があったと言われています. また犯行時刻に現場付近で怪しい男女を見かけたという, パトロール警官の報告もあり, 事件の解決にはなお時間を要する模様です.次のニュースです.」
チャンプは携帯テレビのスイッチを切った.
チャンプ「ご覧のとおりや.案の定,安田幹雄は殺された.」
園山「別に私の責任じゃないよ.」
チャンプ「そらまあ,そうや.そやけど,わしら, はじめからこうなることを予測しとった.それやのに, あんたはゴーのサインを出さなかった.」
園山「持ち込みの仕事にいちいち承諾してたんじゃ, 金がいくらかかるかわかったもんじゃない.」
チャンプ「ふん.あんた,しょぼい男やなあ.腹痛みませんやろ. 元々みんなゴッドの金でっしゃろうが.」
チャンプはくわえた葉巻に火をつけ,園山の方を向いた. 園山は露骨に嫌な顔をした.
園山「やめたまえ,葉巻は. それでなくても排気ガスで汚染された空気を吸わされてるんだ.」
園山は煙を吸わないようにと手で仰いだ.
チャンプ「きれいな空気のとこへ帰りたかったら,はよ結論出すこっちゃな, 園やん.」
園山「まるで脅迫だなあ.総会屋よりも性質が悪い.」
園山はハンカチで鼻と口を押さえた.煙を吸わないようにするためだ.
チャンプ「そんな人間をハングマンに選んだのはあんたやないかい.」
ついに園山は折れた.
園山「うー,わかった,わかった.」
園山はアタッシュケースを開けたが札束は一つしか入っていなかった. 園山はその札束をチャンプに手渡した.
チャンプ「ちょっと,これだけでっかないな?」
園山「これはもう,手付金だ.事件の全貌が明らかになったら, 300万追加しよう.」
チャンプ「しかしなあ,園やん.」
園山「なんと言われようと,今これしかもう払えんのだよ.」

アジトに戻ったチャンプは札束を見せつけた.
チャンプ「どや.わしの腕前は.」
マリア「たったの100万で大きな顔しないでよ.」
チャンプ「え?」
ヌンチャク「必要経費でぶっ飛んじゃうよ.」
チャンプ「偉そうにお前.アホか.今回は持ち込みの仕事やぞ,おい.え. こっちの見込みどおりいかなんだら,恥かくのはお前らやないか.そやから, わしも心ならずも下手に出とんのや.こら,渉外係の深謀遠慮って奴や. わかるか.ま,細かいことはどうでもいい. この感の悪い連中に仕事の内容説明したって.」
E・Tがチャンプの持ち込んだ仕事の内容を説明した. E・Tが前前日の夜にレストランで食事をし,駐車場に車をとりに行った所, 男達に襲われた.だが
男(大下哲矢)「こいつは違う.」
そう言って男達は去って行った.そしてE・Tが足元を見ると, ある男の写真が落ちていた.写真の裏には「安田幹雄」と書かれていた. E・Tは標的の男と間違われて襲われたのだ. チャンプはピンと来て園山に売り込んだのだが, 園山は写真一枚では証拠にならんと言って断った. そして冒頭の事件が起きたと言うわけだ. チャンプの調べに寄ると安田が付き合っていた総会屋グループの親玉は, 権藤ひょうすけ(田中明夫)であらゆる企業が恐れている大物だった. マリアとヌンチャクは安田の足取りを追い,E・Tは女を追うことにした. 女の名前は島崎ゆかり.昭和35年生まれで住所は渋谷区池尻.

E・Tは島崎のマンションを訪れた. E・Tはハンドバッグから免許証を抜いておいたので島崎の素性がわかったのだ. E・Tはルポライターと称して島崎に会った.安田が殺されたとき, 島崎はベッドの中にいたので犯人の顔を見ていないという. E・Tは退散する振りをして,バイクで出て行った島崎を尾行した.

権藤の屋敷ではチャンプが安田の兄と称して権藤に会っていた.
権藤「しかし,幹雄君にご兄弟がおられたとは存じませんでしたなあ.」
チャンプ「はあ,ごもっともです.兄弟と申しましても腹違い,胤違い. 私は親父の連れ子,あいつはおふくろの連れ子です.」
物凄い出任せをチャンプはかました後, チャンプは安田を殺した人物の心当たりがないのかと聞いた. だが権藤はなぜ自分のところへ聞きに来たのかと聞いて白を切った. そこへ秘書(大下哲矢)がやって来てそろそろ出かける時間だと言った. チャンプは車を見送り,頭を下げるついでに車に発信機をつけた.
チャンプ「ふん,狸親父.わしからは逃げられんぞ.」

マリアは安田の行きつけの喫茶店へ行き,安田さんは来てると聞いた. マスターから安田が死んだと聞いたマリアが, ネタを売りたかったのになあと言うと, マスターはゆかちゃんに聞いたらどうかと言った. そこでマリアが島崎の写真を見せると,彼女がゆかちゃんで, 安田の婚約者だったことがわかった.それを二人組の男達が見ていた. マリアが喫茶店を出た途端,マリアはその二人組に襲われ,連れ出された. 男はマリアを脅迫するが,そこへバイクに乗ってヌンチャクが登場. ヌンチャクを振り回して男達を撃退. さらに男の一人からボスの名前を聞き出そうとしたが, 男の一人が「権藤…」と言いかけたところで, ライフルで二人とも撃ち殺されてしまった. しかしこれで権藤が陰で暗躍していることがわかった.

権藤は三ツ星物産に乗り込んだ.チャンプもそれを見届けた. 三ツ星物産はジェット機からティッシュペーパーまで手がける商社だった. だが権藤は横浜の倉庫で船積みを待っている, 扮装当事国の荷物が非合法品目であることを知っていた. そして権藤はこれをネタに強請りをかけていたのだ.

E・Tは島崎を追いかけ,島崎が横浜の倉庫街へ入り込むのを目撃した. そして島崎はC19という倉庫で, 三ツ星物産の「輸出用精密機械」と書かれた箱を調べた. だが警備員に見つかり,捕まってしまった. そこへE・Tが登場し,島崎を警備員から助け出した. すかさず料亭で会食していた三ツ星物産社長のところへ電話が入った.

さてアロハツーリストでは加代子がお化粧をしていた. そこへチャンプが戻ってきた.
チャンプ「また角の牛丼屋,値上げしやがってからに,もう.おい,結城は?」
マリア「音沙汰なし.」
ヌンチャク「さっきから連絡待ってるんですけどねえ.」
チャンプ「電話代けちっとるのか.心当たり探してみい.」
ヌンチャク「はい.」
加代子がチャンプ達に聞いた.
加代子「あら,皆さん,まだお帰りにならないんですか?」
マリア「ええ.まだ残業があるんです.」
チャンプ「ふん.」
加代子「じゃあ,私も残りましょう.」
加代子に残っておられたのでは困るのでチャンプは慌てた.
チャンプ「い,いや,いや,いや.あのう,野川さん,帰ってよろしいよ. 病院のご主人,お見舞いしやはれ.」
加代子「でもう,私だけが楽をさせていただいては.やっぱり残ります.」
チャンプ「ああ,そうでっか.そんなら残りなはれ.そやけど, ご主人がどない思いはっても知りまへんで.」
加代子「と言いますと?」
チャンプ「あんたがあんまり病院へ行かんとやねえ,はあ,加代子の奴, ひょっとしたら浮気しとんのと違うのかなあ,と思うてねえ.」
加代子は笑った.
加代子「私はご覧のとおり,貞淑な妻でございます. 病の床に付している夫に代わって外へ出て薬代を得ているというのに. 主人は私を信じております.」
チャンプ「甘い,甘い,甘い.甘いなあ.奥さん, 男ってのはそんないきもんと違いまっせ.病の床に伏せてるからこそ, だんだん嫉妬ぶこうなる. それにあのう,夜のお相手かて出来まへんのやろう?」
加代子は不安になってきたのか,下を向いた.
チャンプ「疑心暗鬼が積もり積もって,ついにある日,錯乱状態. そして重い殺人事件に発展する.ご主人にようある話ですがな.」
加代子「あのう,申し訳ありませんが,やっぱり先に帰らせていただきます.」
チャンプ「あれ,野川さん,あのう,今残るよと,この帳簿やって.」
加代子「あのう,失礼致します.どうも,お疲れ様でした.お疲れ様でした.」
マリア「お疲れ様.」
チャンプ「お疲れ様.ああ,えらい疲れるおばはんやで.」
そこへE・Tから電話がかかってきた.E・Tは今横浜にいた. マリアはE・Tに安田が権藤に狙われたことに間違いないこと, そして島崎が安田の婚約者だったことを電話で話した.島崎はE・Tに話し始めた. 安田は正義感のジャーナリストで島崎はそこにひかれていた. そして安田は三ツ星物産を調べていた. 社長の田所は国際法を犯してまで大きな取引をしようとしていたのだ. そして安田と島崎が情事をしている所へ, 権藤の部下がやってきて居間で安田が刺されてしまったのだ.
安田「横浜,高島埠頭,19番倉庫.」
島崎「横浜の高島埠頭19番倉庫.それがどうしたっていうの.」
安田「三ツ星物産の荷物…俺の代わりに調べてくれ.」
そう言って安田は事切れた.そしてE・Tに出会い, 安田に代わって島崎が調べていたのだ.E・Tは危険だと忠告したが, 島崎は聞く耳を持たなかった.

早速ヌンチャクが作業員として,チャンプが警備員として問題の倉庫に潜入. 上から落ちてきた荷物にぶつかってしまったヌンチャクは血を流して苦しんだ.
チャンプ「おい,救急車呼ぶんだ,救急車を.早くしろ,早く,電話して. お前も行け.」
チャンプは警備員を全員外へ出してしまった.
チャンプ「しっかりしろ.家族のことを考えろ.生きるんだあ.しっかりしろ. しっかり,しっかりしろ.おい.しっかりしろ.しっかりしろ.おい.痛くない, 痛くない.しっかりしろ.」
チャンプとヌンチャクが警備員や作業員の目をひきつけているうちに, E・Tはトラックを運び出してしまった. 実はヌンチャクが流していたのは血ではなくて赤い水だった.E・Tは荷物を調査. そして駆けつけたチャンプとヌンチャクに,どえらいものが入っていたと報告.

アジトでE・Tが報告した.
E・T「これは世界でも一,二を争う優秀なミサイルの公開実験だ. このミサイルは発射後も射手によってコントロールされる. つまり方角式標準機ヘッドを使用している. だから目標物がどこに移動しても射手がその動きを追うことによって, ミサイルは自動誘導され,目標物を確実に破壊する.」
チャンプ「かあ,おっそろしいなあ. あんなもんに狙われたらいちころやないか.」
E・T「それに比べ,三年前に開発されたこのミサイルは姿勢制御ジャイロ, エレクトロニクス機構,超小型レーダー, よく出来てはいるが世界の一級品には及ばない. 防衛用の兵器としては採用されなかった.その結果, このミサイルを大量に発注した三ツ星物産は大きな赤字を背負い込んだ.」
マリア「三ツ星物産が? そうか,それで開発途上国に売り込むことにしたのね.」
E・T「日本の法律は兵器の輸出を禁じている. だから精密機械と偽っていたんだ.」
チャンプ「それで読めた.権藤の奴, その弱みにつけこんで金をせしめようとしたんだ.」
ヌンチャク「安田っていうルポライターはその秘密に気づいて, スクープしようとしたんですね.」
E・T「ああ.そのために権藤の手先に消されたんだろう.」
マリア「死の商人に薄汚い強請り屋.どっちもどっちよ.許せないわ.」

田所は権藤の屋敷に乗り込み, ミサイルの部品を盗んだのは権藤の仕業かどうか聞いていた. 権藤はそのことを否定した. 田所は権藤にミサイルの部品を盗んだ一味の始末を依頼していた. 何か手がかりはと訪ねた権藤に, 田所は島崎が乗り捨てて行ったオートバイの件を話した. 早速権藤の秘書が島崎を襲った. 権藤の秘書はミサイルを盗んだのは誰だと聞いたが, 島崎に心当たりがあるわけがなかった. 権藤の秘書は島崎をナイフで刺して聞いたが, 島崎は答えられなかった.そこへE・Tが登場し,権藤の秘書を撃退した.

今週のギャラ交渉 その2

「九品仏」の境内でチャンプは園山と待ち合わせた.
チャンプ「おーい,園やん.ここや,ここや.遅いやないかい.人, 散々待たしといて.金出し渋ったら承知しまへんで.」
無言で園山はアタッシュケースを開け,封筒を渡した.
チャンプ「へい.300万,確かに.」
園山はもう一つ封筒を渡した.
チャンプ「は? これ600万やないかい.これ全部もうてええんかいな?」
園山はうなずいた.
園山「構わんよ.私がゴッドにお願いして報酬を倍増していただいたんだ.」
チャンプ「園やん,こりゃ,どういう風の吹き回しや.」
園山「いや,私はねえ,平和主義者なんだ. 死の商人みたいな手合いは二番目に嫌いなんだよ.」
チャンプ「なるほど.ほな参考までにお伺いしますけど,一番嫌いな奴は?」
園山「もちろん,君みたいな,(煙を手で仰いでから)ヘビースモーカーだよ.」
そう言って去って行く園山を見送りながら,
チャンプ「わしなんか二番目に金が好きやけど.」

ギャラの精算結果は
マリア「今回の報酬結果,700万.一人112万8千円.」
チャンプ「ま,こんなとこやろ.」
E・T「よーし,ハンギングだ.」
そしてアロハツーリストは閉店した.

ハンギング

田所のところに脅迫状が届いた. そして田所は権藤のところにやってきて脅迫状を見せた. 現金1億円と引き換えにミサイルを渡すと言うのだ. 権藤は現金を用意し,さらに相手の正体を見届けることを田所に指示した. そして田所と権藤は指定された山の中に向かった.
ヌンチャク「金持って来たかい?」
田所「ああ.トランクの中にある.」
権藤「ミサイルはどこだ?」
ヌンチャク「ああ.この先の採石場に置いてあるよ. その車じゃ,ちょっと無理だなあ.あの車に乗り換えて行きなよ.」
ヌンチャクは車のキーを渡した.そしてその車に乗り換え, 権藤達は採石場へ向かった.
チャンプ「来よった,来よった.そろそろ始めようか.」
E・T「ああ.」
チャンプ「三ツ星物産ならびに総会屋の諸君.遠路はるばるご苦労さん. もうちょっとの辛抱や我慢してや.」
チャンプの声が車の中のスピーカーから聞こえてきた.
チャンプ「ああ,運転手さん,そこが終点や.ストップ.止まれ.」
車が採石場に止まった.
田所「くっそう,馬鹿にしよって.」
田所がドアを開けて出ようとしたとき,
権藤「ん?」
田所「ドアが.」
中から開かないことに気がついた.
権藤「慌てるな.窓から出ればよい.」
だがハンドルもなかった.権藤達は窓ガラスを叩き割ろうとしたが
チャンプ「無駄なことはせん方がええ.その車の窓は防弾ガラスだ. けどお互いのコミュニケーションは通じ合えるぞ. そっちの声はこっちに聞こえるようになってる.」
田所「こんなまねをしてなんになる.取引をしたければはやく姿を見せろ. どうした.なぜ返事をしない.金はここにあるんだぞ.」
E・T「金は要らん.だが,ミサイルは返してやる.信じられないのなら, 左手前方をよく見てみろ.」
崖の上にミサイルの発射装置が置かれており, ミサイルがセットされているのが見えた.
チャンプ「このミサイルは知っての通り,磁石に吸い寄せられる鉄屑のように, 目標物に突進し,そして爆発する.後ろの人形を見てみろ.」
ミサイルが発射され,人形に命中.人形は木っ端微塵に吹っ飛んだ. これは史上最強のハンギングではないだろうか.
E・T「さてそのジープにもミサイルの誘導電波を出す装置がセットしてある. 始動時刻は今から120秒後だ.」
チャンプ「はやい話,あと2分経てばミサイルがあんたらを乗せたまんま, 車を爆破するわけだ.それがいやなら, これまでの悪事を残らず喋るこっちゃなあ. こっちにはテープレコーダーも用意してある.」
E・T「あと100秒だ.」
それを聞いた権藤は
権藤「ま,待ってくれ.わたしゃ関係ないんだ. 三ツ星物産の非合法行為について知ってることは何もかも話すから, 私の命だけは助けてくれえ.」
この様子は隠しカメラでも撮影されていた.マリアとヌンチャクが録画を開始.
田所「権藤さん! それはあんまりだ.あなたと私は持ちつ持たれつだ.」
権藤「うるさい.武器の密輸を企んでおきながら何が持ちつ持たれつだ.」
田所「武器輸出のどこが悪い.業界のものは誰だって考えてるはずだ.いや, 政治家だってはらの中では.」
権藤「言い訳はよせ.貴様は経済界のクズだ.ゴミだ.虫けらだ.」
田所「何を言うんだ.貴様こそ産業界の寄生虫じゃないか.それだけじゃない. おい,聞いてくれ.こいつは人殺しなんだ.」
権藤「いや,私はやっていない. ルポライター殺しはここにいる二人が勝手にやったんだ.」
部下「会長,それはないでしょう.」
秘書「殺せと言ったのはあんたじゃないですか.」
権藤「嘘つけ.そんなこと私は言わん.そんなこと一言だって言わないぞ.」
部下「会長!」
そこへ
E・T「ミサイル発射5秒前.4,3,2,1,発射.」
ミサイルが発射された.思わず伏せる権藤達. だがミサイルは宙で爆発して落下傘が落ちてきただけ.
チャンプ「まあ,こんなもんだろう.」
E・T「いっそ,本物を命中させたかったなあ.」
パトカーのサイレンが響く中
チャンプ「気持ちはわかるけど,後は警察に任そう.よし,行こう.」

島崎はハングマンが撮影したビデオがテレビニュースで流れるのを, 病院のベッドで見た.
島崎「ありがとう.」

その頃,アロハツーリストでは.
加代子「ホント,世の中には悪い人がいるもんですねえ.そう思いません, 皆さん.」
加代子だけがテレビニュースを見ていて,チャンプ達4人はお菓子を食べていた.
チャンプ「ん?」
加代子「そう思いません?」
チャンプ「ふふん.ん?」
加代子「駄目ねえ.社会問題に全然疎いんだから.」
チャンプ「社会?」
チャンプ達4人は怪訝な顔だった.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp