チャンプはソープランドの風呂を掃除していた.
チャンプ「参ったなあ,こりゃ.」
チャンプは葉巻をくわえたが
支配人「こら.誰が休めと言った.」
くわえた葉巻を取られてしまった.
チャンプ「いや,おじさん,そんなこと言うたかて,わし,
朝から働きづめで腰がいとうていとうて.」
ソープ嬢「あんたのは働きすぎじゃないでしょう.やり過ぎだよ.」
チャンプ「やり過ぎって.」
支配人「まだ他にも部屋が残ってるんだぞ.」
チャンプ「へ.そんな殺生な.」
支配人「つべこべ言うな.サービス料の4万にはまだ足りてねえんだ.」
チャンプ「ああ,わかってまんがな.わかってまんがな.」
ソープ嬢「さっさとやるんだよ,ほら.」
チャンプはソープ嬢に尻を叩かれ,また床掃除を始めた.
チャンプ「ほんで,あのう,あと部屋いくつあります?」
支配人「12.」
チャンプ「12! かあ.大きな部屋や.」
チャンプがこき使われてるソープランド「シアルサロン ソルヴォンヌ」に.
ヌンチャクが現れた.
チャンプ「お,アキラ.持って来てくれたか.」
ヌンチャク「はい.」
ヌンチャクはチャンプに財布を渡した.途端にチャンプの態度が大きくなった.
チャンプ「よし.おい,銭払ったら文句ないやろ,銭払ったら.とっとけ.
よし,祝儀じゃ.とっとけ.」
ソープ嬢「ありがとう.」
チャンプ「いいの,いいの.」
チャンプは去ろうとしたが滑って倒れそうになってしまった.
ソープ嬢「また来てね,おじさん.」
チャンプ「来るか,こんなとこ.」
外へ出たチャンプは自分のミスを棚に上げてヌンチャクに文句を言った.
チャンプ「アホ.もっとはよう迎えにこにゃいかんやないかい.
働かされてるのに.」
ヌンチャク「大体,財布忘れてるのに,
こういうとこ行くのが間違ってるんですよ.」
チャンプ「車は急には止まれない.悲しい男の性じゃ.」
そこへ
女「助けてえ.」
女(一ノ瀬康子)が二人組の男に追いかけられているのが見えた.
女はチャンプ達を見つけると駆けより,チャンプ達の後ろに隠れた.
チャンプ「なんじゃ,お前ら.」
男「うるせえ,引っ込んでろ.」
チャンプ「ああ,わかった.お前ら無理矢理この子をトルコで働かす気やなあ.」
ちなみにこの頃はソープランドのことをトルコと呼んでいた.
男「お前らには関係ないんだよ,ひっこんでろ,こら.」
チャンプ「行け,行け,行け.」
ヌンチャクは男達を撃退.
さらにチャンプはスキンヘッドの男(大島宇三郎)の頭に葉巻を押し付けた.
男達は逃げていった.
チャンプ「しゃあないなあ.このダニが.あんたも気いつけなあかんがなあ.」
女「はい.」
チャンプ「え.ああ,うち送ってく.どこや.」
ところが
女「あたし,うちがわからないんです.」
チャンプ「迷子かいな.」
女「あたし,自分の名前も住所もわからないんです.」
これを聞いたチャンプは口をあんぐりした.
チャンプ「は? ほんまかいな.ま,ともかくこんなところはなんや.
一緒においで,ね.」
チャンプとヌンチャクは女をアロハツーリストへ連れて行くことにした.
それをさっきの男達とボスらしき男(松山照夫)も物陰から見ていた.
アロハツーリストでは
加代子「心の旅路ですかあ.昔,主人と見たことがありますわ.
心の旅路って映画.それがはじめてのデートだったんですの.
帰り道に公園で…あら,あたし何てことを.いやですわ,小出さんたら.」
何かをごまかすために加代子はチャンプをはたいた.
チャンプ「わし何も言うてしまへんがなあ.」
加代子「お茶でも入れますわね.いやあ.」
加代子は去って行った.
マリア「ねえ,どうするつもり?」
チャンプ「ああ.これも何かの縁や.
わしらの力で彼女の力を取り戻してあげようやないか.」
E・T「ああ.」
ヌンチャク「しかし,記憶を取り戻すって言っても手がかりが…」
そこでチャンプは女に聞いてみた.
チャンプ「ああ,すいませんねえ,お嬢さん.
このバッグの中身みしてもらえますか.」
女「はい.」
ハンドバッグの中には手帳,灯台をバックに写っている写真,
そして真珠の粒がいくつか入っていた.
真珠は大事そうにハンカチにくるんであった.
E・Tがマリアのイアリングについている真珠と女の持っていた真珠を比べてみた.
E・T「あ,偽物だ.」
チャンプ「偽物?」
E・T「ああ.本物そっくりに作られているが,プラスチック製だ.」
チャンプ「おもちゃか.」
ヌンチャク「そんなもん,なんで大事に持ってるんですかねえ.」
そのとき,マリアは写真を見てあることに気がついた.
マリア「この灯台,四角なの.」
E・Tは灯台の場所を調べるようヌンチャクに命じた.
チャンプ「よし,彼女はわしが面倒見よう.」
E・T「チャンプ!」
ヌンチャクもマリアもチャンプをジロっと見た.
チャンプ「なんじゃ,その目は.え.わかったよ.雨宮君,頼むよ.」
マリア「あたしのマンションに泊まってもらうわ.」
E・Tは偽真珠を当たることにした.
E・Tの調べで偽真珠は8年前に20万粒作られたものであることがわかった. ヌンチャクが海上保安庁に当たって調べた結果, 灯台の場所は三重県志摩郡阿児町にある安乗崎の灯台だとわかった. 真珠の養殖が盛んな賢島の先にある灯台だ.偽真珠と関係があるかもしれない. そこでチャンプ達は女を連れて伊勢志摩へ行くことにした. E・Tは一人東京に残って調査続行だ.
「近鉄特急ビスタカー」でチャンプ達と女は賢島へ向かった.
そして「安乗崎灯台」近くの売店で聞き込んだ結果,
女が若い男と一緒に1週間前に来たことがわかった.
だが女は何も思い出せなかった.
売店の売り子にチャンプはいろいろ聞いてみた.男と女は恋人のように見えた.
そして男は伊勢志摩を案内すると言っていた.
そこでチャンプ達は伊勢志摩を回ってみることにした.
「英虞湾」の展望台でも女は何も思い出せなかった.
「伊勢神宮(内宮)」近くの売店岩戸屋などでヌンチャクは聞き込みをしたが,
目撃情報はなし.マリアは警察で捜索願が出ているかどうか調べたが,
それらしい捜索願は何も出ていなかった.そして「浜島乗船場」で
チャンプ「あんたねえ,あの船で彼と食事を取ったそうや.船員が覚えとった.」
女「食事を?」
チャンプ「そう.船上のバーベキュー.」
そこへヌンチャクとマリアもやってきた.4人は遊覧船に乗ることにした.
女はヌンチャクとバーベキューを食べたが何も思い出せないようだ.
マリアから捜索願が出ていないことを聞いたチャンプは,
捜索願を出したくても出せない状況にあるのかもしれないと睨んでいた.
その後4人は二人が訪れたという真珠の加工場で聞き込みをした.
男は偽の真珠を持ってきて,これを捨てた覚えはないのかと聞いたのだ.
それはチャンプの持ってきた偽真珠らしかった.
チャンプは工場の主人に偽真珠を捨てた覚えがあるかどうか聞いた.
工場の主人は昔本物の真珠なら捨てたことがあると答えていた.
その頃,E・Tは偽真珠に超小型盗聴機を仕掛けていた.
そして盗聴機を仕掛けた偽真珠を持って,
ニューヨークジャーナルの記者と称して商務工業省を訪れ,
本物の真珠を海洋投棄したことがあるかどうか尋ねていた.
8年前に国内の真珠がだぶついたので,
政府が何十万粒買い付けて真珠の値下がりを防ぐために投棄したのだ.
投棄に立ち会ったのは山本課長(中井啓輔),今は部長になっている男だ.
E・Tは山本に偽真珠を渡して見覚えはないか聞いたが,
部下(中村孝雄)に促されて山本は会議と称して退席してしまった.
そしてその後,山本は偽真珠を持って誰か(松山照夫)と密会していた.
それをE・Tが盗聴し,さらに写真撮影した.
山本「なんでまた今頃になって,この偽真珠が出回ったりするんだ.」
部下「さあ.」
密会相手「いったい,どんな奴ですか.こいつを持ち込んだのは.」
密会相手は女を襲わせた男だった.
山本「ニューヨークジャーナルの特派員だと言っていたが,
トップ屋かなんかじゃないのか.」
部下「どうしたらいいんだい,小沼さん.」
小沼「二人のとこまで手が伸びましたか.」
部下「まずいよ,小沼君.速く手を打ちたまえ.
ブローカーとしての君の役目じゃないか.君は8年前,
我々に絶対ばれないと約束したじゃないか.」
小沼「金で話に乗ってきたのはどなたですかねえ.」
山本「よさないか,二人とも.」
小沼「わかりました.女は記憶が戻る前に始末します.」
山本「真珠は?」
小沼「この際,残り全部処分します.」
部下「10万粒全部かね.そんなことしてばれないかなあ.今まで通り,
少しずつ.」
小沼「事がここまで来てるんですよ.叩き売って外国へでも飛びましょう.」
部下「外国へ逃げるったって我々は商工省の役人だよ.
そんな馬鹿なことできるわけないじゃないか.」
小沼「役人はこうなると不便なもんですなあ.」
山本「とにかく,早く何とかしないと大変なことになる.」
小沼「わかりました.女も真珠も速く処分します.」
小沼は偽真珠をトイレに流してしまった.
盗聴機につけていたヘッドホンから大きな音がしたので,
E・Tはヘッドホンを耳から外した.
次の日.園山は「東京副都心(新宿)」のグランドで少年野球の審判をしていた.
物凄く大袈裟な動きで
園山「ストラー」
E・T「イク!」
園山はE・Tと目が合ってしまったのだ.
園山「おーい,なんだ,なんだ,この忙しいときに.」
E・T「いやあ,園山さん,ちょっと.」
園山「ん?」
E・Tは懐から写真を取り出した.
E・T「これを見てくださいよ.」
園山は写真を見た.
E・T「山本,池田,そして解散した黒龍会の会長の小沼です.小沼は解散した後,
鳥羽に引き込んで宝石店をやっているんですが,
それは表向きだけでとかく噂のある男です.
偽真珠の買い付けに来たのも小沼です.
工場の主人に写真を見せて確認しました.」
園山「この3人がプラスチックと真珠をすり替えたというのかね.」
E・T「ええ.話の様子では真珠の値上がりを待って,
5年前から年間2万粒ずつ密輸出していたそうです.」
園山「外国向けの真珠となると一粒…」
E・T「10万は下りません.」
園山「安く見積もっても年間2億だなあ.」
E・Tはうなずいた.
園山「それで,報酬はいくら欲しいんだね?」
E・T「500万.」
園山「500! 君ねえ,こりゃ君達が持ち込んできた事件じゃないか.」
E・T「いろいろと出張費もかかるんで.」
園山「私のジャッジじゃ400万だ.」
E・T「400万! いや,そりゃミスジャッジですよ.」
しかし園山はE・Tの抗議を受け付けなかった.
園山「こら.審判を侮辱する気か.退場処分にするぞ.」
E・T「きついな.」
園山はボールを入れておく腰袋から封筒を取り出した.
園山「400万.」
園山はさらに野球のボールを一つ取り出した.
園山「ほら,これはおまけだ.」
その頃伊勢志摩では,ホテル戸田家のレストランで太鼓を見た女が,
何かを思い出していた.これはしろんご太鼓に使う太鼓だった.
しろんご祭りという伊勢志摩の海女さんをテーマにした勇壮な太鼓が,
しろんご太鼓なのだ.夕方になり,
チャンプはE・Tから仕事になったという連絡を受けた.
チャンプは女に声をかけた.
チャンプ「どう,京子ちゃん,いい景色でしょう.」
ちょっと待て.チャンプはいつ女の名前を知ったんだ?
それはともかく,女の様子が変だ.
チャンプ「どうかしたのかい? 何か思い出したんだね.」
女「海が.」
チャンプ「海?」
女「海.」
チャンプ「海がどうした.」
マリア「何かが頭に浮かぶのね.」
女「太陽.」
チャンプ達は女に頭に浮かんだ景色を描かせた.
女「太陽が昇ってくる.」
女は岩が浮かぶ海辺から日が昇る絵を描いた.
チャンプ「海と太陽か.何かのポスターみたいやな.」
ホテルの支配人(轟謙司)にマリアとヌンチャクは絵を見せた.支配人は,
これはポスターではなく,着物の柄ではないかと答えた.
支配人はしろんご太鼓の衣装の着物を見せた.
着物の柄はおおなの描いた絵とそっくりだった.支配人は女とは初対面だという.
しかし,しろんご太鼓の打ち手の杉本と言う男は東京へ行くと言って,
3日前から休んでいたことがわかった.早速チャンプは杉本のアパートへ行った.
杉本の部屋にはスキューバダイビングの道具があった.
支配人の話では杉本の唯一の趣味だと言う.そしてチャンプは,
杉本と女がスキューバダイビングの格好をして二人で写っている写真を見つけた.
裏を見ると「S. 58.6.24 白浜海岸にて 京子と」と書かれていた.
チャンプ「来てご覧.京子.
君の名前は京子と言う名前だ.」
チャンプは自分がさっき女を「京子ちゃん」と呼んだことを忘れて(?)喋った.
これは脚本家か監督か山城さんのチョンボだろう.
バラ撮りしたので混乱したに違いない.それはともかく,女は写真をじっと見た.
さらに
マリア「チャンプ,この手紙全て差出人は相沢京子さんになってるわ.」
チャンプ「相沢京子.君が出した手紙や.君の名前は相沢京子や.」
住所は「〒160 東京都新宿区西新宿 1-14-2」だった.
女「あいざわきょうこ.」
ヌンチャク「良かったじゃないか,名前がわかって.」
チャンプ「住所はねえ,東京の新宿だ.何か思い出さんか?」
だが女は左右に首を振るばかりだった.チャンプ達はホテルに戻った.
相沢京子は1年程前に杉本とスキューバダイビングを通じて知り合い,
1週間ばかり前に鳥羽に遊びに来たのだ.相沢京子と杉本は恋人同士.
結婚の約束もしていた.以上のことが手紙でわかった.
京子「私,婚約した人までいるのに,私,何にも思い出せないなんて.
あたし,自分が情けない.」
泣く京子をマリアが慰めた.
マリア「京子ちゃん.そんなに自分を責めるもんじゃないわ.」
翌朝.相沢京子はホテルを出てどこかへ行ってしまった.
チャンプ達はホテルの従業員と協力して京子を探すことにした.
そして京子は白浜海岸へ向かったことがわかった.
白浜海岸で京子は,ソープ街で京子を襲った男達に襲われた.
スキンヘッドの男が京子を追いかけ,別の男が車で京子を追いかけた.
絶体絶命のピンチだ.そこへヌンチャクが駆けつけ,京子を助けた.
スキンヘッドの男はヌンチャクと格闘を繰り広げていたが,
口封じのために仲間に轢き殺されてしまった.だがスキンヘッドの男の証言で,
杉本が殺されて荒島の浜に埋められたことがわかった.
チャンプはヌンチャクに荒島の浜を掘らせた.
すると黒焦げになった杉本の死体が見つかった.
チャンプ「ガソリンかけて焼きやがった.」
ヌンチャク「ひでえことしやがるなあ.」
駆け寄ろうとした京子をチャンプが止めた.
チャンプ「見るな.見ちゃいかん.」
京子「杉本さんですね.杉本さんなんですね.」
チャンプ「来るな.来ちゃいかん.」
京子「杉本さーん,杉本さーん.」
チャンプ「京子ちゃん.」
チャンプの必死の説得で京子は我に返った.
京子「なぜ,なぜあの人は殺されたんですか.小出さん,教えてください.
なぜあの人は殺されたんですか.」
チャンプ「京子ちゃん.正直言ってわしにもようわからん.
ただ一ついえることは君は彼氏が殺される現場を見たんだ.
それでそのショックで記憶を失ったんだ.」
京子「でも,あたし何にも思い出せないんです.」
京子は泣いてチャンプに抱きついた.
泣く京子をチャンプは一生懸命慰めるのであった.
「近鉄 鳥羽駅」にE・Tがやってきた.偶然にも,山本,
池田,小沼の三人も同じ列車で鳥羽にやって来た.
E・Tはヌンチャクに三人を尾行させた.
だが三人は港からモーターボートに乗ってどこかへ行ってしまった.
仕方がないのでE・Tはモーターボートで探し,
ヌンチャクは港を当たることにした.しかし三人は見つからなかった.
そこでE・Tは京子の記憶を取り戻させるため,しろんご太鼓を見せることにした.
チャンプ「なんぞ思い出したか.」
京子「頭が,頭が痛い.痛い.」
チャンプ「辛抱しい.そして,そしてよーく見るんだ.」
E・Tも太鼓をたたき出した.そして太鼓の調べが最高潮に達した頃,
京子「やめて.みのるさーん.」
京子は記憶を取り戻し,倒れてしまった.落ち着いた京子は全てを話した.
杉本みのるはスキューバダイビングをしているときに,
プラスチックの真珠を拾った.それで杉本は調べ始めた.
プラスチックの真珠は大里の沖,
すなわち8年前に真珠を海洋投棄した場所から流れてきたことがわかった.
そこで杉本は当時のことをいろいろ調べた.海洋投棄の前日,
20万粒の真珠は全て組合に集められ,
その夜残っていたのは当時課長だった山本と係長の池田,そして
深夜小沼の車が組合から出て行ったこともわかった.
つまり彼らは本物と偽物をすりかえてどこかに隠したに違いない.
商務工業省の二人を探ってみるといいと杉本は言い,
京子と荒島の海岸で待ち合わせることにした.そのとき,
杉本が殺される現場を京子は見てしまった.杉本は殴り倒された後,
ガソリンを掛けられた上に火をつけられ,
火達磨になって苦しんで死んでしまった.
そのショックで京子は何もわからないまま切符の行き先の東京へ向かい,
チャンプとヌンチャクに出会ったというわけだ.
杉本は本物の真珠の隠し場所の目星もつけていた.
その場所を聞き出したハングマンはハンギングに出動した.
京子はチャンプが残したメモを読んだ.
チャンプの声「京子さん あなたの最愛の人を奪った犯人に天罰が下ります.
今日10時,遊覧船に乗ってください.」
真珠の隠し場所で箱を引き揚げた山本達は,
箱の中身が真珠ではなくて石だったことに気がつき,驚いた.
そこへE・T達が現れた.ちなみにヌンチャクとマリアは水着姿だ.
E・T「小沼.真珠は我々が預かった.」
小沼「誰だ,お前達は.」
ヌンチャク「小沼,海の中の祠とはうまいところに目をつけたなあ.」
チャンプ「しかもだ.この海岸は古くからの言い伝えで,
海に潜っちゃいけないことになってるらしいな.
素朴な信仰心を利用した悪党らしい考えだ.」
それを聞いた山本達はハングマンに襲い掛かったが,
ハングマンの敵ではなかった.それにしてもマリアに負けた小沼は弱すぎるぞ.
さて遊覧船につながれたいかだに,
悪党達4人が全裸に赤褌だけの格好で乗せられていた.
いかだの下にはゴムチューブがついていた.
そのゴムチューブに入った空気でかろうじていかだが浮いているのだ.
E・T「さあ,この美しい海に向かって,
自分達の悪事をあらいざらいぶちまけるんだなあ.」
山本「知らん.私は何も知らん.」
マリアが海に飛び込んだ.ヌンチャクも海に飛び込んだ.
マリアはE・Tから銛を受け取った.
マリア「あれ何かしら?」
鮫の背びれらしきものが見える.悪党達は後ずさりした.
マリア「ここの鮫はことの他人間が好きなんですって.」
そういうマリアも危ないんじゃないのか?
しかし悪党はそんなことを考える余裕はなく恐怖の表情.
E・T「マリア,作戦開始.」
マリア「了解.」
山本「何すんだ.」
マリアはいかだについていたゴムチューブを銛で突いてパンクさせていった.
山本「ああ.」
いかだは沈んで行った.悪党はいかだに足枷でつながれていたのだ.
E・T「どうだ.まだ喋る気にならないか.」
山本「知らん.俺は何も知らん.」
山本がいかだの柱によりかかったので柱は池田の方に倒れてしまった.
悪党達は助けてくれえと叫んだが
チャンプ「いいえ,助けません.お前ら,海の底に潜って,
真珠によう謝っとき.」
マリアは船に戻った.悪党達の脇を鮫の背びれらしきものが回遊する.
山本「助けてくれえ.助けてえ.」
実は鮫の背びれは模型.ヌンチャクが背中につけて泳いでいただけだった.
ヌンチャクが船に戻った頃にはいかだは海に沈んでしまい,
悪党達は海面を一生懸命泳いでいた.
山本「おーい,何もかも喋ってやるから助けてくれよ.」
小沼「何だって喋ってやるよー.」
山本「ごめんなさーい.」
その様子を京子も船上から見ていた.
小沼「杉本殺したのは俺達だ.杉本は俺達のことを知りすぎた.だから殺した.」
部下「俺も殺した.」
山本「8年前に海に捨てたのは偽真珠だあ.」
池田「本物の真珠は俺達が猫糞して金儲けしたんだあ.」
山本「ごめんなさーい.」
遊覧船の客が馬鹿野郎と叫ぶ中,水上警察の船が悪党のところへ走った.
こうしてハングマンは真珠密売組織を叩き潰したのであった.
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