第七回

覚醒剤密売組織の悪事を暴く.
激突!!ハングマンVSテレビゲーム

脚本:中村勝行 監督:帯盛迪彦
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フラッシュとスポット,また罠にはめられる

銀竜会の一味は覚醒剤を運ぶため,車を飛ばした. だがスピード違反でパトカーに追いかけられてしまった. 仕方なく銀竜会の一味は警官を射殺し,逃走した.

この記事を見たフラッシュとスポットは怪しいと睨んだ. フラッシュは覚醒剤を運んでいた車ではないかと気がつき, ゴッドに確認するため,コンピュータで通信.だが画面が乱れた.
フラッシュ「おかしいなあ.」
なんとか資料が出力された.
フラッシュ「警官射殺事件に関する情報. 捜査当局は犯人割り出しに全力をあげているが, 今のところ有力な手がかりはない.なお,当方で独自に入手した情報によると, 犯人の車は山梨県竜王町のスクラップ工場で既に処分された疑いがある. 至急調査せよ.」

早速フラッシュとスポットは問題のスクラップ工場へ向かった. 誰もいないようなので中に潜入した.コンピュータゲームの画面が挿入される. 二人は二手に分かれて行動した.そのとき, スポットの頭上にスクラップの車が迫ってきた. コンピュータゲームの画面にも怪獣が登場した. フラッシュはスポットのところへ向かおうとしたが,拳銃で威嚇された. スポットはクレーン車に追い詰められていった.スポット絶体絶命の危機. フラッシュは何とか工場の中に潜入し,クレーン車に飛び乗った. なんとクレーン車は無人だった.フラッシュはクレーン車を操作し, スポット救出に成功.コンピュータゲームの画面でも怪獣が消滅した.

アイリス「やったあ.」
その頃,アイリスはゲームセンターでコンピューターゲームに熱中していた. 3面まで来たのだ.

清志死亡

一方,日下部探偵事務所に清志が独りでいた.そのとき, ゴッドから通信が入った.清志はマイトの自動車電話に電話を入れた.
清志「たった今ゴッドから情報が入りました.」
マイト「そんなものはほっとけ.」
清志「一味のアジトがわかったんです.」
マイト「府中の砂利置場?」
清志「俺,探りに行って来ます.」
しばらく考えた後,マイトは言った.
マイト「清志,勝手に動くんじゃねえぞ.」
だが
マイト「聞いてるのか,清志.」
電話は切れてしまった.
マイト「あの野郎.」
清志はマイトの命令を無視し,独りで砂利置場へ行った. コンピュータゲームの画面が挿入された.砂利置場へ急ぐマイト. 砂利置場の中を走る清志.コンピューターゲームの画面が挿入される. 清志はプレハブ小屋を発見.コンピュータゲームの画面では, 人が小屋の中に入った途端,小屋が爆発. そしてその通りに清志がプレハブ小屋の中に入った途端, プレハブ小屋は爆発した.マイトが駆けつけた時,プレハブ小屋は崩れ, 燃えていた.
マイト「清志.清志.」
だが返事はなかった.
マイト「清志…馬鹿野郎.死に急ぎやがって.馬鹿野郎.」
マイトは怒りに燃え,叫ぶのであった.

怒り狂ったマイトはS.S.C.に乗り込んだ.
マイト「フラッシュ,お前のコンピュータ,がせネタをつかまされてるぜ.」
フラッシュは怪訝な顔だったが
マイト「ちきしょう,ぶっ壊してやる.」
マイトはコンピュータに飛び掛った.慌ててフラッシュがマイトを取り押さえた.
マイト「俺たちゃ,こいつに振り回されてるんだよ.」
フラッシュ「マイト,落ち着け.一体何があったんだよ.」
マイト「俺の部下がまた一人殺されたんだ.」
驚くフラッシュ.
フラッシュ「何だって.」
マイト「こいつにがせネタをつかまされたお陰でな.」
フラッシュ「まさか.」
スポット「そんな筈はありませんよ. このコンピュータはゴッドと直結してるんです.間違ってもそんなあ.」
マイト「じゃあ,ゴッドががせネタをつかまされてたんだ.」
スポット「そんな馬鹿な.」
これが火に油を注いだ.
マイト「おい.おい,この若いの!」
マイトはスポットにつかみかかった.
マイト「俺の部下はなあ,ゴッドの情報信じて敵の罠にはまったんだ. 爆弾で吹っ飛ばされて,ボロボロになって死んじまったんだよ! え.」
フラッシュ「マイト,離してやれよ.」
フラッシュはマイトをスポットから引き離した.
フラッシュ「確かになあ,あんたの言う通り,最近, このコンピュータの情報はおかしい.もしかしたら, 敵が何か情報を操作してるのかもしれんし, コンピュータ自体に問題があるのかもしれん.調べてみるよ.徹底的にな.」

マイトのマンションにいたけいこは電話がかかってきたのを聞き,ピンと来た. 留守番電話に何か入っているかもしれない.けいこは自室へ戻ったが, 銀竜会の連中に捕まってしまった.

その晩,自室へ戻ったマイトは残されていたメモから, けいこが自室へ戻ったことを知った.そこへ電話がかかってきた. 電話は銀竜会の組長からの者だった.けいこを預かっているので, 取引しろと言うのだ.

その頃,フラッシュとスポットはS.S.C.でコンピュータを徹底的に調べていた. そこへマイトがやってきた.マイトはけいこを人質にし, 覚醒剤を運べと要求されたことを伝えた.そして翌日, 熱川へ行くことを要求されていた.フラッシュは罠だと警告したが, マイトも先刻承知の上だった.自分が囮になり,罠を逆手に取るつもりだったのだ. ちなみに指定された場所(つまり撮影のタイアップ先)は,ホテルカターラ福島屋. フラッシュ達は先に乗り込んで待つことにした.

マイト危機一髪

マイトが熱川へ向かっている頃, フラッシュとスポットは先に来て到着を待っていた. アイリスはコネ等を使って仲居として潜入.マイトは805号室, フラッシュとスポットは820号室に泊まった. そしてマイトの部屋に連絡が入った.海岸の土手にワゴンが止まっているので, それを運転して今すぐ運べと言うのだ. マイトはフラッシュ達にそのことを伝えた. エレベータの中でマイトはフラッシュ達から,例の腕時計を受け取り,出発. 海岸の土手からワゴンに乗り込んだ. 中にはアタッシュケースが縛り付けられていた. そしてマイトはワゴンを発進させ,伊豆スカイラインへと向かった. 後をフラッシュ達のワゴンが追いかける. そしてコンピュータゲームの画面が挿入された. マイトはしばらく快調に運転していたが,突如,様子がおかしくなった. ワゴンは「この先 工事中 迂回せよ」の看板を突破し,そのまま進んだ.
フラッシュ「マイト,どうした?」
マイト「ハンドルが利かねえんだよ.」
フラッシュ「車停めろ.」
マイト「ブレーキも利かない.」
フラッシュ「車から飛び降りろ.」
マイト「ドアが開かないんだ.ロックされてるんだ,ロック.」
ワゴンは暴走を始めた.コンピュータゲームの画面が挿入された.
フラッシュ「スポット,運転代わってくれ.オートドライブに切り替える.」
フラッシュはマイトの乗るワゴンに乗り移った.そして, 屋根をバーナーで焼き切って穴を開け,中に入った.
フラッシュ「マイト,どうした.」
マイト「その箱だ,その箱.」
フラッシュ「箱?」
フラッシュはアタッシュケースを開けた.
フラッシュ「コンピュータだ.」
マイト「え?」
フラッシュ「この車はコンピュータでコントロールされてるんだ.」
マイト「そんな馬鹿な.おい,速くそいつ壊してくれよ.」
フラッシュ「おい,ちょっと待て.」
マイト「何してんだ.そいつぶっ壊してくれよ.」
フラッシュ「そうはいかん.」
マイト「え?」
フラッシュ「このコンピュータには起爆装置がついている.」
マイト「起爆装置?」
フラッシュはコンピュータのプログラムを解析. 何とか装置を停止させることに成功したが,起爆装置が動き始めた. フラッシュはアタッシュケースを外し,外へ放り投げた. 間一髪,マイトは助かった.
マイト「いやあ,命拾いしたぜえ.それにしても,手の込んだこと,しやがる.」
フラッシュ「マイト,どうやら敵の正体が見えてきたぜ.」
マイト「あ?」
フラッシュ「これだけの仕掛けができるのはコンピュータのプロに違いない.」
マイト「それにしてもどうやって割り出す?」
フラッシュ「コンピュータにはコンピュータさ.」

罠のからくり判明

フラッシュはゴッドのコンピュータから異常信号を探り出した.
フラッシュ「これだ.マイト,わかったぞ.がせネタを流したのは, ハッカーの仕業だ.」
マイト「ハッカー?」
フラッシュ「何者かが電話回線を使って,このコンピュータに侵入したんだ.」
スポット「できるんですか,そんなこと?」
フラッシュ「パスワードを解読すればできる.」
マイト「じゃあ,逆にこっちからそいつを突き止めることもできるわけだ.」
フラッシュ「ちょっと時間はかかるが,できないことはないなあ.」
フラッシュは解析を始めた.そして侵入者の電話番号がでた.住所も判明.
マイト「よーし,早速ハンギングだ.」

侵入者の正体は冒頭でスポット達がモデルに使った小学生達だった. 小学生達は五十嵐の事務所で電話回線を使って悪戯をしてみたら, 偶然,ゴッドのコンピュータのパスワードが解けてしまったのだ. ゴッドのコンピュータと交信しているうちに「ゴッドとかいう妙な名前」が出た. そしてディスプレイに何かの指令のようなものが出た.そのとき, 五十嵐が戻ってきた.五十嵐は小学生にお金をあげ, ゴッドのコンピュータに偽の情報を流すように依頼した. そしてマンションを借り,小学生達が使えるコンピュータを移したと言う訳だ.
フラッシュ「よーし,わかった. 熱川で車にコンピュータの自動操縦装置をつけたのも,その五十嵐ってわけか.」
マイト「なるほど.黒幕はそいつか.」

その話を聞いたアイリスは小学生が犯人だったと思い,驚いた. だが小学生達は五十嵐に利用されていただけ.五十嵐は銀竜会の顧問弁護士. 覚醒剤密造組織も銀竜会というわけだ.
フラッシュ「これで決まりだなあ.」
マイト「早速ハンギングだなあ.」
フラッシュ「Say Cheese!」
3人がサムアップするのを見て
マイト「なんだ,そりゃ.」
フラッシュ「俺達のパスワードだ.」
マイト「ああ,写真屋さんのサインって訳か.俺も入れてくれ.」
というわけで
アイリス「じゃあ,もう一度.」
フラッシュ「Say Cheese!」
マイト「チーズ.」
マイトは両手をサムアップ.

ハンギング

事務所に戻って来た五十嵐は自席の椅子が後ろ向きになり, 紫煙が上がっているのを見て驚いた.
五十嵐「誰だ?」
マイト「(物凄い早口で)誰だっていう言い方はないでしょう. 人様に物を尋ねる時は, お宅様はどちら様でしょうかって聞くのが当たり前じゃないかな?」
そのままマイトは椅子を回転させた.マイトはサングラスをし, 葉巻を手に持っていた.
五十嵐「なんだ,貴様は?」
マイト「お化けだよ.」
五十嵐「何?」
マイト「伊豆スカイラインで殺された,しがない探偵の幽霊さ.」
五十嵐「まさか.」
五十嵐はマイトに倒された.

日本刀を素振りする組長のところに電話が入った. 五十嵐はダイナマイトで脅され, 組長を呼び出すための電話をかけさせられたのだ. そして組長は雑魚ともどもフラッシュとスポットに倒された. さらに原田兄妹も密造工場に乗り込んだフラッシュ,スポット, そしてマイトによって救出された.

早速「寿司元」に電話がかかってきた.
高田「はい,寿司元.あ,愛ちゃん? いやあ,待ってたのよー. ああ.ここんとこさあ,いや全然ねえ,声掛けてくれないからさあ. いや,忘れられちゃったのかと思ってさあ.うん.それじゃあ,ホントに, いや,夜も眠れないよ.え,何,え,仕事? おう,おう,わかりました, わかりましたよー.愛ちゃんのためなら,えーんやこらー,だねえ. ほんじゃ,すぐに.はい.」

野原の真中で悪党達は柱に縛り付けられていた.穴の中から縫い包みを着て, さらにその上に囚人服を着せられたモルモット小父さんが登場した. 「運命」が響く中
フラッシュ「これから,お前達同様, 悪の限りを尽くした男に制裁が加えられる.」
司祭に扮装したマイトが登場.
マイト「汝,只今より,神の生贄にならん.」
マイトは十字を切った.
モルモット小父さん「な,なんだよ,お前.」
マイトは弓に矢をつがえながら言った.
マイト「私は死の執行人.神の僕である.汝の悪行を徹底的に暴き出して…」
マイトは弓を構え,狙いを定めた.
マイト「汝の後方に4つの穴が掘られている.その穴に逃げ込めば, 矢の洗礼から逃れることができる.」
モルモット小父さん「お!」
マイト「ただし穴に10秒間入っていると,自動的に爆発する仕掛けになっている. つまり,穴から穴へ逃げなければならない.名づけてシェイシェイケン. 成功を祈る.アーメン.」
と言った途端にマイトは矢を打ち,モルモット小父さんの額に矢が命中. 逃げ回るモルモット小父さん.穴から穴へ移る内に,全身矢が刺さり, 顔のすぐそばにも矢が刺さった.そして
マイト「ダイナマイトだよーん.」
ぶっとい矢に「ダイナマイト」がつけられ,モルモット小父さんに命中. 導火線が燃えるのを見て悲鳴をあげるモルモット小父さん. そして爆発し,モルモット小父さんは煙の中に消えた.
マイト「アーメン.」
マイトも消えた.
フラッシュ「さあ,次はお前達の番だ.」
悪党達の柱にダイナマイト付の矢が打ち込まれた.
フラッシュ「導火線が燃え尽き,お前達の命を縮めるか, 自分達の悪行を全て自白するか,お前達に残されてる道は二つに一つだ.」
五十嵐「ちょっと待ってくれえ.待ってくれよー.」
部下「喋る.喋るから助けてくれ.」
組長「寺岡,何も言うな.喋るんじゃねえ,馬鹿もん.」
それを聞き
フラッシュ「よーし,着火するぞ.」
導火線に火がついた.
五十嵐「覚醒剤を売ったのは俺達だ.」
組長「黙れ.」
フラッシュ「カメラスタンバイ.」
カメラが用意され,テープレコーダーが回る.
寺岡「医学部の学生,殺したのは俺だあ.」
五十嵐「俺達は何にもしておりません.組長の相談に乗っただけなんですよー.」
組長「しぇんしぇー,そりゃきたねえぜ. 俺達はあんたの指図で動いただけじゃねえか.」
そして悪党達は警察に引き渡された. 新聞は「覚醒剤密造組織 摘発さる」「暴力団の資金稼ぎ」 「有名弁護士が関与」と報じた.

事件解決して

ホテルカターラ福島屋でモルモット小父さんはヒーヒー言っていた.
モルモット小父さん「ちょっと酷いよー. リハーサルの時と全然話が違うんだからさあ. 鉄板だから大丈夫だっていうけどさあ,本番になったらトタン板じゃないのよ.」
アイリス「予算がないからじゃないの?」
モルモット小父さんは予算と自分の命とどちらが大事かと文句を言った.
アイリス「当然.」
モルモット小父さん「でしょう.でしょう.」
アイリス「予算の方が大事よ.」
モルモット小父さんは痛みがますのであった.
アイリス「いいじゃないのよー.熱川温泉,招待させてあげたんだからさあ.」
モルモット小父さんはお風呂に入ることを要求した. アイリスは目隠しするならいい,と言った.

その頃,フラッシュ達はS.S.C.でギャラを分けていた.
フラッシュ「今回は一人頭150万だ.」
スポット「へえ.だいぶはずんでくれたじゃないですか.」
フラッシュ「ああ.ゴッドに感謝しろ.マイト,あんたは300万だ.」
マイト「うん.」
フラッシュ「一番犠牲を払ったのはあんただからな.」
マイト「まあ金には代えられないが, 死んだスタッフの供養代として頂いとくよ.」
アイリスの分は後でフラッシュが届けることになっていた.
フラッシュ「マイト,これからどうする?」
マイトの答えは
マイト「そうだな.まあ,ドライマテーニでも飲みながらゆっくり考えるよ. 縁があったらまた会おう.See you again!」
マイトはフラッシュと握手した.
マイト「ちゃお.」
そしてマイトは出て行った.

そしてフラッシュとスポットは熱川温泉へ向かった. マイトは芝浦で車を走らせていた. モルモット小父さんは「あーいちゃん」と叫びながら, 女の人に飛びかかり,痴漢と間違えられて殴られた. スポットは写真を撮っている最中,アイリスにつきまとわれ,逃げ回った. フラッシュはプールで泳ぐのであった.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp