第一回

政治家の贈収賄のからくりを暴く.
ラジコンヘリで爆撃処刑せよ!

脚本:中村勝行 監督:西村潔
放送日:1987年2月20日

今週のリハーサル

ここは野原の真中.助監督の松井昇さんがラジコンのヘリを持って来た. 囚人服を着た稲川淳二さんに向かって西村潔監督が言う.
西村監督「このヘリをさ,稲川さんの頭にどーんと落ちるように…」
稲川さんが,それでは死んでしまう,と文句を言ったので
西村監督「じゃあ,しょうがない.このね, ロケット砲を稲川さんにどんどん,どんどん,ぶっ放して.」
助監督「わかりました.」
西村監督「それで行こう.」
稲川さんは銃弾の中を這い回る羽目になった.

矢吹良介登場

外国から帰ってきた矢吹良介が成田空港に降り立った. フォトジャーナル社の高井が矢吹を出迎え,車で送った. 矢吹は戦場からの取材から帰ってきたばかり.銃弾の飛び交う中, 戦場写真を撮って来たのだ.矢吹は高井にネガを渡し,自宅へ戻った. 矢吹はシャワーを浴び,ベッドに入り,眠るのであった.

本庄剣次郎登場

その頃,中年のカメラマン本庄剣次郎が女のモデルを相手に写真を撮っていた.
本庄「ダメ,ダメ.ほら.もっとケツあげて,ケツ.」
モデル「やーね,先生.ケツだなんて下品なこと言って. そんな言い方しなくたって,ヒップとかボトムとか, いくらだって言い方があるじゃん.」
本庄「横文字使えば上品ってわけでもないだろう.」
モデル「そうよね.所詮はビニ本のカメラマンですもん. 品も知性も関係ないわよね,先生には.」
モデルは上半身裸になってそう言った.
本庄「アホか.こいつはな,みすぎよすぎのアルバイトなんだよ.」
今度は泡風呂に入りながらモデルが言った.
モデル「ねえ,先生.終わったら御飯,ご馳走してくれる?」
本庄「しっかりしてるね,お前さんも.モデル料,たっぷり取ってるんだろう.」
モデル「あーら.ビニ本のモデル料なんてホテトル代に比べたら馬鹿安よ.」
意外なことをモデルが言ったので本庄は聞いた.
本庄「えー.大体,お前さん,なんだい,ホテトルやったことあるのか?」
モデル「うーん.でもねえ,やっぱ,体売るのって無粋のよね.そりゃ, お金にはなるけどさあ.何か自分が寂しくなっちゃってねえ.」
本庄「で,やめたのか?」
モデル「そう.」
本庄「気に入った,気に入った.今日びの女の子にしては殊勝な心がけだ.」
モデル「別に.それほどのことでもないけどさ.」

ハングマン組織結成指令

さて矢吹はコンピュータの通信音で目が覚めた. 受信してみると"GOD"という文字が表示された.
矢吹「ゴッド.」
それはゴッドからの緊急連絡だった.
ゴッド「早速仕事に取り掛かってもらいたい.」
矢吹「仕事?」
ゴッド「君がリーダーになってハングマンを結成する. スタッフの人選は一任する. アジト及び組織の活動費に関しては後日また連絡する.以上.」
コンピュータの画面に"GOOD LUCK! OVER. "と表示され,指令は終わった. 矢吹は「東京写真専門学校 24期生写真」と書かれたアルバムを見た. そして本庄剣次郎に目をつけた.

本庄,ハングマン加入を断る.

撮影終了後,六本木のファーストフード店で本庄とモデルは食事をしていた. 若い女の子ばかりというのも気に入ったという本庄に
モデル「ねえ,先生ってロリコン趣味があるんじゃない?」
本庄「ロリコン?」
モデルはうなずいた.
モデル「だって先生の歳に比べたら私達なんて子供みたいなもんじゃない.」
本庄「歳なんて関係ないね.興味は心理学の問題だからな.」

食事終了後,店を出たモデルと本庄は別れた.モデルが本庄と別れた途端, モデルは3人組の男に襲われた.ピンと来た本庄が戻ってきて,3人組を撃退. 3人組はどうやらホテトルの組織の連中らしかった.

モデルと別れた本庄に矢吹が声をかけた.
矢吹「剣さん.」
本庄「矢吹じゃねえか.」
矢吹「相変わらずだなあ,腕っ節のほうも.」
本庄「なんだ,お前.見てたのか.」
矢吹「ちょっと話があるんだ.」

矢吹はバーで本庄にハングマン加入を持ちかけた.
本庄「ハングマン?」
矢吹「ビニ本のキャメラマンよりは金になる.」
あまりにも突飛な申し出なので本庄は聞いた.
本庄「しかし,お前,なぜそんな仕事を?」
矢吹は答えなかった.
本庄「言えんのか?」
矢吹「裏の世界にはそれなりの掟ってものがあるからねえ.」
本庄「意外な話だ.日本のロバート・キャパと呼ばれたお前にも, もう一つ裏の顔があったとはな.」
矢吹「それより,剣さん,返事を.」
本庄の返事は
本庄「断る.俺の唯一の欠点はなあ,欲のねえとこだよ. ビニ本のキャメラマンでも飯は食っていけるし,それに今更やばい橋渡るほど, 若くねえよ.」
矢吹は無言だ.
本庄「今の話は聞かなかったことにするぜ.」
本庄はビニ本を置き,立ち上がった.
本庄「俺の最新作だ.記念に持ってけ.」
さらにコートを着ながら
本庄「あ,そうだ.去年写真学校を卒業した草間哲平って男がいただろう. そいつは仲間と一緒になあ,写真展開くそうだ.」
本庄はその切符をコートのポケットから出した.
本庄「暇があったら行ってやれよ.」
矢吹「ふーん.」
矢吹は切符を手にとった.
本庄「今夜は御馳走になるぜ.」

草間哲平,そして立花愛登場

翌朝.草間哲平という若者が神社の境内で袴姿になり,棒術の稽古をしていた. そこへ拍手をしながら中年の女性,立花愛が登場.
愛「格好いい.何やらしても絵になるわね.」
草間「なんだ,あんたか.」
愛「ご挨拶ね.なんだはないでしょ,なんだは.」
草間は愛の言葉を無視し,箒を渡した.
草間「はい.」
草間は箒ではき始めた.
愛「哲平ちゃん,マジに考えてよ.あなたならうちの妹にピッタリ. お似合いの夫婦になると思うんだけど.」
愛も箒ではきながら言った.
草間「そんなことより,手伝ってよ.」
なおも愛は妹のことを紹介しつづけたが,草間は柳に風の状態だった.

ここは新宿のビル街.「新鋭写真家 ふたり展 草間哲平 田代一平 TOKIO 24HOURES」と題した写真展が屋外で開かれていた.そこへ矢吹が足を運んだ.
草間「ああ,矢吹さん.」
矢吹「哲平.久しぶりだなあ.」
草間「いつお帰りになったんですか?」
矢吹「昨日だ.」
草間「そうですか.」
草間はもう一人のカメラマンを紹介した.
草間「あ,紹介します.相棒の田代です.」
田代「はじめまして.」
矢吹「矢吹です.」
写真展は盛況だった.そのとき,会場の一角に置いてあった紙袋が爆発. 写真が燃えてしまった.警察が実況見分している最中
矢吹「哲平,ちょっと.」
矢吹は爆発した場所に紙袋が置かれていたことを話した. だが草間は気がついていなかった. どうやら仕掛けてから時間はあまり経っていなかったようだ.
草間「しかし,誰が.」
矢吹「一つだけはっきりしてるのは, 人を殺すのが目的ではなかったってことだ.」
草間「え?」
矢吹「爆発直後にガソリンの臭いがしてたからなあ. おそらくあの時限装置は会場に放火するのが狙いだったんだろう.」
田代「放火?」
矢吹「悪質な悪戯か, あるいはお前達の誰かに恨みを持つものが嫌がらせの為にやったか.」
二人に心当たりはなかった.矢吹は身辺に気をつけるように言った. その言葉は的中し,その晩,田代は車に跳ねられて死亡した.

翌朝.新聞記事で田代の死を知った矢吹は草間の家へ電話をした.だが
留守番電話の声「はい,草間です.ただいま取材でお台場公園へ行っております. ブザーが鳴ったら御用件を仰ってください.」
矢吹は電話を切ってお台場へ直行した.

お台場の公園で写真を撮っていた草間は怖いお兄さん達に襲われた. 草間も善戦したが多勢に無勢で劣勢だ.そこへ矢吹が乱入し,形勢は逆転. 草間は棒術で敵を倒し,矢吹も格闘術で敵を倒していった. 最後は昔園山がチャンプに最後通告をした桟橋で敵を海に叩き落した. 矢吹は田代が殺されたことを草間に伝えた.しかし,矢吹は腑に落ちなかった. 田代と草間を殺すのが目的なら,会場に本物の爆弾を仕掛け, 二人一緒にぶっ飛ばせばよいはずだ.とここまで話して矢吹はピンと来た.
矢吹「哲平,ひょっとしたら, あの放火装置は写真を燃やすのが狙いだったのかもしれんなあ.」
草間「写真?」
矢吹「燃えた写真は誰の作品だった?」
草間「俺のです.」
矢吹「ネガは?」

矢吹と草間は草間の家へ行ったが部屋は荒らされネガは盗まれていた. 盗まれた写真はトワイライト東京と題して六本木や赤坂の夕景を撮った写真.
草間「そうだ.キープカットのネガがラボに預けてあります.」
二人はラボへ直行し,キープカットのネガを受け取った. これは展示した作品とほとんど同じアングルから撮影されたものなのだ. そしてネガを分析した結果,
矢吹「これだなあ.」
草間「何か?」
矢吹「この車だ.車の後ろの席に男二人と若い女が写ってる.よーし, 拡大してみよう.」
矢吹が拡大してみると
矢吹「この男は…」
草間「え?」
矢吹「左端の男,経済産業省の大野木大臣(永井秀明)だ.」
さらに
矢吹「待てよ,この若い女…」
ピンと来た矢吹は本庄の新作をめくってみた.
矢吹「ビニ本のモデルだ.」

矢吹は本庄にモデルの住所を聞いた.だが
本庄「俺の口からは教えられんなあ.商売の仁義だ. プロダクションから紹介された子だ.プロダクションに聞け.」
矢吹「プロダクション?」
本庄「立花愛って女,知ってるだろう.」
矢吹「東京写真専門学校で同期だった?」
本庄はうなずいた.
本庄「あいつな,今タレントやモデルの斡旋業やってる.」

ここは表参道の青山アパート.ここに立花愛が営む「OFFICE愛」があった. 矢吹は愛のオフィスを訪れた.
愛「矢吹ちゃん.しばらく.どういう風の吹き回し? ま,座って.」
矢吹「あんた,写真の方はやめちゃったのか.」
愛「うん.だいぶ前にね.それにさ,この方が性にあってるし, 楽してお金儲けできるからね.」
矢吹「そのようだな.」
矢吹はモデルの中原ゆかりの住所を愛から聞いた.

矢吹は中原ゆかりの家を訪ねたが,呼び鈴を押しても出てこない. しかし鍵は開いていた.入ってみると,中原ゆかりは死んでいた. 矢吹は車に乗り,発進させようとしたが, いつのまにか後部座席に乗り込んでいた男にスパナで頭を殴られ, 気絶してしまった.

矢吹は一味の連中に拷問を受けたが,何も吐かなかった. そこで連中は矢吹に手錠をかけ,ガス室に閉じ込めた.
男「馬鹿な奴だ.あと1時間もすればもがき苦しんで死んでしまうんだ.」

本庄のところに愛が急行.中原ゆかりが殺されたことを報せた.

矢吹の腕時計に仕掛けがしてあることに一味の連中は気づかなかった. 馬鹿な奴だ.この仕掛けを使って矢吹は手錠の鍵を爆破. 矢吹はタバコ型の催涙ガス弾などを使用して一味を撃退.脱出に成功した.

矢吹の家に草間が来ていた.
矢吹「哲平.事件のからくりが見えてきたぜ.」
草間「からくり?」
矢吹「ああ.」
来ていたのは草間だけではなかった.
本庄「どういうことなんだ?」
矢吹「剣さん.」
本庄「あらましは草間から聞いた. 俺にも何がいったいどうなってるのかわからねえが, 一つだけ許せねえことがある.あんなにいい子を手にかけるなんて.え! 俺には許せねえ.」
矢吹「剣さん,これがハングマンとしての最初の仕事になりそうだぜ. やってくれるんだな.」
本庄の返事は
本庄「そのつもりでここへ来たんだ.」
草間「俺もやります.」
矢吹「よーし,早速ゴッドに報告しよう.」
草間「ゴッド?」
矢吹「ああ.」

ハングマン始動

矢吹はコンピュータでゴッドに報告.
ゴッド「検討の結果,二人とも合格.矢吹良介,コードネームはフラッシュ (FLASH).本庄剣次郎,コードネームはアンクル(UNCLE).」
矢吹「アンクル.」
ゴッド「草間哲平,」
律儀に草間は返事をした.
草間「はい.」
ゴッド「コードネームはスポット(SPOT).アジトは神宮前4丁目, スタジオ・セイ・チーズ.通称,S・S・C.」
ちなみに画面に出た情報は住所が「神宮前4-34-2.」で, 電話番号が「(03)512-3847」だ. 別の話でたまたま登場したある運送会社から, 私のところに脅迫状めいた抗議のメイルが届いたので, 念のため書いておくが,実在の場所や電話番号とは関係はない. その運送会社には,そこの従業員が悪事を行なったのか, という言いがかりともいえる問い合わせが,殺到したらしい. ここに出てくる住所や電話番号は, あくまでも仮に設定されたものであることをここで明言しておきたい.閑話休題.
ゴッド「諸君はカメラマンとして映像一般業務に従事する. 行動費及びギャラは銀行振込とする.以上.」
草間「へえ,このコンピュータがゴッドってわけですか.」
あることに不満を持った本庄は矢吹に聞いた.
本庄「矢吹,どうして俺のコードネームがアンクルなんだ?」
矢吹「剣さんに関する情報をインプットしたんだ. ローアングルを得意とするキャメラマンだってなあ. 多分,アングルとアンクルを引っ掛けたんじゃないかな.」
本庄は念を押した.
本庄「おじさんって意味じゃねえんだな.」
矢吹は苦笑した.
本庄「洒落のわかるコンピュータとは恐れ入ったなあ.」

早速3人はS・S・Cへ行った.大きなワゴンは取材車.他に車が二台ある. 中に入ると写真スタジオとしても立派な設備が揃っていた. そしてカメラの絵の一角にフラッシュが腕時計を合わせると,隠し扉が開き, アジトへ入ることができた.
フラッシュ「ゴッドからの指令は, まずこのスピーカーからクラシック音楽が鳴り, それを合図にこのコンピュータから指令が出る. 仕事に必要な情報はこのモニターに映し出される仕組だ.」
スポット「それじゃ,早速仕事に取り掛かりましょうか.」
フラッシュ「ああ.」
3人は椅子に座った.フラッシュがコンピュータを操作.
ゴッド「大野木タカユキ.経済産業大臣.大型公共事業落札を巡って, 大手商社との癒着が業界内部で噂され,検察庁の特捜部が内偵を始めている. 丸菱商事の田村専務.特捜部で大野木との関係を洗っているが, 今のところ,これと言った決め手は見つかっていない.」
続いてクラシック音楽が鳴り,指令が出された.
ゴッド「指令第1号.大野木大臣と田村専務との黒い癒着を摘発せよ.」
なお画面には「ATACK 1 大野木大臣と田村専務との黒い癒着を捜査,摘発せよ」 と表示された.燃やされた写真は二人の関係を裏付ける決定的な証拠になる. 写真を撮られたということはカメラマンに現場を見られたということになる. 口封じの為に田代が殺され,スポットの命が狙われたということだ. 中原ゆかりは田村が大野木への賄賂として提供されたことがあるのだろう. 中原ゆかりはビニ本のモデルをする前にホテトル嬢も行なっていた. そのために中原ゆかりも口封じのために殺されたのだ.どうでもよいが, このネタの元はこれこれだ.閑話休題.
アンクル「ますます許せねえ.」
フラッシュ「よーし.これでターゲットは決まったなあ. まず雑魚どもから片付けようぜ.」

フラッシュが閉じ込められた場所では,大至急, 「逃げた男」を捜せと厳命が下っていた.
フラッシュ「その必要はない.」
フラッシュ,スポット,アンクルの3人が登場し,雑魚を撃退した.

その晩.船の上で大野木と田村が密談していた.田村は, あとは草間を始末するだけ,とほざいていた.そのとき, ラジコンカーに乗ったカメラが登場.フラッシュを焚きまくった.そして
フラッシュ「大臣.」
大野木はフラッシュに殴り倒され,田村と田村の部下はアンクルとスポット, そしてフラッシュに倒された.

ハンギングの仕掛けをフラッシュとスポットが組み立てている最中, アンクルが言った.
アンクル「なあ,矢吹,いや,フラッシュ.」
フラッシュ「ああ?」
アンクル「あの連中な,こんなこけ脅かしで根をあげるタイプじゃねえぜ.」
フラッシュ「じゃあ,どうすればいいんだ?」
アンクル「サクラ使ったらどうだ?」
フラッシュ「サクラ?」
アンクル「というより,見せしめのためのモルモットだ. 愛のプロダクションに頼んだら,スタントマン崩れの男が見つかるだろう.」
フラッシュ「しかしなあ.」
悪い予感がしたのかフラッシュは渋ったが
アンクル「そうだ.愛もメンバーに加えたらどうだ. 人手のねえ時は重宝するぜ.」

立花愛加入.そして高田元ことモルモット小父さん登場.

ボールペンを舐めながら愛が電話でこう言った.
愛「モルモット? うん.そういうのならね,ピッタリのがいるわ. 手品師上がりでね,今,お寿司屋さんやってるんだけど, そんな仕事やりたくてしょうがないらしいのよ.うん.うん.わかった. すぐ連絡してみる.」

早速「寿司元」に電話がかかってきた.出たのはここの主人の高田元.
高田「おう.はい,寿司元.おう,おう,あんたか.はい.仕事.おう. そいつはありがてえや.ああ.店なんか閉めちゃうよ.あ,すぐ行く.」
元さんは電話を切った.

ハンギング

悪党達3人は囚人服を着せられ, 野原の真中に立てられた柱に縛り付けられていた. 大野木の柱の上に設置されたスピーカーからクラッシック音楽が響くので, 大野木は見上げていた. さらに離れたところには元さんことモルモット小父さんが, 同じ格好で柱に縛り付けられていた.
フラッシュ「これからお前達同様, 悪辣の限りを懲らした男に制裁が加えられる.」
ラジコンのヘリが飛んできて機銃掃射をモルモット小父さんに加えた. これだけだと以前にも登場したハンギングだ. モルモット小父さんは這いつくばって逃げ回った.そして穴の中に飛び込んだが, と同時に穴は大爆発.中から黒焦げになったモルモット小父さんが登場し, 倒れこんでしまった.そこへ救急車がやってきた.中から手術服を着て, 手術用手袋をしたスポットが登場.
スポット「あーあ.こんな姿になって.」
中にいたアンクルも同じ格好をしていた.
スポット「ああ,焦げくせえ.」
スポットはモルモット小父さんを抱えて救急車へ向かって行った.
フラッシュ「さあ,今度はお前さんたちの番だ. 今の男のように黒焦げ死体になりたくなかったら, お前達の悪行を洗いざらい吐くんだなあ.」
ラジコンヘリから機銃掃射が加えられた.ヘリの操縦は前回同様,フラッシュが担当. そしてついに
田村「頼む.頼む,やめてくれ.」
フラッシュ「スポット.そろそろキャメラの用意頼む.」
田村「何もかも喋る.」
スポット「OK.」
カメラが用意され,撮影開始.
田村「公共事業の便宜を図ってもらうために大野木大臣に賄賂を贈った. 女も世話した.だけどもそれを写真に撮られたから, 黒木に命じてギャラリーに火をつけさせたんだあ.」
大野木「やめろ.やめろー.」
黒木「俺は田村専務の命令に従っただけだ. カメラマンや女を殺したのは専務の命令だったんだ.」
大野木「ああ.わしゃ,知らん.わしは知らんぞ.うわあ.何にも知らんぞ.」
そして大野木達は警察に引き渡された.うーん, このハンギングは前作よりもパワーダウンしてるぞ.公開処刑ではないし, ハンギングを受けるのは実質的にはモルモット小父さんだけ.これが 「許せぬ悪党はその正体を暴露して社会的に死に至らしめる」ことになるのか, 私は納得できない. モルモット小父さんの登場はこの作品最大の売り物であると同時に, この作品最大の弱点だろう.

事件解決して

真っ黒焦げの姿でモルモット小父さんは愛の事務所でヒーヒー言っていた. そして愛の治療を受けていた.
モルモット小父さん「愛ちゃん,ありゃないぜ,あれは.リハーサルの時とさあ, 火薬の量が違うじゃないのよー.ありゃないよ,いくらなんでもさあ.」
愛「迫力出すためよね.ほんの少々量を増やしたの.」
膏薬を貼られてモルモット小父さんは苦しんだ.なお,ギャラの額は20万円. しかし2枚引かれた.
愛「あたしの手数料.」
モルモット小父さんは文句を言ったが
愛「当然でしょ.当然でしょ.当然でしょ. あたしがマネージメントやってるんだから.」
さらに
愛「薬代ね.1枚だけにしてあげるわ.」

ギャラが振り込まれ,フラッシュ達はアジトでギャラを分配した.
フラッシュ「一人頭50万だ.」
フラッシュは3人に封筒を渡し,さらにフラッシュは
フラッシュ「ああ,これはモルモット小父さんの分だ.」
愛はモルモット小父さんの分を自分の封筒に入れ,スポットを食事に誘った. 妹も楽しみにしているという.だがスポットは用事があると言って去って行った.
愛「じゃあね,おじさん達.」
愛はスポットを追いかけて去って行った.
アンクル「なんて玉だ.」
フラッシュ「ああ,しょうがねえなあ.」
フラッシュはアンクルに一杯飲まないかと言ったが
アンクル「ああ,すまねえ.俺,生憎デートなんだよ.」
フラッシュ「デート?」
去って行くアンクルを見て
フラッシュ「あーあ,ギャラの無駄使いだなあ.」

アンクルはクレープを買い,スポットは原宿で写真を撮影. フラッシュは新宿のビル街で新聞を読み,大野木逮捕を知った. そしてフラッシュは筋力トレーニングに励むのであった.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp