森永ラブでマイトは飲み物とハンバーガーを食べていた.
そこへオショウがやってきた.耳寄りのネタを仕入れてきたと言うのだ.
オショウ「1年ぐらい前からな,五豊商事の幹部連中が都内の貴金属商とか,
それから金の地金屋から金のインゴッド買い集めてたそうだ.」
マイト「金のインゴッド?」
オショウ「ああ.今,1g 2500円が相場だからねえ,
(懐から電卓を取り出して)200億ってことは2500円で割ると…8トンだよ.」
マイト「それだけの物を保管するとなるとかなりのスペースが要るなあ.」
オショウ「8トン分のスペースがなあ.」
マイト「オショウ,奴ら,会社を潰す気だ.
そうなると,まず国税局が動き出すなあ.いや,既に動き出してるかもしれん.
トンビに油揚げさらわれたんじゃ,目も当てらんねえからなあ.
これ,ちょっと,忙しくなるぜえ.」
マイトの予想は的中し,3億円を超える不渡手形を出して五豊商事は倒産した.
本社には報道陣(梨元勝ら)や被害者が大勢押しかけ,大騒ぎ.
倒産に先立ち,詐欺紛いの商法の被害者から訴えを受けていた,
関東管区の裁判所は財産を保全と言う目的で仮差押えの処分を決定し,
出向官を本社に立ち入らせていた.しかし証拠書類や現金は見当たらなかった.
つまり,計画倒産の疑いが濃厚だ.会社内には柏木などの幹部は見当たらず,
一般社員が残務整理をしているのみだった.
このニュースを蝶子も電気屋のテレビで見た.
そこへマネージャーがやってきて声を掛けた.
マネージャー「いよいよ煮詰まって来ましたなあ,奥さん.」
パピヨンとマネージャーは神社の境内に場所を移して話を始めた.
マネージャー「ある筋から有力な情報が入ったんだがねえ.
白夜計画の菅沼が今夜赤坂の料亭でこっそり誰かと会うらしいんだ.
ひょっとするとその人物が今度の事件の黒幕かもしれんな.」
パピヨン「黒幕?」
マネージャー「これだけ大掛かりな犯罪を仕組むには菅沼一人じゃ役者不足だ.
奴の背後にかなりの大物が控えてるに違いないんだ.
早速探りを入れてくれんかね.」
パピヨンはうなずいた.
マネージャー「それじゃ,よろしくね,奥さん.」
突然,パピヨンが突拍子のないことを言った.
パピヨン「あ,そうそう.」
マネージャー「え?」
パピヨン「今日,金曜日でしたわよね.」
マネージャー「うん.それが何か?」
パピヨン「あ,お肉の特売日なんです.」
マネージャー「え?」
パピヨン「急がなくちゃ.」
走り去るパピヨンをマネージャーは少々呆気に取られて見送った.
蝶子は肉屋で特売のすき焼き用の肉を300g購入.そして書置きを残した.
蝶子の声「近所の奥さんに誘われて,お芝居を見に行ってきます.
すき焼きの用意が出来てますから,召し上がってください.」
その夜.なんと赤坂の辺りを雅則と同僚が歩いていた.
二人とも相当飲んだらしく,酔っ払っていた.
雅則「てやんでえい.女房が恐くて酒が飲めるか!」
とほざいた後,雅則は芸者に声をかけた.
雅則「よ,よ,お姐さん.たまには安サラリーマンと付き合ってみない!」
なんと,雅則が声を掛けた芸者はバニーを従えたパピヨンだった.
慌ててパピヨンは顔を隠して走り去った.それを見た雅則は口をあけて驚いた.
同僚「おい,どうかしたのか?」
雅則「まさか.馬鹿な.は,は.俺,酔っ払ってるか?」
同僚「ああ.かなり酔っ払ってる.」
雅則「だよなあ.とうとう目に来たか.」
雅則は目を押さえて去って行った.
パピヨンは「花の屋の菊奴」と名乗って料亭に乗り込んだ.
そして菅沼の部屋に酔っ払って部屋を間違えた振りをして乗り込み,
花瓶を倒した.すかさずバニーが乗り込んで花瓶を取り替えた.
バニーは緑美園のワゴンに戻ってきた.
バニー「うまく行きました.」
ファルコン「あいよー.」
ファルコンはエジソンの真似をしていた.そして盗聴開始.
パピヨンは廊下で客とすれ違った.
菅沼は客(根上淳)を先生と呼び,丁重に出迎えた.
菅沼「早速用件なんでございますが,
マニラの方はどのようになってますでしょうか.」
客「うん.現地法人と話をつけたよ.まあ,
一応合弁と言うことで新会社を設立することになった.」
菅沼「はあ,そうでございますか.」
客「これで受け皿は出来たわけだが,君の方の段取りはついてんのかな?」
菅沼「目下,柏木社長が手配をしております.」
客「そうか.私の方は既に根回しは全て済んでおる.
後は例の物を運ぶだけだな.」
聞いていたファルコンは
ファルコン「なにもんなんだ,こいつ.」
アジトで
ファルコン「尾形?」
パピヨン「民和党の実力者で産業資源省の現職大臣よ.」
ファルコン「あの尾形げんぞうですか?」
パピヨンはうなずいた.尾形は警察官僚出身なので,
今でも現場の平刑事を動かすぐらいの力を持っている.
捜査情報を手に入れるのもわけがない.
五豊商事の捜査が後手に回ったのも裏で尾形が動いていたからに違いない.
マニラに作る新会社は200億円をプールするためのペーパーカンパニーだろう.
問題は200億円をどうやって運ぶかだ.
パピヨン「問題はそれよ.黒幕の正体がわかったところで,
事件の解決にはなんないわ.あの連中からお金を取り戻さなければ,
結局被害者は泣き寝入りってことになるわねえ.」
ある晩.キングスタンクラブで室田と柏木達が金塊の輸送について密談していた.
打ち合わせ終了後,
柏木「おい,ちょっと来てくれ.」
なんとバニーガールとしてタミーが潜入していた.室田はタミーに声を掛けた.
タミー「お呼びでございますか?」
柏木「酒の支度してくれ.」
タミー「はい,かしこまりました.」
室田「君,すまんがこれをクロークに預けてくれ.」
室田はアタッシュケースをタミーに渡した.
早速タミーは更衣室でアタッシュケースを開けた.
そして中に入っていた図面を写真撮影した.
タミーはヌンチャクの車でキングスタンクラブを出て行った.
その車をマリアが尾行しているとも知らずに.
マイト達は図面から次のことを知った.出発地点は竹芝の倉庫. ご丁寧にも時間まで書き込んである.問題は輸送ルートだ. マイトは出発地点から尾行を開始することにした.
翌朝.雅則がテレビでモーニング情報デスクという番組を見ていた.
庄司アナウンサーが,捜査当局が近々柏木の任意出頭を求める,
と言うニュースを伝えた後,
庄司「フランスから特殊コンテナ船で輸送された再処理核燃料は,今朝早く,
無事陸揚げされ,陸路茨城県新海村の原子力発電所に輸送される予定です.
なお産業資源省では輸送の安全を図るため,
輸送車と出発時刻や輸送ルートなどに関する,
一切の発表を差し控えるとしています.」
これを見た雅則は原子力を使うとなぜ電気が起こるのかについて悩んでいた.
蝶子は食器を洗っていた.その後,
雅則「あ,俺,夕べ変な夢見ちゃったよ.」
蝶子「変な夢?」
雅則「お前が芸者になった夢だよ.」
蝶子の手が止まった.
蝶子「へ?」
雅則「色っぽかったぞ.」
蝶子「まあ,あなたったら.」
雅則「俺疲れてんだよな.じゃ,行って来ます.」
鈍感な雅則は蝶子の心の動揺には気づかず,出かけて行った.
そこへチャンプから電話がかかってきた.
お台場でパピヨンはチャンプと会った.
チャンプは登龍会の連中を探っていたら,妙な連中が出てきたと言う.
チャンプ「どうやらわしらの他にも,このヤマを探ってる連中がいるらしい.」
ベンチに座りながら
パピヨン「そう.実は私もそのことが気になってたの.」
チャンプ「え! ほな,あんたも知ってたんかい.」
パピヨン「ひょっとしたら,その連中,あたし達と同業じゃないかしら.」
チャンプ「同業?」
パピヨン「逆に連中を利用するって手はあるわねえ.」
チャンプ「ちょ,ちょっと,待ちい.それ一体どういうこっちゃ.」
パピヨン「相手がプロなら,
もうとっくに200億の金の流れをつかんでるに違いないわ.
それをうまく利用すれば,こっちの手間が省けるってこと.」
これを聞いたチャンプは度肝を抜かれた.
チャンプ「なるほど.あんた,見かけによらず恐いおなごや.」
パピヨン「で,御同業の動きはどうなってるの?」
チャンプ「それは心配いりまへん.
わしらの相棒がちゃーんとマークしてるさかい.
それよりも,旦那がでかけたこっちゃし,ん?」
ドサクサに紛れてチャンプはパピヨンと肩を組もうとした.
だがパピヨンは拒否.
チャンプ「左様け.」
仕方なく,チャンプは諦めた.
その頃,マリアはマイト達の車に発信機を取り付けていた. 無線でチャンプはマリアからそのことを確認した. そうとも知らずにマイト達は4輪駆動車で出動した.
チャンプがアジトに無線を入れた.
チャンプ「御同業が動き出したぞ.周波数は354MHz.」
パピヨン「了解.」
チャンプ「ほな,わしらはこれでお役ごめんや.あんじょう頼みまっせ.」
早速チャンプは出発した.そこへタクシーが飛び出し,ぶつかりそうになった.
昔懐かしい,ファルコンいやクレイが乗っていたタイガーキャブの2号車だ.
チャンプ「こら,なんちゅう運転さらすんじゃ.ぼけ.」
タクシーを運転していたのは運転手に扮装した?女.
?女「前見て運転しろよ,馬鹿野郎.」
チャンプ「あ!」
?女「ん?」
チャンプ「あ,おばはん.」
このとき,野川加代子を思い出したかどうかは定かではない.
?女「わかりました?」
チャンプ「わからんでかい,そんなもの.」
?女「ギャラをお届けにあがりました.」
チャンプ「おう.」
?女「マリア様とお二人分,しめて180万です.」
チャンプ「そら,おおきに.」
だが
?女「あ,そのうち,私の手数料として20万頂いておりますんで,
残りは160万でございます.」
当然のことながらチャンプは文句をいった.
チャンプ「20万と言うのは取り過ぎとちゃうか,おい.」
?女「(口調を変えて)だーって,1割じゃ半端なんだものー.
(口調を元に戻して)切りのいい数字にさして頂いておりますので,
後はでは,よろしく.(また口調を変えて)さーて,
ラーメンでも食べて一服するか.♪はーれたそらー.」
去って行く?女を見て
チャンプ「病気か!」
うーん,平田さんの物故が惜しまれる一幕であった.
エアロビクスクラブでチャンプはマリアにギャラを渡した.
チャンプ「というわけで,今回えらい値切られてなあ,一人50万ずつや.」
マリア「50万?」
チャンプ「うん.」
マリア「随分少ないんじゃないの.」
図星だったのか
チャンプ「そう? あ,そうそう,これねえ,僕からの気持ち.プレゼント.」
苦笑して少しお札を分けて与えた.
マリア「そう.ありがと.」
チャンプはマリアをナンパした.
チャンプ「な,マリア.せっかくおうたんやから,熱海でもドライブせえへんか?」
マリアの答えは
マリア「生憎だけど,あたし,
仕事の相手とドライブの相手は使い分けることにしてんの.じゃあね.」
チャンプ「あ,そ.」
チャンプはぼやいた.
チャンプ「熱海ってのはちょっとせこかったかな.」
しばらく考えた後
チャンプ「伊東にしたら良かったかなあ.」
さてアジトで出動準備が整った頃,エジソンがやってきた.
あの女はエジソン以外にもつきあっていた男がたくさんいた.
赤ん坊は万博会場へ団体客を運ぶバスの運転手との間にできた子だった.
パピヨン「今回はエジソンからペナルティーを払ってもらうわ.」
エジソン「ペナルティーって何?」
パピヨン「ギャラを返してもらう.」
エジソン「残念でしたあ.返すも返さないもぜーんぶ渡しちゃったもん,
あいつに.」
ファルコン「手切れ金か.」
エジソン「わかる?」
パピヨン「じゃあねえ,次のギャラから引かしてもらうわね.」
エジソンはずっこけた.
パピヨン「それから,もう一つ,
今回はここに残って無線係を担当してもらうわ.」
エジソン「はい,はい.無線係大好き.どうぞ,行ってらっしゃい.」
パピヨン「じゃ.」
蝶の舞うCGが流れた.衣裳部屋からパピヨンが登場.
パピヨン「Let's go!」
ファルコン「Hanging!」
ファルコンとバニーは手を叩き合った.エジソンも手を出したが
ファルコン「お留守番.」
エジソン「行ってらっしゃい.」
こうしてエジソンを除くハングマンは出動した.
マイト達は竹芝の倉庫から出てきたトラックと室田達の車を追いかけた.
その後をファルコン達も追う.トラックは嫌に警備の厳重な港に入って行った.
室田達は通行証を出して中に入って行った.マイト達は様子を伺った.
タミー「何かあったのかしら?」
マイト「とにかく行ってみよう.」
マイト達は警官に止められた.
警官「(凄い訛りで)通行証お持ちですか?」
マイト「何かあったんですか?」
警官「(凄い訛りで)核燃料のですね,トラックがこっから出発するんです.
ですので関係者以外は通行止めになってるんですよ.」
マイトは助手席に座っていたオショウの方を見てから
マイト「わかりました.ニンニクやめた方がいいね.」
仕方なくマイト達は外で様子を伺った.
マイト「何とか埠頭に潜り込んで,船積みする前に頂くんだ.」
オショウ「ここでやんのか?」
マイト「タミー,俺達が片付けてる間に,トラックごと分捕ってくれ.」
タミー「OK.」
マイト「いざとなったら,こいつで脅しをかけりゃいいんだよ.」
マイトはダイナマイトを取り出し,オショウ達に渡した.
そして外へ出ようとした瞬間
ヌンチャク「あれ?」
トラックが引き返してきた.
タミー「金塊を降ろしたのかしら?」
マイト「いや,その時間はなかった.」
オショウ「付録がついてきたよ.」
マイト「奴ら,護衛を増やしやがった.」
とりあえずマイト達はトラックを追うことにした.
その様子をパピヨン達も見ていた.
ファルコン「いったい,どうなってるんですかね,これは.」
パピヨン「ファルコン,このまま尾行を続けて.」
ファルコンとバニーは緑美園のワゴンで出発.
パピヨンはとりあえず,その場で待機することにした.
トラックの後をマイト達,そしてファルコン達が追いかけた. その頃,パピヨンは例の埠頭から核燃料の輸送車が出発するのを目撃した. これを見たパピヨンはピンと来たようだ.
マイト達が追いかけたトラックは埋立地で止まった.
マイト「どうも様子がおかしいなあ.」
オショウ「埋立地かあ.」
護衛の車がマイト達に向かってきた.
オショウ「あれ? こら,おい,はめられたぞ.」
マイト「やるしかないなあ.」
恐いお兄さん達と警備員達が車から降りてきた.
早速マイト達は格闘を開始した.マイト,タミー,
ヌンチャクは往年の技を見せてくれた.オショウは年の功でずるい技を披露.
そこへファルコン達も乱入した.
マイト「何だ,お前.」
ファルコン「こないだの借りは返すぜ.」
警備員がファルコンに襲い掛かってきたが,ファルコンに殴り倒された.
それを見て
マイト「義理堅い男だな,お前.」
マイトも警備員に襲われたが,撃退した.
そしてマイト達はトラックへ急行.一人バニーだけが手間取り,
ファルコンの助けを借りた.やっぱりバニーは役立たずだ.
この時点では現役ハングマンよりもOBの方が強力だ.
喜びながらトラックの荷物を開け,金だ,金だ,と喜ぶマイト,タミー,
オショウ,ヌンチャク.それをファルコンとバニーは眺めていた.
だがオショウがナイフで削ってみるとチョコレートが出てきた.
オショウ「おい,これ偽もんだ.立派な偽物.」
がっかりするマイト達.そのときファルコンは外を見た.
ファルコン「皆さーん,ちょっと御覧あそばせ.」
さっきの連中が去るのを見て
マイト「一杯食わされたなあ.重さはおんなじなんだがなあ.」
早速ファルコンはパピヨンに無線で連絡した.
ファルコン「あのトラックは囮です.」
パピヨン「そんなことだろうと思ったわ.本物は核燃料の輸送車よ.」
核燃料輸送車の先導車には室田と柏木の他,菅沼と尾形も乗っていた.
ファルコンはすぐ追いかけることにした.ファルコンが引き揚げるのを見て
マイト「奴を追いかける.」
マイトはヌンチャクをつれてファルコン達を追いかけた.
パピヨンは核燃料輸送車を尾行していた.
パピヨン「ファルコン,連中は国道4号線を日立方面に向かってるわ.
あたしはハンギングの準備があるから後お願いね.」
ファルコンはパピヨンの後を引き継いで核燃料車を追いかけた.
ファルコン「あいつら,いったいどこへ行くつもりなんだよ.
どうもわかんねえなあ.」
バニー「船で運ぶんなら港で運ぶはずだし.」
そのときファルコンは気がついた.
ファルコン「そうか,おい.基地がある.」
奴らの行先は米軍基地だった.4時に着いたので1時間待ち.
様子を見に行くと言うバニーに
ファルコン「バーニー,奴ら来たぞ.」
ファルコンはマイトとさしで話をした.
マイト「おう.」
ファルコン「そろそろ追いつく頃だと思ったぜ.」
マイト「待っててくれたのかあ.」
ファルコン「あんたに引導渡そうと思ってな.あんたらの狙いは金だろう.
だったら手ひいてもらおうか.あの金は五豊商事の被害者達に返すんだ.」
マイト「それでもー,頂くと言ったら?」
ファルコン「そうはさせねえ.ハングマンの意地にかけてもな.」
これを聞いたマイトは笑った.
マイト「やっぱりそうだったのか.」
ファルコン「同業だろ,あんたも?」
マイト「いや,OBだ.」
ファルコン「ま,この際,金は諦めて俺達と手組まねえか.
それなりのギャラは払うぜ.あんたには一度助けられてるからよ.
敵に回したくはねえんだよ.」
マイト「いいだろう.俺達も奴らに貸しがあるんだ.このままじゃあ,
腹の虫が収まらねえ.その代わり,作戦は俺に任せてくれ.
いい手があるんだよー.」
マイトは昔を思い出したのか,
にやりと笑いながらファルコン達と手を組むことを快諾した.
米軍のジープが核燃料車に近づいてきた.
バニー「遅いじゃないっすか,あの男.
うまいこと言って俺達をはめたんじゃないでしょうね.」
無礼なバニーはそう言ってマイト達を罵倒した.
まあ,マイトと初対面の彼がそう思うのも無理はない.
ファルコンはバニーを無視して様子を伺っていた.
ジープから降りた男は尾形達と会い,金を確認.そこへ
バニー「あ,別のジープが来ましたよ.」
そのジープは尾形達の前で止まり,乗っていたNPの連中は尾形達に銃を向けた.
尾形「おい,君,これは?」
室田「いや,私は何も…」
柏木「な,な…」
隊長がアップになった.なんとマイトの変装だ.
マイト「Get! Get!」
兵士達は尾形達を倒した.菅沼は走って逃げたが,彼も倒された.
警備員は核燃料車に閉じ込められた.
兵士達はファルコンとバニーにも襲い掛かった.
兵士「Stay right there!」
兵士達は尾形,菅沼,室田,柏木,ファルコン,バニーをジープに乗せた.
マイト「Hurry up!」
夜になり,輸送機が離陸.そしてファルコンとバニーが気がつくと,
そこは輸送機の中らしかった.彼らは縄で縛られていた.
なぜかファルコンとバニーは金塊の箱のそばに座らされ,
悪党達とは離されていた.
尾形「おい.おい.」
尾形は菅沼達を起こした.
尾形「これはいったい,どうなってるんだい.」
菅沼は辺りを見渡し,音を聞いて
菅沼「これは輸送機の中ですな.」
尾形「何?」
そこへマイトが登場した.
マイト「Here, you, guy! We will get all the gold you have. Huh!」
尾形「菅沼,あいつ,一体,何言ってんだい?」
菅沼「金の延べ板は全て我々がもらう,そう言ってます.」
尾形「くっそう.野郎,横取りする気だな.」
マイト「Would you rather military court conference all the crime
in this tape?」
尾形「な,なんだ.」
菅沼「お前達を軍事法廷にかけて全ての罪を被ってもらう,
このテープに告白しろ.」
尾形「ふざけるな.」
マイト「I can't understand! If you don't record in this tape,
you are all dead, starting with them.」
菅沼「ゆうことを聞かなければ,死んでもらう,まず,あの男達が先だ,
そう言ってます.」
と言うわけでまずバニーが連れ出された.バニーは,死にたくないよー,
と散々叫んだ後,外へ放り出された.
ファルコン「おい,お前ら,おい,だめだよ.おい,やめろー.
おい,おい,おい,おい,わー.」
満月が輝く中,ファルコンも外へ放り出された.
マイト「Then, you guys, hey.」
菅沼「今度はお前達の番だと言っています.」
尾形「くっそう.」
だが銃を向けられたので尾形は諦めた.
マイト「Hey, body. (口笛を吹いて)Take it.」
マイトはパラシュートを兵士達に投げ渡した.
そしてダイナマイトの導火線を手に取った.
マイト「We will burn this plane up. If you want parachute, start
talking. Huh!」
菅沼「これからこの飛行機を爆破する,パラシュートが欲しければ,
全部吐け,そう言ってます.」
尾形「馬鹿な.」
ついにマイトが導火線に火をつけた.
柏木「奴ら,本気ですよ.」
室田「喋る.喋るからパラシュートをくれ.」
菅沼「お前ら,裏切る気か!」
マイト達はパラシュートをつけていた.
室田「おい,頼むからパラシュートをくれ.
覚醒剤を餌にレジャー証券を売りつけたのは俺達なんだあ.」
菅沼「室田,黙れ! 黙らんか!」
室田「頼む.」
菅沼「黙らんか.」
場面変わってここは輸送機の外側.実は輸送機は模型.
タミーが月を動かし,オショウ,ファルコンがエンジン音を立てていた.
バニーがカメラで撮影していた.
菅沼「黙れ.黙らんかあ.」
パピヨン「エジソン,スタンバイ.」
エジソン「了解.」
アンテナが準備された.パピヨンは秒読み開始.
パピヨン「5,4,3,2,1.キュー.」
エジソンがスイッチを押すと同時に「ON AIR」開始.
室田「五豊商事がかき集めた金は,
ここにいる尾形代議士と菅沼弁護士が吸い上げていたんだあ.」
柏木「そうだ.俺達はこの二人に利用されてただけなんだあ.」
室田「売人の島田を殺したのも,この菅沼先生の差し金なんだあ.」
菅沼は首を左右に振って否定した.
室田「ホントだ.速くパラシュートをくれ.た,頼む.」
菅沼「違う.」
室田「パラシュートを!」
菅沼「違う.」
この醜態は「東京・赤坂 竹村健一事務所」のテレビなどに映し出されていた.
散々喋らせた後
マイト「よーし,もういいだろう.みんなにギャラ払ってやってくれ.」
ヌンチャク「はい.」
ギャラを受け取ったエキストラは皆飛び降りて行った.
マイト「パラシュートがねえや.」
室田「なんだと!」
マイト「数を揃えといたんだが,俺達の分しかねえ.」
柏木「そ,そんな,馬鹿な.」
マイト「Hey, body, is it on automatic sitting on?」
ヌンチャク「Yes, sir!」
マイト「OK.」
マイトは自分のヘルメットを脱いだ.
マイト「これ,誰か使ってくれ.」
そして
マイト「先行け.」
ヌンチャク「はい.」
マイト「じゃ,お元気で.」
マイト達は飛び降りていった.
室田「畜生.奴ら,騙しやがったな.」
尾形「あ,ダイナマイトが!」
叫び声を挙げて伏せる悪党達.しかし
尾形「なんだ,これは?」
偽物だったのだ.そこへスチュワーデスに扮装したパピヨンが登場.
パピヨン「皆様,毎度当機をご利用いただき,ありがとうございます.」
呆気にとられる悪党達.
パピヨン「間もなく当機は東京湾に不時着いたしますので,
シートベルトをお締め下さい.」
尾形「え! いったい,こりゃ,どうなってるんだ.あ.」
菅沼「貴様,何もんだ.」
パピヨン「闇に舞う蝶,パピヨン.安らかに眠っていただきます.」
薔薇の花から催眠ガスが噴射され,悪党達は再び眠りに入った.
翌日.悪党達は簀巻きにされ,「警視庁」の前の木に縛り付けられていた. 警官が駆けつけるのをワゴンの中からエジソンとバニーが見ていた. ファルコン,オショウ,タミー,ヌンチャク,マイトも遠くで見ていた. マイトとファルコンは合図を交わし,去って行った.
蝶子が帰ってくると雅則がうなだれて座っていた. 雅則は食欲がなかった.翌日の部長とのゴルフを諦めていた. なんと雅則は虎の子の50万円を五豊商事のレジャー証券購入に当てたため, 財政難に陥っていたのだ.
前半へ 「ザ・ハングマンV」へ 「全話のあらすじ」へ 「全話のキャスト」へ 「緊急指令トラトラトラ」へ 「私の好きなテレビ番組」へ 「touheiのホームページ」へ戻る.