夜の街を一人の女が歩いていた．その頃， 自転車で警邏していた警官が泥棒を発見．警官は泥棒を追いかけたが， 泥棒は拳銃を撃ってきた．警官は上に向かって威嚇射撃．逃走する泥棒． 警官は威嚇するために泥棒の方に向かって拳銃を撃った． だが弾は通りかかった，冒頭で登場した女に当たってしまった．女は即死．

翌朝．雅則は「モーニング情報デスク」というテレビ番組を見て， この事件を知った．相生署の署長(今井健二)は記者会見でこう答えた．
署長「当時の状況から判断いたしまして， やも得なかった処置ではなかったかと．」
記者「つまり，正当防衛だと仰るんですね．」
署長「いや，とは申しましても，えー，一般市民から犠牲者が出たということは， 真に遺憾であり，被害者及びそのご遺族の方々には， 心から陳謝の意を表したいと存じます．」
これを見て雅則が偉そうに言った．
雅則「この手のコメントはいつもワンパターンだなあ．」
なおも記者会見は続く．
記者「被害者の遺族の方に対してですねえ，今いったいどういう気持ちなのか， 一言．」
また偉そうに雅則が言った．
雅則「質問もワンパターンだ．」
警官「申し訳なく思っております．」
記者「一部には過剰防衛だという意見も出ておりますが，どうなんですか．」
記者「釈明できないんですか，釈明を! 個人的に一体どうやって責任を取るつもりなんですか．」
記者の質問に署長達はだんまりを決め込んだ．
雅則「左遷か格下げか．いずれにしても完全に落ちこぼれるなあ， このお巡りさんは．」
やって来た蝶子がこう言った．
蝶子「あら，あなたもこぼれてますよ．」
雅則「あ，嫌味だなあ．」
蝶子「ジャムが．」
雅則はジャムをパジャマのズボンにこぼしていた．蝶子は拭いてやった． そして「食事の時ぐらい，消してくださいな．」と言って， 蝶子はテレビを消してしまった．もう時刻は8時半． 早く支度するように蝶子は言った．雅則はテーブルから立ち上がり， 服を取りに行ったが，掃除機にけつまづいて転んでしまった．
雅則「大体，狭すぎるんだ．このアパートは．」
蝶子「そうねえ．もう少し広いうちに越せるといいんだけど．」
それを聞いた雅則は苦笑してこう言った．
雅則「まあ，この話はいいじゃないの．ね．狭いながらも楽しい我が家と． 掃除機に足を取られてもらいゴミ．なんちゃって．」

そこで蝶子は住宅展示場を見に行った．すると， メガネをかけたセールスマンが声をかけてきた．
マネージャー「あの，マイホームですか，奥さん． とっても有利な支払方法があるんですがねえ．」
マネージャーはセールスマンに扮装していた． パピヨンはメガネを取ったマネージャーから話を聞いた．
マネージャー「ま，ま．これをご覧下さい．」
マネージャーは住宅展示場のパンフレット…に似せた資料を見せた．
マネージャー「相生署の山野巡査長だ．例の発砲事件でねえ， ちょっと気になったことがあったんで，この男の過去を調べてみたんだが， 意外な事実が出てきたんだ．1年前にこれ．」
マネージャーは新聞記事の切抜きを見せた．
マネージャー「同じような発砲事件を起こし，通行人が一人死んでる． もっとも，そのときはね，犯人側の流れ弾が原因だったんで， 特に騒がれもしなかったし，ま，本人もお咎めなしだったんだ．」
パピヨン「じゃ，今度で二度目ってこと?」
マネージャー「ああ．前の事件は世間もすっかり忘れてるようだがねえ． わたしゃ，この二つの事件には裏があるような気がする．」
パピヨン「わかりました．調べてみましょう．」
マネージャーはメガネをかけて口調を変えた．
マネージャー「あ，そうそう．これが資料です．」

その頃，ファルコンはボクシングの練習をしていた．バニーが呼び出し， アジトに全員集合．冒頭の事件の被害者は北原けいこ24歳． 貿易会社のOLだった．今のところ山野と北原を結ぶ線は何もない． 一年前の事件の被害者は松村ひろし．当時32歳．女っぽい格好をしていたので
ファルコン「なんすか，これは?」
パピヨン「新宿のゲイバーで働いてたの．」
エジソン「うーん．結構いけるわよ．眉毛濃いけど．」
ファルコン「(エジソンに向かって)ああ，やっぱし? いいんじゃないかと思ってたんだ．」
バニー「真面目にしてください!」
エジソン「はい，はい．」
ファルコン「はい．」
パピヨンが説明を再開した．松村の店での名前はサリー． 店が終わって帰る途中に犯人の流れ弾に当たって死亡． 犯人は山野に向かって撃ったのだが，山野が咄嗟によけ， 松村に当たったと言うわけだ．松村も山野とは何の関係もなかった． この事件に何らかの作為が働いているとすれば必ず接点があるはずだと， ファルコンは言った．パピヨンは， 被害者と加害者の間に誰かが介在しているかもしれないと言った．
ファルコン「よし．俺は北原けいこの線を洗ってみるわ．」
エジソン「ちょっと待った．その前にギャラもらおうか．」
と言うわけで今回の額は
パピヨン「経費込みで一人70万．」
エジソン「経費込み! ちょっときついんじゃないの?」
ファルコン「必要経費が20万としても手取り50万ですからねえ．」
すかさずバニーが大声で叫んだ．
バニー「ひとーつ，金銭上の不平不満は慎むべし， とマネージャーが言ってるんです．」
エジソンはバニーを無視．ファルコンはバニーの鼻の穴に指を突っ込んだ．
パピヨン「あら，急がなくっちゃ．」
ファルコン「なんか急用でも?」
パピヨン「うん．銀行が閉まっちゃうの．」
バニーはパピヨンのためにドアを開けてやった． ファルコンとエジソンは呆気に取られてお互いを見合った． 銀行へ行った蝶子は
銀行員「定期預金ですね?」
蝶子「ええ．マイホームコース，お願いします．」

新宿中央公園でファルコンは東都日報の記者と称して， 北原けいこの妹令子に声をかけ，話を聞いた． ファルコンは今度の件が偶発事故ではないらしいとほのめかし， けいこに変わった様子はないかと聞いた． 令子は半月ほど前のことを思い出した． 令子が帰ってくると，けいこは慌てて求人雑誌「とらばーゆ」を隠したのだ． けいこが会社に不満を持っていた様子はなかったと，令子は言った．

隅田川の桜橋のたもとでファルコンがそのことをパピヨンに報告した． けいこはFE商事という日本橋にある輸入雑貨を扱う会社に勤め， 経理事務を担当していた．女性が転職を決意するということは， よほどのことがあったからに違いないとパピヨンは睨んだ． ファルコンはFE商事の内情も調べていた．会社が設立されたのは6年前． 当時はビルの一室を借りてインテリアの小物などを扱っていたようだ． ここ2，3年で急成長し，今や年商数億と言われている．経営者は三杉和雄． ファルコンは週刊朝日の記事を見せてパピヨンに三杉の顔を示した． かなりのやり手の男らしい．
パピヨン「一度洗ってみる必要がありそうね．」

と言うわけでFE商事を探ってみることになった． 緑美園のワゴンの中にファルコン，バニー，エジソンの3人がいた． エジソンは花の植えてある植木鉢の中に盗聴機を仕込んでいた．
エジソン「よし．おい，できたぞ．」
エジソンは植木鉢をバニーに渡した．
エジソン「大丈夫か．お前一人で?」
バニー「大丈夫です!」
ファルコン「泡食うなよ．」
バニー「はい!」
バニーはこちこちに固まっていた．
エジソンとファルコン「いってらっしゃい．」
バニーは車から出てFE商事のビルの中に入った． 勝手に中に入っていこうとするバニー．
受付嬢「どちらに行くんですか?」
その声に驚いたバニーは転んでしまい，植木鉢を落とし， 盗聴機もこぼしてしまった．バニーは慌てて盗聴機を元に戻した．
バニー「どうも，すいません．どうも，すいません．すいません．すいません．」
バニーはエレベータに乗り，社長室へ直行．受付で
バニー「あの―，社長さんは?」
受付嬢「只今外出中ですが．」
バニー「あ，そ．杉並の吉田さんから花を届けるように言われたんですけど．」
受付嬢「吉田さん?」
バニー「じゃあ，置いてきますわ．」
強引にバニーは入ろうとしたが
受付嬢「ちょっと待ってください．勝手に入っては困ります．」
バニー「責任がありますから．」
受付嬢「困るんですー．」
それでもバニーは強引に花を置いて出て行った．

なんと三杉は相生署署長に会っていた． 三杉は北原けいこの始末を依頼していたのだ．
署長「内情を知るものが不測の事故で死んでしまっては， 厚生省のGメンも打つ手がないでしょう．」
三杉は署長からいろいろと情報を得て， 北原けいこに厚生省が注目していたことを知り，始末を依頼したようだ．

さて会社に三杉が帰ってきた．
ファルコン「よーし，来た来た．」
エジソン「あいよ．」
バニー「間違いなくあいつです!」
ファルコンはバニーの頭を叩いた．
ファルコンとエジソン「うるせえんだよー．」
エジソン「声が．」
エジソンが受信機のスイッチを入れた． すると植木鉢の花の中から小型マイクが延びてきた． その頃，三杉は電話を開始．だが雑音ばかりでエジソンは四苦八苦していた． ヘッドホンをつけていたファルコンが言う．
ファルコン「おい，なんだい，これよー．肝腎な時にクソッタレが．」
一生懸命調整するエジソン．
エジソン「待て，待て，待て．」
雑音ばかりだったが
三杉の声「もしもし．私だ．うん．これで当面は安心だ．ああ． 先方も急いでいるだろう．至急渡してやってくれ．」
この後，物凄く高い音がして聞き取り不能になってしまった．
ファルコン「エジソン，ねえ．」
エジソン「わかってる，わかってる．でも肝腎なこと聞こえたんだから， いいんじゃないの? でも，おかしい．なんなんだ，これは．」
エジソンは盗聴機が故障した理由がわからず困っていた．
ファルコン「当面は安心か．」
エジソン「どういうこったろ?」
ファルコン「裏返しゃあさあ，やばい橋渡ってることじゃねえのか?」
エジソン「鋭い．」
ファルコン「鈍いんじゃないの?」
エジソン「そうかしら．」
じゃれあうファルコンとエジソン．そこへバニーが割って入った．
バニー「あのー，仕事中に悪ふざけはやめてください．」
ファルコン「マネージャーがそう申します，だろ?」
バニー「はい．」
エジソンはバニーの頬を叩いてやり，ファルコンは「震えてんなあ．」と言った．
エジソン「(バニーに)なんか元気ないよ．」
ファルコン「まあ，いいや．エジソン， 1年前に流れ弾に当たって死んだ松村って男と， こいつの関係洗ってくんねえか?」
エジソン「はい，はい．お洗濯，お洗濯．」

エジソンは松村が働いていたゲイバーへやって来た． エジソンは興信所の者と称してやってきた． ゲイバーのホステスは浮気だったら喋らないと言ったが
エジソン「ほな，一発勝負しましょか．」
ホステス「冗談よしてよ．あんたなんか趣味じゃないわよ．」
エジソン「いや，その一発と違いまんがなあ． わてもそんな趣味なかなかないですよ．」
エジソンはホステス達とポーカーで勝負．エジソンはいかさまで勝利． エジソンはホステス達に三杉の写真を見せると，ホステス達は， 三杉がサリーと仲が良く，店にしょっちゅう来ていたことを話した．

これで北原けいこと松村をつなぐ線は見つかった．
エジソン「後は山野と三杉をつなぐ線が見つかれば， 犯罪相関図できあがりってわけ．」

さて相生署署長の広瀬寛は山野を呼び出し，金を渡した． 山野は女のために仕事を引き受けていたのだ． その晩．パピヨンはわざと山野を誘惑した． 山野の女が嫉妬してやってくるのを見届けた． このことをパピヨンはお台場の公園でファルコンに報告した． 警官の給料ではやっていけないだろう．だから金で抱き込まれたに違いない．
ファルコン「恐いですなあ，女ってのは．」
パピヨン「女にもよりますよ．」
ファルコン「失礼致しました．」
ファルコンはFE商事が裏取引をしているらしいことを報告． そして花を渡した．
ファルコン「あのー，旦那様にはもう少し精のつくものがよろしいかと．」
パピヨン「はい．」

その頃，とある場所で麻薬取引が行なわれていた． そしてファルコンは北原令子が麻薬Gメンと会っているところを目撃した． 早速ファルコンは令子に声をかけ， FE商事が麻薬取引で目をつけられていたことを知った． さらに北原けいこが帳簿のコピーを麻薬Gメンに渡す約束になっていたことも， 知った．

アジトでファルコンから報告を受けたパピヨン達． エジソンは松村が頻繁にマニラへ行っていることを報告した． どうやら麻薬の運び屋をさせられていたらしい． 後は三杉と山野とのつながりを見つけるだけだ．

その頃，広瀬は三杉を料亭に呼び出していた． 北原令子に麻薬Gメンが接触していることを広瀬も知ったのだ． さらに山野が検察庁が呼ばれたことも広瀬は三杉に報告した． しばらく経って小田急の多摩川鉄橋の下で山野の「自殺」死体が発見された．

パピヨンは緑美園へやって来て山野の「自殺」事件をファルコン達に知らせた． 慌ててファルコンは北原令子のところへ向かった． 一味の手が伸びているかもしれないからだ．予感的中． ファルコンは一味が北原令子を車で連れ出すのを見かけ，後を追いかけた． 一味の連中が北原令子を脅しているところへファルコンが登場． ファルコンはパチンコで北原令子を狙う拳銃を叩き落し， ボクシングで三下を撃退．北原令子の救出に成功した． ファルコンは無線で連絡．
ファルコン「今夜決行だ．至急パピヨンに連絡とってくれ．」
バニー「了解．」

ところが，そうは問屋が，いや，中村勝行さんが卸さない． 蝶子が家に帰ると雅則がいた．
雅則「これからまた出かけなきゃならんのでねえ，一風呂浴びたとこだ．」
蝶子「これから?」
雅則「ああ．まーったくやんなっちゃうよ． プライベートな時間まで拘束されたんじゃ．」
蝶子「何か急用でも?」
雅則「部長がね，銀婚式のパーティーやるって言うんだよ．自宅で．」
蝶子「そう．」
雅則「営業部の俺達クラスは義理でも出なきゃならんのだよ． 女房同伴で．」
それを聞いた蝶子は驚いて雅則を見た．
蝶子「それじゃあ，あたしも?」
雅則「これを機会に家族同士の交流を図りたいって言っちゃってさあ．」
蝶子「困るわ．急にそんなこと言われても．」
その真の理由を知ってか知らずか，雅則はこう言った．
雅則「俺だって行きたかないよー．宮仕えの辛いとこだ．な． 俺だけ一人ってわけにもいかんしなあ．」
蝶子「困ったわ．あたし，どうしよう．」
雅則「なんだ．なんか用でもあるの?」
仕方なく蝶子は行くことにした． 二人で出かけるのは新婚時代以来だと喜ぶ雅則．空元気の蝶子． 途中で蝶子は緑美園の前で車を止めさせた．
蝶子「お祝いの花，買ってくるから，ちょっと待ってて．」
パピヨンはバニーに1時間ほど遅らせてくれと言った． パピヨンは外で待っている雅則を指差した．

パーティーの間，蝶子は時計を見っぱなし．アジトでは
ファルコン「あーあ．おせえなあ．」
エジソン「肝腎な時に何やってんだ，ホントに．」
バニー「仕方ないっすよ．相手は人妻なんだから．」
エジソン「馬鹿野郎．仕事と亭主，どっちが大事だ?」
バニー「そりゃあ，もちろん…」
エジソン「当たり前じゃないか．」
バニー「亭主です．」
それを聞いて怒ったエジソンは灰皿をバニーに投げた． バニーは灰皿を取り，エジソンに投げ返すと， 灰皿がエジソンの顔に当たりそうになった．
エジソン「あ，お前，行ったな，顔んとこ．わりときつめに，この野郎!」
エジソンとバニーが喧嘩しあう中．
ファルコン「おい，来たぞ．」
パピヨンがやって来た．
パピヨン「ごめんなさい．遅くなっちゃって．」
エジソン「いやいやいや．やっぱり家庭の方が大事ですから．」
ファルコンは皮肉を言った．
ファルコン「調子いいなあ，ホントに．」
ファルコンは三杉と広瀬がつるんでいたことを報告した．
パピヨン「これでターゲットは決まったわねえ．」
エジソン「あのう，これ作っといたんだけど，ちょっと見てもらえますか．」
エジソンはパピヨンに特製の指輪を見せた．
パピヨン「指輪?」
エジソン「ええ．これをですね，こういう風にして， こう回すと針が出るでしょう．で，これをこうして，ここをこう押すと， 眠り薬が飛び出るって仕掛け．」
なぜか眠り薬か噴射されたときに白煙が上がった．
バニー「ハイテク―．」
エジソン「わかったか．」
蝶の舞うCGが流れた後，衣裳部屋からパピヨンが登場．
パピヨン「Let's go!」
ファルコン「Hanging!」
エジソンとバニーはファルコンの手を叩いた． そしてハングマンは出動した．

クラブで飲む広瀬はファルコンに捕まった部下のタケダに電話で呼び出された． そして外へ出た広瀬は車に乗り込んだが
広瀬「おい，誰もおらんぞ．」
ファルコン「あ，今，ご案内します．」
広瀬は殴り倒され
ファルコン「はい，いっちょあがりー．」
車は覆面パトカーに早変わりして去って行った． そして三杉はパピヨンに誘惑され，鼻の下を伸ばして握手した瞬間， パピヨンの指輪で眠らされた．

北原令子は帳簿のコピーをみつけた．そして手紙が投げ込まれた．
ファルコンの声「本日午後2時．テレビをご覧下さい． お姉さんを殺した犯人達に社会的制裁が下されます．」

悪党達はマネキンとともに鎖で六角柱に縛り付けられていた． そして悪党達をボーガンが狙っていた．突然，柱が回転し始めた．
三杉「なんだ，これは?」
スピーカーからファルコンの声が響く．
ファルコン「さーて，これから人間射的ゲームを開始する． お前達の乗っている回転盤は一定のスピードで回転する． そして正面にあるボーガンからは矢が発射され， 頭の上の風船に突き刺さる仕組になっている． ちょっと見てもらおうか．」
サーチライトが柱に当てられた．矢が発射され，風船が割れ， 風船の中の液体がマネキンにかかった． マネキンは白煙をあげて溶けてしまった．びびる悪党達．
ファルコン「そうだ．中身は硫酸だ．お前達の頭上にこぼれたら… 頭の上には硫酸の入った風船が半分，残りの半分はお楽しみだ． タイミングよく硫酸の入った風船に当たれば御陀仏だ． (エジソンに)スタンバイ．」
アンテナが準備され，ゲーム開始．
ファルコン「人間射的ゲーム，スタート．」
矢が撃たれ，硫酸が人形にかかった．二発目はお湯で広瀬にかかった．
ファルコン「ほう．今んとこ，うまくタイミングの方が合ってない様だなあ． しかし，回転盤のスピードは変わるぞ．」
スピードが上がった．タケダにはケチャップがかかった．
タケダ「ああ，やめてくれ．やめてくれえ．」
ファルコン「ラッキー．」
タケダ「や，や，やめてくれー．」
三杉「タケダ，わめくな．手が込んだ子供だましに乗ってたまるかあ．」
ファルコン「子供だまし? 果たしてそうかな?」
広瀬「ちょ，ちょっと，ちょっと待ってくれ．」
三杉「署長!」
タケダ「何でも喋るからやめてくれえ．」
三杉「黙れえ．これは脅かしだあ．何も喋るんじゃないぞー．タケダ―．」
広瀬「うわあ．やー．」
矢が撃たれ，硫酸がマネキンにかかった．
ファルコン「もう人形は全部硫酸にやられた． 後はお前達の頭の上にかかるしかないなあ．」
タケダ「全部喋るから，勘弁してくれえ．」
三杉「黙れ，黙れ―．」
三杉に小麦粉がかけられた． パピヨンは秒読み開始．
パピヨン「5秒前．4，3，2，1．キュー．」
エジソンがスイッチを押すと同時に「ON AIR」開始． 「東京・調布市 村上文孝さん宅」のテレビなどに， 悪党達の姿が映し出された．
三杉「何を言う．わしは知らん．わしは知らん．」
タケダ「嘘付け―．お前と署長が企んだんじゃねえか． 社長に騙されて俺がやったんだあ．」
広瀬「何を言うんだ．貴様，何を言うんだ． お前と三杉が仕組んで山野巡査長を殺して…」
三杉「署長!」
これを北原令子も見た．
広瀬「三杉，出鱈目言うんじゃない．」
タケダ「社長が悪いんだ．悪いのは社長なんだあ．社長が悪いんだあ．」
北原令子は涙を流した．

気がつくと，悪党達は真っ暗な部屋にいた．そして縄で縛られていた． 急に明るくなり，薔薇の花を持ったパピヨンが登場．
三杉「貴様は!」
広瀬「何もんだ?」
パピヨン「闇に舞う蝶，パピヨン．」
三杉「何だと!」
パピヨン「安らかに眠っていただきます．」
薔薇の花から催涙ガスが噴射され，悪党達は再び眠りに入った．

相生警察署の前で悪党達は簀巻きにされてさらされた． 野次馬が見守る中，警官が悪党達を中へ運んで行った．

蝶子は風呂上りの雅則に新婚時代に戻った気分だと言った． だが雅則は部長のお供で挨拶回りをして疲れ切ったと言い， 布団へ直行して寝てしまった．機嫌を悪くした蝶子は， 雅則が自分が飲むために注いだビールを飲んで憂さを晴らすのであった．

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