第二十五回

ハングマン組織解散
痛快ダブルハンギング!! さようならありがたや節
(富士山から悪党の樽詰を転がして解散!)

脚本:中村勝行 監督:西村潔

前半を見る.

事務所でサファリ達は鮭弁当を食べていた. ハングマンの仕事の方は事件らしい事件もなく, ゴッドは私用であっちこっち飛び回っているため,依頼がなかった. クレイはゴッドのことを心配した.
クレイ「しかし大丈夫かね?」
サファリ「何が?」
クレイ「いや,あのおっさんだって敵が多いわけだろう.で,いきなり, ズドーンなんてやられちゃったら,俺達,飯の食い上げじゃない,ねえ.」
オショウは首を左右に振った.
オショウ「簡単にやられるタマじゃねえよ.用心深い,用心深い.なあ.」
サファリ「ああ.車は全て防弾ガラス. カーテレホンは警備会社とホットラインでつながれているしなあ. 屋敷のあちこちにも防犯用のセンサーが取り付けられていて, 異状をキャッチすると5分で警備員が駆けつける仕組になっている. ま,至れりつくせりって言ったとこだな.」
クレイ「やっぱし,あの歳になると命が惜しいんだなあ.」

ゴッド拉致される

ゴッドは新宿で Peter という外国人(ピーター・ストーン)と会った帰り, 車に乗っていると,スリープ一枚の女(仁科まり子)が, 男達(佐藤京一ら)に追いかけられているのを見かけた. ゴッドは車を止めさせ,物陰に隠れている女に声をかけた.
ゴッド「安心しなさい.私は決して怪しいもんじゃないよ. じゃ,私の車に乗んなさい.」
そして女を車に乗せて屋敷へ連れ帰った.運転手にゴッドは言った.
ゴッド「このことは誰にも喋らんでくれよ.」
そして屋敷の中でゴッドは女にガウンを着せ,女から話を聞いた.
ゴッド「良かったら訳を聞かせてもらえんかね.さっきの連中, あれはなにもんかね?」
女「麻薬密売のシンジケートです.」
ゴッド「ふーん,シンジケート.」
女は注射の痕を見せた.
女「あいつらに無理矢理覚醒剤を打たれて麻薬の運び屋を.」
ゴッド「ふーん,なるほど.組織から抜け出そうとして, 奴らに追われていたって訳か.」
女はうなずいた.
ゴッド「紅茶でも飲むかね? それともブランデーがいいかな?」
女「すいません.じゃ,紅茶を.」
ゴッドは立ち上がった.だがこれは罠だった. 女は足に隠し持っていた拳銃を取り出し,ゴッドの背後から狙いをつけた. 棚のガラスにその姿が写ったのでゴッドはこれに気づいた.
ゴッド「何の真似だね,それは.」
女は狼狽した.
ゴッド「ふ,ふ.ガラスに写っとるんだよ.」
ゴッドは振り返った.
女「動かないで.一歩でも動いたら撃ちます.」
ゴッドは女に近寄った.
ゴッド「君に撃てるかな?」
後ずさりしながら女は言った.
女「撃ちます.」
そのとき,防犯ブザーが鳴った.
ゴッド「どうやら君の仲間が到着したようだな.」
女「警報解除装置はどこ?」
ゴッド「あの掛け軸の裏だ.」
女「早く切って.早く.」
ゴッドは要求を飲んで警報解除装置を操作した.
ゴッド「自動警報.表門.裏門…」
ゴッドは振り返り,虎の剥製の口に仕込んでいるスイッチに目をやったが, 先程女を追いかけていた連中,すなわち女の仲間が入ってきた.
男「ご苦労さん.神山さん,まんまと引っかかったなあ. ふ,ふ.さあ,一緒に来てもらおうか.」
ゴッドは虎の剥製に手をやったが,なぜかスイッチを押さなかった. そして連中の言いなりになって,そのまま屋敷を出て行った.

翌日.明治神宮外苑の中の通りをサファリが流していると, ?女が和服姿で手を挙げた.今回は扮装なしだ.
サファリ「どうしたんですか,栗原さん.」
?女は車に乗り込んだ.
?女「訳は後で話します.とにかく車を走らせてください.」
サファリ「はあ.」
サファリは車を発進させた.
?女「ゴッドが姿を消したんです.」
サファリ「何ですって!」
?女「普通に,ごく普通に運転してください.」
サファリ「つけられてるんですか?」
?女「かもしれません.用心に越したことはございませんから. 昨夜,私が買い物から帰ってくると,お屋敷はもぬけの殻. 不審に思ってお屋敷の中を探ってみますと,こんなものが.」
?女はサファリにボタンを見せた.
サファリ「ボタン?」
?女「ゴッドは身なりにはうるさい人でしたから, ボタン1個たりとも落とすようなことは決して. これは多分メッセージだと思います.」
サファリ「メッセージ?」
?女「それにもう一つ不審なことは自家用車の運転手の話ですと, 夕べお屋敷へ帰る途中,車に若い女性を乗せたそうです.」
サファリ「へえ.女.」
?女「誰かに追われてるようだったと.もしかしたら, それが失踪の原因かもしれません.」
サファリ「警報装置は?」
?女「全て解除になってました.ただ, 緊急警報装置(虎の剥製のスイッチ)だけはそのままオンになっていました.」
サファリ「つまり,それを押した形跡がないということですね?」
?女「はい.」
サファリ「わかりました.至急調べてみましょう.」
?女「運転手さん,そこで止めて.」
サファリ「はい.」
サファリは車を止めた.
サファリ「どうもありがとうございました.」
?女は一万円札を渡した.
サファリ「あ,おつりは?」
?女「結構よ.」
?女は去って行った.
サファリ「こちら1号車.虎山に異変発生.至急車庫に戻ってくれ.」

クレイもオショウもアジトに戻ってきた. 例のボタンは自然に切れたのではなく,意図的に切られていた. クレイは女を狙った連中によって女の巻き添えを食って連れ去られたと見た. だがオショウはそれに異議を唱えた. 女が狙いならわざわざゴッドまで連れ去る理由が見当たらない. 顔を見られたからじゃないかと言うクレイにオショウは, それならその場で殺すだろうと言った.サファリも同意見で,女が囮だと見た. そしてゴッドが緊急警報装置を押さなかったことから, ゴッドに何か考えがあってわざと敵の罠にはまったと考えた. いずれ?女のところに連絡が入るだろう.

ゴッドは富国新風会の事務所の入ったビルのボイラー室に閉じ込められていた. ゴッドは縄で縛られて椅子に座らされていた. さらに連中はハングマンのアジトを喋ろとゴッドを脅していた.だが
ゴッド「君達もなんだなあ.調査不足だな.」
男(佐藤京一)「何?」
ゴッド「わしがそんなことを喋るような男に見えるかね?」
男「死んでも喋らんと言うことですか.」
男は拳銃を取り出した.そしてロシアンルーレット風の拷問をした. だが,ゴッドは無言だ.
男「なるほど.確かに我々の調査不足だったよ.」

富国新風会の連中は, ハングマンに煮え湯を飲まされた浜崎(内田朝雄)の手のものだった. 富国新風会のボスはゴッドが何も話さなかったことを浜崎に報告した. そこで浜崎は餌を撒いてハングマンをおびき寄せる作戦を示唆した.

神山家に手紙が来た.早速タイガーキャブに電話がかかってきた.
ジャッキー「はい,もしもし,こちらタイガーキャブ. あ,カメレオンおばさん…違った,栗原さん.はい,ちょっとお待ちください.」
ジャッキーはサファリと電話を代わった.?女は脅迫状が届いたことを伝えた. 現金で2千万円を用意し,渋谷のハチ公前へ来いと言うのだ. サファリは金を持って行くように言い, サファリ達は先に行って張り込むことにした.
ジャッキー「お金が目当てだったの?」
短絡的なことを言うジャッキー.
オショウ「いや,額面通りには受け取れねえな.」
クレイ「ああ,なんとなく臭うな.」
ジャッキー「臭う?」
サファリ「ひょっとしたら, 俺達をおびき寄せるための陽動作戦かもしれんなあ.」
なおジャッキーは何を血迷ったのか,自分のセーターの匂いを嗅いでいた.
オショウ「よし.いっちょ,奴らの手に乗ってやろうじゃねえか.」

?女は渋谷のハチ公前で連絡を待っていた.オショウは車の中から見張り, 残りのメンバーは反対側のビルの屋上から見張り,ビデオカメラで撮影していた. なお,例の女が喫茶店の中から?女の様子を伺っていた.
オショウ「来たぞ.」
早速男がやって来て,?女に紙を渡して去った.だが
クレイ「なあんだ,はずれかよ.」
サファリ「らしいな.」
引き揚げようと言うクレイ.だがサファリはまだ粘ることにした.20分経った. そろそろ感づかれると懸念するオショウに
サファリ「オショウは先に引き揚げてくれ.俺達はもう少し粘ってみる.」
?女が去った.
サファリ「よーし,解散だ.」

女は男に,怪しい車が張り込んでいる様子はあったが, 他に張り込んでいる者はいないようだと報告.男は日刊スポーツを渡して去った. 女が日刊スポーツを開けてみると中には薬の包みが入っていた.

サファリ達はアジトでビデオを見た. そしてサファリは?女の背後にある喫茶店から女が覗いているのに気がついた. さらに?女が去った直後に女が去るのを見て
オショウ「間違いないわ.決まりだ.」

浜崎は時価数百億円の国有地を半値以下で払い下げてもらう話を進めていた. 手土産がいると言う長官に浜崎は, 隆友ジャーナルの件で集めた金が100億くらい手付かずで残っていると言った. 捜査の手が伸びる寸前にスイスから香港の地下銀行に移し変えてあったのだ. 感心する長官に浜崎はハングマンが密かに動いているので金は待つように言った. ハングマン実在を信じていなかった長官に, 浜崎は隆友ジャーナルの摘発にハングマンが絡んでいることを例にあげ, あの時の借りを返すことが必要だし,今後のこともあると述べていた. 長官に浜崎は手を打っていると答えていた.

例の女の写真を持ってクレイは喫茶店で聞き込んだ. 女は席に忘れ物をしたというのだ. クレイは忘れ物のポシェットの中から学生証を発見.
クレイ「渋谷区幡ヶ谷4-47-2.高野涼子ちゃんか.」
ちなみに昭和36年9月21日生まれで,学生証は音楽コンピュータ・スクールの物. 早速クレイは高野のマンションへ向かった. 鍵を開けて部屋に入ると高野涼子は注射器を持って死んでいた. クレイは一口薬を舐め,アンプルの中身を確認. アンプルを持ってクレイは去ったが,それを富国新風会の連中も見ていた.
男「タイガーキャブか.」

外でクレイはサファリとオショウに女が死んでいたことを報告した. 女は純度の一番高いヘロイン39を打ってショック死したらしい. これを聞いたサファリは自分達がはめられたのではないかと見た. 何もかも出来すぎていたからだ.女は目立つ場所に座っていたし, ポシェットも忘れていた.そして自宅へ訪ねて行ったら女は死んでいた.
オショウ「じゃあ,あの女は俺達を誘き出すための餌だったって訳か.」
サファリ「ああ.」
クレイ「とすると,俺の車から足がついちまったかもしれねえなあ. サファリ,ジャッキーがやばいぜ.早く事務所戻ろうや.」
サファリ「いや,もう手遅れかもしれんなあ.」
クレイ「手遅れ?」

サファリの予想通り,富国新風会の連中はタイガーキャブに乗り込んでいた. ジャッキーは#2で使った玉を投げて応戦したが,連中の敵ではなかった. ジャッキーは捕まり,縛り付けられてしまった. 連中はそのまま事務所に居座り,残りのハングマンを待つことにした.

クレイは一か八か事務所に乗り込もうと言ったが, サファリはジャッキーの身の安全を考えて制止した.
オショウ「俺にいい考えがある.」
クレイ「あ?」
オショウ「今度はこっちから奴らを誘き出したろ.サファリ, 事務所へ無線入れてくれ.」
サファリ「無線を?」
オショウ「うん.」

ジャッキーは事務所で吊るされていた.そこへ無線が入った. 仕方なく連中はジャッキーの縄を解き,猿轡を外していた. だがジャッキーは出ようとしなかった.
オショウ「何で出ねえんだろうな,ジャッキーはもう.」
クレイ「あの馬鹿,俺達をかばおうとしやがってよう. 機転の利かねえ女だよ,ホントに.」
サファリ「よーし,緊急信号送ってみよう.」
やっとジャッキーが無線に出た.
ジャッキー「はい,こちらタイガーキャブ.」
サファリ「どうしたんだ,遅かったじゃないか.」
ジャッキー「ごめん.ちょっとトイレ行ってたからさあ. 何か急用でもあるんですか?」
サファリ「ああ.大東亜建設から貸切の仕事を請け負ったんだ.」
ジャッキー「貸切?」
サファリ「おいしい仕事なんだ.富士見台の造成地に測量技師を送り込んで, 連中の仕事が終わるまで我々はそこで待機してりゃあ,いいんだ. 4時頃までそこにいるから,無線の客は全て断ってくれ.」
ジャッキー「全部?」
サファリ「そうだ.全部だ.じゃあな.」
富国新風会の連中は見事に騙された. 一人を監視のためにタイガーキャブに残して,連中は造成地に乗り込んだ. 激しい格闘の末,連中はサファリとクレイに倒された. そして連中を縄で縛り,小屋に閉じ込めた.
クレイ「どうしても喋んねえってんなら仕方がねえなあ.」
サファリ「ああ.」
サファリはダイナマイトの導火線に火をつけ,出て行こうとした. びびった男は富国新風会の望月会長の命令で動いたことを自白した. そして人質(すなわちゴッド)が富国新風会のビルの5階にいること, 黒幕が浜崎健三郎であること,そしてその晩の9時に,赤坂の梅津と言う料亭で, 国土整備庁の藤堂長官と会うことまで話した. そこまで聞いたサファリとクレイは連中を置いて去って行った. そしてダイナマイトは爆発した…と思ったら中からパッと造花が出てきた.
男「なんだこれ,だましやがって.この野郎.」

タイガーキャブに戻ったオショウは監視の男を眠らせ,ジャッキー救出に成功. タイガーキャブの車は産業ロボットの操作により, 緑ナンバーから白ナンバーに変えられ,ボンネットから虎のシールがはがされ, 虎のエンブレムが屋根からはずされ,色も塗り替えられた. そしてハングマンは出動した.

ハンギング

サファリ,クレイ,ジャッキーの3人は富国新風会のビルに乗り込んだ. サファリはゴッドを探すことにし,クレイとジャッキーは望月を狙うことにした. サファリは監視の者を倒し,ゴッド救出に成功.
ゴッド「結城君,やっぱり来てくれたのか.」
サファリ「裏口でオショウが待っています.さ,急いでください.」
その頃,クレイとジャッキーは望月の部屋に乗り込んだ.
望月「なんだ,貴様ら.」
クレイ「あんたが探してたハングマンちゃんだよ.」
望月「なーに?」
望月は拳銃を出したが,クレイに殴り倒されてしまった.
クレイ「望月さん,はじめてなのに手ぶらじゃ失礼だからね, プレゼントを持ってきましたよ.よいしょ.」
ジャッキー「特製のブレスレットよ. このブレスレットにはちょっとした仕掛けがあってねえ, このリモコンスイッチを押すと, このブレスレットの裏から針が飛び出る仕組になってるの. ほら,この通り.素敵でしょう.」
針が飛び出る様子を見て望月はびびった.
サファリ「仕掛けはそれだけじゃないんだぜ.」
サファリも登場した.
ジャッキー「この針の先から濃硫酸が滲み出てと.」
濃硫酸が垂れた場所(望月の足元)がなぜか爆発した. 驚いた望月は跳ね起きた.クレイが望月を押さえ込んで, ブレスレットを右手にはめさせた.
ジャッキー「これは鍵がなきゃはずれないのね.ごめんね.」
サファリ「つまり,あんたの命はリモコンスイッチ一つで, どうにでもなるってわけだ.」
愕然とする望月.

例の料亭に望月が登場. 望月はハングマンを一人残り始末したと浜崎と藤堂に報告. 望月は裏に車が用意してあるといい,浜崎と藤堂を裏へ連れて行った. だが車はトラックだった.そしてサファリ達が浜崎達を取り囲んだ.
浜崎「なんだ,お前達は.」
サファリ「あんたが目の仇にしていたハングマンさ.」
浜崎「ハングマン! 望月,これはどういうことなんだ.」
オショウ「こういうことですよ.」
オショウは望月の懐からカセットレコーダーを取り出した.
オショウ「お前さん達のやり取りは全部録音させてもらったよ.」
サファリ「そいつはコピーして警察へ送ってやろう.」
オショウ「しばらくおねんねしてもらおうか.」
連中は眠らされた.

サファリはゴッドに報告.
ゴッド「そうか.黒幕はやはりあの男だったか.」
サファリ「というと,ゴッドはお見通しだったんですか.」
ゴッド「は,は,は,は,は.あの男の尻尾をつかみたくてねえ, ま,あえて囮になったって言うわけだ.」
ゴッドはグラスに酒を入れながら言った.
サファリ「やはりそうでしたか.」
ここでゴッドは思いがけないことを言った.
ゴッド「しかし,結城君.どうやら,この辺が潮時らしいな.」
ゴッドはグラスを持ち,サファリにも別のグラスを渡した.
サファリ「と仰ると?」
ゴッド「ある意味ではね,私もあの浜崎とおんなじように闇の人間なんだ. だが今度の事件で私の正体は暴かれてしまった. もうこれ以上組織を維持していくのは難しいし,危険を伴う. 私にとっても君達にとってもね.」
サファリは無言だ.
ゴッド「どうだ.ハングマンを解散したいんだが.異存はないかね?」
サファリはうなずいた.
ゴッド「ご苦労だった.みんなによろしくね.」
サファリ「わかりました.ゴッドもお元気で.」
二人は乾杯した.

翌日.浜崎は縄で縛られて椅子に座らされ,あのテープを聞かされていた.
望月の声「ハングマンは一人残らず始末しました.」
浜崎の声「そうか.長官,お聞きのとおりだ.」
藤堂の声「何はともあれ,これで一安心ですな.」
浜崎の声「うん.早速香港から金を運ぶ段取りをつけよう.」
そのテープは外へもスピーカーで大音量で流されていた. 浜崎は西新宿のビル街に止められたトラックの中にいた. そしてトラックには野次馬が群がっていた.

その頃,4輪駆動のジープとトラックが富士山の麓へ向けて走っていた. トラックは樽を積んでおり,中には富国新風会の連中が詰め込まれていた. ハングマンは樽の蓋を開けた.
オショウ「おはようさん.気分はどうかね?」
望月「いったい,俺達をどうしようって言うんだ!」
クレイ「これからねえ,ハングマンの解散式をやるんですよ.」
男「解散式?」
サファリ「その前にアトラクションをやる.」
クレイ「ちょっと派手目に行きましょうか.」
ジャッキー「思いっきり楽しんじゃおうね.」
悪党達の入った樽は横にされ,富士山の坂を転がされた.
クレイ「それじゃあ,先に麓へ行って待っててください.」
ジャッキー「これはディズニーランドにもないのよ.」
助けてくれえ,止めてくれえと叫びながら悪党達は下へ下へと転げ落ちていった. それをハングマンは黙って見送っていた.
オショウ「ちょうど浜崎も今頃御用になっている頃だ.」
パトカーが駆けつけ,浜崎は警官に連行されて行った.

富士の裾野でサファリ達はトラックの荷台に乗った.
オショウ「さあ,再会をきして乾杯と行くか.」
サファリが大きな木槌でビール樽の蓋を叩き割った. そしてジャッキーがジョッキにビールを入れ,全員で乾杯. おいしそうにビールを飲んだ後,
サファリ「そうだ,そうだ.ゴッドからいいもの預かってるんだ.」
クレイ「いいもの?」
オショウ「いやあ,見るまでは安心できねえなあ.」
サファリが紫色の風呂敷包みを持ってきた.開けてみると
オショウ「お,キャッシュだ.」
そう,札束が見えたのだ.一同,大喜び.
サファリ「よーし,分けるぞ.」
とサファリが上を取ると,下の部分は札束ではなくてただの紙. しかも真中はくりぬかれていてピーナッツが積められていた. がっかりするクレイ.
オショウ「やっぱり.」
仕方なく,皆ピーナッツを食べた.
ジャッキー「いっただっきまーす.」
クレイ「幸せな奴だね.」

その後,ジャッキーは原宿の竹下通りでクレープをほおばりながら歩いた. クレイは東京タワーの見える道を歩き,オショウは浅草寺で托鉢. サファリはタバコに火をつけ,車に乗って西新宿の街を走って行った.

前半を見る. 「ザ・ハングマン4」へ 「全話のあらすじ」へ 「全話のキャスト」へ 「緊急指令トラトラトラ」へ 「私の好きなテレビ番組」へ 「touheiのホームページ」へ戻る.


東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp