第十七回

産業スパイを「クイズ!? 電気ショック」で叩きのめす
クイズ!? 電気ショックの恐怖

脚本:中村勝行 監督:井上梅次

中沢のところへ届いたデジコンからのハンギングパーティの案内状.
ハンギングパーティーの案内状
中沢「なんだ,これ.」

一方,悪党達は…
黒木「なんだ,お前達は.」
マイト「我々はクイズ番組を制作しているハングマンユニオンのスタッフです.」
佐原「ハングマンユニオン?」
マイト「はい.」

タミー「まず,ルールのご説明から. このスピーカーから出題者の声が流れてきます.」
後ろにいるのはヨガ.

デジコン「解答がなかったり,嘘の答えをした場合, 頭の上の鉄の球が一目盛りずつ降りてくる.」

見本のマネキンを指差すマイト.
マイト「いいですか.その鉄の球が下がりきって, 解答者のヘルメットの電極板に接触すると…」

デジコン「こういうペナルティが科せられますよ.」

これがペナルティ.鉄球が電極板に接触し, 高圧電流が流れ,火花が飛ぶ.

思わず頭を後ろへそらす佐原.

恐怖で口をパクパクする黒木.

オショウ「ご覧いただけましたね.あなた方が座っている椅子と, このモデルが座っている椅子,これは構造は全く同じ.どうぞご安心下さい.」
デジコン「ちなみにただいまの電圧は1万ボルト.」

マイト「面白い趣向のクイズでしょ. 名づけてクイズ(デジコンと一緒に)で〜んきショック! さあ本番参りましょうか.」

佐原「何をするつもりだ.」
マイト「クイズ.」

マイト「あなたの心臓に挑戦するクイズ電気ショック.まず一問目はこれから. あなたは光進電機が開発した超 LSI の技術情報を盗もうとしましたね. Yes か No か,答えてください.」

チッチッチッチッチッと時計の音がした.

佐原「こんな子供だましにはひっかからんぞ.」

鉄球が

一目盛り降りた.

黒木「せ,専務.」

音声は外へ筒抜け.
マイト「では,二問目.あなたは光進電機の島野という男をそそのかし, 情報を持ち出させようとしましたが,成果が得られず,彼を殺害しました. Yes か No か.」
佐原「黒木.何も言うな.わしらは何も知らん. こんな子供だましの脅しにはひっかからんぞ.おい,聞いてるのか. どこにいるんだ.」

録音するデジコン.

ブザーが鳴り,鉄球が一目盛り下がったので, 慌てて解答者用の早押しボタンを押す黒木.
黒木「ちょっと.ちょっと待ってくれよ.」

マイト「はい,黒木さん,どうぞ.」
黒木「Yes.島野を殺したのは俺だ.」
マイト「正解です.」
佐原「黒木,何を言う.喋んな.」
黒木「しかし…」

マイト「では三問. あなたは光進電機の中沢部長に殺人の濡れ衣を着せようとして, 高瀬栄美子と言う女性を殺害しました.Yes か No か.」
佐原「答えるんじゃない.」

だがブザーが鳴り,鉄球がまたまた一目盛り降りると

佐原「ああ.」

佐原「言う.言うよ.」

マイト「はい,佐原さん,どうぞ.」
佐原「み,みんな,君の言う通りだよ.」
黒木「俺は関係ないぞ.島野殺しも, 栄美子殺しもみんな専務の差し金なんだあ.」
佐原「黒木! 裏切るのか.」

その瞬間,壁が開いた.

群がる野次馬達

黒木「専務.何か言ってくださいよ.何とか言ってくださいよ.」
佐原「…」

その様子を中沢も見ていた.

ハングマンは立ち去った.入れ替わりにパトカーがやってきた.


東平 洋史 E-Mail:hangman@basil.freemail.ne.jp