第二十三回

百貨店社長愛人による悪事を暴く
女帝と社長の色と欲 ニセ秘宝展をあばけ

脚本:ちゃき克彰 監督:永野靖忠

夜の街で.SM ショーが開かれていた. 男はホステスに今夜一晩付き合ってくれと頼んでいた. ホステスはトリプルプレーの趣味はないと一度は断ったが, 相手が男ではないと聞いて承諾した.そしてホステスは, とある場所に連れてこられた.「相手」は車の中で酔っ払って苦しんでいた. ホステスも殴り倒され,酒を無理矢理飲まされて車の中に寝かされた. そして手筈通り,車は爆発. そのことをボスの女(根岸明美)が電話で報告を受けた.

今週のよね子

妙徳寺で.
オショウ「再婚.結構な話じゃないっすか.」
よね子「ああ,和尚様まで私に再婚しろと仰るのですの.あんまりですわ.」
オショウ「え?」
よね子「そんな.あんまりですわ.」
よね子は泣き出してしまった.
オショウ「そんな.奥さん,奥さん.いや,あたしが言ったのはねえ, 奥さんほどの人を一生独り身で朽ち果てさせるのはもったいない, こういう意味のことですよう.」
それを聞いたよね子は何やら勘違いして泣くのをやめた.
よね子「本当ですの?」
オショウ「ええ.そうですよ.」
よね子「ホントにそう思ってくださいますの?」
オショウ「心底,そう思ってますよ.」
よね子「嬉しい.」
よね子はこう叫んでオショウに抱きついた.
オショウ「ありゃりゃりゃ,ちょっと.」
よね子「でしたら,でしたら和尚様のおそばに私おいていただけるだけで…」
オショウ「いや,その,そりゃちょっとね.」
オショウは逃げ出した.いつのまにかヨガが縁側にいて,瞑想していた.
よね子「目くるめくような情熱を私もう,忘れることができません.」
オショウ「いや,奥さん.」
よね子「ああ,また思い出してしまったわ.」
オショウ「奥さん,落ち着いて.奥さん.」
よね子「和尚様.」
オショウ「檀家の人が見たら,ちょっと,よしなさい.」
よね子「和尚様.」
オショウ「ああ.」
よね子「お願い.」
オショウ「ちょっと,よしなさい.よしなさい.」
その時,やっとよね子はヨガの存在に気がついた.
よね子「え?」
オショウ「ええ?」
よね子は失神してしまった.
オショウ「ちょっと,奥さん.どうしたんです.奥さん.」
オショウがヨガの方を向くとヨガはにやりと笑った.

仕事開始

さてゴッドのオフィスにハングマンが集合した.
タミー「5日前に起こった無理心中事件よ. 愛人関係を清算する為の無理心中と断定されて当局の捜査は打ち切られたわ.」
マイト「俺達に集合がかかったってことは, 単純な無理心中事件じゃないってことだなあ.」
タミー「事件の背後には村越みさ(根岸明美)がいる. ゴッドはそう睨んでるらしいの.」
オショウ「村越みさってどっかで聞いたことがあるなあ.」
マイト「東都デパートの社長の愛人として最近マスコミをにぎわしてる女だ.」
デジコン「愛人というより今や東都デパートに君臨する女帝, 現代のクレオパトラって呼ばれてるよ.」
オショウ「ほ,ほう.現代のクレオパトラねえ.」
タミー「村越みさは自分が経営する村越交易を通して, 年間何十億ものアクセサリーや衣料品を東都デパートに納めてるわ. しかも他の取引業者と違って全て買取で返品は一切なし. おかげで売れ残った商品がほこりをかぶって, 売れ残ったまま倉庫に山積みされてるって話よ.」
デジコン「売れもしない商品を買い込んで 何億って言う手数料を払ってるってわけか.」
マイト「愛人の手当てにしちゃべらぼうすぎるなあ.」
オショウ「よく他の重役や社員が黙ってるなあ.」
タミー「反旗を翻した連中は例外なく左遷や退職に追い込まれてるわ. ホステスに無理心中したことになってる, 元東都デパート社員の小森たかしもその一人よ. 彼は左遷命令を蹴って東都をやめた後, 一人で村越みさの身辺を探っていた形跡があるのよ.」
デジコン「村越みさの身辺を?」
タミー「そ.村越みさの弱点をつかもうとしていたらしいわ.」
オショウ「その小森って男がホステスと無理心中.」
デジコン「どう考えてもうなずけないなあ.」
マイト「無理心中に見せかけた殺しだ. これはクレオパトラが一枚かんでるなあ.」

デジコンはヨガを村越交易社屋の前で降ろした. ヨガはエレベータの定期検査と称して村越交易社屋に潜り込んだ. オショウは小森の遺族の家を訪れた. オショウは取引業者の辻村と称して小森の妻とあった. ヨガは電話の交換機をいじり,盗聴機を仕掛けた. オショウは小森が村越みさを探っていたことを指摘すると, 妻は何度もやめるように言ったことを告げた.小森は, 村越みさが東都デパートを利用して何か金儲けを企んでおり, その証拠をつかみかけていたらしいのだ.さて, ヨガと入れ替わりにマイトが「草刈正雄」と書かれた名刺を受付に出し, 社長に会いたいと言った.
受付嬢「くさかりまさお様?」
マイト「まさおと書いてまさたけと読みます.」
受付嬢「くさかりまさたけ様ですね.しばらくお待ち下さい.」
秘書は会わないと言えと受付嬢に告げた.受付嬢がそれを伝えようとした時, マイトの姿はなかった.マイトが無理矢理社長室に乗り込んでいたからだ. マイトは東都デパート社員の小森のことについて聞きたいと言い,さらに
マイト「現代のクレオパトラと言われるだけあって,大変にお美しいですな. (両手を胸から前に伸ばして)ガーン.十年前だったら私がほっときませんよ.」
と左足を机の上に載せたので
秘書「君.」
と注意された.さらにマイトは用件を聞く村越みさに対して
マイト「ほう,金粉のタバコですか.高級品ですなあ.」
と口にくわえ,さらに口止め料として5千万円を要求した. マイトは小森が無理心中した事件の口止め料として要求したのだ. だが村越みさは白を切った.
マイト「ほう,ストッキングも金粉ですか.」
村越みさは, 草刈経済レポート社なんて聞いたことがない新聞に何を書かれようと, 痛くも痒くもない,と言ったが,マイトは,うちが書けば週刊誌が飛びつく, とはったりをかまして去って行った.村越みさは秘書に, マイトの素性を調べろと命じていた.

早速デジコンは秘書の友部が山室商事に電話するのを盗聴し, 電話番号も調べ上げた.山室達が草刈レポート社の事務所へ行くとタミーがいた. タミーは借金取りじゃないかとか,行き先も知らないとか, 給料も滞っているとか,近々大金が入るらしいと大口を叩いていたとか言った. そこへ来来軒というラーメン屋の出前持ちに扮したヨガが登場. タミーに代金を請求したが,タミーは無い袖は振れないからこの次にしてくれ, と答えた.それを見た山室達は去って行った. 早速ヨガは中から山室達の写真を撮った.

ゴッドのオフィスで一同は中間報告.
デジコン「この二人は山室商事の社長と部下の伊藤という男だ. 商事会社の看板は出しているがほとんど営業活動はしていない. 村越みさの手足となって影で動いてる連中とみてまず間違いはないだろう.」
マイト「偽装心中に関係しているという可能性はどうなんだ.」
デジコン「念の為に確かめてみたんだが,二人は事件の夜, 例のホステスが勤めていたクラブに現れている.」
オショウ「じゃ,その二人がホステスを連れ出したってわけだ.」
タミー「そして無理心中にみせかけ,小森たかしと一緒に車ごと吹き飛ばした.」
マイト「おそらくそんなところだろうなあ.オショウ,そっちの方は.」
オショウ「死んだ小森は,村越みさが東都デパートの看板を利用して, あくどい金儲けを企んでる, しかもその証拠がつかめそうだと女房に言ったそうだ.」
ヨガ「東都の看板を利用して?」
タミー「それなら今までも散々やってるはずよ.」
デジコン「ひょっとして刑事事件になるような計画かもしれんなあ.」
タミー「刑事事件に?」
デジコン「ああ.だからあえて危ない橋を渡って小森たかしを消したんだ.」
マイト「大したクレオパトラだ.」
オショウ「しかしどうもわからんなあ.」
マイト「何が?」
オショウ「いや,東都デパートの社長だよ. 経営者としては一流だって言われてる男がだよ, 村越みさなんて女にどうしてそこまで好き勝手にさせてるかだ.」
タミー「クレオパトラの魅力に骨抜きにされてるのよ.」
オショウ「まさか.とっくにとうが立ってる四十女に, そこまでいれあげるってのは普通じゃねえよ.」
マイト「オショウの言う通りだ.二人は異常な男と女の関係かもしれんなあ.」

マイトとオショウの読みは当たった. 秘書が草刈レポート社に関する報告を受けている最中に, 村越みさは東都デパートの社長から呼び出しを受けて出かけていった. 秘書はホストクラブで適当なホストを探しに出かけた. 早速タミーが村越みさを,ヨガが秘書を尾行した. 村越みさは SM 専門のラブホテルに入った. マイトがタミーと合流した直後に東都デパートの磯上社長もやってきた.
マイト「なるほど.こういう関係だったのか.」
村越みさは文字通り,女王様になって磯上社長を鞭で叩いたり, ロウソク攻めにしたりしていた.そこへ秘書の友部が若い男を連れてきた. 村越みさの相手をさせようというのだ.ヨガもマイト達と合流した.
マイト「よーし,ヨガ.あのばあさんと一晩付き合ってやれ.」
ヨガ「俺が?」
村越みさはマイトの読み通り,ホストとの情事に明け暮れていた.
村越みさ「ああ.わたし若いのがいいわ.」
そしてヨガはホストクラブにホストとして入ることに成功した.一方, 小森の妻は森村ゆきこと名乗り,村越交易にタイピストとして潜り込んでいた.

さて esquire club にヨガを除く4人のハングマンが集結した. タミーはヨガが例のホストクラブに潜り込むことに成功したことを報告.
オショウ「あの手の顔でさあ,クレオパトラからお座敷かかるかなあ.」
マイト「奴は喋らなきゃ好まれるタイプだよ.」
オショウ「うーん,それは言えてるなあ.」
遅れてやってきたデジコンは, 村越みさが買い集めた時価30億円の古美術品が, その晩に横浜港に着く事を報告した.東都デパートの本店で展覧会を開いて, 近々大々的に売り出すらしいのだ. それが小森たかしが言っていた計画のことかもしれない. 時価30億円というのは眉唾かもしれない.古美術品は翌朝, 村越交易の倉庫に運び込まれるらしい.

翌朝.村越交易の倉庫に古美術品が運び込まれた. 早速オショウとデジコンが倉庫に潜り込んだ. まず警備員の部屋に催眠ガスを送り込んで警備員を眠らせた. そして悠々と倉庫に入り,古美術品を検査した.まず仏像を調べてみたが, 思った通り偽物だった.化学処理で古美術品らしく見せているが, 材料は新しかった.壷も偽物だった. そして村越交易からオショウとデジコンが立ち去ろうとした時
オショウ「おい.」
デジコン「どうした.」
オショウ「小森の女房だよ.ほら.白いスカートに紺の上着.」
デジコン「どうして村越交易に.」
オショウ「おそらく亭主に代わって, クレオパトラの身辺を探ろうって言うんだろう.」
デジコン「このまま放っておいちゃ危険だなあ.」

小森の妻は同僚に代わってタイプした文書を村越みさのところへ持っていった. 丁度その時,村越みさは友部から衝撃的な報告を受けていた. 東都デパートが取引を中止したいといってきたのだ. 在庫の処分ができるまで当分の間取引を控えたいと言ってきたのだ. このことは磯上社長も承知しており,株主から突き上げが来たようなのだ. 村越みさは磯上が追い出されるまで搾り取られるだけ搾り取れ, と友部に命じていた.そこへ小森の妻はタイプした文書を持ってやってきた. そして渡した後,立ち聞きを開始.そうとも知らずに, 村越みさと友部は偽古美術品のことを話し合っていた. そこへ山室と伊藤がやってきた.山室と伊藤は小森の妻の正体を見抜き, 村越みさに報告した.村越みさは小森の妻を始末するよう命じた.

その晩.山室と伊藤は小森の妻を追いかけた.途中で見失ったが再び発見し, 車ではねた.
オショウ「おい,大丈夫か?」
タミー「大丈夫よ.」
途中で入れ替わっていたのだ.オショウが口笛を吹くと同時に救急車が現れた. そして救急隊員に化けたヨガとデジコンとともに本物の小森幸枝を連れ去った. 病院に現れた友部に医者に化けたオショウは
オショウ「意識不明で重態です.ま,万が一命をとりとめたとしても, お気の毒ですが植物人間ですなあ.」
友部「植物人間?」
オショウ「ええ.まあ当分の間は面会謝絶です.」
友部はまんまと騙されてしまった.さて小森幸枝は403号室に寝かされていた. 傍らに書置きが置いてあった.
オショウの声「小森幸枝様 手荒なことをして申し訳ありません. あなたの御主人を死に追いやり,私腹を肥やす悪党どもが狙っています. 私達もご主人の死の真相を確かめようとしているものです.」

ゴッドのオフィスで.
マイト「じゃあ,彼女は病室に?」
オショウ「ああ.」
デジコン「面会謝絶ということにしておけば安全だ.」
タミー「彼女まで殺そうとするなんて本当にあくどい連中だわ.」
オショウ「あのクレオパトラは偽の古美術売り出して, 最後の最後まで東都デパート食い物にしようとしてるんだよ.」

村越みさは小森幸枝が助かっても植物人間だと知って安心した. そして古美術品売買の件の念押しをしておこうと言った. その動きをハングマンも察知した.来週早々, 東都デパートの本店で大々的に展覧会を開くことにしたのだ. その日は村越みさの相手をヨガがつとめることにした. ヨガは東都デパートの社長に知れたら困ると言い, さらに今度東都デパートの試験を受けることになってると言った. 村越みさは磯上社長は自分の言うことなら必ず聞くといい, また近いうちに磯上が東都デパートを追い出されると言った. なんだったら村越交易で採用してもいいと言ったが, ヨガは逃げ出してしまった. ヨガと村越みさの会話は全てデジコンが盗聴しており, 必要な情報を全て得たからだ.

翌朝.村越みさと友部が出社すると社長室の社長席にマイトが座っていた.
マイト「なあんだ,せっかく合わせて来たのに.今日は金粉ですか.」
マイトは銀粉のタバコを持っていた.
村越「野暮ねえ.」
マイトは口止め料をもらいに来たと言ったが,村越みさは断った.
マイト「そうか,調べたんですか. うちの社が半年前に2万7千円の不渡りを出したことを.それで倒産しました. しかし,週刊誌に売る手があるんですよ.」
村越はどうぞご自由にと答えたが,マイトは偽古美術品売買の話を持ち出した.
村越「5千万払いましょう.」
マイト「5千万? 一桁違いますねえ.」
村越「何ですって?」
マイト「口止め料として5億円頂きます.」
友部「5億円? 冗談もほどほどにしたまえ.」
マイト「今度の計画が成功すれば,そっちは30億のボロ儲けだ. 5億なら決して高くない.今日の午後.晴海の第二倉庫に持ってきてもらいたい.」
マイトは村越みさのドレスをつかんで
マイト「これが野暮ですね.」
そう言ってマイトは去って行った.

小森幸枝の病室の壁に, 白い封筒に入っていて数珠を握る手の描かれたシールで封をされた手紙, すなわち,オショウからハンギングパーティの案内状が貼ってあった. 幸枝は案内状を読んだ.
オショウの声「あなたの御主人を殺害した悪党どもに天の裁きが下されます. 明朝10時,下記の場所においで下さい.」
場所は東都デパート. そしてハングマンは表の仮面を脱ぎ捨ててハンギングに出動した.

ハンギング

晴海の第二倉庫に友部,山室,伊藤の三人が姿を現した.
友部「どこにいるんだ.金は持ってきたぞ.」
マイト「トランクを開けてもらおうか.」
山室がトランクを開け,ピストルを取り出して撃つと,突如,地面が爆発した.
マイト「今のはほんの一滴.これはニトロだ.」
マイトはニトロの小瓶を持って近づいた.
マイト「拳銃を捨ててもらおうか.」
山室は拳銃を捨てた.背後にヨガが,そして別の方向からタミーが現れた. そして友部達三人は上から落ちてきた檻に閉じ込められてしまった.
マイト「触るな.この檻は高圧電流が流れてるんだ.嘘だと思ってるんだろう.」
マイトが棒を檻に投げつけると火花が飛んだ.思わず友部達は後ろにのけぞった.
マイト「ちょっとでも触ると黒焦げになるぞ.死にたくなければ, 村越みさの命令で何をしてきたか,全て話してもらおうか.」
マイトはゴム手袋をしながら棒を持ち,火花を飛ばした.
友部「断る.こんな脅しにのってたまるか.」
マイト「そうかい.それじゃ,人間の丸焼きになってもらおう.おい.」
マイトが合図するとタミーが懐からリモコン装置を取り出し,操作した. すると檻の天井が下りてきた.
マイト「頭の上にも電流が流れてるんだ.それじゃあなあ.」
マイトはわざと棒を檻に触れさせて火花を飛ばし,去って行った.
友部「やめてくれ.助けてくれ.何もかも話すから止めてくれ.話す.」

翌朝.村越交易から村越みさが東都デパートへ向かった. 「秘宝 大古美術展」という展覧会の初日だったのだ.どうでもいいが, 「秘宝 太古美術展」と書くのが正しいのではないか? それは兎も角, 大勢の来場者が開場を待ちわびていた. 村越みさは大勢の記者に取り囲まれて質問されていた.
村越「私と磯上社長が愛人関係ですって?」
記者「世間ではそう噂されておりますが.」
村越は笑った.
記者「公然の秘密では?」
村越「ただの噂ですわ.磯上社長とは仕事上の上の神聖な関係ですの. もちろん優れた経営者として私磯上社長を心からご尊敬申し上げております.」
そこへ
村越の声「あたしの言うことならねえ,なあんでも聞くのよ. 東都デパートの磯上社長は.」
テープの声がスピーカーから流れてきた.
村越「誰? 誰なの,こんな愚劣な悪戯するの? あは.さあ,皆さん.会見を続けましょう.」
だがそう言った瞬間に
友部の声「村越みさは色と欲しか頭にない女だ.メス豚だ. あの女は東都デパートの磯上社長の SM 趣味につけこんで, 東都デパートを思いのままに食いつぶすつもりなんだ.」
ツタンカーメン王の仮面(の偽物)が飾られた壁がくるりと回り, 友部,山室,伊藤がさらされた.
山室の声「東都デパートの元社員を無理心中に見せかけて俺達に殺させたのも, あの女だ.みんなあの女の命令でやったことだ.」
磯上「これは…」
伊藤の声「あの女は東都の看板を利用して, 偽物の古美術品を売りまくるつもりだ.」
村越みさと磯上に向かってフラッシュがたかれた.
磯上「やめろ.写真はやめろ.」
磯上はおろおろするばかり.そして磯上は逃げていった. そこへ小森幸枝もやってきた.
伊藤の声「二束三文のガラクタで30億も儲けるつもりでいるんだ.」
山室の声「俺たちはあの女の命令で動いただけなんだ.悪いのはあの女だ.」
村越みさは,間抜け,間抜けと叫んで友部達を叩き, さらに群がる記者を前に泣き叫んでいた. そしてパトカーのサイレンの音が聞こえてきた.

そして…

カジノ「ダイナ」でオショウはスロットマシンが全然当たらないので, 台を動かしたりして八つ当たりしていた.そこへさとみがやってきて, 困りますと注意した.
オショウ「なんだ,このガラクタは.マスター呼んで来い,マスターを.」
さとみ「マスター.」
オショウは1万円もすったので怒って台を叩き始めた.
マイト「何を叩いてるの.あなたはねえ,お寺へ帰って木魚を叩いてなさい. それが一番あってる.」

解説

この話は1982年に起きた三越百貨店本店で開かれていた 「古代ペルシャ秘宝展」の展示品に, かなりの贋物が混じっていたことがきっかけで発覚した事実を, モデルにしたものです. 実際,モデルになった竹久みちは三越の岡田茂社長(当時)の愛人で, 岡田氏は竹久みちの経営する「アクセサリーたけひさ」に, 不当な利益を与えていました. 岡田氏と竹久女史に SM 趣味があったかどうかは定かではありません.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp