第九回

仮病で病院に閉じこもった暴力団組長を引きずり出す.
仮病の悪 大手術いびり出し作戦

脚本:中村勝行 監督:小西通雄

西武池袋線と山手線が交差する場所の近くにあるアパートに, 刑事達(織本順吉ら)が乗り込み,皆川と言う男を捕まえた. このことは松宮商事の社長,すなわち組長の松宮(名和宏)に電話で報せられた. 警察が松宮を追求していると言うのだ. 松宮は部下の武藤(八名信夫)に伊沢病院へ連絡させた.一方, 皆川を取り調べていた刑事(織本順吉)のところに, 松宮が伊沢病院へ入院したと言う報せが入った.早速刑事は伊沢病院へ行き, 松宮の病室へ入ろうとしたが, 松宮の部下や武藤が固めていて近寄ることができなかった.
武藤「だんな,組長は今危篤状態なんですよ. すいませんが,今日のところは一つ引き取っていただけませんか.」
刑事「何? 危篤だと?」
そこへベッドに寝かされた松宮が運ばれてきた.松宮は酸素マスクをし, 点滴もされていた.刑事は怒って病室に入ろうとしたが武藤に阻止された. そこへ医者(田口計)がやってきた.
医者「刑事さん.院長の伊沢です.まあ,ご覧のとおり, とっても取調べのできる状態じゃありません. 警察の方へは後ほど弁護士を通じて診断書を提出しときますので, 今日はお引き取りください.」
刑事は怒りの形相.
武藤「誰か刑事さんを玄関までお送りしろ.」
刑事は黙って帰っていった.

だが松宮は元気一杯だった.伊沢は第二病院建設予定地獲得を条件に, 松宮に協力していたのだ.松宮は伊沢が去った後, ベッドの上で女と情事を開始した.

仕事開始

この件が仕事になった.ゴッドのオフィスでデジコンが説明する.
デジコン「これが傘下組員5千人の関東一の組織暴力団松宮組の組長, 松宮ぐんぞう,そしてこれが松宮が入院した伊沢総合病院.」
マイト「奴は警察の逮捕を逃れて病院へ逃げ込んだってわけだ.」
タミー「病院から正式な診断書が出てるんじゃあ, 警察としては手も足も出せないわね.」
デジコン「松宮の病状がどの程度かわからないが, どうせ病院側も一枚かんでいるに違いない.」
ヨガ「で,ゴッドからの指令と言うのは?」
デジコン「この男について説明しておこう.」
スクリーンに松宮を追う刑事の姿が映し出された.
デジコン「警視庁捜査四課の係長浜田平吉. 組織暴力団壊滅に刑事生活の大半を注いできたベテラン刑事だ. 今月の10日付で定年になる.」
タミー「今月の10日? あと4日しかないじゃない.」
デジコン「うん.彼は退職前になんとしてでも松宮を捕まえようと, 執念を燃やしてきたんだが,奴が入院したことでその可能性はなくなった.」
オショウは怒って机を叩いた.
オショウ「クッソウ.浜田刑事の最期の花道を飾らしてやりてえなあ.」
デジコン「いや,それだけじゃない. 浜田刑事は松宮に対して個人的な恨みを抱いているんだ.」
デジコンは一人の娘をスクリーンに映し出した.
デジコン「これは浜田刑事の一人娘八重子. 彼女は大学時代アルバイトであるホテルのルームサービスをしていた.」
あるとき,八重子は松宮の予約した部屋に食事を持ってきた.そのとき, 八重子は松宮に無理矢理犯され,それを苦に手首を切って自殺していた.
浜田「八重子.」
浜田は死体に駆けより,何度も八重子の名を呼んだ.そして取調室で
松宮「刑事さん.妙な言いがかりはよしてくださいよ. 私はねえ,素人の女に手出すほど女に不自由してねえんですよ.」
浜田「よくもぬけぬけと,この野郎. 貴様のようなけだものは,この俺が叩き殺してやる.」
浜田は松宮を殴ったが,部下に制止された.
デジコン「結局,松宮は証拠不十分で不起訴になった. それ以来,浜田刑事は松宮逮捕に異常な執念を燃やしてきたんだ.」
マイト「ひでえ話だ.人事ながらはらわたが煮えくりかえってくるぜ.」
オショウ「まして父親なら八つ裂きにしたって飽きたりねえ気持ちだろう.」
タミー「このまま娘さんの恨みも晴らせずに定年になってしまったら, 生涯悔いが残るわねえ.」
デジコン「だから俺達が手を貸そうっていうわけだ.松宮を病院から連れ出し, 浜田刑事に身柄を引き渡す.それが今度の仕事だ.」
マイト「全く,せわしない仕事だ.浜田刑事が定年になるまであと四日しかない. よーし,行動開始だ.」

早速デジコンが病院の周囲を撮影し,周りの様子を探った. ヨガは清掃員に化けて中の様子を探った.タミーは看護婦に, オショウは係員に聞き込みをした. そしてその晩の10時にハングマンはゴッドのオフィスに集合した. 病院の周りは組員がたむろしていて全く隙がない. 病室の前にも組員が張り込んでいる. 病室の窓にはブラインドがおろされていた.だが突破口が一つ見つかった. 伊沢総合病院では看護婦の他に患者に食事を配ったり,病室を掃除したり, ベッドメイキングをする雑用係がいるのだが, ほとんどがパートタイムに頼っているのだ.何とか潜り込めそうだ. デジコンが病室の配置を説明した.松宮の病室は8階の奥の部屋. その前の部屋が組員の控え室.そこで,オショウが入院し, タミーはアルバイトとして働くことにした. そしてデジコンは高性能の盗聴機を作っていた.

一方,浜田は病院をしつこく張り込んでいた. うるさく思った松宮は情婦の明美に武藤を呼ばせた. そして松宮は武藤に浜田を始末するように命じた. 同時に銀竜会の始末も命じた.全滅する銀竜会.

デジコンは病院の構内交換機に細工し,盗聴機を仕掛けた. そしてデジコンはオショウの部屋に入った.オショウは暇を持て余していて, ベッドに寝ながらバーベルを上下させていた.デジコンにオショウはこぼした.
オショウ「まいったよ,もう.脈は計るの,血採るの,ションベン出すの. おい,二日分だよ.」
デジコンはオショウの部屋で松宮の部屋からの電話を聞けるようにした. さらにデジコンはタミーに松宮の病室に盗聴機を仕掛けさせた. 松宮はタミーを見てうっとりしてしまった.それを嫉妬した明美は松宮を注意し, タミーが持ってきた病院食を食べさせようとした.だが松宮は, こんなものが食えるかと病院食を放り投げてしまった. その隙にタミーはベッドに盗聴機を仕掛けた. 松宮は早速武藤に電話し,松阪牛のいい肉を1Kg持ってくるように頼んだ. そして例の件,すなわち,浜田を始末する件の念を押した. その電話をオショウとデジコンが盗聴していた.
オショウ「例の件って何のことだ?」
デジコン「さあ.」

その晩,浜田は武藤の手下に襲われたがマイトとヨガが浜田を救出した. 怒った武藤は手下をボコボコにした.その後,松宮は武藤と焼肉を食っていた. 盗聴していたオショウとデジコンは怒りを覚える.
オショウ「冗談じゃねえや.病室で焼肉なんて食ってやがる.」
デジコン「肉なんて食えるのは今のうちさ.」
オショウ「そうだ.今に臭い飯たっぷり食わしてやる.」

そして浜田刑事の定年まで後二日になり,マイト達は手詰まりになっていた. ヨガは路上販売をしながら瞑想していた.そこへ女達がやってきた. 女達はいろいろ物色していたが
ヨガ「そのネックレス,500円.」
ヨガが目も開けずに喋ったので女達は気味悪がって買わずに帰ってしまった. そこへデジコンがやってきた.
デジコン「まるで座頭市だなあ.」
ヨガ「マイトならいつもの喫茶店にいる.」
マイトはプールバーにいた.
マイト「どうだい,様子は.」
デジコン「いや,今のところこれと言った収穫は.」
マイト「浜田刑事の定年まであと二日かあ.」
デジコン「奴らが隙を見せるまで待つしか手はないなあ.」
マイト「鳴くまで待てないホトトギス.」

今週のよね子

オショウが盗聴しているとドアをノックする音が.
オショウ「はい,はい.ちょっと待ってくださいね.」
オショウは盗聴器にきれをかぶせ,ベッドに寝た.
オショウ「はい,どうぞ.」
やってきたのはよね子だった.
よね子「和尚様.」
オショウ「え,ああ.奥さん.どうしてここがわかったんですか?」
オショウは驚いて飛び起きた.
よね子「それならそうってどうしておっしゃってくださらなかったんですう. 檀家の方から和尚様が入院なさったと聞いて私もうびっくりしてしまってえ.」
そう言ってよね子はオショウのすぐそばに座った.
オショウ「いやいやいや.入院と言いましてもほんの人間ドックですから.」
だがあれこれ妄想するよね子にはこの言葉は通じなかった.
よね子「わかってます.あたくしにはよーくわかってます.」
オショウ「え?」
よね子「亡くなった主人のときもそうでしたわ.」
よね子はオショウによりかかった.
よね子「ある日突然,ドックに入ると言い出しまして. 今考えましたら私を心配させまいとする配慮だったんですねえ.」
オショウ「何を言うんです.」
よね子「数日後にポックリ.」
オショウ「いやいやあ.あたくしのは本当に健康診断だけなんですから.」
よね子「和尚様,おいたわしい.」
よね子が抱きついてきたのでオショウは叫び声をあげた. そこへ看護婦がやってきた.
看護婦「辻村さん,お小水取ってもらいます.」
よね子は尿瓶を取ろうとして
よね子「ああお小水.じゃ,あたくしが.慣れてますから.」
オショウは大慌て.
看護婦「辻村さん,こちら,どなたです? 困りますねえ, 勝手に女性を病室に入れたりして.さあ,出て行ってください.」
よね子「ちょっと待ってください.お小水だけでも.」
看護婦「検査が終わるまでここは一切立ち入り禁止なんです.」
看護婦はよね子を連れて立ち去った.
オショウ「はあ.」
安心したオショウがベッドに寝そべった瞬間…

作戦開始

ノックの音が.オショウは大慌て.
オショウ「またかよ.」
やってきたのはマイトだった.
オショウ「ああ,お前さんか.」
マイト「えらいのが飛び込んできたなあ.」
オショウ「えらいかなあ.」
マイト「松宮の様子は?」
オショウ「いや,これ聞いてくれよ.いやんになっちゃったよ.」
オショウはマイトに盗聴テープを聞かせた. たちまち明美のよがる声が聞こえてきた.
マイト「なんだい,これ.」
オショウ「よっぽど退屈してるらしいんだよ.一日中こればっかり.」
マイト「松宮ってのはよっぽどの好きもんなんだなあ.」
オショウは時計を見た.
オショウ「あ,ぼちぼち始まる時間だ.」
オショウは盗聴機のスイッチを入れた.
オショウ「ちょっと聞いてくれよ.」
マイトは盗聴機のイヤホンを耳にした.
マイト「始まった.」
オショウ「時間ぴったりだよ.」
マイト「運動してるぜ.」
その頃,松宮がほざいていた.
松宮「ああ,もう全く病院のベッドってのは硬くっていけねえや. おかげで腰がガタガタだよ.」
明美「ベッドのせいかしら?」
マイトとオショウは呆れていた.
オショウ「ベッドがギシギシギシギシうるせえだろう.」
マイト「馬鹿馬鹿しくって聞いちゃいられねえよ.」
オショウ「一日中聞いてみてみろ.頭おかしくなっちゃうから.」
その時,マイトはある作戦を思いつき,手を叩いた.
マイト「よし,この手で行こう.」
オショウ「何?」
マイト「ベッドだよ.」

まずタミーがベッドメイキングと称してベッドに細工. 松宮が情事を開始するとマットからネズミが登場.怒った松宮は武藤へ電話した. その電話をマイトがオショウの病室で武藤の部下の振りをして受けた.
マイト「はい.おお,組長っすかあ.」
松宮「武藤はいるか.かわれ!」
マイト「武藤の兄貴ですか.出かけておりますが何か.」
松宮「大至急マットを届けさせろ.」
マイト「マット?」
松宮「スプリングがきいた高級マットだ.大至急持って来い.大至急だ!」
マイト「はいわかりました,組長.少々マットって下さい.」
マイトとオショウはにやりと笑った.
オショウ「よーし.おかげさんで私も退院だ.」

早速マイトとデジコンが布団屋に化け,布団を持って松宮の病室に向かった.
警備員「ちょっと待った.君達,これをどこへ運ぶのですか?」
マイト「松宮様から出ございます.」
警備員「松宮さん!」
マイト「はい.先程特別注文いただきまして, 早く持ってかないと怒られますので失礼致します.」
マイトは後ろにいたデジコンに声をかけた.
マイト「小西君,行くよ.」
デジコン「はい,失礼します.」
警備員は怪訝な顔.マイト達は松宮の病室の前へやってきた.武藤は怪訝な顔.
武藤「おい,ちょっと待った.どこ行くんだ?」
マイト「はい.確か,こちらは松宮様の病室でしたね.」
武藤「俺は何にも聞いちゃいないよ.」
デジコン「いや,ご注文を承りましたマットです.」
武藤「誰に?」
マイト「硬いベッドを持ってこいと特別注文を承りまして.」
武藤「ほう,妙だな.」
武藤はマイトをボディチェックした.
マイト「親分さん,感じます.」
武藤は病室をノックすると
明美「遅かったじゃないの」
マイトとデジコンは病室へ潜り込むことに成功した.

マイトとデジコンは部屋に潜り込み, 松宮と明美をハンカチに染み込ませた麻酔薬で眠らせた.
マイト「この,助平.」
マットのチャックを開けると中にはヨガが. マイト達はヨガの代わりに松宮をマットの中に入れた. そして明美を浴室へ運び込んだ.後はマットを持って外へ出るだけだ.

ところがそうは問屋が卸さない. 武藤からマットの件を聞いた伊沢が,病院の備品を勝手に取り替えては困る, と武藤にねじ込み,病室に乗り込もうとしたのだ. ノックの音に一瞬びびるデジコン.しかしマイトは慌てず騒がない.
マイト「松宮とあの女のスーハーテープだ.こいつは使えるぜ. おい.バスルーム.」
マイトはヨガにスーハーテープを渡した.
ヨガ「Ok!」
マイト「早くしろ.」
ヨガはお湯を入れ,スーハーテープのスイッチを入れた. ヨガは眠っている明美とバスルームで明美を相手に「情事」の真似事.
マイト「しー.親分さん,お医者さん,二人は今, お医者さんごっこしてるんですよ.」
二人が情事をしているのがスリガラス越しに見えた. 明美の声に合わせてマイトが頭を上下させ,リズムをとった. その様子に武藤と伊沢は見事に騙されてしまった. こうして松宮を病室から連れ出すことに成功した.

オショウは病院の廊下で伊沢を殴り倒し,ヨガとともにどこかへ連れ出した.

その晩.浜田は八重子の霊前に報告していた.
浜田「八重子.すまんなあ.お前の恨みも晴らせず, とうとう明日で定年になってしまう.八重子.お父さんの無力を許してくれ. な.」
その時,玄関で物音がした.浜田が玄関へ行くと手紙が戸に挟まっていた. それは黒い封筒に入っていて,導火線に火のついたダイナマイトを手に持ち, 葉巻をくわえたギャンブラーが描かれたシールで封をされた手紙,すなわち, マイトからのハンギングパーティの案内状だった.浜田は案内状を読んだ.
マイトの声「松宮ぐんぞうの身柄引き渡したく,明日午前十時に, 新宿区歌舞伎町一丁目ロイヤルビル前に来られたし.」
ハングマンは表の仮面を脱ぎ捨ててハンギングに出動した.

ハンギング

松宮が目を覚ますとそこは手術室だった.
松宮「俺はどうして,手術室にいるんだ.」
そこへマイトとデジコン,そしてタミーが入ってきた.マイトの格好は凄まじい. コックの帽子を被り,右手に肉切り包丁,左手にやすりを持っている.
松宮「何だ,その帽子は.」
マイト「静かに.私が何の帽子を被ろうと勝手だ.」
デジコン「(胸部のレントゲン写真を指差して)ドクター, これはかなり進行してますな.」
マイト「セカンドドクター,そのとおり.これはガンですよ. 胸部に大きな影がある.」
デジコン「すぐに切除しなければ命取りになります.」
マイト「イエッサー.」
マイトがやすりで刺身包丁を研ぎながら松宮に近づいた.
松宮「そんなはずはない.おれはこのとおりピンピン,ピンピンしてるぞ…」
デジコン「静かに.隣に手術を終えたばかりのクランケがいます.」
隣を見て驚く松宮.隣のベッドにはヨガが横たわっており, 胸が血まみれになっている.
タミー「ドクター,デゥールップが落ちています.」
マイト「何,ブルドッグが落ちてる?」
デジコン「ペルスの動きも鈍ってます.」
マイト「電気ショックをかけろ.それが駄目ならドリルで胸を切開だ.」
手術の様子を凝視する松宮.しかし「電気ショックを受けた」ヨガは, 大げさに動いた後「死んで」しまった!
タミー「手遅れです.瞳孔が完全に開いています.」
デジコン「脈も止まったようだなあ.」
マイト「ばか者.フッ化ナトリウムと劇薬を間違えたのか.」
この言葉を聞いて松宮はびびりまくる.
タミー「仕方がありませんわ.ドクターが手術をなさるのは, 今回がはじめてですもの.」
デジコン「まあ,よくあるケースですな.それよりドクター, こちらのクランケを.」
マイト「イエッサー.」
松宮「や,やめてくれ.そんな,そんなやぶに手術してもらうなんて真っ平だ!」
マイト「失礼ですね,あなた. 私は大学病院で獣医のインターンを十八年やってまいりました」
松宮「俺は動物じゃない.十年やろうが二十年やろうがやぶはやぶだ. それに俺は病気じゃない.食欲だって性欲だって人一倍あるんだ. 明美を呼んでくれ,院長を呼べ.」
マイト「静かにしないか,トド.ただちにスペを開始する.いや間違えた. オペを開始する.」
デジコン「アイアイサー.」
マイト「さあ,ドリル用意.」
タミー「イエッサー.」
このときカメラの位置が変わってマイトの背中が映る. 背中は肌が露出しており,なぜか膏薬が二枚貼られている.
松宮「俺は病人じゃない.院長だって知ってるんだー.」
マイト「四の字固めにしなさい.」
デジコン「アイアイサー.」
松宮「離せえ,離せえ.」
デジコン,四の字固めをかける.
マイト「トドを押さえろ.」
松宮「離せえ,離せえ.」

場面変わって歌舞伎町のコマ劇場前.
松宮「俺は病人じゃねえんだい.この野郎.俺は病人じゃねえって 言ってんだよ.」
怒った松宮が叫びながら走り回った.そして野次馬達に向かって叫んだ.
松宮「誰が俺を病人にしたんだ,この野郎.え.俺は病人,病人じゃねえぞ. 院長呼んで来い,院長呼んで来い.病人じゃねえんだ,この野郎.」
マイトがスピーカーで松宮の悪事を暴く.
マイトの声「この男は関東一の組織暴力団松宮組組長です. 過去数え切れない殺人暴行を犯した市民の敵です. その上警察に追及されると仮病を装い, 重症患者として伊沢病院に逃げ込んだ悪逆非道の男です.」
松宮を野次馬が取り囲んだ.
松宮「俺はそんなことはしてねえ.やくざだってそんなことしてねえんだよ, この野郎.俺は何も悪いことしてねえんだ,この野郎.」
そこへオショウが伊沢をつれてきた.
松宮「院長!」
伊沢「組長!」
松宮「院長,俺が病人じゃねえってことはあんたが一番よくしってるんだ. あのやぶ医者どもに言ってやってくれ.言え.」
マイトは伊沢の悪事も暴く.
マイトの声「この男が伊沢総合病院の院長です.神聖な医者でありながら, 松宮組組長と結託して利権をあさり,黒い財産を増やした男です.」
そこへ武藤が現れた.
武藤「組長!」
松宮「武藤!」
武藤の手に刑事によって手錠がかけられた. 慌てて逃げようとする松宮と伊沢.だが浜田が現れた.
浜田「とうとう尻尾を出したな,松宮.」
松宮と伊沢は呆然とするばかり.
浜田「さあ,一緒に来てもらおうか.」
浜田は松宮に手錠をかけた.
浜田「伊沢さん,あんたもだ.」
それを見届けたハングマンは立ち去っていった.

カジノ「ダイナ」にて

マイトとデジコンがポーカーをした. マイトは特製の透視メガネでデジコンの手を読んだが, デジコンのコンピュータ予想の敵ではなかった. マイトは2のスリーカードと9のワンペアのフルハウス. デジコンはスペードのロイヤルストレートフラッシュだった.この場面,どこかで見たような気がするぞ.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp