2002年8月24日

「太陽にほえろ!」第92話「シンデレラ刑事」

脚本は田波靖男と四十物光男.監督は竹林進.主役は長さん. シンコの登場はなし.

多摩川の川原で麻薬取引現場を押さえようと張り込む長さんのところへ, ゴリさんが交代に現れた.そのとき,近くの小屋が時限爆弾で爆発炎上. 長さんとゴリさんは幸い無事だった.長さんかゴリさんを狙った犯行か? そこで昔逮捕した人物の調書を当たってみる事に. ちなみに長さんが逮捕した犯人の数はゴリさんの何倍にも及び, ジーパンの腰から首くらいの高さに.調書から収穫はなかったが, 本庁の人事課に長さんの前歴を問い合わせた人物がいる事が判明. という事は長さんを狙った犯行か? 心配したジーパンは陰で長さんを護衛しに行ったが, 長さんに尾行を気づかれてしまった.長さんはジーパンを家に上げ, 夕食を御馳走した.何かニュースはないかという長さんに, 娘の良子は,遺産をやるやらないで揉めている親子がいる, という話をテレビでしていたと言った.
長さん「高畠とか言う商事会社を経営している親子の話だろう. だいぶ前に新聞にも出ていたなあ.」
良子「父親の方がねえ,道楽者の息子にやるより,会社を解散して, 昔恩を受けた事のあるお巡りさんに譲りたいって言い出したんですって.」
長さん「ほう.」
良子「お父さんは心当たりない? 昔はお巡りさんだったんでしょう?」
長さん「ないねえ.そういう話には縁がないんだよ.」
と他人事のように言う長さんだったが…

翌日.七曲署に記者が殺到.なんとそのお巡りさんとは長さんの事だった. 堀川の交番で働いていた頃, 長さんは高畠秀明(多々良純)を無銭飲食で捕まえた事があり, その時長さんは高畠に飯を御馳走してやった事があった. その事に高畠は恩義を感じ,20億円を上げようと思い立ったのだ.
ジーパン「シンデレラ刑事さん.夢のような話ですね.」
題名はこの台詞に由来する.念のため長さんは高畠の元へ行って確かめる事にし, ゴリさんも護衛を兼ねて長さんについていった. 山さんはこれが元で長さんが狙われたと考えた.ボスも同意見.

長さんとゴリさんの乗る車をオートバイに乗って追いかける男がいた. そうとも知らずに長さんとゴリさんは高畠から話を聞いた. 高畠が長さんに20億円をあげようと考えているのは事実だった. そこへ高畠の息子信一(佐々木剛)が入って来た. 信一は自分は肉親だから財産を半分受け取る権利がある事と, 高畠商事の社員が路頭に迷う事を盾に20億円譲渡の話に反対. それでも強行するなら高畠を禁治産者として訴えると信一は主張. その頃,長さんとゴリさんの乗った車のボンネットに時限爆弾が仕掛けられた. 途中でガソリンスタンドに寄った長さんとゴリさんは店員の指摘でそれに気づき, 慌てて車を晴海の埋立地まで運転した.長さんとゴリさんは車から脱出. 車は爆発炎上.間一髪で長さんとゴリさんは助かった.

ゴリさんは信一の犯行と主張.山さんは次の事を理由に反論した. そんな事をすれば真っ先に疑われるのは信一だ. 禁治産者の訴えを起こすと言った信一がそんな馬鹿な事をする筈がない. さらに放っておいても法律上財産の半分は自分の物になるから,尚更, 長さんを狙うような馬鹿な事はしないだろう.殿下は, 山崎美代と言う女が生まれた子供を高畠の子として認知を迫った件を報告. それは23年前の話で美代は高畠商会で事務員をしていた. だが高畠は認知を拒否した.だから山崎美代もその子供も相続の権利はない. 念のためボスはその母子を当たるように殿下に命じた. 殿下は山崎美代の息子に会った.山崎美代は4年前に死んでいた. 息子の山崎は父親の事は何も知らないと殿下に話した.

長さんの子供達はお金を貰うという話を記者から聞きつけ, 浮かれまくっていた.7000円のシャンパンを買っていたと聞き, 長さんは返して来いと言った.その頃,殿下は山崎の事を報告. 模型飛行機が趣味のおとなしい男だと言う.それを聞いてゴリさんは, 信一が絶対に犯人だと主張した.ゴリさんは信一を徹底的にマーク. ゴリさんは気づかなかったが,信一達をオートバイに乗った男が追いかけていた. レストランで信一がデートしているところへ信一宛の電話が. 咄嗟にゴリさんは自分が信一だと店員に名乗り,自分が電話に出た.
電話の声「ああ,高畠さんかい? 俺はあんたに雇われた殺し屋だよ. 明日こそ野崎刑事を殺すからな.約束の金は用意しとけよ.」
ゴリさんの声「くっそう.やっぱりそうだったか.」

ゴリさんからその話を聞き, ボスは長さんに「明日は一歩も外から出るな.」と命じた. 家に帰ってくると子供達は浮かれきっていて別荘地を物色していた. さらに夕食が店屋物だと聞き,長さんは複雑な気分になり,激怒.
長さんの声「俺は明日殺されるかもしれないのに,一体お前達は.」

翌朝.ボスは機動隊を団地の近くに配備させ, 山さん達も近くに張り込ませていた.それをあざ笑うかのように, 長さんに電話がかかって来た.
電話の声「家族の者を巻き添えにしたくなかったら,外に出てくれんかなあ.」
ここで真犯人の顔が映った.
電話の声「出て来なければお宅の中でダイナマイトが爆発する事になりますよ.」
長さん「そんな事は断じてない.」
電話の声「嘘だと思ったらベランダから外を見てて御覧.」
しばらく外を見た長さんは模型飛行機が飛んでいる事に気づいた. 慌てて外へ出る長さん.長さんを追う模型飛行機.長さんの様子を見て, 山さんも模型飛行機に気づいた.長さんに迫る模型飛行機. 多摩川の川原へ出て逃げる長さん.長さんを援護すべく模型飛行機を狙い, 拳銃を撃つ山さん.模型飛行機の操縦者を探すジーパン,ゴリさん,殿下. 模型飛行機が長さんに迫る.長さんがかわす. 何とか山さんが模型飛行機を撃ち落とした. だが模型飛行機は一機だけではなかった.果たして長さんは助かるのか?

ま,結局長さんは助かり,真犯人も捕まります.真犯人が誰かは見てのお楽しみ. 長さんが家族や団地の住人を守るために命を失いかけたと聞き, 良子と俊一はこういいます.
俊一「ごめんなさい.」
良子「お金の為にこんな目に遭うより,貧乏でも無事な方がいいわ.」
そして長さんも20億円を受け取る話を断ったのでした.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp