脚本は上原正三.監督は田中秀夫.
今度の対戦相手は外国人で結成されたスラッガーズになりそうだ. コーチ,令子,オーナーは様子を見に行った.オーナーは反対したが, コーチは乗り気だった.家に帰った令子に恵子が, 幸一郎が帰って来ると言った.買物に出かけた令子に, ジュク,カリカリ,ノミさん,シゲが声を掛けた. 皆スラッガーズと試合をするつもりだった.それを聞き, 令子はスラッガーズとの対戦を決断した.
その晩.幸一郎はスコアを見て左打者に打たれていると指摘.
幸一郎は新メンバーの加入を勧めた.
幸一郎「お父さん,かねてから目をつけていたサウスポーがいるんだ.」
令子「サウスポー?」
幸一郎「うちの会社のね,第一営業部の北原君のお嬢さんだ.」
令子「女の子なの?」
幸一郎「これがなかなかの腕前でね.特にカーブは天下一品.
近所の中学生がきりきりまいさせられてるんだ.」
恵子「まるでユリカさんみたいじゃない,ほら,ビューティースターズの.」
幸一郎「いまや城西地区の,いや東京を代表するチームになろうとしてるんだ.
パワーアップが必要だよ,エンジンのね.」
だが令子はこう言った.
令子「スラッガーズに勝てばいいんでしょ.」
幸一郎「勝てると思うか?」
令子「勝てます.絶対勝ってみせます.」
レッドビッキーズのナインはスラッガーズに勝つために強化トレーニングを開始.
相変わらずオーナーは親馬鹿振りを発揮.その頃,
ジュクはバイクングとスラッガーズの試合を見ていた.
3番ケリー,4番ジョージ,5番ロバートのクリーンアップは,内角,外角,
どのコースにも強い.ジュクは令子の家で令子やコーチにその様子を報告.
一緒に話を聞いていた幸一郎は
幸一郎「封じるには変化球しかないなあ.」
令子「変化球?」
幸一郎「うん.打ったヒットはほとんどストレートだ.
つまり少々のスピードボールでは駄目だってことだ.」
ジュク「変化球でタイミングを外すわけですね.」
幸一郎「うん.それもスローカーブをウィニングショットに使うと,
面白いと思うよ.」
幸一郎は暗に新メンバーの話をしようと思ったのだろうか?
令子「でも片瀬君は肘を痛めてるわ,ビューティースターズ戦の時.」
コーチも無理かなあと言ったが,居合わせたノミさんは投げられますと言った.
令子は懸念したが,ノミさんは大丈夫だと言い,ジュクと一緒に練習に出た.
コーチも一緒に出て行った.それを見て
恵子「受験勉強より女監督を選んだ理由がわかったわ.
あんな熱心なコーチや選手を抱えていたんでわねえ.」
令子は苦笑した.そして
令子「片瀬君の肘が心配だから,ちょっと見てくるわ.」
と言って出て行った.
恵子「はあ,あれくらい熱心に受験勉強してくれたらねえ.」
幸一郎「そのうちやるさ.」
恵子「どうでしょうかねえ.」
そしてスラッガーズとレッドビッキーズの試合の日がやってきた. 幸一郎は北原ジュリを連れて来た. 全員最高のコンディションだと令子は胸を張った.
さてCMが終わって試合開始.まずナッツが三塁へのバントヒットで出塁. 続くセンターのピッチャーゴロでナッツが二塁へ進み, シゲのレフト線への二塁打でナッツが生還. しかしカリカリは空振りで三球三振.なんと, カリカリは丸太を叩いて練習しすぎ,手を腫らしていた. が続くノミさんのヒットでシゲが生還.ジュクも続いた. ブラザーはピッチャー頃に倒れたが, 結局レッドビッキーズは2点を先制した.
裏の攻撃でノミさんは速球やスローカーブを駆使して先頭打者を三振させた.
二番打者はサードゴロ,三番打者もショートゴロに切って取った.
向かえた3回裏.得点は2-0でレッドビッキーズリード.
ノミさんは2-1にまで追い込んだが,カーブを2球もファールされ,
直球を打たれて二塁打にされてしまった.
カーブ以外は打たれていないとジュクは励ましたが,その読みは甘かった.
幸一郎「肘に来なければいいが…」
カーブは全てファールされ,幸一郎の懸念は的中してしまった.
肘を痛めたノミさんはコントロールを乱してフォアボールを出してしまった.
令子は直球だけで勝負させたが,レフトの頭を超える球を打たれ,
ノミさんは肘を抑えてうずくまってしまった.令子はナッツを投手に入れ,
ブラザーをショートに回し,ペロペロをレフトに入れ,
ノミさんをベンチに下げた.そして七回の裏.6-6で同点.
二死二塁で三番ケリーを向かえた.だがピッチャー強襲ヒットを打たれ,
ナッツは倒れてしまった.もうレッドビッキーズのメンバーはいないのか.
令子はセンターを投手に回そうとしたが,選手がもういない.
放棄試合しかないのか.そのとき,ノミさんが言った.
ノミさん「監督,彼女がいるじゃないか.いいカーブを放るそうじゃないか.
適材だよ.」
令子「いいのね.彼女に投げさせて.」
ノミさん「うん.僕も見たい.」
こうして北原ジュリが登板することになった.コーチは登録していないのでは,
と懸念したが,抜かりのない幸一郎はあらかじめ北原ジュリを登録していた.
令子の声「助かりました,お父さん.」
そして北原ジュリが真っ赤なユニフォームを着て登場した.
スラッガーズのナインは口笛を吹いた.
トータス「ねえ,監督.今,あのベンチ何言ってたの.」
令子「うつくしき女王様ですって.」
トータス「へえ,気障.」
皆笑った.
令子「ジュリさん,取って置きのカーブで頼むわよ.」
ジュリ「はい.」
そしてジュリが投げ始めた.ジュリのカーブの威力は絶大だった.
ノミさんの声「凄いカーブだ.」
スラッガーズの監督はカーブを狙えと指示したが,
にも関わらずスラッガーズの打者はカーブを空振り三振.試合は終わった.
お父さんはVサイン.
ナレーター「この瞬間,レッドビッキーズに新しいエースが誕生した.
その名は北原ジュリ.ピンクのサウスポーである.」
この頃はピンクレディーの全盛期でした.
次回はまた一人,メンバーが加入します.題して「おれはホームラン太郎」
脚本は小川英と四十物光男.監督は竹林進.主役は殿下.
テニスクラブの倉庫が爆発した.殿下とボンは現場に急行した. そこで殿下は一人の青年(井上純一)に出あった. 4日前にも同じ手口の爆発事件が起きていた. 市販されている農薬に爆薬を仕掛けた物で爆発物に関する知識さえあれば, 誰でも作れる代物だ.しかも人のいない時間を狙って爆破している. 悪戯目的の犯行ではないか,と七曲署の面々は考えた. 現場の写真を見て殿下はあの青年を思い出した. 2箇所ともその青年がいた.ボンは年恰好から見て高校生だから, と否定したが,長さんは高校生でも面白がってやる可能性がある,と指摘. ボスはその青年を当たることを指示した.
しばらく経って,1丁目の喫茶店が爆破され,怪我人が出た.
客の一人が重傷,ウェイトレスが軽傷とスコッチが殿下に言った.
これは間違いなく殺傷目的の犯行だ.そのとき,殿下はあの青年を見かけた.
殿下とスコッチは青年を追いかけた.
スコッチ「止まれ.止まらんと撃つぞ!」
殿下「まて,スコッチ.」
だがスコッチは威嚇射撃.青年は自分が犯人ではないと否定したが,
殿下とスコッチは青年を引っ張ることにした.
スコッチと長さんがその青年,高校二年生の高山修を取り調べているころ,
殿下は修の家へやってきた.修はアマチュア無線をしていた.
そこへボンがやってきた.修の母親はだいぶ前に死去.
以来,修は父親と一緒に暮らしていたのだが,3年前に父親は九州へ転勤.
だから修は一人暮らしだった.国立大学に入ることが父親の希望だったからだ.
その時,ボンも無線機に気付いた.
殿下「JK1サンノパパロメオ.ちゃんと無線局のコールサインも持ったハムだ.」
ボン「ハム.ああ,アマチュア無線のことで.」
殿下「ああ.逃げたのも黙秘してるのも,おそらくこのせいだ.」
何と傍らに警察無線の周波数が書かれたメモが貼ってあった.
殿下は修に警察無線を聞いたかどうか訊いた.答える代わりに,修は,
拳銃で撃たれることも,家宅捜索されることもしていない,と言った.
スコッチ「何もしてないって言う証拠は?」
修は黙ってしまった.殿下は話すように言った.そして
殿下「無線局は持ってないけど,僕もハムの免許は持っている.
だから無線のことなら良くわかるつもりだ.」
それを聞いて修は心を開いた.修は警察無線を聞き,
現場に駆けつけたと証言した.傍受しただけなら犯罪ではないはずだ.
修はアリバイはないと答えた.だが,5日前の事件の時,
午後11時半から12時までの間,DX,つまり外国へ交信したと答えた.
何とVA6,つまり香港への通信が成功したと答えた.
それを聞いた殿下は凄いじゃないかと修を励ましていた.
ボス「確かに警察無線を傍受しただけでは何の罪もないが,
傍受したことを人に伝えたり活用したりすると電波法違反だ.」
ボンは犯行に使った訳ではないからと言いかけた.殿下は,
彼の無線機では1000Kmから1500Kmしか電波が届かない代物なので,
香港へ届くとは言い切れない,と答えた.しかし,
彼の証言が嘘とも言い切れなかった.というのは,
電離層の関係で南極や地球の裏側の南米にまで交信できることがあるからだ.
修は興奮してしまい,コールサインを忘れてしまっていた.
これでは確かめようがない.
スコッチ「何かあるな,あの少年は.いきなり拳銃を向けられて,
いくら驚いたとしても,あの歳であんなに意固地になるのは,
普通じゃありませんよ.」
皆息を呑んだ.殿下はこう反論した.
殿下「でも,彼は中学三年の時からたった一人で暮らしてるんです.
ハム仲間だけが友達であり,家族だったんです.
とりあえず,聞き込みを続けることになった.
そう偏屈になるのは当然じゃないでしょうか.」
ボスは殿下に修の釈放を命じた.殿下が出て行った後,
山さんは今度の爆破事件だけ殺傷者が出たことを疑問に思った.
今度の犯行だけは誰かを殺すのが目的だったのではないだろうか.
今までの二件は殺害をカモフラージュすることが目的ではないか.
ボスは高山修および喫茶店の常連客を洗うように命じた.
殿下は修を自宅まで送ってやった.修は,家に帰ったら, 真っ先に無線機を叩き壊すつもりだった.疑われたからだ.だが帰ってみると, それが勿体無く思ってしまい,壊すのを止めていた. 殿下は修とまた無線の話がしたい,と言って立ち去った.修も快く応じた. 殿下は無線で,確かめたいことがあるので張り込みをボンと交代させて欲しい, とボスにお願いしていた.それを修も聞いてしまった. やはり自分を疑っているのか,と修はますます意固地になってしまった.
例の喫茶店で山さんは毎週土曜日に来る客はいないか, と怪我をしたウェイトレスに尋ねた.犯行の日が土曜日だったからだ. そして毎週土曜日に来る女の客がいることを聞き込んだ.
ジーパンのテーマのスローバージョン(ギター版)が流れる中,
外へ出てきた修にボンは張り込みのことを説明した.
ボン「僕は兎も角,島さんは君のことを少しも疑っちゃいない.」
修「嘘だ.」
ボン「嘘じゃないよ.島さんが今,何をしてるか,君は知ってるか?」
殿下は無線機で通信し,修の交信仲間を探していたのだ.
その通信をボンは無線で聞かせた.修はみつかりっこないと諦めていた.
そしてみつからなかったら,自分が犯人にされるんだ,と言い,
修はボンをたたき出した.その晩,殿下はずっと通信を続けるのであった.
山さんは常連客の中田幸子のところへやってきた. いつも彼女は待ち合わせしていた.そのため,いつも同じ窓際の席に座っていた. 彼女は春になると沢木純一(中田博久)結婚する予定だった. その日はたまたま仕事が30分延びたため,来ていなかったのだ. 犯人にとっては思いがけない誤算だった事になる. ボスは中田や沢木の人間関係を当たるように命じた. 中田の護衛にはゴリさんがついていた.沢木は五洋科学の重役の息子で, 将来は社長候補と嘱望されていた.中田に狙われる心当たりはなくても, 沢木への憧れや妬みが動機となる可能性がある.
殿下は次の日も必死に交信をした.それを修も聞いた.
だが無線機を切ってしまった.
修「無駄だよ.いくらハム仲間だからって,
誰がそんな余計なことしてくれるもんか.」
山さんの調べで,沢木がプレイボーイだと言うことがわかった. さらに中田が沢木にプロポーズされた時のドライブは, 実は沢木が中田に別れ話を切り出すつもりのものだったことがわかった. ドライブ中に何かが起こって彼女から離れられない理由ができた, とボスと山さんは考えた.早速ゴリさんが現地へ行く事になった. ボンと殿下はクレー射撃をする沢木を見張った. 沢木の趣味は格好いいスポーツカーを乗り回すこと, モーターボートを乗り回すことと狩猟だった. 修は張り込みには無関心の様子で特に動きがなかった. 山さんは中田からドライブの時の話を聞いた.途中土砂降りになり, 中田はうとうとと眠ってしまった.そのとき,何かをはねる音が聞こえた. 山さんはその場所が奥多摩湖の付近だと聞き込んだ. 早速ゴリさんが奥多摩署へ行き, 10月10日に村役場の職員が自転車に乗ったまま行方不明になったことを知った. そして付近を調べた結果,はねられた男の自転車と死体が見つかった. つまり中田幸子は沢木に口封じのために狙われていたのだ.
殿下とボンは沢木を追いかけた.沢木はクルーザーに乗って出航. 伊豆の別荘で狩猟をするようだ.殿下は船で,ボンは車で追いかけることにした. 連絡は無線機を使うことにして.沢木を追う殿下. ボンは渋滞に巻き込まれていた.その頃,中田を山さんと長さんが見張っていた. 沢木は伊豆の別荘に到着.ボンが伊豆へ向かっている頃,殿下も伊豆に到着した. 沢木は殿下の尾行には気付いていない様子だった. 殿下は無線でボンに連絡を取ろうとしたが, ボンはまだ無線機の電波の届くところまで来ていなかった. 仕方なく,殿下は独りで沢木の別荘を見張った.ボンは車を走らせている頃, 何も知らない中田はウェディングドレスの試着をしていた. 殿下は別荘の物置に入り込み,爆弾に使われた農薬,時限装置などを発見. 爆破は15時3分.時間が余りない.
沢木は春日ブライダルハウスに電話し,中田がいることを確認した.
それを殿下は見ていた.殿下は電話を探したが,みつからない.
無線機でボンに連絡しようとしたが,まだ交信できなかった.
そのとき,殿下は中田のクルーザーからアンテナが出ている事に気付いた.
そう.中田のクルーザーには無線機がついていた.殿下は無線で交信したが
沢木「無線から離れるんだ.」
沢木が猟銃で殿下を狙った.殿下は非常無線で報せたと言ったが,
沢木は,ここは伊豆だから東京を通り越して電波が通じるはずがない,
と答えた.ハム仲間が伝えるはずだと殿下は言ったが,沢木は不適に笑った.
沢木「馬鹿な.そんな一文にもならんことを誰がするか.」
殿下「そうかな.ハム仲間を甘く見るな.」
迂闊な事に沢木は殿下が無線のスイッチを切っていないことに気付かなかった.
江ノ島JK1サンチャゴ・エックスレイ・チャーリーがその電波を受信した.
彼は東京へ電波を中継した.そして修が中継された電波を受信した.
修「島さん.」
修は七曲署へ通報した.
その頃,沢木がやっと無線機のことに気付いた.沢木は殿下に襲い掛かった.
銃声が修にも聞こえた.
修「早く.島さんが危ない.」
ボスは山さんと長さんを春日ブライダルハウスに乗り込ませ,
静岡県警の伊豆黒岩漁港の派出所に連絡を取った.
ちょうどその頃,沢木と殿下が格闘しているところへボンがやってきた.
形勢逆転.沢木は逮捕された.その頃,
ゴリさんが爆弾の仕掛けられた人形を発見.外へ投げ捨て,ことなきを得た.
殿下は江ノ島の人との交信で通信が届いたことを確認した.
そして殿下は修と交信した.修は中田の無事を殿下に報告した.
そして殿下の無事を確認して喜んだ.ボンは訳がわからなかった.
しばらくして.車の中でボンは殿下が思い出し笑いしたことを見て,
理由を尋ねた.修が交信した香港のハム仲間が修に交信カードを送ってきたので,
修が殿下にそのカードを見せてくれたのだ.
殿下の通信を香港のハム仲間の一人が受信し,
修が交信したハム仲間を探してくれたのだ.それで,
修のところに交信カードが届いたと言うわけだ.
ボン「なんだか良くわかんないけど,ま,要するに,
ハム仲間には国境はないってことですね.」
そこへボスから無線が.喧嘩が起きたので急行せよと言うのだ.
殿下「ラジャー.」
それを聞いたボスは
ボス「ラージャ.」
次回,証言を拒む目撃者をゴリさんが必死に説得.果たしてどうなるのか?
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