脚本は小川英と中野顕彰,監督は山本迪夫. しばらくジーパン主役の話が続いたが,今回はゴリさんが主役だ. ゴリさんが独りで暴力団に支配された街の人達を動かしていく. 初めは暴力団を恐れて腰が重かった人達はゴリさんを助けようともしない. だがゴリさんの熱意に動かされ,最後には遂に立ち上がる.そのため, 最初の方は見るのが辛い.ゴリさんもくじけそうになるのだが, 一人の男(江幡高志)がゴリさんを助けてくれたのに励まされる. そして闘いの灯が未だ消えていないことをゴリさんは知り,反撃に転ずるのだ. それだけに最後は心が温まる.なお,この回もシンコは登場しません.
ゴリさんは休暇を取って海辺の町三崎市に来ていた.
ゴリさんは七曲署に来る前は三崎署にいた.
そこは梶田という男(深江章喜)が組長を務める暴力団に支配された町だった.
5年前のある日,ゴリさんは梶田に脅された小西二郎という若い男に目をつけ,
証言させようとしていた.初めは梶田を恐れて証言をこばんだ小西だったが,
ゴリさんの「俺が,いや俺達が守る.」の言葉に心を動かされ,証言した.
こうして梶田は手配されたが,梶田が乗った車は崖から転落し,
梶田の情婦が死亡.梶田はそのことを小西のせいだと言い放ち,逆恨みしていた.
ゴリさんは梶田から小西を守るために来たのだ.その頃,
七曲署に三崎署から梶田に尾行を巻かれたと言う一報が入った.
今の三崎署は梶田を取り締まる気などあまりなかったのだ.
ジーパン「ボス,ゴリさんにこのことを伝えてあげないといけませんよね.」
こう言ってジーパンも三崎市へ向かった.
さて小西のアパートにゴリさんがいた. そのアパートに不審な老人(美川陽一郎)がいたので, ジーパンが咎めると逆に老人がジーパンを咎める始末. 老人は三崎署時代のゴリさんの先輩刑事斎藤で今は停年退職していた. 外へ出たゴリさんは二人を引き合わせた.そしてジーパンに, 梶田が会いに行きそうな人物の写真を見せた. その人物とは梶田の知り合いで今では町の名士となっている大和田(渥美国泰)だ.
ゴリさんの読み通り,梶田は大和田に連絡を取り,また梶田組が暴れ始めていた. マカロニのテーマが流れる中,三崎市を疾走するゴリさん.その頃, 梶田組の組員は小西のアパートの近くのラーメン屋の店員に拳銃を渡していた. 姉の仇の小西を殺せというのだ.三崎署の面々は梶田組の悪事に見て見ぬ振り. 怒ったゴリさんは大和田のところに乗り込んだ.一方, ジーパンは小西のアパートへ行った. すると小西の恋人に小西の過去がばれてしまい, 小西をなじっている処に出くわした.なぜ自分に言ってくれなかったのか. 小西は十日前に生命保険に入っていた.そこへラーメン屋の店員がやってきて, 銃をぶっ放した.幸い,小西も恋人も無事だった.ジーパン, そしてゴリさんは店員を追いかけたが,店員は街に逃げてしまった. 梶田組の報復を恐れ,誰も外に出てゴリさんに協力しようとはしなかった. それでもゴリさんは叫んだ.「ここで勇気を出さなければ, また元の無法地帯に戻ってしまうぞ.」だが応えはなかった.
その話を聞いた梶田は大笑いした. そして部下(岡部正純)に店員のミノルの始末を命じた.一方大和田は, 所轄の刑事係長畠中(高城淳一)に管轄外の刑事が捜査していることは問題, とねじ込んでいた.もちろん,梶田の差し金だ. ゴリさんとジーパンは畠中に呼ばれて捜査を止めるように言われた. 激昂したジーパンをゴリさんはなだめた. そして外でジーパンに「これをボスに渡してくれ.」と言った. ゴリさんは辞表を出して闘う覚悟を決めていたのだ. さらにゴリさんはミノルの姉を「殺した」のは本当は自分だといった. あの事件の直前,ゴリさんはミノルの姉, すなわち梶田の情婦に証言を求めていた.それを察知した梶田が, あのとき口封じのためにミノルの姉を殺したのだ. ひとまずジーパンは七曲署へ戻ることにした.
小西と恋人は三崎市を出ることにした.小西と恋人と一緒に歩くゴリさんに, 梶田組の連中が襲い掛かってきた.ゴリさんは小西達を逃がす事には成功したが, 多勢に無勢で梶田組の連中にボコボコにされてしまった.それでも誰一人として, ゴリさんを助けるものはいなかった.
ゴリさんが気がつくと,ゴリさんは一人の男(江幡高志)に介抱されていた.
5年前,男は無一文で公園で寝ているところをゴリさんに叩き起こされた.
だが金がないと知るや,ゴリさんは男に500円を渡してくれたのだ.
男「ホントに盆と正月だ.後にも先にもあんな贅沢な飯はねえや.
後にも先にもあんたのようなデカにお目にかかったことはねえや.」
ゴリさん「この町にも俺に味方がいたんだなあ.」
しかも男は,5年前のあの日に,
梶田と大和田が眠らされた情婦を梶田の車に運びこむところを見ていた.
そして警察でそのことを証言することも承知した.ゴリさんは叫んだ.
ゴリさん「おい,ジーパン.後,頼んだぞ.」
ジーパン「なあんだよ,知ってたのか,ゴリさん.」
ジーパンは三崎市を出てなどいなかったのだ.
ゴリさんは反撃に転じた.まず梶田組の連中にゴリさんは襲い掛かった.
現れた梶田にゴリさんは証人が現れたことを言った.
梶田「そんな寝言,誰が信じるか.」
そこへジーパンが大和田を連れて現れた.観念した大和田が自供したのだ.
大和田「もうおしまいだよ,梶田さん.」
真相を知ったミノルが梶田を狙って発砲した.
ひとまずジーパンはミノルを取り押さえた.これ以上,
罪を重ねさせないようにするためだ.そして街の人達も立ち上がり,
梶田を取り囲んだ.
後日.小西達が七曲署を訪れていた.
小西「いやあ,驚きました.あの街の人達が梶田を相手に立ち上がるなんて.」
だが小西達は三崎市へ戻るつもりはないという.それほど,
二人の受けた傷は深かったのだ.
次回はまたジーパンが主役の話です.
余談ですが,今日,「探偵物語」の DVD BOX を買ってしまいました. 未だ「俺たちの勲章」の第18話(扱いの)「狂乱のロック」と 第19話「わかれ」も見終わっていないのに,見る暇あるのだろうか? 「わかれ」は中野と五十嵐が本当に別れる話で非常に泣ける話です. 「俺たちの勲章」の本当の主役は中野(松田優作)じゃなくて, アラシこと五十嵐(中村雅俊)じゃないのかなあとも思ってしまう話です. 雪子ちゃんが本当に可哀想.なおプロデューサーの岡田晋吉さんによると, 「俺たちの勲章」は後の「あぶない刑事」の原型なんだとか. 作られた時代や制作会社が違うとああも作風が変わっちゃうんですね.
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