コンピュータを使い始めたのは確か中学校1年生くらいからだから, かれこれ20年くらいになる.当時と今とではパソコンの性能はかなり違った. 今の私はビデオやCDプレイヤの代わりをさせたり, 文書を纏めたりするのにパソコンを使用しているが, 当時はそんなのは夢のまた夢だった.それを少しだけ回想してみる.
当時の私が使っていたのは NEC が出していた PC-8801 でスピーカーから出る音はビープ音だけ, グラフィックスの解像度は白黒の高解像モードで640×400, 通常は640×200,カラーの場合は640×200でしかなかった. 色は黒,赤,青,紫,水色,緑,黄,白の8色しか出力できなかった. これは赤,青,緑の出力を司るビデオRAMを640×200個ずつ三種類用意し, その組み合わせで色を出力させていたためである. 漢字は漢字 ROM を搭載しないと出力させる事ができなかった. いわゆる半角カナが通常使える日本語文字であった. こんな環境ではブロック崩しやインベーダーゲームや平安京エイリアンなど, さほど高解像度のグラフィックを必要としないゲームしかできなかった.
プログラムやデータを記録するのはテープかフロッピーディスクだが, フロッピーディスクは高価だった為,当時の私はカセットテープを使用していた. 記録する時の速度は 600bps から 1200bps で,今とは雲泥の差. フロッピーディスクも今よりも大きく8インチか5インチ. 私が中学生の頃には 2D の 3.5 インチのフロッピーディスクが出ていたが, 1枚3000円くらいした.そのためか,私が大学生の頃まで5インチが主流だった. ハードディスクがパソコンに搭載されたのは私が大学生から大学院生の頃だった. 当時は ROM と RAM しか搭載されておらず,ROM には N88-BASIC という, 高級言語(と呼んでいいのかどうかはわからない)のインタプリタが搭載され, プログラムやデータはテープやフロッピーからその都度 RAM に読み込んでいた. だから一仕事する前はかなりの準備時間を要した.
CPU も 8bit で 16bit の物がパソコンに採用されたのは PC-9801 からだった. それでも20年前は PC-8801 がパソコンでの最上位機種だった. そんな貧弱な環境で私は遊んでいたのである. 長らく日本のパソコン市場は NEC が独占していた.その面影は今はない. 懐かしい思い出である.
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