ピー・プロダクションが制作した,現時点での最後の30分番組. ただし正確に言うとピー・プロダクションが直接制作したわけではなく, ピー・プロダクションから友映に制作が委託されていた. 「電人ザボーガー」DVD-BOX付属のブックレットに載っている, 別所孝治さんの談話によると,この当時のピー・プロダクションは, 新作を作るごとに赤字が増える状態にあり, このような形にしなければ制作が難しいところまで来ていたと言う. そのためか予算も潤沢とは言えず,試写会の度に, 現場スタッフとプロデューサーとの間に険悪なやり取りがあったらしい.
さて本作がそれ以外の特撮番組と一線を画すのは,主人公が変身せず, 時には生身の肉体で闘うと図式が取られた事である. 電人ザボーガーがメカアニマルと闘う側らで, 主人公の大門豊がΣ団のサイボーグや戦闘員と闘うというのは, 仮面ライダーやウルトラマンなどでは味わえない図式である. 当時ブルース・リーの映画が流行していた事もあって大門豊の格闘は力強く, もしかすると電人ザボーガーよりも強いのではないかと思われる場面もある. そのためか番組の方は開始当初の人気は高く, 当初2クール制作の予定が4クールに延長された. これは講談社発行の雑誌連載の力も大きく,本放送当時, 放送を見ていなかった私もザボーガーの詳細を知っていた事からも, その事が伺える.
だがその人気も長続きはせず,2回の放送時間帯の変更もあり, 人気は徐々に下火になっていた.メカボーグの登場,Σ大魔城の登場, Σメカ登場,ザボーガー基地登場,秋月玄登場などの強化策が取られたが, いずれも人気回復に結びついたとは言い難いと思う. ちなみに第3クール目の裏番組は「ウルトラマンレオ」 当時幼稚園の年長組だった私は「ウルトラマンレオ」の方を見ていた. そして第3クール終了時点でなぜか第4クールの番組放送が延期され, 13本の再放送が行なわれた後に放送時間帯が日曜日の午前11時台に変更された. 今でこそ日曜日の午前中に子供番組が放送され,高視聴率を取っているが, 当時は異例の事であった.これが決定打となり, 結局番組は第4クール目の放送を持って本放送は終了となった. 以後はまた13本の再放送を行ない,本作は1年6ヶ月に渡る放送となっている.