スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説 一口(?)メモ(#30〜#42)

第30話「第二部 激動編! 帰って来た影の総統」

脚本は橋本以蔵.監督は田中秀夫.指令が出た. 青狼会が全国の女生徒会長達にひそかに接触を図っているという. 近々,彼らを集めて集会を行なうらしい.おそらく彼らの指導力を, 組織に吸収するのが目的だろう.西脇は伊集院要(柴田時江)の写真を見せ, 接触するよう命じた.そして西脇はもう一つの情報をサキにしらせた. 影の総統が帰ってくるというのだ.いつどこへ行くのか,それはわからない. だが,女生徒会長を集める集会を手繰れば, あるいは総統に行き着けるかもしれない.
西脇「(独白で)総統に行き会った時,サキ,お前が何を知ることになるのか…」

早速サキは伊集院要に会うために共嶺女子学園高等学校へ行った. サキは桜の代紋を見せて話をした.はじめは懐疑的だった要だったが, ヨーヨーを置き,土下座するサキの話を聞き,サキと協力することにした.

こうしてサキは伊集院要に成りすまして集会に潜り込む事に成功した. 本物の伊集院要はサキの家でお京と雪乃のガードを受ける事となった. だが幹部は見落とさなかった.サキが左利きである事を.要は右利きなのだ. そこで幹部は前にも登場した新体操のリボンを武器にする三人組,蘭子,椿, 蛍を呼び,共嶺女子学園へ行き,ここにいる「伊集院要」が本物かどうか, 確かめるよう命じた.三人組は生徒会の面々から, 伊集院要がサキの家に訊き出し,サキの家を急襲した. お京と雪乃は応戦したが,三人組の催眠術攻撃を受けて敗退. 伊集院要を連れ出されてしまった.気づいた時は既に遅し. 影の総統は麻宮サキの始末を命じた.さらに蛍達が要を連れて登場. 要を盾にされてサキは捕まってしまった.

総統はサキの正体に気づき始めていた.
総統「まさか.」
総統は幼い日々を思い出していた. そこへ幹部と蛍達が要を連れてやってきた. 総統の非道なやり口を見た要は青狼会の言う「ウルフレボリューション, 信ずるに足らず」と宣言した.

そこへお京と雪乃が駆けつけ,サキを救出.サキ達三人は蛍達を倒し, 要の救出に成功した.幹部は総統に処刑されていた.
サキ「なんちゅう,むごい事を.許さんぞね,影の総統.」
そこへ,あのメロディーが流れてきた.サキは要をお京と雪乃に預け, 総統のところへ向った.そして二人は会い,総統に訊いた.お前は誰だ, 自分とどういうつながりがあるのか? だが総統は何も答えずに去っていった.

エンディングに流れたのは「悲しみモニュメント」

第31話「サキ失神! 秘孔を突かれる」

脚本は土屋斗紀雄.監督は大井利夫. 麻宮サキのため,影の総統は黒羽五人衆を呼び寄せた. 一方,サキは総統が自分と同じロケットを持っている事を, 思い悩んでいた.こんな気持ちでどうやって闘えばいいのだろうか?

悩むサキを見て,お京と雪乃はサキに声をかけた. サキは父早乙女七郎の墓へ二人を連れて行った. じゃあ,本名は早乙女陽子か,とかいう雪乃やお京にサキは言った. それはわからない.だが,わかっている事はこの墓に父が眠っている事, そしてサキのロケットと同じ物を影の総統が持っている事. 母の形見として残してくれたロケットと同じ物を, なぜ総統が持っているのかはまったくの謎だ. だがサキはこう思っていた.この謎を解く為に, 影の総統と闘わなければならないだろうと.
サキ「父上,うちは三つの悲願が出来ました.一つ,父上を殺し, うちを鉄仮面を被らんと生きて行けん運命に追い込んだ男を探し出す事. 二つ,青狼会影の総統の野望を打ち砕く事.そして三つ目, うちの出生の秘密を明かす.この三つの悲願, うちは何が何でも成し遂げますきに.」
雪乃もお京も協力を申し出た.そして早乙女七郎の墓に線香をあげた. だが…その様子を黒羽五人衆の面々が見ていた.そして行動を開始した.

まず雪乃が狙われた. 自転車で転んだ男を見かけた雪乃は男を助け起こそうとした. だが雪乃は知らなかった.その男が黒羽五人衆の一人だという事を. 男を助け起こした雪乃は秘孔を突かれてしまったが, その事に雪乃は気づいていなかった.

次にお京が狙われた. 男は「ヨッ」と声をかけて秘孔を突いた. 男は知り合いと間違えたとごまかして去って行った.

最後にサキが狙われた. 交差点の脇にあるコンビニから男が出てサキを突き飛ばした. そして別の男がサキを助ける振りをして秘孔を突いた. その男は先程サキを突き飛ばした男に物を盗まれたと言い, 去って行った.

夜になった.サキも,お京も,そして雪乃も体の感覚がおかしくなっていた. 三人とも術をかけられた事に気づいていなかった.

その頃,影の総統に幹部は, 黒羽五人衆が「三日経てば三人とも倒す」と豪語していた,と報告していた. 頭の十徳の父は早乙女七郎に倒された過去があり, 親子二代による怨念がこもっていた.
影の総統「今,何と言った?」
幹部「親子二代に渡る怨念…」
影の総統「違う! 麻宮サキの父の名だ.」
幹部「早乙女七郎です.」
影の総統「どこかで聞いた名だなあ.」
幹部「高名な考古学者であったとか.」
影の総統「そうか.」
総統の真意を幹部は気づいていなかった. 影の総統はロケットをジッと見て,幼い日々を思い出していた.
影の総統「まさか.いや,違う.そうであるはずがない.」
そう言いながらも総統はサキを殺さなければならない事を「口惜しい」と, 思っていた.その時,「鎌倉」から電話がかかってきた. 余程重要な電話らしく,総統は幹部を下げてから電話に出た. そして妙に丁寧な口調で話をした.電話を切った後
影の総統「老いぼれめ.」

翌朝.雪乃は首が回らなくなり,横を向いたままだった. そして三人とも手を挙げる事が出来なくなっていた. そのため,満場一致で決める筈の自習か数学の補習かという議論の結論は, この三人のせいで数学の補習に決められてしまった.

三人ともなぜこうなったのかわからなかった. だが,雪乃が肩を揉んで押された時,サキは気がついた.
サキ「昨日の高校生.」
肩をつかまれた時に術をかけられたに違いない. サキは三年突きというのを聞いた事があった. 突かれた時は何でもないが,三年後には内臓が破裂するという突き技だ. 余談だが,この当時,北斗の拳が流行っていた. 三人は術にかけられたのだ.

夜になった.サキの苦しむ声を外で聞き,十徳はにやりと笑った.
十徳「苦しめ.もっと苦しめ.」
お京はビー玉をつかむ事さえ出来なくなっていた. そして雪乃は首の自由が利かなくなっていた. 翌日には筋が硬直する.翌々日には動かそうと考えただけで激痛が走る. そして全ての感覚がただ一つを残してなくなる. その唯一の感覚は身を切り裂くような痛みだけ. 耐えるのも地獄.死ぬのも地獄.十徳は父を倒された恨みを晴らす事を誓い, サキはどんな事があっても負けないと誓っていた.

エンディングに流れたのは「悲しみモニュメント」 この回,西脇は登場しない.

第32話「決死の戦い! ウラ秘孔を突け」

脚本は土屋斗紀雄.監督は大井利夫. 朝になった.サキのところに西脇から電話がかかってきた. サキは両腕が利かない状態になっていた. サキから術の事を聞いた西脇は黒羽衆の仕業だと見破った. 早乙女七郎も黒羽衆に襲われた事があるという.西脇は, 自分が帰るまで身を隠せ,と言った.そして更に, 早乙女七郎が壮絶な闘いの末に黒羽衆の頭目を倒した事がある, と西脇は言った.体のどこかに仕掛けられた術を解くツボがあるらしい. ウラ秘孔と言う奴だ.そこをつけば術が解けると西脇は言った. 西脇は,自分が帰るまでにウラ秘孔の場所を調べるので, 闘わずに逃げ回れ,と言って電話を切った.だが
サキ「父上も黒羽衆と.」
サキは闘志を燃やしていた.

一方,影の総統は例のロケットを見ながら物思いにふけっていた. そこへ幹部がやってきた.早乙女七郎と麻宮サキとの関係がはっきりしない, というのだ.早乙女七郎の娘の名は志織.
影の総統「志織.もしや,母の名は道子.」
幹部「ご存知でしたか.」
総統は五人衆を止めろと命じた.だが…

十徳は総統の命令を拒否.黒羽五人衆は青狼会の手の者も撃破した. そして一日早いが仕掛けることにしたが…サキの家はもぬけの殻だった. 矢島雪乃の車でどこかへ行ったらしい事まではわかった.

その頃,サキ,お京,雪乃の三人は雪乃の別荘にいた. 何とサキは黒羽五人衆と闘う事を三人に提案していた.驚くお京と雪乃. この状態で闘ったら死ぬに決まっている.
サキ「そん時はそん時じゃ.動かん腕で五人衆と闘い死んでゆく. うちの運命かもしれん.悲願をなしえず,志半ばにして倒れる事あらば, それは天命.けんどなあ,うちは今死ぬわけにはいかんちゃ. うちの悲願の前に立ちはだかる敵は,どがんな事があっても倒す. 一度立てた志は貫き通す.それがうちに課せられた指名じゃきに.」

サキはゲリラ戦に持ち込む為に仕掛けをするつもりだった. だが,両腕が使えるのは雪乃と宮本だけ.

十徳は遂に,サキ達三人が河口湖の別荘にいる事を突き止めた.

一方,サキ達は仕掛けの準備をしていた.仕掛けの一つは, ロープを引っ掛けると丸太が飛んでくるというもの.夜になり, 雪乃は宮本に帰るように命じた.お京は一生懸命, ビー玉をつかもうとしていた.だが,つかむ事はできない. 自棄になるお京に雪乃はサキを信じようと言った.心打たれるお京.

遂に黒羽五人衆がやってきた.親子二代の逆恨みにサキは立ち向かうと宣言. 闘いの火蓋が切られた.何とか一人,また一人をお京や雪乃は倒して行った. サキは苦戦していた.その時,仕掛けていた丸太がサキの首の下を押した. その瞬間,サキは両腕を使えるようになっていた.そう.そこが, ウラ秘孔だったのだ.サキはヨーヨーを自由に操り, お京や雪乃のウラ秘孔を突いて行った. こうしてサキ達は体の自由を取り戻した. お京と雪乃は雑魚を倒し,サキは十徳とのタイマン勝負に見事勝利した. そこへ影の総統が現れた.
サキ「おまん,誰ぞね.なんでうちと同じペンダントを持っとるんじゃ?」
総統はこう言った.
影の総統「覚えていないようだなあ.」
サキ「何を? 何をじゃ?」
サキは幼少の頃を思い出しながら言った.
サキ「おまん,誰ぞね?」
影の総統「いずれわかる事だ.」
立ち去ろうとする総統に
サキ「待ちや.おまんが誰じゃろうと,うちはおまんを倒す.青狼会の野望, 打ち砕いてみせるぞね.」
影の総統「面白い.受けて立とう.」
そして総統は去って行った.

総統は車の中で「鎌倉へ行け」と命じた.総統は謎の老人と会った. 老人は総統の「父上」らしかった.総統は頼む込んだ.ここ三ヶ月間, 青狼会が何をしても警察とマスコミを抑えてくれ,と.

さてサキは,ロケットを首にかけ,闘う決意を固めているのだった.

エンディングに流れたのは「悲しみモニュメント」

第33話「変身! 邪悪の少女サキ」

脚本は橋本以蔵.監督は田中秀夫. 鎌倉の老人は部下の鬼界坊(きくち英一)を呼び,下界の様子を尋ねた. 鬼界坊はウルフレボリューションの事を話し, さらに青狼会に手向かう組織がある事を話した.
鬼界坊「お館様,驚かれなさますな.どうやらその手先のスケバン刑事こそが, 土佐から何者かによって連れ去られた鉄仮面少女五代陽子.本名早乙女志織.」
それを聞き,墨をすっていた鎌倉の老人の手が止まった.
鎌倉の老人「真か?」
鬼界坊「紛れもなく.」
鎌倉の老人「面白い.誰の仕組んだ座興かのう.で, 鉄仮面は未だつけたままなのかえ?」
鬼界坊「いや,もはや.」
鎌倉の老人は鬼界坊に,サキが鉄仮面の秘密をどこまで知っているのか, 探るよう命じた.そして訊き出したら用済みなのでサキを殺せと命じた.

一方,西脇はサキに指令を出していた.関東,九州,北海道,中国,四国と, 日本中の学園で青狼会に操られた学生達が決起し始めた.そこで西脇は, 近畿の抑えとなる麗心女学園生徒会会長の工藤みきを説得するよう命じた. だが
サキ「西脇さん,うちはもうたまらんちゃ.青狼会影の総統, あの男とうちの関係はどがいなっちょるんか.もしかして,総統とうちは兄妹?」
西脇「焦るな.」
サキ「けんど,こんな気持ちであってても. うちは一刻も早く自分の出生の秘密を…」
西脇「言った筈だ.闇の敵と闘う事が, お前の出生の秘密を解くための唯一の方法だとな.」
サキ「ええかげんにしいや.いつまでそのセリフでうちを利用するんじゃ. おまんはほんまにどこまで知っとるんじゃ.まずはそれをはっきりしいや.」
サキはそれほど焦っていた.
西脇「サキ.」
サキ「でなきゃ,うちは二度とおまんの指令では動かんぞね.」
西脇は何も言わなかった.
サキ「うちをなめたらいかんぜよ.」

さて影の総統は志織と闘い合わなければならない運命を憂えていた. 鎌倉の老人の思惑も絡んでいるのだろうか.それを考えている時, 幹部の黒田がやってきた.影の総統はウルフレボリューションについて, 関西の熊谷正二郎,関東の伊集院要,そして近畿の工藤みき, この三人を味方に引き入れるよう命じた.それに対して,黒田は答えた. その日に三人に対して使者を放つ予定である事.そして, 工藤みきに対しては黒田自身が使者となる事.さらに
黒田「総統,麻宮サキの事でございますが,工藤みき説得工作のために, 利用したいと存じまする.」
影の総統「どのように?」
黒田「なめらを用いまする.」
なめらは猫目の最後の生き残りだ.猫目一族は人操りで知られた連中だ. ある毒草から際した毒を牙に仕込み,首筋の血管に噛み付いて注入する. そして独特の高周波の笛を吹いて操るのだ.なめらの毒は恐ろしい神経毒だ. どんなに意志強固な人間であれ,一週間で廃人になってしまう. 総統は一瞬躊躇したが,その作戦の発動を許可した.

その頃,サキの家に,伊達こうじと坂本てつ,たい子,そして, 伊集院要がやってきていた.皆ウルフレボリューションによって, 学園を乗っ取られてしまったのだ.お京は,梁山高校を最後の砦として, 皆で力を合わせて青狼会と闘うしかない,と言った.皆, この梁山連合を作る事に乗り気だったが
サキ「うちは疲れた.バイクで走ってくるから.」
と去ってしまった.サキは悩んでいたのだ. お京達を青狼会を敵とみなして正義を闘いぬけばいい. だがサキには恐ろしい予感があった. サキは明らかに影の総統と子供の頃の知り合いだ. それもちょっとやそっとの関係ではない.自分が誰かわからないという事が, こんなに恐ろしいという事だとサキは考えていたのだ.

この迷いにサキは突け込まれてしまった. サキはなめらの素早い動きに翻弄され,遂になめらに毒を注入されてしまった. 気づいた時は後の祭り.サキは体の自由を失い, なめらの操り人形と化してしまった.

そして麗心女学園の工藤みきは薙刀の稽古をしていた. 黒田はそこにおり,説得をしていた.その答えは
みき「話はわかりました.しかし,自分は人の口先は信用しません. 自分を仲間に入れたければ,それ相応の誠を見せて下さい.」
みきはウルフレボリューションに参加する事をやんわりと断ったのだ. みきは去って行った.そこへなめらがやってきた. サキを連れて来たと言うのだ.

サキの家ではサキがいない事で焦燥感が漂っていた. お京と雪乃はガレージでその事を嘆いていた.そこへ西脇がやってきた.
お京「西脇の先公.」
西脇は駄目教師の格好をしていた.
西脇「あのう,麻宮さんは?」
雪乃「それが,昼間バイクで飛び出して行かれたっきり.」
西脇「ああ,そう,なんですか.」
お京「何だよ.何か知ってんのかよ.」
西脇「いや,そのう,サキさんがね,近畿の,麗心女学園の, 工藤みきという人に会いに行くというような事を仰ってたから, 本当にそのう,行かれたのかどうかと思ってね.」
お京「麗心女学園,工藤みき?」
雪乃「工藤みき.」
西脇「そうなんですか.飛び出して行っちゃったんですか.」
そう言って西脇は去って行った…振りをしてガレージの陰に隠れた. 雪乃とお京は麗心女学園へ行って見る事にした. それを確認してから,西脇は去って行った.

翌日.みきのところにサキが現れた.だがサキはなめらに操られ, みきを襲い始めた.みきは気づいていた.サキが正気でない事に. ちょうどその頃,雪乃とお京は車で麗心女学園に向っていた. そしてなめらがオカリナでサキを操る様子を鬼界坊が物陰から見ていた…

エンディングに流れたのは「風のマドリガル」 映像の変更はなかった.

第34話「キバ少女サキ! 雪乃・京子を襲う」

脚本は橋本以蔵.監督は田中秀夫. 鬼界坊はなめらに経を読み,なめらを退散させた.
鬼界坊「小賢しい奴め.」
と同時にサキは攻撃をやめ,逃げ出した.皆がサキの跡を追う中, 工藤みきだけがある事を核心し,立ち止まっていた.

サキは追っ手から逃れた.タイミングの悪い事に, その直後にお京と雪乃が麗心女学園に到着.薙刀で攻撃された. そこでお京と雪乃は,サキがみきを襲った事を知らされ,驚いた. お京は応戦しようとしたが
雪乃「お京さん,このような時,サキさんなら絶対こう言われる筈ですわ。 敵でない者どうし,むやみに争うんじゃならんぞね,と.」

黒田が一気にみきを説得しようとしているところへ, お京と雪乃が連れて来られた.お京は,この手でサキを倒す,と宣言した.

解放されたお京と雪乃にサキが襲い掛かってきた.驚く二人. 雪乃はサキを説得しようとした.仕方なくお京は応戦.雪乃も応戦した. その様子をみきは物陰から見ていた.お京と雪乃がとどめをさそうとした瞬間, 鬼界坊が現れ,サキを連れ去ってしまった.お京と雪乃にはなす術がなかった. 雪乃はサキが落とした二つのヨーヨーを握り締めていた.

鬼界坊は川淵の岩の上でサキに解毒剤を飲ませた.
鬼界坊「相当量猫目の毒を飲まされとるな.これだけの量の解毒剤では, 回復は無理か.」
サキはうわ言を言っていた.
サキ「母上,母上,わからん.うちは自分が誰か.どこから来たんか. どこへ行くんか.誰ぞうちを待っちょってくれる人がおるんか. うちは独りぼっちじゃ.助けて.誰ぞ,誰ぞ助けとおせ.何で鉄仮面なんか. うちはいったい誰なんじゃ.母上.」
サキは立ち上がり,川の中へ入って行った.
鬼界坊「何も知らぬようだなあ.殺す必要もあるまい.可哀相に.哀れだ.」
鬼界坊は祈るのであった.

翌朝.洞窟でお京と雪乃は悩んでいた.そこへ工藤みきがやってきた. なんとみきはサキの解毒剤の入った壷を持ってきていた. 一目見たときからみきは, サキが奥真宗の古い一族猫目の使う人操りの術にかかっている事を, 見破っていたのだ.解毒剤を作るのに手間取ったのでみきの来るのが遅れたのだ. そしてみきが解毒剤を作る気になったのは, お京と雪乃がサキを思う気持ちが,誠があったからだった. 二人のような友達がいるなら,サキにも誠があるに違いない.
みき「そういうわけです,黒田さん.あたしはこの人達と組む事にした. だから引き取ってもらいます.これ以上ちょっかいを出してくるのは勝手だが, これからは,こっちも腹をくくって闘わせてもらう.」
それを物陰で聞いていた黒田は去って行った.
雪乃「でも,こんな危険なところにどうして独りでお出でになったの?」
みき「今度は私が誠を見せる番です.奴らはこの山で私を狙ってくるでしょう. サキさんがまた刺客に使われるとしたら,これを飲ませるいいチャンスです.」
雪乃とお京は土下座して礼を言った.
みき「礼はサキさんを助けてから.」

黒田はなめらの術を使い,サキを刺客に使う事にした. しかも,手裏剣で解毒剤の壷を狙うように命じたのだ.

こうして闘いが始まった.まず,なめらが登場. お京と雪乃がなめらを襲っている隙にサキが壷を手裏剣で壊してしまった. 高笑いするなめら.自らを盾にし,みきを守るお京と雪乃. 必死に二人はサキに呼びかけた.サキの動きが止まった. なめらがオカリナを吹いた.襲い掛かるサキ. 仕方なくお京と雪乃は応戦した.サキに抱きつき, 自分が作ったお守りを胸に着けてあげた雪乃.サキはお守りを剥ぎ取った. その時,サキは自分の右手を怪我してしまった.右手から血が流れ, サキは失神した.そして立ち上がった時,サキは術から解かれていた. もはやなめらなど敵ではない.サキはなめらと死闘を繰り広げ, なめらを倒した.サキに二人が呼びかけた事で, サキは自分が独りぼっちでない事に気づいたのだ.

かくして梁山連合が発足した.青狼会打倒を皆で誓うのだった.

さて鬼界坊は握り飯を食べながら鎌倉の老人に報告していた.
鬼界坊「志織は何にも知らんようですなあ.」
高笑いする鎌倉の老人.
鎌倉の老人「仕方がない.自分で鉄仮面の秘密を探るとするかのう. 楽しみじゃ.楽しみじゃ.」

エンディングに流れたのは「風のマドリガル」 この回,西脇は登場しない.

第35話「今明かされる!! 恐るべき鉄仮面の秘密」

脚本は土屋斗紀雄.監督は大井利夫. 青狼会関東第一支部に李麗華が乗り込んで重傷を負ったという情報が入り, サキ達は衝撃を受けた.サキは麗華に手を貸す事にした。

一方,影の総統は鎌倉の老人と会っていた. 影の総統は全国の高校を牛耳って,この手で日本を弄ぶつもりだという. これを聞いた鎌倉の老人は影の総統の野心を見破り, 遠回しに自分の力あってこそのウルフ・レボリューションが行なえるのだ, と言い放った.

鎌倉の老人と会った後,影の総統は弟の蘭丸に「老いぼれ」の動きを尋ねた. 鎌倉の老人の動きを尋ねたのだ.蘭丸は動きは未だないと答えた. 蘭丸は気づいていなかったのだ.影の総統は蘭丸に, 老いぼれに動きがあったらすぐに知らせろと言って立ち去った.

さて,梁山連合の面々は水杯を酌み交わし,出陣の儀式を行なった. 皆,最後の一人まで闘いぬく決意を固めていた.皆,出陣して行った. サキは雪乃とお京に横浜の事を託し,自分は青狼会の本部を探る事にした.

その頃,鎌倉の老人は鬼界坊にサキこと志織の幼少時代の写真を見せていた. 早乙女七郎は自ら鉄仮面を志織に被せていたと言う. なぜそのような事をと驚く鬼界坊に鎌倉の老人はわからんと答えた. だが鎌倉の老人の欲しがる「例の物」と関係がある筈だ.
鬼界坊「例の物?」
思わず蘭丸は鬼界坊の方を見た.
鎌倉の老人「わしがどのように責めても, 早乙女は例の物の隠し場所を吐かなかった. わしは早乙女が娘に隠し場所を託して死んでいったと考えている.」
鬼界坊「では口封じのための鉄仮面と?」
鎌倉の老人「うーん.そうであれば娘には手を出せん. 無理に鉄仮面を割ったりして,娘が死んでしもうたら,元も子もないでな.」
鬼界坊「早乙女の奴,考えましたなあ.」
鎌倉の老人「しかし,いつかは鉄仮面が割れ,娘が動き出すと思うてなあ, わしは待ち続けた.12年もなあ.」
鬼界坊「鉄仮面は割られ,娘は何も知ってはおらぬ様子.」
鎌倉の老人「わしの読みは外れたようじゃ.例の物の秘密,娘ではなく, 娘が被った鉄仮面にあるようじゃ.あの鉄仮面,奪って来い.」
鬼界坊「わかりました.」

その話は直ちに蘭丸から影の総統に伝わった. 影の総統には鎌倉の老人の狙いがさっぱりわからなかった.

その頃,白銅高校,千葉の各高校,麗心女学園等では, 青狼会の者が次々に倒されていった.お京と雪乃も横浜の街を取り戻した. そしてサキは青狼会の本部を探していた.そこへ鬼界坊が現れた.
鬼界坊「似ている.目の辺りがそっくりだ.」
サキ「おまん,誰ぞね?」
鬼界坊「そうか.お前はやはり早乙女七郎の娘,志織であったか.」
これを聞いたサキは驚いた.
サキ「おまん,今何ちゅうたが?」
鬼界坊「早乙女の娘志織と言うたのじゃ.」
サキ「志織?」
鬼界坊は肯いた.そして去って行った.
サキ「うちの名はしおり.早乙女しおり.しおり.」

鬼界坊は言葉巧みにサキに近づいた.そしてサキは知った. サキの本名が早乙女志織である事.影の総統の名は恭志郎という事. なぜ同じ「志」という文字が二人の名に入っているのだろうか? 鬼界坊は恭志郎が幼い頃,サキの母上道子に甘えていた事や, 道子も恭志郎をかわいがっていた事を話した. そしてさらに鉄仮面の話を持ち出し,こう言った.
鬼界坊「あの鉄仮面には隠された謎があるのじゃ.」
サキ「お坊さん,鉄仮面の謎を知っちゅうが?」
サキは鬼界坊の術中にはまってしまった.駄目押しとして鬼界坊はこう言った.
鬼界坊「しかし,ここで鉄仮面の秘密を話すわけにはいかん. わしは法泉寺という寺で住職をしておる.わしの話が聞きとうなったら, 鉄仮面を持って訪ねてくるが良い.」

サキは西脇の話す梁山連合の面々の活躍の事を上の空で聞いていた. そこから,西脇はサキの異状を感じ取った.

その夜.悩むサキに鬼界坊から電話がかかってきた. 二ヶ月くらい旅にでる事になったので,それをしらせたかったと言う. それだけ言って鬼界坊は電話を切ってしまった.

翌朝.サキは鉄仮面を持って法泉寺を訪れた. どうしても鉄仮面の謎を知りたかったのだ. 鬼界坊が鉄仮面を取ろうとした瞬間.
西脇「待て!」
拳銃を構えて西脇が登場した.
サキ「西脇さん.」
西脇「久しぶりだな,鬼界坊.」
鬼界坊「お前も今までよう生き永らえておったのう.」
西脇「サキ,ボーっとしてないで速く鉄仮面をしまえ! こいつは最初からお前の仮面を狙っていたんだ.」
サキ「西脇さん,後ろ!」
鎌倉の老人の手先が西脇の後ろに来ていた. そちらの方にサキと西脇の目がそれた隙を突き, 鬼界坊は鉄仮面を取って逃走した.追いかけるサキ. 鬼界坊は蘭丸の吹き矢で倒された. 鉄仮面はサキのヨーヨーで無事回収する事が出来た.

これを聞き,鎌倉の老人は怒り狂った.

一方,サキは鉄仮面と一緒に#1で入れられた牢屋に入れられた. 西脇は理由をなかなか話そうとはしなかった…

エンディングに流れたのは「風のマドリガル」

第36話「奪われた鉄仮面! サキに明日はあるか」

脚本は土屋斗紀雄.監督は大井利夫.
西脇「遂にお前の本当の敵が動き始めたぞ.」
サキ「本当の敵? 誰ぞね? それならなぜうちをこがいなところに入れるんじゃ. うちはそん敵と闘わないかん.開けとおせ! 開けてや! 出しとおせ,西脇さん.」
西脇は振り返って言った.
西脇「この地下牢,覚えているか?」
サキ「…」
西脇「お前が土佐から連れて来られた時,入れられていた場所だ. あの時のお前はまるで獣のようだった.以前から被り続けた鉄仮面の怒りが, 全身にみなぎっていた.サキ,いやスケバン鉄仮面こと五代陽子. ここで全身にみなぎるような獣の怒りを思い出すんだ! そうしなければ, 青狼会や,またその後ろに控えている本当の敵を倒す事はできんぞ!」

かくしてサキは地下牢に入れられた.
サキ「西脇さん,うちの本当の名前は早乙女志織っちゅうだがね?」
西脇「鬼界坊がそう言ったのか?」
サキは肯いた.
サキ「影の総統の名は恭志郎とも.それに鉄仮面に隠された謎があるとも. それは本当の事,西脇さん? うちは何を信じて闘うていったらええんじゃ? 味方は何も教えてくれん.本当の事を教えてくれたと思うた男は, 裏切り者じゃった.これでは,うちは,うちは,何を信じたら?」
西脇は椅子から立ち上がって言った.
西脇「全てはお前自身の手でと言った筈だ.」
サキは無言だ.
西脇「迷うな.これからお前が闘いを挑んでいく相手は, 一瞬の迷いが命取りとなる,それほど恐ろしい敵なのだ.」
サキは驚愕の表情.
西脇「何も信じられないのなら,それも良い.その怒りを, 心の中に貯めこんでみろ!」

影の総統こと信楽恭志郎も迷っていた.恭志郎も道子に育てられたのだ. 自分を殺してみろという鎌倉の老人に,それはできないと答える幼い恭志郎. 怒る鎌倉の老人から道子は恭志郎をかばっていた.そこへ蘭丸がやってきた. 蘭丸は鉄仮面強奪に失敗した事と鬼界坊を殺した事を報告. ならば鉄仮面は未だ志織のところにあるはずだ.恭志郎は蘭丸に, 鎌倉の老人を倒せるかどうかを訊いた. 恭志郎は鎌倉の老人を倒す決意をしたのだ. 恭志郎は鎌倉の老人がなぜあのような力を持っているのかを調べたが, 一つだけわからない事があった.鎌倉の老人の生命力の謎だ. 鉄仮面の中に隠されている例の物の秘密がそれを解く鍵だろう. それさえ解けば鎌倉の老人を倒し,自分がそれにとって代わる事ができる筈だ.

さてお京はサキがいない事を寂しく思っていた. 雪乃は何か考えがあっての行動だと思っていた. もう少しで青狼会を叩き潰せるところまで,梁山連合は力を延ばしていた.

その頃,サキは何も食べずに考え込んでいた.
西脇「(独白)サキ,辛いだろう.しかし,今のままのお前では…」

その頃,青狼会は反撃を開始していた. てつとこうじは鉄下駄を得物とする男(小泉豊)に倒された. たい子達は洋装の麗人の含み針で倒された. そして伊集院要は鎖つきの鍵爪を得物とする男(宮沢淑郎)に倒された.

恭志郎は梁山連合の幹部達を闇討ちにした男達と会った. 要を倒したのはチェン.てつとこうじを倒したのは太田. そしてたい子達を倒したのはリン.恭志郎は鉄仮面強奪を三人に命じた.

三人は雪乃からの電話を受けていた工藤みきに襲い掛かった. そしてチェンは雪乃にこう言った.
チェン「工藤みきは預かった.返して欲しければ鉄仮面を持って, 東京第一高校跡に来い,と麻宮サキに伝えろ! いいな.」

以上の事は直ちに西脇からサキに伝えられた.梁山連合は壊滅状態だ.
サキ「それも運命かもしれんちゃ.」
西脇「しかしこのままではウルフレボリューションが…」
サキ「心配ないちゃ.」
サキは西脇の方を向いた.サキの目を見た西脇はこう思った.
西脇「なんと澄み切った目をしているんだ.」
サキは続けてこう言った.
サキ「西脇さん.おまんのゆうた野獣のような怒りは得られんかった. そん代わり,七日間うちがここ(ベッド)に座り続けて得た物は,無我の心. うちにはもうこわいもんはない.どんな邪悪なもんに出会うても, うちはただそれを倒すだけ.まっすぐにうちの正義を貫き通す. ひとーつだけ訊かしてや,西脇さん.」
西脇「何だ?」
サキ「今のうちの目は父上の目に似ぃちゅうがかね?」
西脇は答えた.
西脇「ああ.はじめてお前と会った時よりも,もっと似ている.」
サキは微笑んだ.
西脇「その目はまさに早乙女七郎の娘早乙女志織の目だ.」
サキ「早乙女七郎の娘早乙女志織.」
西脇「工藤みきが青狼会に囚われている.交換条件はお前の鉄仮面.」
サキ「鉄仮面?」
西脇「場所は東京第一高校学院跡.」
サキは鉄仮面を見つめ,仲間の事を思った.
サキ「みんな許しとおせ.みんなの怒り,うちがしっかり受け止めたきね!」
こうしてサキは工藤みき救出に出動した.友よ,君達の熱き闘い,決して 無駄にはしない,怒りをこめて巻く,誓いの鎖,

サキにお京と雪乃も着いて行った.そしてサキは鉄仮面を装着して, 東京第一高校学院跡に着いた.壮絶な死闘が繰り広げられ, リンも太田もチェンも倒され,工藤みきは救出された.だが, サキとチェンとの闘いの時,サキは鉄仮面を外されて奪われてしまい, 鉄仮面は蘭丸の手に渡ってしまった…

恭志郎は蘭丸から鉄仮面を受け取り,上機嫌. 麻宮サキの指揮の元で梁山連合が総反撃を行なっているという幹部の報告も, 意に介さなかった.
恭志郎「捨て置け.雑魚どもに用はない.ウルフレボリューションは終了した. 下がれ.次はこの仮面の謎を暴き,老いぼれを倒す. そして日本をこの俺の手に…」

奪われた鉄仮面.全ての謎を解く鍵を失ったサキに明日はあるのだろうか?
サキ「うちはこの手でうちの運命の謎を解き明かす.どがいな事があっても, うちは,うちは.」

エンディングに流れたのは「風のマドリガル」 小泉豊と宮沢淑郎は当時大野剣友会所属. 宮沢淑郎は役作りをしたつもりだったが「工藤みきは預かった. 返して欲しければ…」をという長い台詞をはじめとしてNGが多く, 殺陣師の上田弘司に,「お前を選んで失敗だった.馬鹿野郎, 俺に恥かかすのか.」と,きつく叱られたと言う.

第37話「黒バラ館の男・父上は生きていた!?」

脚本は橋本以蔵.監督は大井利夫. サキは恭志郎の妹かもしれないという事実に悶々としていた. そこへお京と雪乃がやってきた.青狼会本部の場所がわかったという.

一方,恭志郎は鉄仮面の秘密を探り出そうとしたが, 科学的および考古学的見地から調べたが何も探り出せなかった. そこへ蘭丸がやってきた.信楽老は男を一人,黒バラ館に閉じ込めており, その男が鉄仮面の秘密を知っているというのだ.

ここは黒バラ館.廃屋同然のこの洋館に男(?)が手桎足枷をはめられ, 拷問を受けていた.かなり長い間拷問を受けていたと見えて, 髪は白髪かつ長髪.服はボロボロ.ひげも長くなっていた. 男はつぶやいた.
男「志織…志織…」

舞台は青狼会本部に戻る.男は口を割らなかったという.
蘭丸「私のにらむところ,あれは志織様の…」
恭志郎「あの人が?」
蘭丸「男は志織様になら鉄仮面の秘密を明かすかもしれません.」
恭志郎「またしても志織.運命はどうしても俺達を闘わせるつもりなのか?」
恭志郎は志織,いや,蘭丸さえも倒せると蘭丸に言った.肯く蘭丸. 恭志郎は幹部を呼び寄せ,本部を放棄する事にした.
恭志郎「面白い趣向を思いついた.鉄仮面の秘密を知るために, 志織に一肌脱いでもらおうというわけだ.」
蘭丸「志織様に?」
恭志郎「俺がどこまで非情になれるのか,蘭丸,よく見ておけ.」

サキ達三人は青狼会本部に乗り込んだが,そこは裳抜けの殻だった. そして総統室に入ったサキ達は恭志郎のフォログらフィーを見た.
恭志郎「よくぞ,ここまでたどり着いたな,サキいや早乙女志織. 褒美に一つだけ教えてやろう.黒バラ館に男が一人幽閉されている. その男が鉄仮面の秘密を知る唯一の生存者だ.」
驚くサキ.
恭志郎「ふん.誰だと思う,志織? 懐かしい人だぞ.待っている.」
恭志郎は高笑いを残して消えて行った.

西脇は黒バラ館がサキの生家だと言った.サキの家族も住んでいた. 西脇は「あの惨劇の夜」以来,黒バラ館は放置され, 無人になったと思っていた.西脇には恭志郎の言葉の意味がわからなかった. 「懐かしい人」とは誰なのだろうか?
サキ「まさか,まさかそれは父上じゃないろうね?」
西脇「そんな筈はない! お前の父は…」
サキ「父上は?」
西脇「亡くなった.」
サキ「真の事か? そうしたら,その男っちゅうのは一体誰なんじゃ?」
西脇「わからん.」
サキ「そうか.やっぱりおまんにも確かな事はわからんのじゃね? それなら,自分で乗り込んでその人物を救い出して確かめるまでの事. もしかしたら父上かもしれないじゃきに.」
そう言ってサキは西脇と別れて行った.

信楽老は恭志郎が蘭丸を使って自分の事や鉄仮面の謎を探っている事等, 全てお見通しだった.信楽老は配下のコマンドー達に出動を命じた.

サキ達三人は黒バラ館にやって来た. だがサキはここが生家だとは信じ切れなかった. 外には西洋の甲冑が立っていた.サキ達は中に入った. そしてサキは発見した.館の描かれた絵を.それを観てサキは思い出した.
お京「これは?」
サキ「十二年前までのこの館の姿じゃ.その頃, この館はバラ館と呼ばれちょった.」
雪乃「それじゃあ,サキさん.」
お京「思い出したのかい?」
サキ「思い出したぞね.うちは早乙女志織. 考古学者早乙女七郎(宮内洋)の娘.バラ館で幸せに育ったんじゃ.」
サキは思い出していた.幼き日々を.
サキ「ついに思い出したぞね.うちは名無しじゃない. 生まれの証も立たん娘じゃない.うちは早乙女志織じゃ.」
お京「サキ…」
雪乃「12年前早乙女一家に何が起こったのか.」
サキはそこまで思い出せてはいなかった. サキ達は幽閉されている男を探す決意を固めた.
サキ「おまんら,どんな危険が待っちょるか,わからんぞね.」
雪乃「それはもう言いっこなしですわ.」
お京「お前さんの運命に付き合う,これはあたい達が自分で選んだ道だ. 倒れて本望.」
雪乃「悔いなく挑んで闘う事こそ,二度と戻らぬ十七歳の誠実ですわ.」
サキ「わかった.おまんらの気持ち, うちはとことんやりぬく事で答えるぞね.」

館の中を西洋の甲冑を着た男が歩き回っていた. 甲冑男はサキ達のすぐそばに来ていた.サキ達は牢屋を見つけ, 牢屋番を倒し(?),牢屋の中に入った.そして中の男を救い出した. 男はこう言った.
男「志織…志織様」
男(睦五朗)はサキの父上ではなかったのだ.そこへ甲冑男がやってきた. 三人の得物は一切通用しなかったが,何とか牢の中に閉じ込める事に成功. だが…

外へ出たサキ達に外からコマンドー達,中から甲冑男が襲って来た. 応戦したが劣勢だ.お京と雪乃は自分達を盾にしてサキと男を奥へ逃がした. そこへ恭志郎が現われ,コマンドー達を追い返した.恭志郎は男にこう言った.
恭志郎「おひさしぶりですな,げんじゅうろう殿.」
お京と雪乃はコマンドー達に捕まってしまった…

エンディングに流れたのは「風のマドリガル」

第38話「暴かれたサキと総統の出生の秘密」

脚本は橋本以蔵.監督は大井利夫. サキ達が黒バラ館から救出した男はサキの父上ではなく, げんじゅうろう(睦五朗)という男だった. サキ達は恭志郎に捕らえられてしまった. 敵味方となったサキと恭志郎を見てげんじゅうろうは嘆いていた. 恭志郎は鉄仮面の秘密を話すように強要したが,げんじゅうろうは拒否した. 恭志郎は鎌倉の老人と同じ目をしているからだ.恭志郎は志織の命を盾に, なおも話すよう強要した.

その頃,信楽老の手先のコマンドーはサキ達をいぶり出す策を考えていた.

遂にげんじゅうろうは真相を話し始めた. 道子は信楽老にさらわれて育てられ,早乙女家に派遣された女だった. しかも,げんじゅうろうは信楽老から放たれた僕兼見張り役だったのだ. その目的は鬼怒良(きどらと読む)の宝を探す事,そして早乙女七郎に探させる事. げんじゅうろうは鬼怒良の宝が何かは知らなかった.だが, 鬼怒良古墳に隠されている究極の宝である事は知っていた. そして信楽老が追っているものが鬼怒良の宝なのだ. その頃,恭志郎が同じく信楽老にさらわれて,その養育を道子に委ねられた. それが信楽老のやり口だった.次々と養子を育て上げて手駒に使うのが. 時が経ち鬼怒良古墳を七郎は発見. 七郎と娘を心から愛するようになっていた道子は信楽老の事を全て話した. それを聞いた七郎は大学からの親友西脇に相談. 信楽老は日本を裏から支配しようとしている恐ろしい男のようだ. 西脇からそれを聞いた七郎は鬼怒良の宝を半永久的に封印し, 娘の志織が清く心正しい人間に成長した暁に公開する事にしたのだ. かくして,七郎夫婦,げんじゅうろう,そして西脇は鉄仮面を製作. そこに秘宝の秘密を封じ込めた.そこへ信楽老の手先がやってきた. 七郎とげんじゅうろうは志織と道子と西脇を逃がした.だが,七郎は殺され, げんじゅうろうは捕らえられてしまったのだ.

真相を聞いたサキは嘆いた.母上が悪の手先だったという事を知ったからだ. それを聞き,げんじゅうろうは言った.道子と七郎の愛が本物だった, だから,自分は信楽老を裏切ったのだ.今,サキは母の言葉の真の意味を知った. 恭志郎はなおもげんじゅうろうに鬼怒良の宝の事を話すよう強要した.
げんじゅうろう「岩が…」
恭志郎「岩が?」
げんじゅうろう「岩が兜をまとうた時,天と地の鳴動鳴り合うて, 鏡の光溢れる.」
だがげんじゅうろうはこの言葉の意味までは知らなかった.

お京と雪乃は信楽老の手先のコマンドーに捕らえられていた. 恭志郎は抜け穴から脱出して去った. サキはコマンドー達と闘い,二人を救出しようとした. だが6対1では勝ち目はない.そこへ恭志郎がやってきた. サキを助けに来たのだ.それを物陰からげんじゅうろうは見た. こうしてお京と雪乃を救出した.だが, サキと恭志郎は本当に和解したわけではない. 恭志郎は道子に育てられた借りを返しただけだという. そして去って行った. げんじゅうろうはサキに恭志郎が落として行ったロケットを渡した. 恭志郎のロケットが天,地はサキのロケットだったのだ. サキは亡き父上と母上に誓った.鬼怒良の宝を探し出し, 邪悪な心を持った者から守る.二人が残してくれた愛を信じて.

その頃,物陰から闘いを見ていた信楽老は, 鬼怒良の宝の手がかりが得られた事に満足し, 高笑いをして去って行くのであった.

エンディングに流れたのは「風のマドリガル」 西脇は回想シーンのみの登場.

第39話「天と地が鳴り合う時 鉄仮面が動き出す」

脚本は土屋斗紀雄.監督は田中秀夫. サキと西脇は天と地のペンダントを調べてみた.
西脇「お前に俺の知っている事,全てを話す日が来たようだ. 鬼怒良の秘宝は一国の命運を左右する程の力を持っているらしい. それを手に入れた者によって善にも悪にもなる. 信楽老という男は私利私欲から日本を陰で操っている男. そんな男が,鬼怒良の秘宝を手に入れたら, それこそ日本は滅ぼされてしまうだろう. 早乙女はなんとしても秘法を守らなければならなかったんだ. たとえお前が鉄仮面を被る運命に追い込まれたとしてもだ. そして,その鉄仮面をお前に被らせたのは,俺だ. あの時は,鉄仮面に鉄仮面に宝の在り処が隠されてるなんて知らなかった. それを知っていたら俺はお前に鉄仮面を被らせはしなかっただろう. あの時,俺はただ,早乙女に頼まれるままに…」
早乙女七郎は信楽老に,志織の顔の中に鉄仮面の秘密を封じた,と宣言していた. 驚く西脇に七郎は志織に鉄仮面を被せろと頼まれていたのだ. さらに七郎は志織に信楽老を倒させるように頼んでいたのだ. これを聞かされたサキは西脇を責めた.鏡で自分の顔を見られなかった事. 暗闇の恐ろしさ.皆にいじめられた事.

海辺でサキは悩んでいた.西脇はサキのヨーヨーを受ける覚悟を決めていた. せめてサキに七郎の仇を討たせたい.西脇はそう思っていたのだ.
西脇「天に道なく地に道なし.我ただ人の道を歩む. 早乙女が好きだった言葉だ.」
それを聞いたサキは母上の言葉を思い出した.母上も同じ事を言っていたのだ.

その頃,恭志郎は鉄仮面を調べさせていた. そしてある種の音波を鳴らすと共鳴して鉄仮面が割れる事を突き止めた. しかし音は4つ.274Hzと7600Hz.320Hzと8200Hz. 最初の2つは恭四郎のロケットが出す音の振幅数の上限と下限. 残りの2つはサキのロケットの物だろう.

そしてサキは2つのロケットを鳴らすと共振作用で窓ガラスが割れる事を, 偶然知った.さらに2つのロケットのマークを合わせると, 何かのマークになる事を知った.天と地が重なり合う.天地学院高校. その校章だ.サキ達は天地学院高校跡地へ行った.そこには男がおり, 帰れ,と言ったが,サキが桜の代紋を見せると態度が変わり, 話を訊く事ができた.男は教頭.もう一人の男は校長(庄司永建). 校長はサキの目を見てサキが早乙女七郎の娘である事を確信した.

調べているうちにお京と雪乃は捕まってしまった. サキは父上が好きだったという言葉が刻まれた石碑を突き止めたが, 何者に拘束されてしまった.校長の仕業だった.校長と教頭の正体は, 鬼怒良古墳を守る者達,天道と地道であった.一族代々, 鬼怒良古墳を守る運命にあった.校長はお京と雪乃を石碑の裏側に縛り付け, 石碑をダイナマイトで爆破しようとした. 石碑の下には校長達が早乙女七郎から託された物が隠されているのだ. 自分達に構う事はない,というお京と雪乃. だがサキはダイナマイトの導火線の火を消した.そしてこう言った. 石碑を守っているのなら石碑に刻まれた言葉の意味を知っている筈だ. これを見た天道達はお京と雪乃を解放した. サキが心正しい少女に成長している事がわかったからだ. 彼らは早乙女七郎によって鬼怒良古墳を守る呪縛から解放されていた. そして彼らは早乙女七郎から託されていた銅鏡をサキに渡した. 残念ながらこれは鬼怒良の宝ではない.秘密の在り処を開く鍵でしかない. 鉄仮面を写した鏡が光に満ちた時,鬼怒良の秘宝が現われる. 鬼怒良の宝の隠し場所は鉄仮面に隠されているのだ.

その頃,恭志郎も鉄仮面から宝の隠し場所を見つけ出していた.

第40話「悲しみのサキ 総統、愛のために死す」

脚本は土屋斗紀雄.監督は田中秀夫. サキは天道から父上からの手紙を渡された.
七郎「我が子志織へ.鉄仮面という宿命を負いながらも,その心を曲げる事無く, この手紙を読んでくれているお前にまず感謝している.よくぞ, ここまで成長してくれた.ありがとう.私が発見した鬼怒良の秘宝は, 実にすばらしい力を持っている.しかし,その力は心正しい人間が持ってこそ, 素晴らしいと言えるのだ.邪悪な心の者がその力を使えば, 恐ろしい結末を見る事になる. 鬼怒良の秘宝を決して邪悪な者に渡してはならない. 父は秘宝の力を利用して,ある邪悪な心を持つ人間を倒そうと試みた. 残念ながら,時満ち,秘法の力は発揮できなかった. 父はその人物に敗れ,追われる身となってしまった.志織, 今この手紙を読んでいるお前は清く心正しい人間であると父は信じる.志織, 鬼怒良の秘宝の力をもって,父に代わりその人物を倒してくれ. その人物の名は信楽老.彼を倒さぬ限り,日本に明日は来ない. お前がこの手紙を読むだけで歩まなければならない茨の道を思うと, 父はただただ涙を流すばかり.許してくれ,志織.父より.」
サキは石碑に誓った.父上に代わって信楽老を倒す事を. サキは信楽恭志郎にも父上が手紙を託したかどうかをたずねた.
天道「あの男に手紙を読む資格はありません.」

信楽老は恭志郎の調べにより秘宝が梁山高校に隠されていると知り, 梁山高校へ急ぎ,秘法を取り出し,なおかつ,サキと恭志郎を倒せ, と配下に命じた.もはや恭志郎に用はないからだ.

蘭丸はこの事を恭志郎に報せた.そして恭志郎は梁山高校へ行き, 地下道の入口らしき物を発見.音を出して無理やりあけようとしたが, 開かなかった.恭志郎はサキを待つ事にした.

サキは西脇から,青狼会が梁山高校に宝があるので恭志郎が現れた, と聞かされた.梁山高校で蘭丸の出迎えを受け,サキは独りで恭志郎の待つ祠に, 現れた.恭志郎はペンダントと鉄仮面をかけて闘いを挑んで来た. サキは銅鏡を持ち出し,祠のマークに光を反射させた. これにより祠の扉は開いた.サキは信楽老を倒すために恭志郎に共闘を申し出た. 恭志郎のロケットは道子から託された物だった.そしてサキは, 七郎から自分に宛てられた手紙を恭志郎に読んでみろと渡した.

その頃,校門では信楽老の手下が現われ,青狼会の者や雪乃やお京を倒して行った.

恭志郎は手紙をびりびりに破いた.未だ日本征服の野望に燃えていたのだ.
サキ「おまん,許せんちゃ.」
かくしてサキと恭志郎の闘いが始まった.恭志郎の得物は日本刀. それを西脇はスーツ姿で遠くから眺めていた. だが祠の前に信楽老の部下が現われた.恭志郎はサキを庇って倒れた. 恭志郎はサキの事を美しいと言って死んで行った. 信楽老の部下は西脇に倒された.恭志郎のところに駆け寄るお京,雪乃, そして蘭丸.
サキ「許さんぞね.信楽老.」
サキは鉄仮面,ロケットなどを抱えて祠の中へ入って行った. 中に埴輪のようなものがあった.母上の声が聞こえた. この埴輪に鉄仮面を被せろ.その通りにサキは被せた. そして銅鏡を置き,ロケットを2つとも開けた.全ての道具は揃った. 鉄仮面の目から光が発射された.それが銅鏡に当たった時,岩が崩れ, 何か発光する物が現われていた.これが鬼怒良の秘宝なのだろうか?

第41話「壮烈! サキ、雪乃、お京 最後の戦い」

脚本は橋本以蔵.監督は田中秀夫. 鬼怒良の宝とは杯であった. 蘭丸から話を聞いた信楽老は明後日に鬼怒良の杯を手に入れる事を宣言した. そして信楽老の圧力で暗闇指令はサキを特命刑事から解任した. サキが納得するはずもなかった.サキは最後まで信楽老と闘う事を宣言し, 去って行った.暗闇指令は西脇に,サキを監視しろ,と命じた.

その頃,サキの家に早速コマンドーが登場.お京と雪乃をガスで眠らせ, 杯を奪って行った.

サキはげんじゅうろうから, 皆既月食の日に鬼怒良の杯に不老不死の酒で満ちる事を,聞き込んだ. 信楽老は日本の暗部に深く関わっていた.彼が不老不死の力を得たら大変だ. 日本は大いなる不幸に陥るだろう.サキ達三人は, 信楽老が不老不死の酒を飲む事を阻止する事を,決意した. そこへ電話がかかってきた.西脇からの呼び出しだ.

西脇は信楽老を倒す前に自分を倒せと言ってきた.西脇の真意はなんだろうか? 西脇はサキに対して発砲した.これでサキは西脇を倒す事を決意した. 不敵に笑う西脇.闘いは西脇優勢のうちに進んだ…かに見えた. だがもう一度ヨーヨーの鎖を巻くサキに西脇は攻撃をして来なかった. 西脇はヨーヨーの前に倒された.

翌朝.皆既月食の日.サキは天と地のロケットを早乙女七郎の墓に供え, 信楽老打倒を誓っていた.

かくしてサキ,雪乃,お京は出撃して行った.登る坂はエンディングと同じ場所. だが,まず雪乃がコマンドーと相撃ちになり,重傷を負った.雪乃はそれを詫び, 倒れていった.涙を流すサキとお京.そこへライダー隊と車がやってきた. お京とサキはそれを撃破して行った.だが,一瞬の隙を突かれ, お京がやられてしまった.号泣するサキ. サキは最早独りで突入するしかなかった.だがそこへ暗闇指令が登場. サキを逮捕しようとした.
暗闇指令「言ったはずだ.お前はもうスケバン刑事じゃない.」
サキは暗闇指令の部下を倒し,こう言った.
サキ「3年B組麻宮サキ.またの名を早乙女志織.今やこの桜の代紋は, おまんらの手先の証じゃないがよ.これは, この闘いに関わった若き戦士達の代紋なんじゃ.この代紋ある限り, うちはうちの使命のために闘う.邪魔は許さんぞね.」
そこへ車に乗って西脇登場.なんとサキを救出して行った.
西脇「裏切り御免.」
暗闇指令「西脇…」
後部座席には鉄仮面が置かれていた.西脇は, あくまでも七郎の意思をサキが遂行してほしい,と思っていたのだ.

第42話「少女鉄仮面伝説・完 さらば二代目サキ」

脚本は橋本以蔵.監督は田中秀夫. サキと西脇の目標は只一つ.信楽老打倒だ.最終回は, サキと西脇が信楽老の邸宅に乗り込んでの攻防戦に多くの時間が割かれている. とりあえず,サキと西脇の行動と台詞を列挙して行こう.

まず自動車の中で西脇が言う.
西脇「サキ,死ねるか?死ぬ事を覚悟すれば,後は万に一つの生き残るチャンス, 運があるなら拾えるかもしれん.」

こうしてサキと西脇は信楽老の邸宅に乗り込んだ. 凄まじい銃撃をかわしながら,サキと西脇は庭に乗り込んだ.

一方,蘭丸は信楽老暗殺を図ったが,あっさりと信楽老に敗れてしまった.

さてサキと西脇は橋の下に身を隠すのがやっとの状態だった.
サキ「結局,人並みの幸せは知らずに死ななきゃならんのかもしれんちゃ. 雪乃さんやお京や,犠牲になった多くの若者の幸せを考えると, ここまで来れただけで儲けもんかもしれんちゃ.」
西脇「人並みの幸せより,もっと大切な物をお前はつかんだはずだ.」
サキ「どういう意味じゃ?」
西脇「死を得れば二度と戻らぬたった一つの命.だからこそ, 半端に使い捨てちゃ行かん.お前は精一杯生きた.お前の友人達もだ. 俺はうらやましいぞ.」
サキ「おまんは何のために闘うんぞね.」
西脇「かつて,お前にそっくりな美しい女性を愛した. 俺はその人と,親友の一家の危急の時,初めて出会った. 可愛い少女が一緒だった.情の底から救いたいと思った.俺の思いはいい. ただ,幸せに逃げ延びてくれと願った.だが俺には救えなかった. だから俺は,一生掛かっても,その少女の行く末だけは見守ろうと考えたんだ. 既に苦しむ運命は決定付けられた少女だった.だったら, 思いっきり苦しめばいい.ただ, その辛さから逃げる少女にだけはしたくないと思った.なぜなら, 少女の母親は絶対に娘にそれを許さなかっただろうからだ.サキ,わかるか? 愛する事は勇気だ.闘いだ,相手との.そして,己との.」
サキはこれを聞いて西脇の闘いの意味を知り,涙を流した.

突き進むサキと西脇の前に蘭丸が現われた.
蘭丸「奴を,信楽老を倒して下さい,これ以上,不幸な人々を作らない為に.」
西脇「どこにいる.信楽老はどこにいる.」
蘭丸「奥庭に祭壇が.」
この時,西脇は蘭丸に時限爆弾が仕掛けられている事に気がついた. 蘭丸の背中に信楽老が刺した手裏剣に爆弾が仕掛けられていたのだ. 西脇は手裏剣を抜こうとしたが,抜けなかった.
蘭丸「これは父が特別に作らせた凶器です.人に命中すると刃が八方に広がり, 決して抜けないのです.」
つまりサキや西脇は蘭丸を救う事が出来ないのだ.
蘭丸「行って下さい.いつ爆発するか,巻き添えになりますよ.」
西脇「信楽老は必ず倒す.必ず.」
蘭丸は肯き,去って行った.サキと西脇は, 爆死する蘭丸を見ることしか出来なかった.

もはやサキと西脇の目標は只一つ.奥庭の祭壇だ.だが, 落とし穴にひきづりこまれたサキを救おうとした西脇がコマンドーに撃たれた. サキはヨーヨーで木の上へ脱出し,コマンドー達を倒したが,西脇は重傷だ. そこへ信楽老が現われた.
サキ「おんしゃが,おんしゃが信楽老か?」
信楽老「お前が麻宮サキこと早少女詩織か?」
サキ「許さん.許さん.許さん.許さんぜよ.」
サキは桜の代紋を見せた.
サキ「梁山高校3年B組麻宮サキ.またの名を早少女詩織.これは, この闘いに関わった戦士達の真心の代紋なんじゃ. この代紋ある限り,うちは,うちは絶対おんしゃを倒す.」
信楽老「手を退け,詩織.わしは人を超越した存在じゃ.不老不死となり, 時代を超えて,愚かな人間どもを支配し管理する.これはわしの愛なのだ.」
サキ「おんしゃは,自分を愛しちょるだけじゃ.おんしゃに愛を語らせては, 死んで行った人達に申し訳が立たんぜよ.言わせん. それ以上戯言は言わせはせんぜよ.」
信楽老「蘭丸の後を追うがよい,詩織.」
サキはヨーヨーを放ったが,信楽老の杖に倒されてしまった.
信楽老「お前の寿命,わしが引き継いでやる.死ね.」
とその時,西脇の放った銃弾が信楽老に命中した.慌てて信楽老は撤退した. 西脇も倒れてしまった.
西脇「サキ,生きて,生きているのか?」

そして夜になり,皆既月食の時を迎えた. 一生懸命祈りをささげる信楽老.杯に不老不死の酒が満ちた. それを信楽老が飲もうとした時,恭志郎のロケットの音が響いた. そして祭壇の前の池からサキが飛び出した. そしてヨーヨーが杯に命中し,不老不死の酒は飛び散った. 信楽老は最後の最後でサキに敗れたのだ.そこへ暗闇指令が登場. 信楽老にこう言った.
暗闇指令「あんたが圧力をかけて,我々の組織は屈服した. だが俺に,不屈の闘志を教えてくれた者がある. 信念の闘いを放棄すべきではない.做すべき事はなさねばならん.」
信楽老「やるが,いい.」
こうして信楽老は射殺された.

しばらく経ったある日.3年B組の教室.お京と雪乃の傷は未だ癒えていなかった. サキの席には花が捧げられていた.その時,包帯だらけの格好で, 西脇が松葉杖をつきながら現われた.
西脇「えー,今日から,みんなと一緒にお勉強する新しいお友達があります. 君.」
現われたのはサキだった.驚く一同.お京と雪乃はサキが無事と知って安堵した. だが,二人が知ったのはそれだけではない.
西脇「早少女詩織君でーす.」
こうしてサキこと詩織は自分を取り戻した.

この回のエンディングは一回きりのもの. 早少女詩織の日常生活が描かれたものとなった.

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東平 洋史 E-Mail:touhei@zc4.so-net.ne.jp