スケバン刑事 一口メモ

第1話「謎の転校少女サキ」

脚本は杉村のぼると土屋斗紀雄.監督は坂本太郎. 貧しい高校生を奨学金で勉強させてやる代わりに替玉受験を強いる理事長一派 (神田隆,近藤宏)を叩き潰す.と同時に麻宮サキの初出動の回でもある. 暗闇指令(長門裕之),神恭一郎(中康次)も初登場. 麻宮サキの母ナツ(清水まゆみ)が, 裁判長(森塚敏)から死刑の判決を受けるシーンも登場する. 幼少時代のサキを演じるのは林美穂.なお今回の口上は次の通り.

2年4組麻宮サキ.またの名はスケバン刑事.(桜の代紋を見せて) スケ番まで張ったこの麻宮サキが,何の因果か落ちぶれて, 今じゃマッポの手先.笑いたければ笑えばいいさ.だがな, てめえらみてえに金のためなら不正入学や替玉受験もいとわねえなんて, そこまで魂は薄汚れちゃいねえんだよ.

第2話「帰ってきた不良少女サキ!」

脚本は杉村のぼる.監督は坂本太郎. 以前,麻宮サキが番を張っていた鷹の羽学園に麻宮サキが復学. と同時に鷹の羽学園関係者の野分三平(増田康好),沼重三(平泉成)らが初登場. この回では麻宮サキが引き続き特命刑事としての仕事を行なうように強要される. と同時に麻宮サキが銀行強盗の容疑を受け,危機に陥る. 他の出演は高畑惇子,大木正司ら.なお今回の口上は次の通り.

鷹の羽学園2年B組麻宮サキ.またの名はスケバン刑事.(桜の代紋を見せて) スケ番まで張ったこの麻宮サキが,何の因果か落ちぶれて, 今じゃマッポの手先.笑いたければ笑うがいいさ.だがな, てめえらみてえに金のためなら強盗もいとわねえなんて, そこまで魂は薄汚れちゃいねえぜ.

第3話「爆破魔を追いつめろ!」

脚本は杉村のぼる.監督は田中秀夫. 鷹の羽学園でオタスケマンを名乗る男による「時限爆弾騒ぎ」が勃発. これは勉強に疲れた生徒(松田洋治)の仕業だった. 彼は爆弾ではなく花火を仕掛けていたが, 校長(河合絃司)を恨む男から本物の爆弾を仕掛けるように強要される. 校長のところにも脅迫状が届き,校長はその事を警察に届け出た. 化学教師(石山律雄)らは警察の介入に反対.サキが乗り出す事になった. なお今回の口上は次の通り.

2年B組麻宮サキ.またの名はスケバン刑事.(桜の代紋を見せて) スケ番まで張ったこの麻宮サキが,何の因果か落ちぶれて, 今じゃマッポの手先.だがな, てめえみてえに教師のくせに学校に爆弾を仕掛けようなんて, そこまで魂は薄汚れちゃいねえぜ.

第4話「白い炎に地獄を見た!」

脚本は海野朗.監督は田中秀夫. 鷹の羽学園の女子生徒の父親が殺された.その容疑が彼女に掛けられたと称し, 鷹の羽学園に刑事(黒部進)が乗り込み,彼女を連行して行った. サキは彼女の母親(左時枝)に自分の母親の姿を見た.やがて刑事が偽者であり, この事件にはある汚職事件が絡んでいる事が判明.事件の黒幕(幸田宗丸)は大物. 神の制止を振り切り,麻宮サキは黒幕のところへ乗り込んでいった. 他の出演は守谷俊志ら.なお今回の口上は次の通り.

何者だ? なめた口をきくんじゃねえ.人の命と真心を食物にする, てめえらこそ何者だ! てめえらみてえに薄汚え奴らは, この麻宮サキが許さねえんだ.(桜の代紋を見せて) スケ番まで張ったこの麻宮サキが,何の因果か落ちぶれて, 今じゃマッポの手先.笑いたければ笑えばいいさ.だがな, てめえらみてえに魂までは薄汚れちゃいねえんだぜ.

第5話「黒ミサは午前2時に!」

脚本は遠野海彦.監督は小西通雄.デートを楽しむサキと三平は, 全寮制の名門カトレア女子学園の生徒白鳥かおりの飛び降り自殺に遭遇した. 遺品となったロケットを手にしたサキはショックを受け, 指令を拒否しようとしたが,今回の指令はその自殺に関する物だった. 自殺していたカトレア女子学園生徒は他に二人.いずれも動機が不明だった. 怒りに燃えたサキはカトレア女子学園に潜入.偶然にもサキの寮の部屋は, 白鳥かおりの部屋だった.サキはロケットの写真の男こと, 教師の竹中(五代高之)に接触した.偶然にも, 自殺した生徒はいずれも竹中に心を寄せていた.サキの印象では竹中は白. その夜の2時,サキは白鳥かおりを呪う黒ミサを目撃. だがサキは催眠術を掛けられてしまった.果たしてその裏に隠された真実は何か? 神によって催眠術の呪縛から解けたサキは竹中にラブレターを出し,真相に迫る. ちなみにサキの怒りは真犯人だけではなく, 事件の原因となった竹中にも向けられた.

第6話「アイドルを狙え!」

脚本は山中伊知郎.監督は小西通雄. 鷹の羽学園ではアイドルの泉ゆかり(北原佐和子)の話で持ちきり. そして今回の指令は泉ゆかりが容疑を受けていた放火事件を調べる事だった. 事件現場はゆかりの仕事場の近くであり,しかも, 彼女には放火未遂を繰り返していたという過去があった.神の調べによると, 泉ゆかりの父大三(草薙幸二郎)はユニバーサル電工の社長で, 今までの放火未遂事件を金で揉み消していた節があるという. サキは泉ゆかりの付き人となり,事件の真相を探る事となった. ある晩.ゆかりが控え室から抜け出した. マネージャーの林田(清水章吾)と手分けしてゆかりを探したサキは知った. ゆかりが恋人(大田直人)と会う為に控え室から抜け出していた事. さらに放火未遂事件を起こした時のゆかりの寂しい心情も. そしてその晩,またも放火事件が発生した.ゆかりは罠にはめられていたのだ. 果たしてゆかりを罠にはめた人物は誰なのか? そしてその真の目的は何か? ゆかりを救う為,サキのヨーヨーが炸裂する.なお口上は次の通り.

2年B組麻宮サキ.またの名はスケバン刑事.(桜の代紋を見せて) スケ番まで張ったこの麻宮サキが,何の因果か落ちぶれて, 今じゃマッポの手先.笑いたければ笑うがいいさ.だがな, てめえらみてえに汚え野郎を許しちゃおけねえんだ.
なおこの事件で泉ゆかりの付き人をしているサキを見かけた三平が, その場に居合わせた神の正体に不審を抱く場面がある. だがサキの正体までは気づかなかった.

第7話「愛と憎しみのアーチェリー」

脚本は橋本以蔵.監督は田中秀夫. 私立クローバー女子学園の教師石原が車を運転中, アーチェリーで狙われる事件勃発.この事件を探るのが今回の使命.サキは, アーチェリー部の生徒達が教師達に髪の毛を切られているところを目撃. これは元不良の多いアーチェリー部を廃止しようとした教師の石原達に, (元)生徒の堀江由美(財前直美)が威嚇の為に矢を放ったのが原因だった. それを知ったサキは退学させられた由美に接触. サキと一勝負した後,由美は門間の説得で復讐を諦めたとサキに語った. サキの印象では由美は白.アーチェリー部の味方は顧問の門間ただ一人. 門間の健闘虚しく,アーチェリー部は廃部となった.元部室で悔しがる門間. それを目撃する由美.その直後,別の教師中村が矢で狙われた. その現場に由美がアーチェリー大会で準優勝した時のメダルが落ちていた為, 警察は由美を犯人と断定.神は捜査の打ち切りをサキに命じた. 由美は白だと言い張るサキに神は言う.お前は刑事だ,確証をつかめと. サキは再度由美に接触.自分が犯人だと言い張る由美の態度から, サキは真犯人が誰かを察した.そしてサキは第三の事件の現場を押さえ, 真犯人,そして真犯人をかばう由美と対決.なお口上は次の通り.

2年B組麻宮サキ.またの名はスケバン刑事.(桜の代紋を見せて) スケ番まで張ったこの麻宮サキ,何の因果か落ちぶれて, 今じゃマッポの手先. 笑いたければ笑えばいいさ.でもね,先生, 一人の教え子も救えない, 半端な理想主義を振りかざして, 人殺しに走るほど, あたしはなまっちゃいないんだよ.
真犯人を捕まえた後,サキは神に人間の弱さを嘆いた.神は言う. 弱気を憎め,それがお前がスケバン刑事であり続ける理由だと.

第8話「女高生モデル殺人事件」

脚本は山中伊知郎.監督は田中秀夫.帝都大学アイドル研究会主催, ミスティーン水着コンテストの会場で電源が落ち, その間に第一回優勝者の川辺悦子が殺害される事件が発生. 死因は彼女の飲んだジュースに混入された青酸カリによるものだった. 事務所の社長山口は帝都大の大学生. 彼は悦子主演で映画を撮るつもりだった,と悲しんだ. 一見簡単と思われたこの事件は被害者が高校生で, 事務所の社長が大学生だった事から捜査に困難を極めた為,暗闇指令は, サキにモデルとなって川部悦子の所属していた事務所に潜入するよう命令. 会場を調べていたサキをみつけた山口はサキに興味を持った.その直後, サキのところにナイフで脅迫状が投げつけられた. 脅迫状の文面は「山口に近づくな.さもないと悦子のようになるぞ.」 神はサキに告げた.悦子のところにも同じような脅迫状が届いた事. そして悦子が妊娠していた事.神はサキに,山口と接触するよう命じた. 嫌々山口とデートしたサキは,ある晩,ナイフで何者かに狙われた. ヨーヨーで撃退し,ナイフを持つ手に傷を着けた.その傷から, サキは事件の裏に潜む真相をつかむ.なお口上は次の通り.

麻宮サキ.またの名はスケバン刑事.(桜の代紋を見せて) エリート面した帝都大生.化けの皮をはがしたら,獣より劣るぜ. 純な女の子の心と命をおもちゃにしやがって,地獄にでも落ちてもらいてえぜ.
番長の夢小路美弥子がそのコンテストで優勝し, 事務所でサキと一悶着するシーンは笑える.

第9話「いじめの根を断て」

脚本は遠野海彦.監督は坂本太郎. 原宿をデートしていたサキと三平は同じくデートしていた(?)沼と高木と遭遇. 二人を軽くいなした後で立ち寄った洋服店でサキは, 万引する少女(つちやかおり)を見つけ, 「お母さんを悲しませるんじゃないよ.」と注意した.その後, ナツの収監されている刑務所へ面会に行ったサキは面会を断られて落ち込み, バイクを走らせた.そんなサキに指令が下った.いやがるサキに, 神はナツが作った造花を見せ,花びら一枚一枚にサキに対する愛情が籠っている, と言った. さて指令の内容は都立泉ケ丘高校ではびこっている集団万引を阻止する事.既に, 集団万引を注意したPTA役員の青山一郎が殺されるという事件が発生していた. なんと偶然にも,転校先の席はあの万引していた生徒青山ゆう子だった. ゆう子は殺された青山の娘で陰湿ないじめを受けていた. いじめおよび万引の総元締の矢口(田浦智之.後に児島宏章と改名), そして矢口のいいなりになっていた生徒達にサキの怒りが爆発する. なお口上は次の通り.

2年C組.麻宮サキ.またの名はスケバン刑事.(桜の代紋を見せて) スケ番まで張ったこの麻宮サキが,今じゃマッポの手先.だがな, てめえみてえな小悪党には体中の血が燃えるんだ.
この回からサキの制服が夏服に変わる. またバイクでのアクションは今は故人となった高木政人さんが担当した. クレジットされていないが,他の回のアクションも高木さんの吹き変えである. 高木さんは「スケバン刑事II」の制作中にバイクの事故で亡くなってしまった. その早過ぎる死が本当に惜しまれる.

第10話「狙われたアタッカー」

脚本は遠野海彦.監督は坂本太郎. 鷹の羽学園バレー部のエースアタッカー水島直子(茂野幸子)獲得を狙い, 裏金が飛び交っているという噂があった.それを探るのが今回の使命. 偶然にも水島直子は三平の友人だった為,サキは直子への接触に成功. バレーボールに燃え,東南紡績で頑張るという直子を応援するサキ. 監督の大木(辻萬長)が中学時代から直子に目をかけており, 鷹の羽学園に引っ張った事をサキは三平から聞き出した.神は, バレーボールの後援会会長で資産家の黒田(早川雄三)と, 大木監督を当たるように命じた.サキは知った. 大木の妻が二年前の事故で重傷を負い,後遺症が残っている事. そして事故の件で黒田から大木が強請られ, 直子の就職について圧力をかけられている事. 黒田はロイヤル紡績への就職を決めようとしていたのだ.なお口上は次の通り.

2年B組.麻宮サキ.またの名はスケバン刑事.(桜の代紋を見せて) スケ番まで張ったこの麻宮サキが,何の因果かマッポの手先.だがな, てめえみてえに善人面して少女を食物にする小悪党は許せねえんだ.
ちなみに本放送当時はソウル五輪を3年後に控えていた.

第11話「第二部 悪魔の三姉妹編 序章」

脚本は杉村のぼる.監督は田中秀夫. 剣道部のキャプテンで生徒会長の三井律子(蝦名由紀子)は, サキを剣道の稽古に誘った. 孤児となり一人暮らしをしている境遇が似ているからサキを誘った, と三井は言った.サキは沼の勧めもあって剣道部に入る事にした.そんな矢先, 鷹の羽学園に転校生が3人もやってきた.一人は佐川と言う名で2年B組に入った. 別の一人は宮原と言う名の美人(河合その子)で2年C組に入った. そしてもう一人は秀才の横山めぐみで3年B組に入った. さて自宅に戻ったサキに指令が出た.この3人の転校生を監視する事だった. 佐川は剣道部に入った.佐川と一緒に稽古をしたサキは, 「できる」と感じた.横山は生徒会の仕事を手伝いたいと三井に申し出た. 宮原は音楽部に入部.サキの目には三人とも普通の高校生に見えた. だがそれは牙を隠しているだけだった.三人はすぐに牙を剥いた. まず横山は生徒会で夢小路美弥子を槍玉に挙げ,規律の自首管理の動議を出した. 三井も沼は反対したが,横山は着実に力を伸ばしていた. そして三井が剣道部の部室で何者かにメリケンサックなどで殴り倒された. 通りかかった沼が三井を助け起こしているところに佐川が登場. 沼が人殺しだとわめきたてた.罠にはめられた沼は警察に連行され, マスコミはこの事件を大々的に報道した.事件の真相を知る三井は昏睡状態. 意識が回復しなければ三井の命は危ない.三人にとっての邪魔者は消えた. その隙を突いて横山達は自主管理動議を起こした. 賛成多数で自主管理動議は可決.規律自主管理委員会が動きを開始した. サキは横山達三人が三井を襲ったと見ていたが証拠はない. 神にも三人の背後に巨大な組織がいる事しか判っていなかった. そんな時,美弥子達が横山達を呼び出して倒そうとしたが, 返り討ちにあう事件が発生.サキは横山達との対決を決意したが, 敵は三人だけではなかった.サキは何台ものオートバイに襲われた. そして三人の背後には海槌亜悠巳という女がついていた.
サキ「てめえがその三人を操っていた張本人なのか?」
亜悠巳「その通り.私の名前は海槌亜悠巳. お前などには到底想像できない世界の人間よ.」
サキは海槌亜悠巳のライフルを左肩に受け,崖から谷底へ落ちてしまった. サキを救う為,三平が崖下を流れる川へ走る.一生懸命サキを探し, サキを呼ぶ三平だったが,サキからの答えはなかった…次回へと続く.なお, この回からエンディングの映像が変更された.

第12話「サキ! お前はもう死んでいる!」

脚本は杉村のぼる.監督は田中秀夫. 川の中を歩き回った三平は遂に倒れているサキを発見.近くの小屋へサキを運び, サキを寝かせた.そして三平が医者を探しに出た.夜になり, 三平が小屋へ戻ると,神がサキの手当てをしているところに出くわした. 神は左肩から銃弾を摘出.その後,サキはナツが起こした事件の悪夢を見た. 朝になり,気がつくと神の姿は消えていた.さて鷹の羽学園では, 関東生徒会連合会長の海槌亜悠巳が姿を現し,力を伸ばしていた. 悠巳は女子は三つ編みにし,男子は学帽を被る事を強要. 校長も手を出しかねていた.亜悠巳の父海槌剛三は日本の六大財閥の一つ, 海槌財閥の会長であり,大物だったからだ.三平は太郎を呼び出し, 鷹の羽学園の事を聞き出した.だがその様子を佐川に見られてしまった. 遂にサキの隠れている小屋の辺りに,あのライダー達が現れた. ライダー達は太郎を置いて去って行った. 太郎の体には亜悠巳からの手紙がくくりつけられていた. 午後三時までに日生病院に来いと.亜悠巳は三井の病室に陣取り,サキを待った. 病院へ向かうサキに横山達がメリケンサックや鎖鎌などで襲ってきた. 横山達を倒したサキに今度はライダー隊が襲い掛かってきた. 劣勢に陥ったサキを救ったのは神だった.神はサキを逃がし, ライダー隊を撃破した.その頃,亜悠巳は勝利を確信し, 三井律子の酸素吸入器のスイッチを切ろうとしていた. だがそこへサキが登場.間一髪,三井律子の命は救われ, サキは鞭をふるう亜悠巳と対決する.なお口上は次の通り.

サキ「鷹の羽学園2年B組.麻宮サキ.またの名はスケバン刑事.(桜の代紋を見せて) 関東生徒会連合会長海槌亜悠巳.人間の陰に隠れて, てめえの狙いは一体なんなんだ!」
亜悠巳「狙い? とてつもない計画が進行しているとしか言えないわね.」
サキ「ふざけるな.狙いが何であろうと, 人の命をゲームにする奴は許しちゃおけないんだ.」
勝負は相撃ちに終わり,海槌亜悠巳は高笑いを残して何処ともなく去った. 三井律子も意識を取り戻し,沼も釈放された. かろうじて鷹の羽学園は救われた.だがそれは嵐の前の静けさに過ぎなかった. 海槌亜悠巳らはとてつもない計画を着々と進めていたからだった. なお,この回で三平はサキと亜悠巳の闘いを目撃し,サキの正体を知る事になる. 題名は当時流行っていた漫画「北斗の拳」の台詞に由来すると思われる. ちなみに三平がサキを救う場面はもっと長目に撮影されたそうだ.だが, 三平が川から小屋までサキを運び込むシーンが尺の関係のためか, 予告編で一部が使われたのみになってしまった.

第13話「殺しのメロディーを弾け!」

脚本は杉村のぼる.監督は坂本太郎. この前後編は原作の「3匹の蛇」編を元にしている. 椎名純子が父の栄光芸術学院音楽部学部長椎名幸一と母と一緒に車に乗っていた. だが車のブレーキが突如利かなくなり, 挙句の果てに車は転倒事故を起こしてしまい,ただ独り椎名純子だけが生き残った. その6日後,純子は,サキの家にやってきて倒れこんでしまった. 彼女はサキを知っているようだったが,サキには覚えがなかった.そこへ指令が. 指令は彼女の事件に関する物だった.そして, 純子をサキの家に連れてきたのは神だったのだ.一方,神は三平を連れ出し, 三平にサキから離れるように命じた.刑事であるサキに近づくのは危険だと. 三平が納得する筈がない.神は三平をぼこぼこにし,立ち去ろうとした. だが神の足をつかみ三平は叫ぶ.「未だだ.未だ勝負はついていない.」 根負けした神は三平に言った.俺もサキを守る,お前も命を賭けてサキを守れ, と.一方,椎名純子の肺炎は完治し, サキと一緒に原宿へ買物に行くほどになった. 純子は全日本ピアノコンクールへの出場を控えており, 純子の父の愛弟子で栄光芸術学院の音楽教師川崎俊博(西田健)に, 演奏をみてもらった.川崎は椎名の死後,音楽部の学部長に就任していた. 音楽室で椎名純子の演奏を聞いていたサキは, ビデオカメラの存在に気がついた.さらに川崎は純子に,演奏が粗削りだ, 焦る事はない,出場を辞退しろ,と言った.実は川崎には海槌亜悠巳の妹, 久巳の手が延びていた.久巳は自分より才能が上の者の存在を認めず, 自分がコンクールで優勝する事を図っていたのだ. しかも栄光芸術学院は海槌家が経営していた.邪魔なサキを倒すべく, 亜悠巳と久巳はライダー隊を率いてサキと対決する. 一方,純子にも亜悠巳と久巳の手が延びていた.サキは鞭で拘束され, 身動きが取れない.亜悠巳のオートバイがサキに迫る…次回へと続く. なお純子の弾くショパンを聞いた美弥子が対抗心を燃やし, 「猫ふんじゃった」を弾いて笑われる場面がある.

第14話「血ぬられた鍵盤」

脚本は杉村のぼる.監督は坂本太郎. 純子のところに三平が駆けつけ,かろうじて純子は助かった. そこに川崎も現れた.一方,サキのところには神が駆けつけ, サキは危ういところを助けられた.さて川崎は白々しく純子に言った. コンクールまであと6日,一度自分のところに来なさい,と. 鷹の羽学園で練習する純子.川崎の指導で練習する久巳はイライラしていた. そこで川崎は純子に出鱈目の演奏方法を教え, 純子の父の指導の方こそ芸術的にも劣っているとまで言い放った.号泣する純子. 久巳の狙いは純子の自信を失わせる事だったのだ.一方, 神は栄光芸術学院の内情をサキに話した. 元々栄光芸術学院は伝統ある学校だったが,海槌家が金の力で乗っ取っていた. そして海槌家は栄光芸術学院から手向かう者を追い出していた. 椎名はただ独り残って抵抗を続けていた.そして椎名の死で得をしたのは川崎だ. 椎名の後を継ぎ,学院長のイスも約束されているらしい.一方, 亜悠巳と久巳は父の剛三に自分達の邪魔をする麻宮サキの事を話していた. その名を聞いた剛三は「麻宮サキ?」と呟いた.知っているのか, と訊かれた剛三は「いや,知らん.」と口を濁した(これは後の伏線). そして遂にコンクールの日となった.無事に演奏を終えた久巳. 次は純子の番だ.だが純子は川崎に刺されてしまった.純子は気力で舞台に現れ, ショパンを披露.演奏の様子からサキは純子の異状を察知した.が時既に遅く, 弾き終わった後,純子は倒れてしまった. 救急車で運ばれた純子は出血が酷かった為,容態は予断を許さない.しかも, コンクールは久巳の優勝.怒り狂うサキに, 三平は舞台の袖で発見した物を見せた.それは川崎のネクタイピンだった. サキは久巳の祝勝会の会場に乗り込む.なお口上は次の通り.

鷹の羽学園麻宮サキ.またの名はスケバン刑事.(桜の代紋を見せて) スケ番まで張ったこの麻宮サキが何の因果か今じゃマッポの手先. 笑いたければ笑えばいいさ.だがな, てめえみてえに欲の為なら人殺しもいとわねえなんて, そこまで魂は薄汚れちゃいねえぜ!
幸い純子は一命を取り留めた.だがその平和も長くは続かなかった. 海槌三姉妹の長女麗巳が帰国したからだ. なお純子の弾くショパンを聞いた沼がクラシックファンを自称し, 「ベートーベンか」と言って笑われる場面がある.

第15話「サキ! 罠にはまる」

脚本は橋本以蔵.監督は田中秀夫. 帰国した麗巳に剛三は妹達を助け,学園統合計画を推し進めるよう命じた. サキを何とかしろという亜悠巳と久巳に, 麗巳はサキの背後にいる組織を探るのが先だと言い, とりあえず鷹の羽学園を揺さぶる事にした.まず,サキを徹底的に監視.次に, 人気者の転校生林たけしが市子に「サキにいたずらをしたい」と称して騙し, 市子を「通じて」宣戦布告させた.そしてサキの目の前で市子を殺害し, その罪をサキに着せた.捕まったサキは神恭一郎を呼ぶように沢井刑事に告げた. その事から麗巳は神恭一郎の存在をつかんだ. 一方,証拠不十分で釈放されたサキは真犯人を捕まえると三平に宣言. だが鷹の羽学園の生徒達がサキを見る目は冷たかった. 家に帰ったサキは何者かが家を探ったらしい形跡がある事を知った. そこへ麗巳から再度の宣戦布告の電話が.麗巳は名を名乗らず, 殺人の容疑を掛けられても助けてもくれない組織のために戦って何になる, とサキを挑発.部屋を探ったサキは盗聴機を一つ発見し,叩き壊した. だが盗聴機はもう一つあった.麗巳はサキのネガティブキャンペーンを敢行. サキの無実を信じながらも沼はサキに職員会議で自宅謹慎と決まった事を通告. 追い詰められたサキ.神はサキをディスコに呼び出し, 麗巳が帰国した事を告げた.追い詰められて錯乱していたサキは神に, 暗闇指令に会わせろと言い出した.神の説得も聞かずにサキは飛び出した. そんなサキを麗巳の手下が追う.さらにその後を追う神. サキの錯乱は麗巳の手下をあぶり出すための芝居だったのだ. サキを追ってきた男は林たけしだった. しかも林の使ったナイフは市子を殺したものと同一の物だった. この事からサキは市子を殺害したのが林である事を知った.サキはたけしを逮捕. そこへ沢井刑事が駆けつけた.だが沢井は麗巳の手下だった.沢井は林を殺害. サキを「殺人の現行犯」で連行した.麗巳の方がサキや神よりも上だった…なお, この回で神恭一郎のデータが一部判明する.

第16話「決死の脱出! 恐怖の地獄城」

脚本は山中伊知郎.監督は田中秀夫. 後編は原作の「ふたたび地獄城」編を元にしていると思われる. と言っても原作に則しているのはごく一部だけだ. サキは少年院に送られた.サキの担当の看守は田代(伴直弥.後に伴大介に改名). サキは特別房に入れられた.食事は一日一回.その理由を田代は述べた. サキの背後組織を探る為.背後組織の事を喋れば出してやると. 田代は麗巳の配下に違いない.田代は飯を差し入れる時にわざと落とす等, サキを徹底的に痛めつけた.一方, 亜悠巳達は鷹の羽学園に配下の教師を次々と送り込んでいた.そして夜になり, サキは何者かに襲われた.田代以外にも麗巳の仲間がいたのだ.一方, 三平は神にサキを助けろと詰め寄っていた.神は三平に言った. 林たけし殺しの真犯人を捕まえればサキは当然無罪放免になると. 翌日.三平は少年院出入りのクリーニング屋にアルバイトに入った. 一方,サキの部屋に深町みどりという少女(牧野美千子)が入って来た. みどりは脱獄を図り,やすりで鉄格子を削っていたと言う. だがサキはみどりの正体を見抜いていた. みどりは前の晩にサキを襲った女だったのだ.みどりはそれを認め, 田代に脅されたので仕方無くやったと言った. 取敢えずサキはみどりと組む事にした. まずみどりは服の中に暗号が仕込まれているという偽情報を田代に流した. 泡食った田代はクリーニング屋の車の中を探索. その隙を突いてみどりは三平にサキからの伝言を伝えた. 少年院の中に海槌家の配下がいる,人殺しの刑事を追い詰めていけば, きっと海槌との関係が浮かび上がると.さらにみどりは調理場から飯を失敬し, サキにプレゼントした.サキはみどりと完全に打ち解けた. さて神は三平からみどりの伝言を訊き,所轄の警察署を探った. それを麗巳もつかんでいた.田代はみどりを捕まえ,房から連れ出した. そして偽情報を田代に流した件でみどりを拷問.一晩中, みどりの叫び声が響いた.田代はサキに言った. みどりが吐くまで痛めつける,やめてほしければ背後組織の事を喋れと. みどりの悲鳴が響く.耳を押さえ,心を痛めるサキ.その頃, 神は沢井を問い詰めていたが,神の目の前で沢井は撃たれてしまった.翌朝. 田代はみどりを労働に駆りだそうとした.サキは止めたが, みどりは働くと言い張った.それを聞き,心を痛めるサキ.サキは苦しんでいる. その報告を刺客からの電話で聞き,ほくそ笑む麗巳. だが沢井は一命を取り留め,自白を始めていた.そこで麗巳はサキ殺害を命じた. 早速田代がサキを連れ出した.下水道の中で闘うサキと田代. だが勝負は田代の負け.サキは田代に海槌家との関係を尋ねたが, 田代は意外な人物の含み針で殺された.その人物こそ麗巳の真の刺客だったのだ. ヨーヨーを受け取ったサキの怒りが爆発し刺客は倒された.そこへ神が駆けつけ, サキは少年院から出る事が出来た.だが鷹の羽学園には海槌家の手が延びている…

第17話「鷹の羽学園は燃えているか」

脚本は杉村のぼる.監督は坂本太郎. 鷹の羽学園の経営権は海槌家に乗っ取られていた.そのため, サキは退学処分になっていた.今まで鷹の羽学園にいた生徒は学校を去り, 裕福な生徒ばかりが入学.残っているのは32名だけ. 海槌家の方針に従わない教師も学校を去って行った. 残っているのは沼と校長の二名だけ.美弥子はボコボコにされ, 沼の励ましを受けたが彼女は現状に絶望し,欠席を続けていた. 一方,サキは暗闇指令の元に連れて来られていた. 暗闇指令はやっとつかんだ海槌家の目的を告げた.それは日本の乗っ取りだ. 金持ちの子弟を洗脳し,海槌家の言いなりにさせようと言うのだ. 今鷹の羽学園で残っている生徒32名をやめさせないように引き止めるのが, 今回の仕事だ.麗巳は残っている生徒を追い出すため, まずその生徒全員を一クラスに押し込めた.そして美弥子に接近した. 翌日.他の生徒達の不満は爆発.沼は一生懸命説得したが, 戻って来た美弥子はみんなでまとまって抵抗する事を言い出した. 美弥子,いや,麗巳の煽動に乗って皆,教師に抵抗する生徒達. これこそ麗巳の狙いだった.処分の口実を与え, 学園から生徒を追い出そうとしたのだ. それを知ったサキは美弥子と会った.サキと美弥子は, 美弥子と麗巳が一緒に食事をしたマンションに乗り込んだが,そこは空室だった. 幻滅する美弥子.弱い心をもてあそんだ麗巳に対する怒りに燃えるサキ. 翌日.生徒達はバリケードを作るところまでエスカレート. サキは校長室へ行ったが,校長はいなかった. 新理事長の命令で辞職させられたのだ.新理事長兼新校長こと麗巳は命令した. 沼の解雇,抵抗した生徒達の退学を.怒りに燃えるサキのヨーヨーが炸裂したが, それは蟷螂の斧でしかない…

第18話「登場! もう一人の特命刑事」

脚本は杉村のぼる.監督は田中秀夫. 麗巳はサキのヨーヨーを素手で受け止め,逆にサキを投げ飛ばした. 教室に立て篭もった生徒達もバリケードを破られ,即刻退学処分となった. 生徒達の憎悪は美弥子に向けられた.沼は美弥子の責任ではない, と美弥子を庇ったが,責任を感じた美弥子は陸橋から飛び降り,重傷を負った. 幸い,美弥子は一命を取り留めたが,サキの心はボロボロだった. 神はサキに休養するように命じたが,逆にサキは海槌家との対決を決意した. サキは海槌家の尾行をまき,刺客を倒そうとした.だが敵わず,逃げる羽目に. その時サキは自転車の男(南城竜也)にぶつかり,意識を失った. 責任を感じた男片桐陽一はサキを家に運び込み,そのままベッドに寝かせた. 片桐は自転車屋を経営する男で,元オリンピック選手. 片桐はサキが何かの執念に燃え,余裕のない事を見抜いていた.片桐はサキに, 休んだほうがいい,と忠告した.だが片桐は気づいていなかった. サキがお得意様の海槌麗巳の敵だと言う事を.一方,神は三平を連れ, 片桐の自転車屋へ行った.だが片桐の姿を見て,中に入りもせずに立ち去った. その頃,片桐はサキに,ずっと家にいてくれ,と頼み込んでいた. 片桐は三年前に妹のみつえを事故で亡くしていた.両親を亡くして以来, 片桐はみつえと二人きりで過ごしていた. 片桐は海外遠征中でみつえの死に目に会えなかった.サキは了承. 片桐はサキに名前を尋ねた.そして麻宮サキだと知り,動揺した.その直後, サキは片桐が麗巳と関係がある事を知った.と同時に麗巳も, サキが片桐のところにいる事をつかんでいた.サキは片桐に, 片桐と麗巳との関係を尋ねた.そこへ麗巳の刺客がやってきた. なぜか片桐は刺客と闘い,サキに逃げるように言った. サキは駆けつけた神のポルシェに乗って逃げた. そしてサキは片桐の正体を神から告げられた.片桐の妹は麗巳付の秘書だったが, 偶然汚職の秘密を知ってしまい,始末された.そこで片桐は特命刑事となり, 海槌麗巳に接近したのだ.サキは神の制止を振り切り, 海槌三姉妹と片桐のいるサーキット場へと向かった. だがサキは片桐を救う事さえできなかった.しかも,逆に片桐はサキを庇い, 亜悠巳のライフルで死んでしまった.死に際に片桐は言った.
片桐「サキ,君と海槌剛三との間には秘密がある…(これは次回の伏線)」
怒りに燃えるサキは海槌三姉妹に立ち向かうが…

第19話「暴かれたサキ出生の秘密!」

脚本は橋本以蔵.監督は田中秀夫. サキは海槌三姉妹に捕まり,剛三の元へと連れてこられた. 剛三は意外な事を言い出した.
剛三「お前には資格があるかもしれん. 少なくとも試してやるだけの価値はありそうだがね.」
剛三は三姉妹を部屋から追い出し,サキと二人きりで話し合う事にした. 剛三はサキの縄を解き,海槌コンツェルンのために働いてみないか,と誘った. そしてサキにホーナー博士という遺伝子工学の権威を探し出せと命じた. 手がかりは日本に来日するホーナー博士の娘エイミー.勿論, サキはその命令に従うつもりはなかった. 剛三は麗巳から鷹の羽学園から手を引かせる事を持ちかけた.サキは出て行った. 剛三は三姉妹にも命じた.サキと競ってホーナー博士を探せと.そして, 誰が海槌家の後継者にふさわしいかを見せろ,と.怒り狂う亜悠巳と久巳. だが麗巳はサキと剛三の間に何かがあると睨んでいた.美弥子が退院した頃, サキは神に剛三の話を話していた.神は剛三の命令に従い, ホーナーを探すよう命じた.目的は二つ. 一つはホーナー博士を三姉妹から救う事.もう一つは剛三の狙いを知る事. サキは命令に従い,まずエイミーを成田空港から連れ出した. そんなサキのところに三平,太郎,美弥子達が協力を申し出た. 太郎と美弥子達はサキの正体を知らなかったが,皆海槌家と闘いたかったのだ. サキはその申し出を受ける事にした.その頃, 麗巳は部下からの報告で麻宮ナツが剛三の秘書をしていた過去がある事を知った. さてエイミーはなかなか心を開こうとしなかった. そこへ海槌三姉妹の手下が襲ってきた.三平と美弥子達が手下の注意をひきつけ, サキはエイミーを連れて逃げた.丁度その時, 麗巳はサキについて何か報告を受けていた.そこへ亜悠巳と久巳がやってきて, サキを早く探して殺せ,エイミーを探さずにじっと動かないのは何故だ, と麗巳を問い詰めた.麗巳は言った. 海槌家のトップの座を奪われたくなかったら,早くサキを殺せ,と. そして麗巳は秘かに税関に手を回し, エイミーのバッグに発信機を忍ばせていた事を.さてエイミーはサキに心を開き, ホーナー博士の居場所を知る山本との待ち合わせ場所を教えた. 早速エイミーと一緒にそこへ行ったサキだったが, 亜悠巳と久巳達もそこへやって来た.山本は撃たれてしまった. 山本は「マドリードダリヤ」と言って息断えた. サキはエイミーを逃がした.久巳は言った. 「例えお前があたし達のきょうだいであったとしても殺してやる.」驚くサキ. 次回へ続く.

第20話「呪われた父と娘!?」

脚本は山中伊知郎.監督は坂本太郎. サキは剛三の娘なのか? サキはナツのいる刑務所を訪ねたが, ナツから面会を拒否された.そこへ麗巳がやって来た. 麗巳はサキに言った.サキが剛三の娘である事.そして, 邪魔な人間は例え妹でも殺す主義だと.その事を剛三は麗巳から聞いた. さてエイミーを探し出した美弥子はサキと三平と合流. そして三平の調べで山本の言った「マドリードダリヤ」が花の名前である事, そして日本では群生していない筈のその花が奥多摩にある事がわかった. サキは三平と美弥子とエイミーとともに奥多摩へ行った. そしてエイミーはホーナー博士と再会した. エイミーはホーナーに帰ってくれと頼んだが,ホーナーは拒否した. ホーナーは自分の遺伝子工学技術が悪用される事を恐れていたのだ. 美弥子や三平はエイミーと一緒に暮らそうとしないホーナーに憤ったが, サキは「親子なんてそんな簡単なもんじゃないんだよ.」と二人をたしなめた. だがそこへ亜悠巳と久巳達が現われた.三平と美弥子を囮に使い, エイミーとサキはホーナーの運転する車で逃げた. だが車は警官に止められてしまった.警官は剛三の手の者だったのだ. 剛三は改めて海槌家に入るようにサキに命じた. 従わなければナツのいる刑務所に刺客を送り,ナツを殺すと. サキが壁に掛けてあったライフルを手にとって剛三に向けた時, 剛三は微動だにせず言った.サキが剛三の娘である事. そしてナツが剛三の愛人だった事を.サキは部屋に監禁された. さらに剛三はホーナーに協力をするように「頼んだ」が, ホーナーはその申し出を拒否した.剛三は拳銃でホーナーを威嚇. エイミーは自分が何でもするから父を助けてくれと剛三に頼み込んだ. 剛三はその申し出を受け入れ,サキとエイミーに殺し合いをさせる事にした. 監視カメラでその様子を見る剛三と三姉妹.戸惑うサキに剛三は言った. エイミーが父親を助ける為にサキを殺そうとしている事. そしてナツを助けたかったらエイミーを殺せと. サキはエイミーからナイフを奪った.そして監視カメラの線を切り, 自分は自分の手でナツを救い出すと宣言した.剛三は部屋に毒ガスを流し込んだ. サキは何とか脱出するだろう.それくらいしなければ自分の娘とは認めない. 剛三の考えた通り,サキはドアの電気錠をヨーヨーで壊し,脱出に成功. 神も駆けつけ,ホーナー親子とサキは神のポルシェで逃げる事に成功した. 麗巳は思った.次に会った時はサキを殺すと.剛三は思った. 強情なサキを自分にひざまずかせてやると. ホーナーはエイミーと一緒に船でアメリカへ帰って行った. サキと三平と美弥子はそれを見送った.「いいわねえ, 父と娘って.」と言う美弥子.それを聞いたサキは剛三の事を思い出し, 複雑な気分になるのであった.

第21話「父さんを殺したのはお前だ!!」

脚本は遠野海彦.監督は坂本太郎. この題名はサキの心情を良く表わした意味深なものだ. 剛三の言葉をサキは信じたくはなかった.だが剛三の言葉が真実であれば, ナツの行動は全て納得が行くではないか.父と争って父を殺してしまった事. そしてナツがサキと会おうとしない事が. 悩むサキは三平に別れを告げようとしたが,三平が納得する筈がない. 剛三の言葉を三平に言い,私は呪われた子なんだ,と悩むサキ. 三平は,呪われて生まれてくる子なんていない,とサキを一生懸命慰め, 「君が好きなんだよ.」とサキに告げた.その言葉に後押しされ, サキはナツと面会する事にした.サキは今までの思いをナツにぶつけた. 感極まってサキもナツも泣いてしまった. そしてサキは剛三の言葉が事実かどうか尋ねた. だが結局ナツはその質問には答えなかった.落ち込むサキ. 三平は一生懸命慰めた.そこへ亜悠巳と久巳がやってきた. 自分達と同じ血が流れている事が我慢ならないと二人は言い, サキを弓やライフルで狙った.久巳の弓で腕を怪我したサキは言う. あたしにはお前達のようなどす黒い血は流れてねえんだ.サキと三平は逃げたが, 追い込まれ,絶体絶命のピンチ.そこへ神が登場.神はサキと三平を救出し, 二人を暗闇指令の元へ連れて行った. 暗闇指令はナツの死刑執行が延ばされている真の理由を述べた.サキは法廷で, 父としや(長谷川哲夫)と母が倒れた後,大きな男が逃げるのを見た, と証言していたのだ.その男はストーブを蹴飛ばし,火事を起こしたのだ. さらに男の胸が燃えていた事もサキは証言していた. その事を暗闇指令に指摘されてサキはその事を思い出したが, その男の顔は思い出せなかった.当時サキの証言は採用されず, ナツは死刑を宣告された.だが三人の裁判官の内, たった一人だけナツの無実を確信した者がいた.それが暗闇指令だった. 暗闇指令は法務大臣に直訴し,ナツの死刑執行を延ばし続けていたのだ. 暗闇指令は確信していた.サキが目撃した男は海槌剛三である.当時, 剛三は金の不正取引をジャーナリストであるサキの父に嗅ぎ付けられていた. 剛三は口封じのためにサキの父を殺し,その罪をナツに着せたに違いない. 当時の検事山崎(大塚国夫)は今では海槌剛三の顧問弁護士になっていた. ここまで述べた後,暗闇指令はサキを特命刑事にした真の理由を告げた. それはあの殺人事件の真相を突き止める事だ.暗闇指令は改めて指令を出した. 海槌一族の野望を打ち砕けと.その頃, 沼は校庭で退学されていた生徒に授業を行なっていた. それが沼流の抵抗だったが,美弥子達はそのやり方がてぬるいと思っていた. それに応じ,沼,そして生徒達はシュプレキコールを行なった. そしてサキも鷹の羽学園に乗り込んだのだが…

第22話「地獄に落ちろ! 悪魔の一族」

脚本は遠野海彦.監督は坂本太郎. サキは海槌家の手の者に首を締め付けられていた.だがサキは相手を倒し, 剛三のいる理事長室に乗り込んだ.校内放送でサキと剛三の声は流れており, 沼達もそれを聞いた.海槌三姉妹が鷹の羽学園で記者会見を開いていた最中, 剛三はサキに事実を告げた.剛三は株の不正取引などで暴利をむさぼっていた. それを麻宮としやが知った.剛三は麻宮としやを買収しようとした. だが潔癖な麻宮としやは買収には乗らなかった. しかも麻宮としやとナツは結婚を誓い合っていた仲だった. 怒った剛三はナツを暴力で物にし,生まれたのがサキだと言うわけだ. 放送室に詰め掛ける亜悠巳達を神は外で返り討ちしにしていた. 美弥子達もバリケードを築いて抵抗し,久巳を返り討ちにしていた. そしてサキは見た.剛三の胸に火傷の痕があるのを. 剛三は自分があの時の男だと認め,さらに事件の真相を述べた. 麻宮としやは剛三の悪事を発表しようとしていた. そこで剛三はとしやにサキの出生の秘密を告げた. 自宅でナツととしやは口論になり,ナツは気絶してしまった.そこへ剛三が登場. 滅茶滅茶になった家族を元に戻す為,としやは原稿を渡すと言ったが, 剛三はとしやを口封じのために殺してしまったのだ. 剛三は山崎と一緒にライフルでサキを狙った.だが結局逆転されてしまい, 神と三平も乗り込んだ.剛三が語った言葉は全て録音されていた. 全てが終わった事を知った剛三は拳銃で頭を撃ち抜いて自殺. 亜悠巳と久巳はパトカーで連行された.そしてサキは麗巳と対峙した. 麗巳は自分が泣くのは日本を征服するまでは泣かないと宣言. 誰だって自分の責任で自由に生きたいんだと言うサキ.それを聞き, 麗巳は自爆装置を発動させた.海槌財閥のビルは吹っ飛び,ナツは釈放された. 神と三平の見守る中,サキはナツに質問した.自分は誰の子なのかと. ナツは言った.「サキ,お前はあたしとお父さんの子よ.」 ナツは今まで自分が麻宮としやを殺したと思っていた.そんな自分が許せず, ナツはサキと面会しようとはしなかったのだ.そこへ暗闇指令が登場. サキを特命刑事の任務から解いた.海槌剛三の野望はついえた. さらに暗闇指令はサキとナツが二人で住むための家を用意していた. こうして鷹の羽学園に平和が戻った. サキとナツは12年ぶりに一緒に暮らす事になった.それを喜ぶ二人. さらに沼の尽力でサキの退学処分も取り消されようとしていた.だが, 麗巳は死んではいなかった.そして麗巳はサキに復讐を予告するのであった…

第23話「恐るべき死の爆弾人形!!」

脚本は海野朗.監督は田中秀夫. ある日,サキの友人木村かずみが暴走族に襲われた. かずみは二年前に母親に死なれ,一年前に父親が海外出張に出てからは, 幼い妹のゆかりと二人で暮らしていた.一方, 麗巳はかずみを襲った暴走族を難詰していた.彼らは麗巳に命じられ, 本当はサキを襲うはずだったのだ. だがサキとかずみが鞄につけるマスコットを交換していた. マスコットには発信機が着いていた.そのため, かずみを間違って襲ってしまったのだ.さてそんな事とも知らず, サキはかずみの家に泊まりこみ,かずみの代わりに6歳のゆかりを世話していた. その二日後.麗巳がアメリカから呼び寄せた部下が日本に到着していた. 彼は超小型ナパーム弾を麗巳に運び込んでいた.特注品だ. そして人形に超ナパーム弾と声紋判断装置が取り付けられる事になった. サキの「サキ」と言う声にだけ反応し,爆発するという仕掛なのだ. そして作戦は実行に移された.麗巳は「パパからのプレゼント」と称し, 人形をゆかりに渡した.人形はいう.「こんにちは.私,みかちゃん. あなたはどなた?」その晩.寂しそうにゆかりは人形を抱いた.人形が言った. 「こんにちは.私,みかちゃん.あなたはどなた?」 ゆかりはお人形に挨拶してと言った.
サキ「はじめまして.あたしは麻宮…」
それを盗聴機で聞き,ほくそ笑む麗巳だったが…
三平「サキ.開けてくれ.」
なんとかずみの容態が急変したというのだ.怒り狂った麗巳は部下を刺殺. その頃,サキと三平はゆかりを病院へ連れて行った.泣くゆかりをサキは慰めた. その帰り道.ゆかりをおんぶするサキのところに神が現われた. 指令だというのだ.指令を拒否しようとしたサキに神が言った. かずみが襲われたのは麗巳の仕業だと言うのだ.しかも「ある人物」と誤認して.
神「お前を再びスケバンけいじに任ずると言う指令だ.」
これは本来NGだろう.それは兎に角,サキは麗巳への怒りに燃えた. そして左手の傷をみつめ,手袋をし,ヨーヨーを持って出ようとした.その時, ゆかりがサキを呼び止めた.どこへ行くの? サキは,かずみが小康を取り戻した, と言った.ゆかりは明日帰ってくるように約束してと言った.人形が言った. 「こんにちは.私,みかちゃん.あなたはどなた?」サキは言った.
サキ「約束するわ.サキお姉ちゃんは必ず…」
その瞬間,人形の目が光った.咄嗟にサキはゆかりを抱えて外へ逃げた. 人形は爆発したが,かろうじてサキとゆかりは助かった.そこへ麗巳が登場. どんな手段を使ってでもサキを倒すと麗巳は宣言. サキは麗巳への怒りに燃えるのであった.

第24話「悪魔の三姉妹編 最終回 サキよ永遠に」

脚本は杉村のぼる.監督は田中秀夫. 麗巳は最後の決着をつけるため,恐るべき作戦を立てた.まず三平を拉致. P3Yと言う薬で三平を刺客に仕立て上げ,サキを襲わせた. 鎮静剤を打たれて三平は落ち着いたが, 24時間以内に解放剤を打たなければ遂には死に至ってしまうのだ. タイムリミットは翌日の夕方.神はサキに命じた.ナツを連れて本部へ行けと. 万が一の事が起きないとも限らない.だがサキと神が目を話した隙に, 三平は病院を脱走.麗巳の手中に落ちた.翌朝十時.麗巳はサキに電話した. 麗巳は言った.三平が自分の手中にあること.解放剤を持っている事. 午後三時までに解放剤を打たなければ三平が死ぬ事. そして午後一時に指定の場所にくれば解放剤を渡す事.神は罠だと警告したが, 三平は仲間だ,仲間を助けに行くとサキは言い張った.サキに当身を食らわせ, 神は自分が指定の YEAST製薬株式会社城北工場へ行った.だがやはり罠だった. まず麗巳は三平に神を襲わせた.次に麗巳は部下に機関銃で三平と神を狙わせた. 三平を抱えて逃げる神.神は三平をポルシェに乗せた. だが神は麗巳にライフルを撃たれてしまった.サキが駆けつけた時, 神はもう虫の息だった.神は麗巳が解放剤を持っていなかった事と, 本部が P3Y の解放剤入手に動いている事をサキに告げた. そしてサキと三平の事を「俺は前から妹と弟のように…」思っていた事を, サキに言い残して神は死んでいった.号泣するサキ. そしてサキは麗巳のいる城北工場へと乗り込んでいった. 地下室で麗巳とサキは対峙した.二人とも全てをかけて闘った. だがサキは罠にはまり,麗巳と同じ部屋に閉じ込められてしまった. 麗巳はスイッチを入れ,毒ガスを噴射させた.高笑いする麗巳.
サキ「例え地獄へおちようが,貴様だけは許さない.」
サキのヨーヨーが決まった.のけぞる麗巳.
麗巳「あたし一人を殺しても,全ての悪が滅びるとでも思ってるの.」
サキ「思っちゃいねえよ.だがな,貴様のせいで学校を追い出された仲間達, 犠牲になった学生の一人一人が,あたしの体に叫んでるんだ.麗巳を倒せってね. 私は学生刑事.このヨーヨーがある限り,スケバン刑事麻宮サキ, 必ず貴様を倒す.」
麗巳「サキ.私は今,人生に感謝してるよ.お前と言う,一生に一度, 出遇えるかどうかの相手にめぐりあえて.」
サキ「海槌麗巳.人間として,デカとして,決して貴様を許せねえ.」
サキのヨーヨーが麗巳に決まった.麗巳は自爆装置のスイッチを入れた. 業火の中で麗巳は笑う.果たしてサキの命は.そして麗巳は.工場は爆発した. 三平は解放剤で一命を取り留めた.悲しみに暮れる鷹の羽学園の一同.
沼「泣くな.サキは死んではいない. あんな寂しがり屋が一人でいられるわけがないんだ.お前達のいるこの学園に, きっと帰ってくる.そうじゃないのか,みんな.そうだろう!」
三平の声「サキ,お前は本当に死んじまったのか? いや,必ず生きてる. いつかどこかで,また会える日が来ると俺は信じてるよ,サキ. それまで,さよなら.サキ.」
三平もサキが生きている事を「信じ」,窓から外を見るのであった.

なおテロップに表記された小泉豊さんと上田弘司さんは大野剣友会所属. 上田弘司さんは「スケバン刑事II」の途中から殺陣師を担当する事になる.

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