第六回

村木が3年前に関わった冤罪事件の真相を追究する.
事件渡世・有光洋介

脚本:山本邦彦 監督:帯盛迪彦

雨が降っていた.有光はチャンピオンにいた.雨が続いていたため, 土方の仕事はなかった.そのため部屋代にも事欠いていた有光は, 自分のアパートに帰りにくかったのだ.矢野はいつまでもいればいいと言ったが, そうもいかないと有光は答えた.大沼はその頃,チャンピオンにはいなかった. 「バーとはなばかりの,あれ専門の女がいる店」にしけこんでいたのだ.

さて噂の大沼は相手の女(荒砂ゆき)からライターを借りた. ライターは女のハンドバッグの中に入っていた. 大沼はハンドバッグの中に入っていた預金通帳をついでに見てしまった.
大沼「136.へー,こら参った,参った.」
女「なんか言った?」
大沼「ん? いや,これよ.」
女は大沼が通帳を見ているのに気がついて血相を変え,通帳を奪い返そうとした. だが大沼の方が上手だった.「返してよ」という女に大沼は,俺に投資しないか, すぐに200万から300万にして返すからよ,と言った. 女はやっと通帳を取り返した.
女「出てってよ.あんたなんか出てってよ.」
女は咳込んでしまった.それを見て大沼は理由を尋ねた.女は喀血していたのだ.
女「あたしが体売って作ったお金なんだよ.このお金であいつを殺してやる. あいつを,殺してやる.」

大沼がチャンピオンに戻ってきた. ちょうど矢野が有光にコーヒーを入れてやっている頃だった. 大沼は有光に女の話を持ちかけた.
大沼「夕べ抱いた女,これまき子って言うんですがねえ, 100万で殺し屋を雇いたいって言うんです.」
まき子の話によると,3年前まき子の夫は貨物船相手に食料や日用品を商う, 小さな会社をやっていた.やくざから足を洗い,やっと始めた商売だったが, 二人の未来はバラ色に輝いていた. ところが新しく港に勢力を伸ばしてきた大島(川辺久造)がこの商売にも目をつけ, 小さな海上雑貨商を次々に悪辣な手段で潰し,合併し,独占して行った. そして最後まで抵抗したまき子の夫は無残にも大島の手によって殺害された. 犯人は挙がった.だがそれは巧妙に仕組まれた身代わりだったと言う.生きる証, 最愛の夫を奪われたまき子は,その時みごもっていた. そしてその子を生み育てる事を頼りに生きようとした. だがそれすらも事件の心労ですっかり衰弱した彼女には無理だった. 冷たい手術台に載せられ, 夫の残した最後の小さな命まで奪われてしまったまき子は復讐を誓った.
矢野「女の執念か.へ,ぞっとするね.」
大沼「今までに自分で何度もやろうとしたらしいんだけどな, 野郎の周りはがっちり固められているから,駄目.それで金を貯めて…」
有光「それを俺にやれって言うんだな.」
大沼は有光ならこんな仕事はわけはないと言ったが,有光は乗らなかった. 大沼は殺さなくても刑務所にぶち込めばいいといったが,有光は乗らなかった.
大沼「いえね,本当のところ俺はね, ここらで有光さんに一旗あげてもらいたいと思ってるんですよ. 善良な市民をいたぶる非道の権化を打ち倒す,元悪徳警官の勇敢なる行動. ね,こうくれば汚名も返上できておまけに100万だ. こんな目出度い話はないじゃありませんか.」
それでも有光は乗らなかった.ずっと新聞を読みっ放し.
大沼「いやですか? いやねえ,これががせねたでないと言う証拠に, ちゃんとした目撃者もいるんですよ.」
それを聞き,有光は大沼の方を見た.
矢野「目撃者?」
大沼「ああ.それにもう一つ.この事件を担当したのが,そのう, 村木刑事なんですよ.」
それを聞いた有光は驚いた.
有光「村木?」
矢野「おい.本当かよ.」
大沼「ああ.どうですかね.おら, これには何か裏がありそうな気がするんですが.」
有光は何も言えなかった.この事件にあの村木が. そしてここにも大沼の言うように悪の手が村木に伸びていたのか.

大沼の紹介で有光はまき子に会った. そしてそこに大島の痛ましい犠牲者の姿を見た. まき子は事件のただ一人の目撃者の事を語ってくれた. 埠頭の辺りを流す屋台のラーメン屋である.だが,そのラーメン屋の主人, 丸元は3年前に飛び出したきり.だが横浜の寿町で見かけた奴がいる事, そして有光と同様,この事件を当たっている男がいる事を知った. 丸元目撃の報せが大島にも伝わった.

有光は部屋に帰って来た.それをある男(小林昭二)が追っていた.一方, 横浜のドヤで大島の手の者は丸元を当たっていた.丁度その頃, 有光は尾行者の存在に気がついた.有光が振り向くと男は去って行った. さらに有光は大島の手の者二人に襲われた.だが有光は二人を撃退した.

遂に有光は丸元の行方を突き止めた.ある廃工場の番人をしていると言う. だが既に大島の手の者が丸元(梅津栄)を探し当てていたのだ. 有光は大島の手の者が丸元を襲っているところに出くわし,丸元を救出した. 有光は丸元を連れ出そうとしたが,大島の手の者に車で追いかけられた. ひとまず有光と丸元は廃工場の中に入り込んだが, 車は廃工場の中にまで入って来た.有光と丸元は廃工場の外へ逃げ, 車は壁に激突.何とか難を逃れる事が出来た.

有光は丸元をチャンピオンへ連れ込んだが,大島の手下がそこまで尾行していた. 丸元は大島を恐れ,なかなか有光と矢野に口を割ろうとしなかった. そこへ大沼がまき子を連れてきた.
まき子「元さん.」
丸元「田辺の奥さんですか.どうも.」
まき子「あんた,今迄どこに行ってたのよ.」
まき子は丸元の胸倉をつかんだ.
まき子「元さん.なぜなのよ.ねえ,本当の事言ってよ.あんた, 知ってたんでしょう.元さん.」
丸元「とんでもねえ.あっしは何も.」
まき子「嘘.あんた,見てたのよ.見てたから逃げたのよ.酷いわ.ねえ, あんたって人は酷い.酷い人よ. あん時のためにあたしがどんな目にあってきたか,あんたわかる? あたしは,あれからのあたしはもう滅茶滅茶なのよ.」
興奮したまき子は咳込んでしまった.
大沼「親父,どうなんだよ.見てたんだろ?」
だが丸元は黙秘を貫いた.
まき子「憎い.大島が憎い.虫けらみたいにうちの人を.なんであんな奴が. あんな奴,大手を振って歩いていけるの? ねえ.元さん.」
またまき子は咳込んでしまった.
有光「おい!」
丸元はしばらく無言だったが
丸元「本当に,あっしを大島に売るんじゃないでしょうね?」
有光「当り前だ.」
丸元「じゃあ.」
有光「お前見たんだな?」
丸元「ええ.あの晩,あっしはいつもの通り屋台を引いてまして…」
まき子の夫田辺を轢いた車を運転していたのは大島だった.
丸元「あっしはもう足がすくんじまって.」
大沼「どうして正直に警察に話さなかったんだよ.」
丸元「言いましたよ,刑事さんに.」
有光「何?」
丸元「でも,その後で…」
有光「大島に金をつかまされたんだな? そうだな?」
丸元「へえ.大島の社長が刑事さんに内々通じてるから心配要らねえって.」
有光「本当か.」
丸元「へえ.だからあっしは駅で.」
まき子「そうよ.あの男は,大島って男は人間の皮を被った獣なのよ. だからそんな男に買われる刑事だって(思わず有光,まき子の方を見る), 犬畜生にだって劣る奴等だわ.」
またまき子は咳込んだ.有光は身を切られる思いだった. それでも彼の中にはそれが村木でない事をひたすら願うもう一つの有光があった.

翌日.有光は大島に電話をかけた.「丸元を売る」と言うのだ. 有光は11時にホテルエンペラーのロビーで大島一人で来るように言い, 電話を切った.どうせ大島一人では来ないだろう.だが人目のあるところなら, 下手に手出しは出来無い.有光は大沼に丸元を一歩も外へ出さないように言い, 出て行った.それと入れ替わりに大島の手の者がチャンピオンに乱入. ホテルエンペラーのロビーに掛かってきた電話で有光はその事を知った.

丸元は船の底に閉じ込められていた.有光は夜の港を見張っていた.その有光を, あの時有光を尾行した男も見ていた. 有光は港のそばの貨物駅で男の存在に気づいた.
有光「貴様,なんだ.」
男「有光,同じ署のもんだ.おとなしくしろ.」
有光「とぼけるな.」
有光と男は格闘を続けたが,男の懐から警察手帳が零れ落ちたのを見て, 有光の誤解が解けた.
有光「あんた,本物だったのか.大島に頼まれたな.」
男「馬鹿野郎.貴様のようなドブネズミとは違う.」
有光は男を睨みつけた.
男「お前,丸元,どこへ隠した?」
有光は答えなかった.男が誤解している事に気がついたからだ.
男「それとも丸元を大島に売ったのか?」
有光「冗談じゃねえ.」
男「それじゃあ,どうしてだ.俺が丸元の居所突き止めて行ってみると, 一足違いで姿くらましていなかった.」
有光「あんたこそ,丸元を探してどうするんです?」
男「そんな事,貴様に関係ない.」
有光「じゃあなぜ俺をつけ回したりするんだ.」
有光と男は暫く睨みあった.
男「俺は三年前,所轄でこのヤマ担当していたんだ.」
有光「三年前.じゃあ,再捜査になったんですか,このヤマは.」
男「そんな事ねえ.俺一人が納得行かなくて丸元探してるんだ. それなのに貴様って奴はどこまで腐ってやがるんだ.」
男は有光の胸倉をつかんで言った.
男「俺は三年間丸元を追い続けているんだぞ.」
有光は驚いた.
男「丸元が泥を吐きゃ,あの大島を挙げる事ができるんだ.奴は丸元を買収し, 金の力で村木があの時逮捕した身代わりの男を主犯だと証言したに, 違えねえんだ.」
有光「替玉は村木が…」
男「そうだ.お前が命を奪ったあの村木だ.」
有光はショックを覚えた.
男「あの村木はお前と同じ穴の狢じゃなかったのか.」
有光「違う.村木はそんな男じゃない.これだけははっきり言っとく.」
男「貴様にそんな事が言えるのか.」
有光「兎に角,俺は俺のやり方で大島と決着をつけるんだ. 俺の周りをうろうろしないでくれ.」
有光は男に警察手帳を渡して去ろうとしたが
男「待て.お前も警察官の端くれだったんなら, 捜査員の苦労がどんな物かわかるだろう.本当に丸元知らんのか.」
有光は振り返り,男と睨みあった.そして黙って立ち去って行った.

翌日.有光は決意した.村木の線から何か決定的な証拠が. 杏子に会えばその手がかりを得る事ができるかもしれない. 有光は杏子に会う事にした.そして杏子から, 村木がつけていた日記がある事を知った.
杏子「でも兄がその事件と何か?」
有光は返答に窮してしまった.
有光「いや,それは…」
杏子「ごめんなさい.」
有光「いや.それは事件を片付けるって事じゃなく, むしろ僕の中に村木と解決したい物がある.勝手を言って済まないんだが…」
杏子「どうぞ.信じてますから.」
そして有光は村木の日記を読んだ.村木の日記は実に克明であった. それは事件の起きた日も次の日も変わらなかった. そして村木が犯人を逮捕したその前夜は空白になっていた. この空白は何を意味するのか.しかもそこににじんだ涙の跡. 有光にはこの涙のしみが事件と村木の全てを語りつくしてるように思われた.

翌日.丸元の死体が埠頭で発見された. あの時の刑事は物言わぬ丸元の顔を見て落胆した. そしてすぐ一人の男が犯行を名乗り出た.もちろん,過失によるものとして.
刑事「大島がやったんだろう! おい.じゃ,頼まれてやったんだな.嘘つけ!」

刑事は草刈の元に足を運んでいた.
刑事「課長.なぜあの男の自供を鵜呑みにして, 過失致死という断定がなされたんですか?」
草刈「君の所轄署からの報告を見ると,自供を裏付ける確かな証拠も証人もあり, これらの捜査に落度があるとは思えん.したがって,泥酔の上口論, 誤って運河に転落させ,死に致らしめた.そういう結論だ.」
刑事は納得しなかった.
刑事「出鱈目ですよ. 明らかに大島の謀略である事は三年前のあの事件から推量できた筈です.」
草刈「確かに君の言うあの事件は目撃者が証言を翻した時点で疑問が残った. それだけに捜査は徹底させたつもりだ.その上,上司の裁断を仰ぎ, 決着した物であるから,私としてもこの事件との関連はない物と見ている.」
刑事「いやあ,叩きゃ,きっとボロが出てきます.課長,今度の事件と絡めて, あの事件の再捜査を許可してください.」
草刈「できないね.全て裏が取れてる.」
刑事「裏が取れるのは当り前の事ですよ. それが証拠に弱い警察の盲点を突いた奴の手口なんですから.」
草刈「山形君! 君は同僚の捜査を信じないのかね? 君がいささか依怙地になっていると言う噂は所轄からも聞いている. だがあたしは,それは捜査に対する情熱と信念だと思って, 大いに買っているつもりだ.しかしその信念だけを盾に直訴して来られても, 困る.捜査には客観的な裏づけが必要なんだ.」
山形刑事はなおも食い下がった.
山形「その客観的裏づけが丸元だったんです.その丸元が殺されたんですから. 当然大島の線まで洗ってみるべきですよ.じゃ,課長は,あんな極悪非道な奴が, これからもぬくぬくと太って行くのをただじっと見てろと仰るんですか? 奴が太るたびに,誰かが泣いてるんです.それでも…か,課長.」

有光は丸元の死体のあがった埠頭で山形と出くわした. 海に向かって山形は手を合わせた.
山形「手弁当で丸元探し回ってまる三年.やっと会えたのは仏さんじゃあなあ. 何のための苦労だったか.ま,いいさ.俺はこんな生き方しかできん男さ. この勝負は俺の負けだ.だが真実は一つ.真相は一つしかねえ. 俺は勝負は譲るが,この信念だけは譲らん.」
有光は山形の方を見た.
山形「ま,世の中に一人くらい,こんな馬鹿な男でもいなきゃ, 犠牲者は浮かばれんよ.」
苦笑いする山形は立ち去ろうとしたが立ち止まって言った.
山形「こないだは口が過ぎたようだ.勘弁してくれ.」
有光「いえ.」
山形「じゃ.」
山形は寂しく去った.彼の苦労は何一つ報われることなく終わったのだ. 有光には新たなる大島への憎悪が激しく突き上げてくるのだった.

その夜.有光と矢野は大島を屋敷で襲った.そして大島を有光は羅致. 拳銃を構え,車を止めろと叫ぶ大島.有光は大島をチャンピオンまで連れ込んだ. そして大島は矢野にぼこぼこにされた.そして
有光「白を切るのもいい加減にしろ. てめえのためにどれだけの人間が泣いてきたのか,わかってるのか.」
有光は大島をぶん殴った.
大島「吐かしてどうしようって言うんだ.今度はサツに売ろうって言うのかい. 証拠は,証拠を見せてもらいてえよ.」
有光は大島をまた殴った.
大島「いくら殴ったって証拠にはならねえよ.」
有光は大島の胸倉をつかんで言った.
有光「お前は証拠をみんな消したつもりだろうが, こっちはその刑事とグルになってた事わかってるんだ.刑事の名前, なんて名だ?」
大島「し,知るもんかい.俺の兄貴分から, どっかの顔役に頼んでやってくれた事で,誰も名前なんて知るもんかい.」
有光「お前のその兄貴分はどこにいるんだ?」
大島「は,は.一年前に死んじまったよ.これで証拠は何もねえだろう.」
有光「俺の顔,良く見てみろ.それからなあ,名前もよく覚えとけ. その三年前の刑事は悪徳刑事役のこの俺よ.」
大島は驚いた.矢野も大沼も視聴者も驚いた.
有光「わかったかい.その証人に俺がなる.」
大島「じゃあ,てめえもムショに入る事になるぜ.」
有光「ああ.覚悟の上だ.」
有光は駆けつけた山形に大島を引き渡し,こう言った.
有光「山形さん.いつでも証人になりますよ.あんたに黙ってて悪かったが, 三年前,ある黒幕に頼まれてこの大島の替玉を作った刑事は,この俺だ.」
山形「え? 有光,君は…」
有光「こいつが証拠がねえってたかをくくっていたもんだから, 言いたくもない事を喋っちまったよ.」
山形は二の句が告げなかった.
有光「山形さん.三年間,苦労のかいがありましたね.」
山形は無言で有光を見,つい涙をこぼしてしまった.そして大島だけを連行した.

あえて身代わりにたった有光の証言で大島はその犯行の全てを自供した. 記者が山形の周りに群がったが,山形は無言.草刈は
草刈「帰ってよろしい.」
有光と入れ替わりに吉川がやってきた.
吉川「課長.どうして有光の奴をぶちこめないんですか.」
草刈「ぶち込みたい気持ちは私だって同じだ.」
吉川「じゃあ,なぜ返したんですか? このままじゃ腹の虫が収まらないんですよ.」
草刈「証拠隠滅および犯罪隠蔽の罪.殺人幇助の罪.不法傷害の罪. ありとあらゆる罪をならべてみたが,いずれも成立させる要件に満たないんだ.」
吉川「そんな馬鹿な.」
草刈「大島の兄貴筋は既に死亡してるため, 依頼したその黒幕の存在はわからない.もちろん,連絡を受けた有光の方も, どこの誰だか知らないと言う.有光はただ電話で犯人の名を告げられ, それが替玉とは知らずに好意で友人の村木に流したそうだ. 例えそれが故意であったにせよ,裏付けのとりようがないんだから, 単にガセネタを村木につかませたに過ぎんという事になる.」
吉川「じゃあ,非はむしろ, そのガセネタを信用した村木刑事や捜査本部にあると言うんですか.」
草刈「ま,そういう事になるな.」

大沼は100万入ると大喜びしていたが,有光はまき子から金を受け取らなかった. それを知って大沼はがっかりした.それでもまき子の荷物をまとめ, 病院へ送ってやった.まき子の一つの闘いは終わった.彼女の一つの病状, 咽喉癌はかなり悪化していたが,今手術を受け,生きる為, もう一つの闘いをする事になった.

そして有光は杏子に村木の日記を返し,無言で立ち去った. その有光の姿を,杏子はいつまでもいつまでも見送るのであった.

みどころ

今回の見処はまき子の執念そして老刑事山形の執念でしょう. 二人とも大島を倒す為に苦労してきました.まき子は身を売り, 山形は手弁当で三年間捜査を続けました.この二人の執念を見たからこそ, 有光は自分が証人になる決意を固めたのでしょう.まあ, 有光が証人になったのは村木の身代わりという意味もあるのですが…

さて前回お休みの草刈は心の底では真意を理解しながらも山形を抑え, 有光に負けます.その理由は第1話から一貫して描かれていた 「捜査には客観的な裏づけが必要なんだ.」と言う草刈の姿勢です. これは最終回で草刈が村木の黒幕に敗北する伏線にもなっているのです.

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東平 洋史 E-Mail: touhei@zc4.so-net.ne.jp