「がんばれ! レッドビッキーズ」第36話

北原ジュリ登場
私はピンクのサウスポー

脚本:上原正三 監督:田中秀夫

今度の対戦相手は外国人で結成されたスラッガーズになりそうだ. コーチ,令子,オーナーは様子を見に行った.オーナーは反対したが, コーチは乗り気だった.家に帰った令子に恵子が, 幸一郎が帰って来ると言った.買物に出かけた令子に, ジュク,カリカリ,ノミさん,シゲが声を掛けた. 皆スラッガーズと試合をするつもりだった.それを聞き, 令子はスラッガーズとの対戦を決断した.

その晩.幸一郎はスコアを見て左打者に打たれていると指摘. 幸一郎は新メンバーの加入を勧めた.
幸一郎「お父さん,かねてから目をつけていたサウスポーがいるんだ.」
令子「サウスポー?」
幸一郎「うちの会社のね,第一営業部の北原君のお嬢さんだ.」
令子「女の子なの?」
幸一郎「これがなかなかの腕前でね.特にカーブは天下一品. 近所の中学生がきりきりまいさせられてるんだ.」
恵子「まるでユリカさんみたいじゃない,ほら,ビューティースターズの.」
幸一郎「いまや城西地区の,いや東京を代表するチームになろうとしてるんだ. パワーアップが必要だよ,エンジンのね.」
だが令子はこう言った.
令子「スラッガーズに勝てばいいんでしょ.」
幸一郎「勝てると思うか?」
令子「勝てます.絶対勝ってみせます.」

レッドビッキーズのナインはスラッガーズに勝つために強化トレーニングを開始. 相変わらずオーナーは親馬鹿振りを発揮.その頃, ジュクはバイクングとスラッガーズの試合を見ていた. 3番ケリー,4番ジョージ,5番ロバートのクリーンアップは,内角,外角, どのコースにも強い.ジュクは令子の家で令子やコーチにその様子を報告. 一緒に話を聞いていた幸一郎は
幸一郎「封じるには変化球しかないなあ.」
令子「変化球?」
幸一郎「うん.打ったヒットはほとんどストレートだ. つまり少々のスピードボールでは駄目だってことだ.」
ジュク「変化球でタイミングを外すわけですね.」
幸一郎「うん.それもスローカーブをウィニングショットに使うと, 面白いと思うよ.」
幸一郎は暗に新メンバーの話をしようと思ったのだろうか?
令子「でも片瀬君は肘を痛めてるわ,ビューティースターズ戦の時.」
コーチも無理かなあと言ったが,居合わせたノミさんは投げられますと言った. 令子は懸念したが,ノミさんは大丈夫だと言い,ジュクと一緒に練習に出た. コーチも一緒に出て行った.それを見て
恵子「受験勉強より女監督を選んだ理由がわかったわ. あんな熱心なコーチや選手を抱えていたんでわねえ.」
令子は苦笑した.そして
令子「片瀬君の肘が心配だから,ちょっと見てくるわ.」
と言って出て行った.
恵子「はあ,あれくらい熱心に受験勉強してくれたらねえ.」
幸一郎「そのうちやるさ.」
恵子「どうでしょうかねえ.」

そしてスラッガーズとレッドビッキーズの試合の日がやってきた. 幸一郎は北原ジュリを連れて来た. 全員最高のコンディションだと令子は胸を張った.

さてCMが終わって試合開始.まずナッツが三塁へのバントヒットで出塁. 続くセンターのピッチャーゴロでナッツが二塁へ進み, シゲのレフト線への二塁打でナッツが生還. しかしカリカリは空振りで三球三振.なんと, カリカリは丸太を叩いて練習しすぎ,手を腫らしていた. が続くノミさんのヒットでシゲが生還.ジュクも続いた. ブラザーはピッチャー頃に倒れたが, 結局レッドビッキーズは2点を先制した.

裏の攻撃でノミさんは速球やスローカーブを駆使して先頭打者を三振させた. 二番打者はサードゴロ,三番打者もショートゴロに切って取った. 向かえた3回裏.得点は2-0でレッドビッキーズリード. ノミさんは2-1にまで追い込んだが,カーブを2球もファールされ, 直球を打たれて二塁打にされてしまった. カーブ以外は打たれていないとジュクは励ましたが,その読みは甘かった.
幸一郎「肘に来なければいいが…」
カーブは全てファールされ,幸一郎の懸念は的中してしまった. 肘を痛めたノミさんはコントロールを乱してフォアボールを出してしまった. 令子は直球だけで勝負させたが,レフトの頭を超える球を打たれ, ノミさんは肘を抑えてうずくまってしまった.令子はナッツを投手に入れ, ブラザーをショートに回し,ペロペロをレフトに入れ, ノミさんをベンチに下げた.そして七回の裏.6-6で同点. 二死二塁で三番ケリーを向かえた.だがピッチャー強襲ヒットを打たれ, ナッツは倒れてしまった.もうレッドビッキーズのメンバーはいないのか. 令子はセンターを投手に回そうとしたが,選手がもういない. 放棄試合しかないのか.そのとき,ノミさんが言った.
ノミさん「監督,彼女がいるじゃないか.いいカーブを放るそうじゃないか. 適材だよ.」
令子「いいのね.彼女に投げさせて.」
ノミさん「うん.僕も見たい.」
こうして北原ジュリが登板することになった.コーチは登録していないのでは, と懸念したが,抜かりのない幸一郎はあらかじめ北原ジュリを登録していた.
令子の声「助かりました,お父さん.」
そして北原ジュリが真っ赤なユニフォームを着て登場した. スラッガーズのナインは口笛を吹いた.
トータス「ねえ,監督.今,あのベンチ何言ってたの.」
令子「うつくしき女王様ですって.」
トータス「へえ,気障.」
皆笑った.
令子「ジュリさん,取って置きのカーブで頼むわよ.」
ジュリ「はい.」
そしてジュリが投げ始めた.ジュリのカーブの威力は絶大だった.
ノミさんの声「凄いカーブだ.」
スラッガーズの監督はカーブを狙えと指示したが, にも関わらずスラッガーズの打者はカーブを空振り三振.試合は終わった. お父さんはVサイン.
ナレーター「この瞬間,レッドビッキーズに新しいエースが誕生した. その名は北原ジュリ.ピンクのサウスポーである.」
この頃はピンクレディーの全盛期でした.

次回はまた一人,メンバーが加入します.題して「おれはホームラン太郎」

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp