「がんばれ! レッドビッキーズ」第35話

レッドビッキーズ解散か?
さようなら! 赤がえる

脚本:上原正三 監督:田中秀夫

恵子はオーナーとコーチを呼び出した.恵子はオーナーとコーチに, 進学相談で先生から言われたことを話した. このままの成績では中途半端で良くないという.そう言えばもう秋だ. 恵子は令子が監督業を休養することを提案した.コーチも賛成. 令子は乗り気ではなかった.そこでオーナーは, 子供達に相談して決めてもらおうと言った.その案にコーチも令子も賛成した.

トータスは寂しいと言ったが,ジュクは,令子に休養してもらい,恩返しとして, 令子に時間をプレゼントしよう,と言った.スタイルは賛成したが, ノミさんは令子がそのプレゼントを受け取らないだろうと懸念した. そこでオーナーはレッドビッキーズをゴールデンファイターズという名前に変え, 監督はオーナーが代行し,コーチは石黒が留任することを提案. トータスもペロペロも渋ったが,オーナーが付け足した.勿論, 令子の受験が終われば,またレッドビッキーズにチーム名を改め, 令子が監督に戻るのだ.皆,賛成した.

ゴールデンファイターズのユニフォームを着たナインからこのことを告げられ, レッドビッキーズのユニフォームを受け取った令子は衝撃を受けた.
トータス「監督,僕は…」
ペロペロ「あんまし賛成じゃないんだ.」
だが二人ともユニフォームを渡した.恵子は悲しそうな顔をして見ていた. オーナーは,ゴールデンファイターズの練習開始,と言い,皆走り始めた.
令子「本当にいいのね.後悔しないのね.レッドビッキーズと別れられるの? ジュク,ノミさん,カリカリ,ペロペロ,ナッツ,シゲ,ブラザー,センター, スタイル,トータス.」
みんなの足が止まった.
令子「このユニフォームと別れられるの?」
皆,辛そうな顔をしていた.だがコーチに促され,皆また走り始めた. そのコーチも後ろを見ながら辛そうに走り去って行った. それを見た令子はレッドビッキーズのユニフォームを投げ捨てた.
令子「何よ,こんなもの.」
恵子「令ちゃん.」
令子「何がゴールデンファイターズよ.」
令子は部屋に貼ってあったレッドビッキーズに関するものを全てはがした. みんなで並んで写した写真もしまってしまった. そこへ恵子がユニフォームを持ってやってきた.ちり紙交換にでも出しといて, もう見たくもない,という令子に恵子が言った.
恵子「あなたよりねえ,子供達の方がどんなに辛いか.見なかった, ユニフォーム返す時の子供達の顔.辛そうな目してたわよ.」
令子「でもみんな捨てたわよ.」
恵子「一生懸命勉強してもらいたくて,それで新しいチーム作ったのよ. お母さんはそう思うわ.」
令子は外へ出ようとした.
恵子「令ちゃん.一生懸命勉強することね. それが皆さんの行為に報いる一番の方法よ.」

西武線の線路の傍を歩きながら,夕食のカレーを食べながら, 令子は考え込んでいた.恵子は家庭教師についてみないかと言ったが, 令子は断った.翌日.学校の図書館で令子は本を読んでいた. それを見て友達は,変わったわ,と言ったが, 令子が読んでいたのは野球の本だった.
令子「駄目だわ.私の頭から野球は消えなかった.」
ゴールデンファイターズの練習を遠くで見た後,令子は家に帰った. そのとき,令子はトータスとペロペロが家の前にいるのをみつけた.
トータス「ねえ,ニューレッドビッキーズ作ってよ.」
ペロペロ「なんか,しっくり来ないんだ, ゴールデンファイターズのユニフォーム.」
トータス「やっぱり女監督がいい…なあ,トータス.」
ペロペロ「三人で始めようよ.ニューレッドビッキーズ.」
トータス「賛成だって,トータスも.」
だが令子は断った.自分は野球をやめたのだ. それにトータスとペロペロはゴールデンファイターズのメンバーのはずだ. がっかりして帰るトータスとペロペロ.
トータス「がっかりだな,トータス.」
それを見て令子は家庭教師に着いて見ようと決心した.

だが家庭教師は怒って一日で帰ってしまった. 令子が野球のスコアブックを見ていたからだ. それから令子は一人で英語を勉強したが, 頭からレッドビッキーズのことが離れなかった. トータスの声「がっかりだな,トータス.」
令子はみんなで写っていた写真を見た.それからユニフォームを見た. そして英会話の練習用テープを切ってベッドに寝転んだ. そこへトータスとペロペロがやってきた. ゴールデンファイターズが活動停止したというのだ.

不思議なことにレッドビッキーズのメンバー全員, レッドビッキーズのユニフォームを脱いでからというもの気合が入らなかった. 石黒もオーナーも他のメンバーも腑抜け状態になってしまったのだ. 石黒は仕事で失敗ばかりで上司に怒られていた. オーナーも注文の品を間違えてよし子に怒鳴られていた. その話を聞いた令子はシャドーピッチングをした. そこへジュクもノミさんもナッツも,そしてカリカリ達もやってきた. みな生き生きとして素振りしたりキャッチボールを始めたりした.
令子「ねえ,みんな野球やりたい?」
皆,動きが止まった.
令子「やりたいの?」
みな,はい,と答えた.
令子「そう.自分を誤魔化すのやめましょう.みんな,あたしに着いて来て.」
令子はレッドビッキーズのユニフォームを探したが,みつけられなかった. それを見た恵子はユニフォームを入れた箱を令子に渡してやった. こうしてレッドビッキーズは復活した.
恵子「令ちゃん.」
令子「お母さん,ごめんなさい.レッドビッキーズは私の青春. あたしの青春はレッドビッキーズ.勉強だってちゃんとやります.」
ノミさんは恵子に弟の一郎の世話を頼み,練習に出かけていった. 一郎をあやしながら恵子は言った.
恵子「野球と勉強両立するんですって.本当にできるかな.」
ナインはオーナーにゴールデンファイターズのユニフォームを返した. レッドビッキーズ再結成を知ったオーナーは石黒コーチにも教えてやった. こうしてレッドビッキーズは再出発したのであった.

次回は幸一郎の計らいでレッドビッキーズに新メンバー加入. 題して「私はピンクのサウスポー」

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp