「がんばれ! レッドビッキーズ」第34話

あのユリカボールを打てるのか?
倒せ! ビューティスターズ

脚本:上原正三 監督:奥中惇夫

次の試合は準決勝.あのビューティースターズが相手だ. 小杉ユリカ(神亜子)のユリカボールは冴え渡り,三振の山を築いていた. さて練習に明け暮れるレッドビッキーズのところへユリカがやってきた. ユリカはアメリカ製の痛み止めのスプレーをノミさんに渡したが, ビューティースターズ監督の美鈴(森田あけみ)に咎められ, 去らざるを得なかった.

夕食の時も令子はユリカボール攻略法のことを考えていた. 生憎幸一郎は出張中だった.さてノミさんの家ではお母さんが肩当てを作った. 弟の四郎はもう頭も座っていた.その翌日. ノミさんはビューティースターズの練習を見に行った. そしてノミさんはユリカに肩当てをプレゼントした. だが美鈴は肩当てをビリビリと破いてしまった.
美鈴「こんなものを作る時間があるなら, ユリカボールを打つ練習をすることね.」
ノミさんは馬鹿野郎と叫びながら自転車を走らせ,川原で寝ていた. そこへ令子がやってきた.令子は元気のないノミさんを見て心配した. ノミさんの脇にはあの肩当てが置いてあった.ノミさんは泣くのであった.

令子は美鈴に肩当てを破った件をねじ込んでいた. ビューティースターズはエリートスターズの対策練習をしていた. サウスポーを打つ練習だ.まるでレッドビッキーズなど眼中にない様子. だが美鈴はユリカの精神状態を懸念していた. 5ヶ月前にレッドビッキーズと対戦した時, ユリカはレッドビッキーズのチームカラーに触れた為に心を乱し, 打ち込まれてしまったからだ. だから美鈴はレッドビッキーズのメンバー全員とユリカが会うことを恐れたのだ.

令子から美鈴の話を聞いたナインは怒った. レッドビッキーズを無視し,サウスポー対策をしていたからだ. ノミさんはコーチや令子にカーブの投げ方を教えてくれと頼んだが, 令子は変化球は肩や臂を痛めると言って反対し, コーチも短期間では無理だと教えようとしなかった.

ジュクはユリカボールの投球を盗み撮りし,パラパラ写真を作ってくれた. ノミさんはパラパラ写真を見てユリカボールを習得した. そしてカリカリ達にも投げてやった.だが投げすぎて臂を痛めてしまった. ユリカがくれたスプレーで臂を冷やしたが痛みは取れなかった. 痛みはひどく,ボールが握れないほどだった.

そして試合の日.なんとピッチャーはナッツ.それを知った美鈴は怪訝な顔だ. ちなみにショートはブラザーでレフトはペロペロ,そしてノミさんは補欠だ. ナッツは令子やジュクのサインに従い,初回表は三者凡退に抑えた. だが裏の攻撃でもレッドビッキーズはユリカを打ち崩せなかった. そして試合は投手戦の様相を見せてきた.ナッツの球速の遅さが幸いし, ビューティースターズの打者はタイミングが合わなかったのだ. 余談だが,パリーグ時代の星野伸之はこの原理でパリーグの打者を翻弄した. 阪神に行ってからはさえないが,タイミングを外すことも投球には大事なのだ. 閑話休題.ナッツもユリカもバッターを抑えていった.そして向かえた最終回. ビューティースターズは1アウト2,3塁のチャンスを迎えた. ナッツにへばりがでてきたのだ.そして遂に二死満塁のピンチを迎えてしまった. そしてレフト線の3塁打を打たれて3点取られた.さらに二塁打が出て, 最終的に4点取られてしまった.次の打者はユリカだ.そのとき
ノミさん「僕,投げます.大丈夫です.」
令子はブラザーをベンチに下げ,ナッツをショートに入れた. バッティングはペロペロの方が上だったからだ.痛みを我慢し, ノミさんは2ストライクを先行させた.そして最後のボールは何と
ノミさんの声「インコースのストレート待ちだな.よーし,ユリカボールだ.」
驚いたユリカは空振り三振.
ユリカ「どうして.どうしてユリカボールを.」
美鈴「ユリカボールを覚えられた.」
そして裏の攻撃.レッドビッキーズは先頭打者のセンターが出塁. シゲは凡退したがカリカリがユリカボールを打って出塁. チャンスを迎え,バッターはノミさん.
ノミさんの声「ユリカボールで勝負しろ.」
ユリカは握りを見せてからユリカボールを投げた. ノミさんはユリカボールをジャストミート. 唖然としてユリカは打球を見送った.この一打でレッドビッキーズは2点返した.
美鈴「ユリカボールが打たれた.」
続くペロペロも大飛球を打ったがセンターのファインプレーに阻まれてしまった. 試合はビューティースターズが勝った.一同は握手した.
令子「おめでとう.」
美鈴「ありがとう.強くなったわ,レッドビッキーズ.」
令子は苦笑した.
令子「そうかしら.」
美鈴「センターのファインプレーがなかったら,どうなってたか.」
令子「頑張ってね,優勝戦.」
美鈴は肯いた.ノミさんはユリカに, お母さんに縫い直してもらった肩当てをプレゼントした.
ノミさん「がんばれよ,優勝戦.」
ユリカは肯いた.試合には負けたが,令子の気分はさわやかだった.

次回は大学受験を控える令子を気遣い,ナイン達が別チームを結成. 果たしてレッドビッキーズは本当に解散なのか? 令子やナイン達との絆の強さが描かれます.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp