次の対戦相手アップルズをブラザーとカリカリは見に行った. 二人の見立てでは投手も打者も噂通り弱そうだ. 次の日.レッドビッキーズの面々はバッティングの練習にいそしんでいた. アップルズに勝てば「東京大会」は目前だ.オーナーも勝った気でいた. そこへよし子が「あんた〜」と言ってやってきた. 「こんなときに出前なんてできるか」というオーナーに, よし子は「祝 東京大会進出」と書いたポスターを持ってきた.
コーチと令子は心配していた.決してうまいチームでもないのに, みんな勝った気になって過信している. このままではアップルズにも勝てないかもしれない. 令子がアップルズの練習を見に行くと,アップルズの良さが見えてきた. 機動力だ.走塁練習に力を入れて一回戦を勝ち進んだのだ. そこで令子とコーチはバッティングをさせず,守備練習に力を入れることにした. 連携プレーと速い送球を練習させることにしたのだ. コーチは一塁ベースに案山子型の装置を立たせた. 腹の部分は的になっており,的に当たると音が鳴るようになっていた. コーチのノックを皆が捕り,案山子の的に投げさせるという練習が毎日続いた. だがジュク達はバッティング練習をしないことを懸念していた. 令子はその声をなだめ,案山子を片付けさせた. さらに牽制の練習のために塁間を短くさせた. 初めは一塁走者も刺せなかったジュクやスタイルだったが, 練習が進むに連れて刺せるようになった.練習終了後,皆バッティングをした.
そして迎えた試合の日.初回の表.一番のナッツがヒットで塁に出た.
二番のスタイルがバントで送り,三番のシゲのタイムリーでナッツが生還.
シゲは二塁へ.カリカリの二塁打でシゲが生還.
ノミさんのヒットでカリカリも生還.裏の攻撃.
特訓の成果かナッツは一番打者をアウトに.
しかし次の打者は二塁打.ヒットで一点取られてしまった.
そして一進一退の試合は進んだ.特訓の成果かジュクは二塁への盗塁を封殺.
そして迎えた最終回の裏の攻撃.得点は8対3でレッドビッキーズがリード.
2人を楽々アウトに捕ったが,
3人目の打者が放ったレフトフライを落球した時点から雲行きが怪しくなった.
気がつけばエラーやヒットの連続で8対7の一点差に.皆浮き足立ってきた.
たちまち二死満塁のピンチ.一打出ればサヨナラだ.
マウンドに集まる内野陣.そのとき,令子は一本足になり,両手を横に伸ばした.
不思議に思うメンバーだったが,カリカリが気がついた.
カリカリ「おい,案山子を思い出せって事じゃないのか?」
大笑いする面々.プレー再開.カリカリは一塁ゴロを取った.
振り返ると案山子が見えた.カリカリは案山子…ではなく,
カバーに入ったノミさんめがけて球を投げた.スリーアウトでゲームセット.
こうしてレッドビッキーズは二回戦を突破したのであった.
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