レッドビッキーズはコーチの先輩(という設定の)荒川堯さんに指導を受けていた. ちなみに荒川堯さんは技術指導でオープニングに名を連ねています. 練習終了後,シゲはコーチから特訓を受けることになった. ナッツとブラザーも手伝ったが,コーチの特訓にシゲは倒れてしまった. オーナーは激怒し,自分が特訓する,と言って, シゲを連れ帰ってしまった.シゲはオーナーに溺愛され, すぐ諦める悪い癖がついていた.それにはオーナーの奥さんもお手上げだった. 翌日からオーナーはシゲをチームに合流させず,独りで練習させていた. だが令子の目から見て,オーナーのやり方は生ぬるいものだった. ゆるい打球を捕らせ,軽いタイヤを転がせるだけ. 令子はシゲにコーチの特訓を受けるように言ったが, シゲは言うことを聞かず,オーナーもシゲを甘やかす始末. ついにオーナーと令子は喧嘩別れしてしまった. そこでナッツをサードに,ブラザーをショートに,トータスをレフトに, ペロペロをレフトに回してみることにした. しかしこの布陣ではライトが穴になってしまう. 令子とコーチは困り果ててしまった. その晩,令子がオーナーに「石頭」と言ったことを咎めていると, オーナーが令子の家にやって来た.謝る令子にオーナーも謝罪した. オーナーは子供の頃革のグローブを買えず, 母親が縫った布のグループで野球をしていた. だから息子のシゲには立派なグローブを買ってあげたかったのだ. そしてついついオーナーはシゲを過保護にしてしまったのだ. 胸のつかえが下りたオーナーは令子と仲直り. だが,令子の家から帰ろうとしたオーナーは車にぶつかってしまった. 足にひびが入り,動けなくなってしまった.それを見たシゲは言った. 「父ちゃん,俺,店手伝うよ.」それからのシゲは別人のように頑張り, コーチの猛特訓も受けた.そしてブラックシャークとの試合の日. シゲは2点二塁打を打った.その裏の守り. ノミさんは三塁への内野安打をきっかけに弱気の無死が出て, 無死満塁のピンチ.トータスへの犠牲フライで一点が入ってしまった. なおも一死一,三塁のピンチ.そのとき,シゲへライナーが飛んだ. シゲはライナーを好捕し,飛び出した三塁走者よりも先にベースにタッチ. 独りでダブルプレーを取った.試合は3対3の引き分け. 試合終了後,令子にブラックシャークの監督はこう言った. 「いやあ,驚きました.レッドビッキーズの守りは鉄壁ですね. 特に三遊間はね.」怪訝に思う令子.しばらく経ち, コーチのノックを受けたシゲは元の下手なサードに戻ってしまった. それを見て「あー,ダメだ,こりゃ.」と令子は呟くのであった.