前作「仕置屋稼業」最終話において, ついに最低位の牢屋見回り同心に格下げされた中村主水.貧困の中, 生きるために殺しを続ける主水と, 彼を中心に金だけでつながったドライな殺し屋組織「仕業人」を描く. かつての視聴率競争の相手「木枯し紋次郎」の中村敦夫をレギュラーに据え, 殺し以外に生きるすべの無い男の顛末を描き出した. オイルショック後の暗い世相を反映して,設定,脚本,音楽等のすべてが 「虚しさ」にあふれ,陰惨さではシリーズ屈指. 辛口を求める必殺ファンの間では評価が高いが,視聴率は低かった. 最終回,剣之介は拷問に屈伏せず何も吐かずに死んでいき, 剣之介が捕まるきっかけを作ってしまったやいと屋は, その落し前もつけずに上方へ逃げていく. この結果を主水はどう思ったのだろうか. なお「仕業人」なるタイトルは初の一般公募により命名された. 当時5万通近くの応募があり,その中から300通近くあった「仕業人」に決定. 抽選で当時兵庫県三木市に住んでいた女子大生の脇川さんが大賞を受賞した. またサブタイトルはすべて「あんた○○をどう思う」という形で統一されている. 当初26回程度の予定が次作「必殺からくり人」の脚本準備の遅れなどの理由から, 最終回制作後に「あんたこの逆恨をどう思う」などが制作され, 最終的には全28回となった.