「必殺仕業人」第17話「あんたこの無法をどう思う」

脚本は横光晃.監督は松野宏軌.

ある晩.りつは主水にマッサージされていい気持ちだと言っていた. だが主水は疲れていた.主水が厠へ行ってみると障子越しに千勢の影が見えた. 千勢は寝転んで足を上に伸ばす体操をしていた. 主水が鼻の下を伸ばしているとき,半鐘が鳴った.火事が起こったのだ. 当然火消しが出動した.だが木戸では, 旗本乾敏元に目を掛けられている定火消しの竜神組と, 町火消しのよ組が喧嘩をしていた.木戸を通せ,通さない, と言うのがその理由.竜神組がよ組の邪魔をしていたのだ. 今回はここでタイトル表示.

翌朝.5千石の旗本乾(深江章喜)が竜神組のところを訪れ, 竜神組がよ組を追い返したと聞いて喜んでいた. 一方,町人達は火事で焼けた跡を見て竜神組が悪いと言っていた. 竜神組がよ組を追い返したため,火事がなかなか消えなかったのだ. そこへ竜神組の連中が現れた. 連中は先客がいると言うやいと屋を無理矢理連れ出し, お灸を据えてくれと言った.お歌も竜神組の者に因縁をつけられていた. そこへ剣之介が現れた.だが役人が来たので剣之介はお面を被ってごまかした. 竜神組の連中も去って行った.

さて花火師の仙太(石田信之)が川端でおきよ(志摩みずえ)にプロポーズしていた. 鍵屋に使ってもらえることになったという. 夏には両国の川岸を花火いっぱいにする,と仙太が夢を語っているところへ, 竜神組の連中が登場.おきよは無理矢理連れ出された. 多勢に無勢で仙太は敵わず,逃げ出してしまった. おきよは頭の巳之吉(佐々木剛)に無理矢理犯されてしまった. その日は曇っていた.晴れて川の水面が反射して光っていれば, ミラーマンに変身して2号ライダーに勝てたかもしれない…というのは冗談.

先ほど無理矢理連れ出されていたやいと屋は, 竜神組の纏持ち巳之吉の母親おふみ(荒木雅子)に灸を据えていた. そこへおきよの父親の大工松造(柳川清)が巳之吉を出せ,と乗り込んできた. おふみは「娘の一人や二人手篭めにされたってしょうがないんだよ.」と, 言い放っていた.

その晩.主水が例の体操をしているとりつに呼ばれた.夕飯が出来たと言うのだ. せんは頭領の松造が来ていると言い,離れの普請代を請求しに来たのではないか, 主水が着服しているんだろう,と言った.痛いところを突かれた主水は玄関へ. 実は松造は主水に竜神組のことを相談しに来たのだ.だが, 今の主水は定町回りではないので手が出せない. 主水は昔の仲間に相談してみると言った.翌日. 主水は昔の仲間の安田に話を持ちかけたが,竜神組では相手が悪い, と安田は渋った.そこで主水は安田をおだてた.安田が帰った後, 銀次が珍しくおとなしく出て行った.この2,3日飯が半分に減らされ, 一汁一菜も半汁半菜だ,娑婆の方が良いですよ,と言った.それを聞いた主水は, 銀次以外の囚人達に,今日の昼飯からご飯の量を増やしてやるぞ,と言った. 銀次は,せめて昼飯だけでも,と言い出すのであった.

安田は竜神組に乗り込んだ.だが竜神組の者は巳之吉の行方など知らない, と言い張った.家の中では巳之吉がびくついて泣いていた. おふみは自分が何とかすると巳之吉に言った. おふみは早速乾の元を訪れ,南町奉行所に圧力をかけるよう頼み込んだ. 乾はそれを快諾した.そしておふみに松造の方にも細工しておけ, と乾は言った.ちなみに乾がはべらせていた女はおふみが差し出した者だった.

その晩.仙太が花火を打ち上げているところへおきよがやってきた. 仙太は自分が何もできずに逃げたことを詫び,そして改めてプロポーズした. そして仙太は,今のよりももっといい花火を打ち上げる,とおきよに言った. その頃,おふみは松造のところへやってきて, 責任を取るためにおきよと巳之吉を結婚させる,と頼み込んでいた. さらにおふみは支度金を渡した.それを見た松造は結婚の話を承知してしまった. おふみはついでに一筆書付を書いてくれと頼んだ. だがこれはおふみの策略だった.その書付さえあれば, いつでも巳之吉はおきよとやることができる.巳之吉がおきよに飽きてしまえば, 破ってしまえばいい.

翌日.安田が急に持ち場を変えさせられて手をひかされたこと, そして巳之吉とおきよが祝言を挙げることになったことを安田から主水は聞き, 捨三のところへやって来た.捨三はいつでも調べてやると言ったが, 銭は出ねえぞと主水が言った途端,態度が変わってしまった. 何も知らないおきよは仙太と会っていた.そこへ巳之吉が登場. 仙太は,おきよには指一本触れさせない,と言ったが, 巳之吉は書付を盾にまたおきよを連れ出した.仙太は竜神組の者にぶん殴られ, おきよはあばら家に連れ込まれて,また巳之吉に犯されてしまった.

その晩.ボロボロになった仙太は松造に書付の事を聞いたが, 松造は聞く耳を持たなかった.竜神組に騙されたと気づいていなかったのだ. 仙太は竜神組に乗り込んだが, 居合わせた乾に無残にも「無礼討ち」にされてしまった. その様子を捨三が見ていた.

お歌と剣之介があばら家に帰ってみると何とおきよが首をつっていた. おきよが死んだと主水から聞かされた松造は何かの間違いだと言った. そしてやっと松造は騙されたことに気がついた.松造は泣いたが, 後の祭りだ.
松造「旦那,おきよの恨み,晴らしてくれ.」
それを聞いた主水は言葉巧みに仕業人のことを持ち出した. 松造はおふみから受け取った金を投げつけた.
松造「旦那.こんなきたねえ金なんかもういらねえや. これでおきよの恨みを.」
捨三の洗濯屋にやいと屋,剣之介,主水が集まった. 早速今夜,仕業人は乾,おふみ,そして巳之吉をやることにした. やいと屋は占い帖を見て「猫が流れ死ぬ」とあるのを知り, 縁起でもない,と塩を撒いた.そして足袋の履き方に気をつけた.

さあ仕事開始だ.捨三が半鐘を鳴らした.これに騙され, 巳之吉率いる竜神組が出動.家で待つおふみは言葉巧みにやいと屋に騙され, 仕置された.乾は怪しい気配を察して外へ出た. そして物陰からの主水の不意打ちを食らって昇天. さて竜神組が火事場に着いてみるとただのボヤで火が消えていた. 巳之吉はおさまりがつかねえとほざき,竜神組の者に先に帰るように言った. そして巳之吉はお歌に声を掛けた.お歌に夢中になっている隙に, 巳之吉は剣之介に仕置された.

翌朝.また銀次が食い逃げして牢に出戻ってきた. ただで飯が食えると銀次は思っていたが,その考えは甘かった. 囚人の一人が芋を盗み,囚人達は七日間水だけで過ごすことになっていたのだ. それを聞き,銀次は落胆するのであった.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp