概要

必殺シリーズ第5弾の本作では久しぶりにタイトルに「必殺」の文字を復活させ, 今までの常連だった秋野太作と野川由美子が外れ,大胆に内容を変更した. 本作の売りの一つはギャンブル.博打を全面に打ち出し,花札やポーカー, 流鏑馬の勝者予想,富くじ等,種々のギャンブルが登場. 殺しも一か八かの勝負に出るノリで描いていた. もう一つの売りの一つはアマチュア性. 今までのシリーズではかなりの使い手が殺しを行なっていたが, 半兵衛も政吉も殺しの素養のない素人. 得物も半兵衛は剃刀で政吉は懐剣と心許なく,当初はプロ意識にも欠け, 第2話では博打に興じている間に依頼者が殺されてしまうと言った場面も. それでも半兵衛と政吉が仕事に取り組み,殺るというのが凄みを産んだ. 元締である草笛光子が演じる嶋屋おせいは非情さにやや欠け, 情の部分が前面にたつ事も多々あり, そういう意味でも今までのシリーズとは違っていた. 時には元々プロである筈のおせいよりも, 半兵衛や政吉の方がプロらしく振舞う場面も後半には多々見られ, それは最終回の伏線にもなっていた. こうして始まった本作は視聴率も好調でシリーズ最高視聴率を記録したが, ネット局変更(関東地区ではTBS→NET)による, 放映日時変更(土曜夜10:00→金曜夜10:00「噂のチャンネル」の裏)のため, 視聴率が半減してしまった.これが主水シリーズが主流となるきっかけになった. なおサブタイトルはすべて「○○勝負」という形で統一されている.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp