第二十四回

嫁入り前の娘を狙う誘拐一味を叩き潰す.
婚約娘を襲う誘拐株式会社

脚本:柏原寛司 監督:西村潔

結婚を控えた娘しずえが友達とレストランで食事を取っていた. しずえは「パパと約束がある」のでレストランで別れた. そして車に乗って発進させようとした瞬間, いつのまにか後部座席に乗っていた男に, 麻酔薬を染み込ませたハンカチで口を押さえられ,眠らされてしまった.

しずえの自宅にいた母親(野口ふみえ)に, 父親の横川建設社長の横川(竜崎勝)が電話を入れていた. しずえが約束の時間を過ぎても現れなかったからだ. そこへ胡散臭い男(長塚京三)がやってきた.娘のことで話があるというのだ. 男は「KIDNAPPING COMPANY 営業部長 藤岡雄二」と書かれた名刺を, 横川に渡した.藤岡は誘拐株式会社の一員で, 横川にしずえが下着姿で椅子に縛り付けられている写真を見せた.
藤岡「我社の業務内容は婚約中のお嬢様を一時お預かりして, 然るべき金額を頂きました後お返しすると,こういうわけですから.」
当然,横川は怒ったが
藤岡「そう心配なさらずに.我々は商品に手をつける真似は致しません. ただし商談がまとまればの話ですが.」

今週のギャラ交渉

「日比谷公園」の噴水前で園山がチャンプに会っていた.
園山「500万でいいな.」
チャンプ「野暮な話はやめなはれ.今静かーな,清らかな気持ちでね, 水の音を聞いてるんですから.」
園山「へえ.君がそんなにロマンチックだとは思わなかったねえ.」
チャンプ「何を仰る兎さん.あたしゃ昔からロマンチストですよ.」
そう言ってチャンプは右手で葉巻を持って吹かした.ふと園山が見ると, チャンプの左手は近くに座っていた娘の膝辺りを触っていた.
園山「なんだ,その手は.」
園山はチャンプを噴水から連れ出してしまった.
チャンプ「せっかく女子大生と清らかに接しているのに.」
園山「女子大生は全く.ちょっといい子やねえ.」
で公園の別の場所でチャンプと園山は話の続きを始めた.
園山「資料と500万だ.」
チャンプ「500万ねえ.な,園やん,もうちょっと色つけたってえな. 今回は誘拐事件だっせ.」
園山「その言葉でいつも予算をオーバーしてるんだよ.」
チャンプ「けちなこと言わんと,どうせゴッドから出てる金でっしゃろ.」
園山「今回は少し状況が違う.私の方からゴッドにお願いしたんだ.」
チャンプ「どういうこっちゃ?」
園山「被害者が私の友人なんだよ.」
チャンプ「はあ.」
園山「横川建設という会社を経営している横川って男でねえ, その一人娘が誘拐されたんだ.」
チャンプ「警察にしらさんのかい?」
園山「半年後に結婚を控えてる.犯人はそこを巧みに突いて来てるんだよ. 私が調べただけでも,この2ヶ月の間に同様のケースが2件, 調べを進めれば数はもっとになるはずだ. 結婚前の娘を持つ親として私も犯人達を許せない.」
チャンプ「なるほど.そういうことやったんか.長いつき合いや. 園やんの友情のためにも,今回はより以上にきちっとハンギングしたる.」
園山は大喜び.
園山「いやあ,ありがとう.さすがチャンプだよ.恩に着る.」
しかし園山が喜ぶのは少々早かったようだ.
チャンプ「まあ,まあ,まあ.いやあ,なあ,園やん. きちっとハンギングするためにも,もうちょっと色つけたってえな.な.」
園山は顔を挙げた.
園山「え.」
チャンプ「なあ,ちょっとぐらいの銭出し惜しんでハンギングできんかったら, あんた,友情が泣きまっせ.どうする? 友情か金か.」
園山「えー,いや.」
チャンプ「友情か.」
園山「いや,僕ねえ,その友情って言葉に弱いのよねえ.50万.」
チャンプ「は.ほなこれは別に.」
園山「え?」
チャンプは咳払いしてごまかした.
チャンプ「確かに.」

調査開始

さてチャンプがアロハツーリストに戻ると加代子一人しかいなかった.
チャンプ「あれ,みんなは.」
加代子「お食事です.」
チャンプ「そっか.」
椅子に座ったチャンプに加代子が恐る恐る言った.
加代子「あのう,差し出がましいようですが,一言苦言を申し上げます.」
チャンプはかしこまった.
加代子「小出様や皆様は不真面目でございます.」
チャンプ「何で?」
加代子「お仕事と言うものをどうお考えなのでしょうか. 皆様が真面目に仕事をなさっているところを私はまだ見たことがございません. 私がお勤めさせて頂いてから黒字になったことも一度もございません.」
チャンプは何か言おうとしたが,自分の世界に入った加代子には聞こえなかった.
加代子「このままでは,この会社は倒産してしまいます.」
チャンプ「それはですね.」
加代子「ですから,皆様にそうなる前に反省していただきたいと.あたくし. 私.」
いきなりチャンプは立ち上がった.
チャンプ「素晴らしい.」
加代子「いけません.」
チャンプは加代子を抱きしめてしまった.
加代子「あたくしは人妻でございます.」
チャンプ「野川さん.その人妻とか女学生とか,そういう殻はもう捨てるべきや. 殻を捨てて女に戻りなさい.」
加代子「はい.」
あっさりと加代子は承諾した.加代子がチャンプにキスしようとした瞬間,
チャンプ「あのね,その前に野川さん,買い物に行ってくれますか.」
加代子「え?」
チャンプ「いや女の人は買い物が上手やしセンスもあるから.」
加代子「何を?」
チャンプ「たこ焼き.」
加代子「たこ焼きですか?」
チャンプ「な,わし大好きやねん.」
加代子「そんなもん,この辺にあるかしら.」
チャンプ「それを探してくれるのが愛ってもんでっしゃろ.はい.」
チャンプは加代子にお札を握らせた.
チャンプ「ね.」
加代子「たこ焼き.」
チャンプ「後で.」
加代子は去って行った.一芝居終わったチャンプは頭を抱え, 加代子と入れ替わりにE・T達が戻ってきた.
E・T「ちょっと,チャンプ,チャンプ.またなんかやったな.」
チャンプ「たこ焼き.」
E・T「たこ焼き?」
チャンプ「うん.」

アジトでチャンプが指令を説明した.誘拐犯の手口はこうだ. まず婚約中の女性を誘拐し,全裸もしくはそれに近い写真を撮る. そして親に連絡を取って銭を要求する.支払いを拒否すれば, その写真を結婚相手に送ると脅迫する.身代金の金額は1千万円以下. 支払っても泣き寝入りできる範囲内にとどめる. それではお金を支払うしかないし,警察に連絡することも出来ない. 金さえ払えば誘拐された娘は無傷で返す. 誘拐された二人の娘は今は幸せな新婚生活を送っている. チャンプはとっかかりとして横川の娘の件を挙げた. 横川建設の社長横川達彦の娘しずえがさらわれた事件だ. 半年後に結婚を控えている.E・T達は横川家を見張り, チャンプは別の2件を洗うことにした.

チャンプの調査は全て空振りに終わった. 被害者(轟謙司)が事件の存在を否定したからだ. マリアとヌンチャクは横川家を見張り,E・Tは横川建設を見張った. E・Tはアタッシュケースを持った男が二人(山西道広ら), 横川建設に入り込むのを目撃した.実は二人とも誘拐株式会社のもので, 現金を受け取りに横川のところを訪れたのだ.二人は800万円を受け取り, 新宿の国立病院の裏に取り壊し寸前のビルの4階に娘を閉じ込めていると言い, 鍵を渡して去って行った.男達が去った後,横川が出て行くのをE・Tは目撃. 後をつけることにした.

さて横川の娘しずえは縄抜けし,口に張られたガムテープをはがし, 脱出を図った.やっとの思いでベランダに出て助けを呼んだ.車で急ぐ横川. 横川の娘は非常用のはしごで降りようとしたが,足を滑らしてしまい, はしごにぶらさがった状態になってしまった.そして横川の車が着いた瞬間, 横川の目の前でしずえは力尽きて手を離してしまい, 地面に頭を打って死んでしまった.悲しみに暮れ, 泣きながらしずえの死体を抱きしめる横川をE・Tは目撃した. そして藤岡は横川への電話でこう言い放った.
藤岡「不慮の事故ですよ,横川さん. お嬢さんはあの部屋から逃げ出そうとして転落した.後少し待てば, あなたが現れたはずなのにね.心からお悔みを申し上げます.それから, これだけは申し上げておきますが, 誘拐の一件は警察などにお話しにならないように. 我々に人殺しをさせないようにお願いしますよ. お嬢さんに続いて奥様までを失いたくないでしょう. あなたさえ間違いを犯さなければ我々の電話はこれが最後です. あなたの変わらぬご活躍をお祈りします.ごきげんよう.」
電話を切る横川の目は怒りに燃えていた.横川は力いっぱいピアノを叩いた.

アジトではチャンプ,マリア,ヌンチャクの3人がいた.
チャンプ「参ったなあ.どないしよう.」
ヌンチャク「どないしようって?」
チャンプ「相変わらず単純やなあ,お前は.」
そこへ園山がやって来た.
園山「開けてくれたまえ.」
チャンプ「あかん.わしは外出中やど.ええか.」
チャンプは机の下に隠れた.園山がアジトの中に入った.
ヌンチャク「いらっしゃい.」
マリア「どうしたんですか,こんなところへ.」
園山「小出君はいるかね.」
マリア「ああ.外出中ですけど.」
だが
園山「駐車場に彼の車があったよ.」
そして机の下からチャンプの足がはみ出ているのを園山は発見. 園山は机を蹴飛ばした.耳を押さえてチャンプが机の下から出てきた.
園山「小出君.」
チャンプ「園やん.ごめん.」
チャンプはごまかそうとしたが
園山「ごめんですむと思うか.君達は仕事をミスったんだ.」
チャンプ「ああ.すんまへん.」
園山「事故とはいえ,私の友人の一人娘が死んだんだ.」
チャンプ「まあまあ,そない言わんと. 今度はきっちりハンギングしますよって.」
園山「できるわけないだろう.横川は誘拐の件を警察にしらせるはずだ. そうなれば君達の出番はないよ.」
チャンプ「なんとお詫びをしたら良いのか.ほれ.ボーっとしとらんと, あのう,依頼金をお返しして.お返しして.」
園山「金は問題じゃない.仕事をしくじったとき,君達がどうなるか わかってるだろう.ハングマンの掟を思い出してみたまえ.」
チャンプ「あのねえ,園やん.」
そこへE・Tから無線が入った.
マリア「何してんのよ,E・T」
E・T「横川氏をはっている.」
マリア「どうして?」
E・T「横川氏は狙われる可能性があったからだ.」
マリア「どういうこと?」
E・T「犯人側としては誘拐の一件を警察に話されては困るっていうことだ.」
マリア「それで横川氏を狙うっていうわけね.」
園山とチャンプはお互いの顔を見合った.
E・T「だがその心配はなくなった.」
マリア「なぜ?」
E・T「横川氏は誘拐の一件を警察に話さなかった. 明日の朝刊には彼女の死は事故として出るはずだ.」
居ても立っても居られなくなったチャンプはマリアから無線機を取り上げた.
チャンプ「おい.横川が喋らんかった理由はなんや.」
E・T「うーん.それはこれから探る.チャンプ達は今まで通り動いてくれ.」
チャンプ「了解.」
チャンプは園山に言った.
チャンプ「どうや,園やん.まだ仕事は終わったわけやないやろ. 心配しなはんな.今度はきっちりハンギングしますがな. 園やんの友情のためにも横川氏の落とし前はきちんとつけます.」
ここで園山ははじめて帽子を脱いで言った.
園山「頼むよ,小出君.」
チャンプ「任せなさい,任せなさい.」

横川はクレー射撃の練習をしていた.
E・T「お上手ですね.だが危険だ.一人娘を亡くした父親の射撃練習はね.」
横川は無言でE・Tを睨んだ.
E・T「違いますか?」
横川「誰だ,君は.」
E・Tは探偵と名乗り,横川に近づいた. E・Tは横川が誘拐犯に復讐を企んでいると睨んだのだ. E・Tの考えは図星だった.横川は誘拐犯の捜索をE・Tに依頼した. E・Tは横川に警察署へ行き,出て行ってくれと頼んだ.誘拐犯を挑発するためだ. E・Tはヌンチャクに,自分達を見張っている人物を探り出すように命じた. E・Tの作戦はまんまと当たり,ヌンチャクは誘拐株式会社の人間を発見した. ヌンチャクはバイクで誘拐株式会社の男の乗るタクシーを追跡し, 誘拐株式会社の事務所プライベートリサーチを発見した. そしてボス(長塚京三)が横川の始末を部下に命じている様子も盗聴した.

万一のために横川は離婚届を用意していた. 横川は白金のマンションを妻の名義に書き換えていた. そして横川はE・Tに横川の妻を大森の実家まで送るように頼んでいた. E・Tが横川の妻を送るのを見届けてから,横川は猟銃に弾を込めていた. E・Tもそれを察知し,横川の妻を眠らせてから, ヌンチャクにサンライズホテルまで連れて行かせた. そして横川の屋敷に潜り込んで敵の襲撃に備えた.

誘拐株式会社の人間が二人やってきた. 横川は猟銃を男(山西道広)に突きつけて動きを封じることに成功した. 横川は男に質問した.男の名前は中尾. リーダーは横川と交渉した人物で名前は藤岡.麹町のマンションに住んでいた. もう一人の男は高橋.高橋は横川の真後ろにいた. 横川は高橋に倒されてしまった.
中尾「あんた,銃口を皿にしか向けてない.我々は人に向けてるんだ. その違いがこういう結果になるわけなんだ.」
中尾と高橋が横川を連れ出そうとした瞬間,縄で屋根から降りて来たE・Tが 窓ガラスを叩き割って入り,拳銃を撃って中尾と高橋の拳銃を撃ち落した.
E・T「貴様らは銃口を人に向けているだけだが,俺はその上に引き金を 引いている.その違いがこういう結果になるんだ.」
そして中尾と高橋はE・Tに倒されてしまった.そこへヌンチャクがやって来た.
ヌンチャク「どうしたんすか?」
E・T「お前の仕事を少なくしといたんだ.」
ヌンチャク「あ,そいつはどうも.」
E・T「横川氏をホテルへ連れてってくれ.」
ヌンチャク「はい.」
E・T「あ,それから,こいつも頼む.」
E・Tは懐から離婚届を出した.
ヌンチャク「ちっとも少なくなってないんじゃないですか,仕事が.」

ヌンチャクの報告で誘拐株式会社の全容が明らかになった. プライベートリサーチはマーケットリサーチを行なっている会社で, 結婚式場にも出入りしていた.おそらくそこで標的の女性を探し出したのだろう. 社長は藤岡雄二だった.ギャラの精算結果は
マリア「今回は一人頭82万ね.」
そしてアロハツーリストは閉店した.

ハンギング

ハングマン全員,プライベートリサーチに乗り込んだ.
チャンプ「こんばんわ.」
藤岡「なんだ,君達は.」
E・T「あなたをご招待しようと思いましてねえ.」
マリア「結婚披露宴ですよ.素敵なね.」
ヌンチャク「気に入りますよ,きっと.」
チャンプ「中尾,高橋のご両人はすでに会場の方にお越しになってます. アキラ君,招待状差し上げなさい.」
ヌンチャク「はい.」
ヌンチャクはプライベートリサーチの人間を全員殴り倒した.
チャンプ「乱暴だね,アキラ君.」

横川はホテルで目を覚ました.傍らには彼の妻が眠っており, 離婚届が破り捨てられた.
横川「みちこ.みちこ.みちこ.」
横川は妻のみちこを起こした.
みちこ「あなた.」
横川「大丈夫か?」
そして横川は手紙が置いてあるのに気がついた.
E・Tの声「お嬢さんを死に追いやり, あなたの命をも狙おうとした誘拐犯達に天罰が下ります. 本日午後1時 新宿中央通りへお出でください.」

さて,中尾,藤岡,高橋の三人は礼服に赤い蝶ネクタイをした格好で, 結婚披露宴の席に縄で縛られて座らされていた. 机の上にはなぜかウェディングケーキも置かれていた. そこへ礼服を来たチャンプも登場した.
チャンプ「よーし.ほなハンギングパーティを始めようか.」
藤岡「なんのことだ,そりゃ.」
E・T「貴様らがやった誘拐劇, それに横川氏の命を狙ったことを自白してもらうのさ.」
E・Tもヌンチャクも礼服を着ていた.マリアは白いドレスを着ていた.
高橋「そんなことは知らん.」
マリア「それじゃあ,ウェディングケーキに火をつけましょうか.」
ヌンチャクとチャンプがロウソクで大きなロウソクに火をつけた. ロウソクの途中から導火線が延びていた.
マリア「これなんだかわかる?」
E・T「ロウソクの火がマイトの導火線に移る前に吐けばパーティーは中止だ. だが吐かなければ派手なクライマックスを迎えることになるなあ.」
藤岡「馬鹿な真似はやめろ.」
チャンプ「馬鹿な真似? 今まで馬鹿な真似やってきたのはお前達だろうが.」
E・T「さあて,引き揚げようか.」
ウェディングマーチが響く中,ハングマンは部屋から去って行った.
藤岡「吹け.」
藤岡達は一生懸命ロウソクに息を吹きかけて火を吹き消そうとしたが, ウェディングケーキに邪魔をされてなかなか火が消えない. 物凄く間抜けなシーンなので必見だ.そして10cmくらい火が燃えた頃, 息を吹きかけているのは藤岡だけになった.そしてついに
高橋「藤岡が考えたんだあ.」
藤岡「高橋!」
高橋「結婚前の女なら誘拐しても親がサツにたれこまねえだろうって.」
藤岡「やめるんだ,高橋.」
高橋「俺は雇われただけだ.全て藤岡の命令なんだ.」
藤岡「貴様って奴は.」
さらに
中尾「おーい,火を消せ.横川殺すのを命令したのも藤岡だ.おーい.」
藤岡「お前.お前.」
高橋「おーい,頼む.頼む.火を消してくれ.頼む.おーい.おい―.」
この期に及んでも藤岡は一生懸命ロウソクの火を吹き消そうとしていた. モニターテレビを見ていたヌンチャクは無線で連絡した.
ヌンチャク「喋りだしましたよ.」

そして新宿中央通りを横川夫妻が歩いていた. するとウェディングマーチが響く中, 派手に飾りつけがされた真っ赤なオープンカーが, ゆっくり走ってくるのが見えた.運転しているのは藤岡. 後部座席には中尾と高橋が座っていた. ご丁寧にもオープンカーは空缶をたくさん引いており, さらにウェディングケーキも積んでいた.
E・T「そのままゆっくり走り,突き当たりで止まれ. 逆らえばリモコンでケーキのマイトを爆発させる.いいな.」
スピーカーから先程の自白が流された.
藤岡の声「(フーと息を吹きかけている)…」
高橋の声「藤岡が考えたんだあ.」
藤岡の声「高橋!」
高橋の声「結婚前の女なら誘拐しても親がサツにたれこまねえだろうって.」
藤岡の声「やめるんだ,高橋.」
高橋の声「俺は雇われただけだ.全て藤岡の命令なんだ.」
藤岡の声「貴様って奴は.」
中尾の声「おーい,横川殺すのを命令したのも藤岡だ.おーい.」
藤岡の声「お前.お前.」
高橋の声「頼む.火を消してくれ.頼む.おい―.」
中尾の声「あんたが自白すれば助かるんだ.自白しろ.」
藤岡の声「話を切り出したのは俺だが,貴様達も乗ってきたろう. 乗ってきたんだ.俺だけに罪をなすりつけるなあ.」
パトカーが駆けつけ,藤岡達は連行されて行った.それを野次馬達,横川夫妻, そしてハングマンも見届けた.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp