第八回

代議士の地盤を乗っ取ろうとする秘書兄弟の悪事を暴く.
代議士の自殺を演出する兄弟秘書

脚本:大野武雄 監督:永野靖忠

早朝の山の中.民友クラブの日景代議士の運転手が「お金を持ち逃げ」し, 車の中で銀座のホステスと一緒に睡眠薬を飲み, 排気ガスを引き込んで「心中」して死んでいるのが発見された.

今週のギャラ交渉

さて「浅草 浅草寺」の境内でチャンプが鳩に豆を一生懸命ぶつけていた.
チャンプ「あんまり変わりまへんなあ.」
園山「何が?」
チャンプ「え.いや,鳩が豆鉄砲食った顔っちうのはどんな顔かと思いまして.」
園山は機嫌が悪くなった.
園山「君,私の話を聞いてたのかね.」
チャンプ「ああ.聞いてまっせ.それで,報酬は?」
園山「300.」
チャンプ「300.園やん,そりゃ殺生な.今日び300万てのは…」
だが今日の園山は強硬だった.
園山「ゴッドが決めた金額だ.」
チャンプ「もうちょっと色つけたってえなあ.あんたとわいの仲やおまへんか.」
園山「どういう仲なんだ?」
チャンプ「熱い友情で結ばれた.」
園山は一笑にふした.
園山「馬鹿馬鹿しい.」
そう言って園山はアタッシュケースを開け,封筒を取り出し,チャンプに渡した.
園山「これ以上,ビタ一文だせんぞ.」
チャンプ「しゃあ,おまへんな.」
園山「それじゃあ,よろしく頼んだよ.」
チャンプ「はい.」
立ち去ろうとする園山.ここでチャンプは何事か思いついた.
チャンプ「あ,園やん.どうだす.昼風呂.」
園山「風呂?」
チャンプ「トルコで.ここまで来て吉原へ寄らんっちゅう手はおまへんやろ. トルコ嬢のももえちゃん,女子大生の現役のパリパリだっせ.」
ちなみにこの頃はソープランドをトルコと呼んでいた.
園山「小出君.私は仕事で来てるんだ.」
チャンプ「あきまへんか.」
園山「見損なってもらっては困る!」
チャンプ「はあ,そうでっか.ほな,わても諦めますわ.」
偉そうに言う園山.チャンプは諦めて園山と別れた.

さてここは吉原のソープ街.チャンプには偉そうに言ってたくせに, 園山は「ナインティーン」というソープランドの店先にいた. 今まさに入ろうとした瞬間,後ろから葉巻の煙が漂ってきた. 大嫌いな葉巻の煙を吸った園山はむせてしまった.
チャンプ「ももえちゃんの予約券ありまっせ.」
虚を突かれた園山は口をあんぐりしてしまった.
チャンプ「どないだす,園やん,100万円上乗せしてもらいまっか.」
園山「わかった.」
チャンプは笑いが止まらない.
チャンプ「鳩が豆鉄砲食った顔っちうのがわかりました.」
チャンプは中に入っていった.
チャンプ「おっさん,おっさん,ええ子いてまっか? おっさん.」
園山は大慌て.
園山「小出君.やめてくれ.そんな大きな声で.」
チャンプ「任しときなはれ.」
女二人「いらっしゃい.」
チャンプ「わいやないんや.こちらのおじさん,おじさん.」
チャンプは二人を園山に押し付けてしまった.
チャンプ「お手伝いのおばさんかい.」
自分は受付で
チャンプ「わい,ももえちゃん.」

その頃,プールで泳いでいたE・Tを水着姿のマリアが呼び出していた.

調査開始

チャンプがアロハツーリストで電話を受けていた.
チャンプ「そりゃ難儀やなあ.ああ.アメリカ人の団体ねえ.うん.わかった. 何とかする.」
電話を切ったチャンプは加代子に声を掛けた.
チャンプ「ああ,野川さん.」
加代子「はい.」
チャンプ「今の電話ねえ,わいの友達であのう, 添乗員をやってる奴なんやけどね, 20人ほどのアメリカ人の団体を抱えこんどるんやけど, 病気になってしまいよってまあ. 代わりに野川さん行ってもらえると助かるのやけどなあ.」
加代子「いえ,私は英語が.」
チャンプ「そうか.まあ英語はともかく若い男ばっかりの団体でねえ, アメリカンフットボールの選手やて.筋肉隆々やろなあ.」
それを聞いた加代子は血が騒いだようだ.
チャンプ「そんなとこ行かせるのは…断ろう.」
加代子「小出さん.あのう, お断りになるとお友達の方がお困りになるんでしょう.」
チャンプ「まあ,そりゃ困りますやろなあ.」
加代子「あのう,あたくしでお役に立つんでしたら.」
チャンプ「だけど野川さん,英語があきまへん.」
加代子「いいえ.英語なんか身振り手振りで,そのとき, そのときで何とかなりますわよう.」
チャンプ「身振り,手振りでやってくれますか.」
加代子「はい.」
チャンプ「そら助かるなあ.あのこれ,友達の会社ですわ.」
チャンプは加代子に名刺を渡した.
加代子「こちらの会社ですね.はいわかりました. アメリカの人たち.つぶされちゃうから,もう.」
加代子は何か妄想しながら出て行った.入れ替わりにE・T,マリア, ヌンチャクがやってきた.
マリア「野川さん,どこ行ったの?」
チャンプ「え? いや,おばはん,まだまだ枯れてまへんで. アメリカの小学生の引率に行ったがなあ.」
E・T「小学生?」
チャンプ「そう.大学生,こっち.」
4人はアジトへ入っていった.

チャンプ「まず,これを見てもらおう. この男は民友クラブの代議士で日景和夫(有馬昌彦). テレビタレントから父親の地盤を引き継いで代議士になった男だ. 政治的手腕には欠けるかもしれんがその代わり悪いことはしない. 典型的なボンボン代議士だ.」
E・T「主婦層に人気があって,前の選挙ではトップ当選だったはずだ.」
マリア「政治家にしては珍しく身辺のきれいな人よね.」
チャンプ「ところが,この先生の運転手が3日前, 金庫の金5千万円を持ち逃げした.水原みのる38歳だ. どこをどう逃げ回ったのかはわからんが, 昨日奥多摩の山中で心中死体で発見されたんだ.」
マリア「心中?」
チャンプ「そう.一緒に死んだのは銀座の高級クラブサニーのホステス, 松井きよこ25歳.警察では追い詰められて自ら命を絶ったと見とる.」
ヌンチャク「盗んだ金はどうなりました?」
チャンプ「自宅のボストンに2200万円投げ込んであった.」
マリア「半端な金額ね.」
チャンプ「住宅ローンの残金と一致するんだ.残りはほとんど手付かずのまんま. ま百聞は一見にしかず.今朝のモーニングショーのVTRを見てもらおう.」
チャンプはビデオを再生した.
レポーター「日景先生に伺いますが, 水原運転手とはどういう人間だったんですか?」
日景「私に人を見る目がなかったのかもしれませんが, 仕事熱心な真面目な男でした.」
第一秘書富山浩(橋爪功)「代議士はあのう,水原のことを信じてましたから, 金庫の金が消えて水原が行方不明になっても,未だですねえ, 水原の犯行だと信じなかったくらいですから.」
レポーター「ああ,署長に伺います.えー, 三日間の間事件を公表しなかったのはどういうわけです?」
城西署署長武田正人「ええ.それは日景先生の希望もありまして.」
日景「私がお答えします.ええそれは水原が自分の罪に気がついて 戻ってきたときに穏便にすませてやりたい,そう思ったからです.」
マリア「この辺が主婦受けするのね.」
記者会見はなおも続いたが,富山は戻ってきたお金は署長を通じて, 恵まれない人達のために寄付すると言って話を締めくくった.
チャンプ「なるほどな.さすが影のエースかて言われるほどのことはあるわ. うまいこと日景を立てとるわ.」
マリア「これでまた日景代議士の票が伸びるわねえ.」
ヌンチャク「ゴッドはこれのどこを調べろと言うのですか. 金を持ち逃げした運転手がホステスと逃げた. しかし逃げ切れずに心中した.それだけの事件じゃないですか.」
E・T「二人は心中ではない.ゴッドはそう睨んでるんだ.」
チャンプ「うん.まあそういうこっちゃ.」
E・T「心中に見せかけて二人を殺さなければならない理由がある.」
マリア「運転手と一流ホステス.これも妙な組み合わせね.」
ヌンチャク「単純なことを難しく考える.インテリの悪い癖ですよ.」
チャンプ「インテリって俺か?」
ヌンチャク「所詮,男と女じゃないですか. そんなカップルいくらでもいますよ.」
チャンプ「おい,そんなこと言うなよ.金はもらうてしもうたさかいに.ねえ. 何もなかったらそれでええのやがなあ.ね.園やんの手前, 何とかカッコつけたってくれよ.ん?」
E・T「よしわかった.じゃあ,チャンプとヌンチャクはホステスを洗ってくれ. 俺とマリアは運転手の家族を洗う.」
チャンプ「よし.ホステス(ジェスチャー付で)洗う.」

E・Tとマリアは週刊誌の記者と称して水原の未亡人に会った. 未亡人はなかなか話そうとしなかったが, 公平な立場で報道したいとE・Tが話したので, 聞き込みに応じた.ホステスの松井は日景のファンだった. だが水原は真面目な男で金を持ち逃げしたり, 女に入れ揚げたりするような男のはずはなかった. 富山の言うことは嘘に決まってると未亡人は答えた. しかし未亡人に犯人の心当たりはなかった. 帰ろうとするE・Tとマリアは水原の息子がいじめられるのを目撃した.
E・T「泣くな,男の子だろう.お前が強くなきゃ,母さん困るじゃないか.」
息子「週刊誌のおじさん,お父さん,悪い人じゃないよね. 悪いことなんかしてないよね.」
息子は泣きながらそう言った.
マリア「治くん,お父さんになんかおかしいところなかった?」
治「うーうん,何にも.」
マリア「お父さんがいなくなる前のことよ.なんでもいいの.」
治「僕の本を破いたよ.」
E・T「本?」
治「うん.漫画の週刊誌だけどね.」
E・T「なぜそんなことを.」
治「わかんない.お父さんはいつも本を大事にしろって言ってたけど.」
E・Tは治に水原が破いたページを聞いた.それは盗聴器の広告欄だった. ちなみに「漫画の週刊誌」とは, 「ドカベン」や「がきでか」がチラッと見えたところを見ると, 「週刊少年チャンピオン」のことらしい.本放送当時, 僕ちゃんもよく読んでいた.閑話休題. 秋葉原でE・Tとマリアは水原が盗聴機を買った事を聞き込んだ. 10m離れていても盗聴できる事を水原は熱心に確認していたと言う.

ヌンチャクはクラブに潜り込んだ.そしてクラブのバーテン(岡部正純)から, 水原と松井が深刻に話をしていたこと, そして松井が店の事務所に盗聴機を仕掛けたのを見たことを聞き出した. そのとき事務所の中には富山とクラブのママ, そして富山の弟(宮口二朗)がいた.富山はママのパトロンだった. さらにバーテンは水原が車の中で盗聴しているのも目撃し, 富山にそのことを伝えた.富山はバーテンに金を渡していた. その翌日から富山と松井が姿を消していた. 早速チャンプは口の軽そうなホステスと一緒に外へ出て行った. そして富山とママをチャンプが,富山の弟をヌンチャクが尾行した. 富山とママはまっすぐマンションへ帰った. 富山の弟も女性物のドレスを眺めた後,マンションへ帰った. だがチャンプの聞き込みで水原達が盗聴をしようとした理由がわかった. 富山兄弟は誰かを殺そうとしている相談をしていたのを松井が聞いたのだ. そこで水原は松井に盗聴機を買い与え,盗聴したというわけだ. 富山は水原の後釜を探しているらしい.

富山の弟には女装趣味があった.それを利用してマリアが女装クラブに潜入し, 富山の弟に近づき,富山の弟が女装して楽しんでいる写真を撮った. 富山の弟が女装クラブから出てきたところにヌンチャクが登場し, 富山の弟が女装している写真を見せ,金を要求した.そこへE・Tが登場し, 写真を取り上げ,破り捨て,ヌンチャクを殴って富山の弟を助けてあげた. E・Tはまんまと富山の弟の気を引くことに成功した. そして富山の弟は富山にE・Tを水原の後釜として紹介し, E・Tは日景の運転手として採用された.

日景の公務が終わった後,E・Tは富山の車に発信機をつけた. 富山は北村総業へ向かっていた.そこで富山は選挙ポスター, しかも自分の選挙ポスターを作らせていたのだ. それを知ったE・Tは事件のからくりを見抜いた. 富山は日景を殺し,日景の地盤を乗っ取って自分が立候補するつもりだったのだ. 公示まであと三日.E・Tは事務所に盗聴機を仕掛け, マリアは富山兄弟を見張ることにした.

日景が湘南方面の婦人会を回った帰り, 三浦のドライブインで富山の弟は日景の車に細工をした. 下り坂でE・Tはブレーキが利かないことに気がついた. それを見てほくそ笑む富山兄弟.そして日景の車は崖から海に転落した. それを見届けて富山兄弟は
富山の弟「兄さん,これで邪魔者は消えたってわけだ.」

日景の死体は発見されなかった.富山兄弟とママ, そして北村(岡部正純)は乾杯した.アロハツーリストでは
加代子「日景代議士の死体,潮で流されちゃったのかしら.」
チャンプ「あれ,野川さんも日景代議士のファンだったんですか?」
加代子「いえ,そういうわけじゃありませんけど, だってもう3日も経つんですよ.」
そこへ電話がかかってきた.
チャンプ「はい.もしもし.あ,俺だ.うん,わかった.」
チャンプはマリアに話した.
チャンプ「前島君からの報告だけど,またストレス解消に来とるそうや.」
マリア「わかりました.」
マリアは出て行った.
加代子「ストレス解消.どうするんですの?」
チャンプ「野川さんはどうやってストレス解消するのかな?」
加代子「まあ,やらしい.」
加代子は何か変なことを想像したらしい.
チャンプ「アホなこと言うな.」

例の女装クラブのエレベータで, 富山の弟はヌンチャクとマリアに拉致されてしまった. 気がつくと富山の弟は縛られた上に車の中に閉じ込められ, 排気ガスを車の中に引き込まれていた.
富山の弟「助けてくれよ.俺が何をしたって言うんだよ.助けてくれよ.」
チャンプ「水原運転手,ホステスの松井きよ子, 二人ともそうやって苦しんだんだ.」
富山の弟「許してくれ.頼む.殺さないでくれよ.」
チャンプ「助かる方法は一つだけある.言うこと聞くか?」
富山の弟「聞くよ.何でも聞くよ.だから殺さないでくれ.ほら.」
E・T「もうそれくらいでいいだろう.」
E・Tを見た富山は驚いた.
E・T「幽霊じゃありませんよ,富山さん.」

チャンプ「今回経費が掛かりすぎたさかいになあ,一人32万ずつやど.」
E・T「え,そんな少ないのか.」
ヌンチャク「きたねえなあ.」
チャンプ「なんじゃ,文句あるのやったら戻すぞ.」
仕方なくヌンチャクは金を受け取った.
マリア「汚いわね.いいわ.あたしやるわ.」
アロハツーリストは閉店した.

ハンギング

引越しをしている水原家に手紙が届いていた.
E・Tの声「治君 君のおとうさんを不幸な目に遭せた犯人に,天罰が下ります. 今日午後3時グリーンホテルに来てください.」
場所は芝増上寺のわき.

グリーンホテルでは富山の出馬表明会が行なわれようとしていた. 会場には「政治は弱者のためにある」という垂れ幕がはられていた. 司会進行はチャンプがつとめた.
チャンプ「皆様.長らくお待たせいたしました. ただいまより,富山浩先生のご挨拶でございます.」
富山が挨拶を開始した.
富山「ええ.本来,ここに立つのは私ではございません.日景先生であります. 私のような若輩が立つ場所ではございません.しかし,残念なことに…」
ここで富山は涙を流し,涙を拭きながら,しばらく黙っていた.
富山「失礼しました.」
チャンプも真似して目のところに手をやった.
富山「まことに残念なことに日景先生は今日ここへは来られません. 私は先生の消えていった海へ今すぐ飛んで帰っていきたい. しかし政治に停滞は許されません. 私がこうやって悲しんでる間にも政治の助けを待ち望んでる人間が数多く, この厳然たる事実の前に私は襟を正し, かつまた断腸の思いでここへ出席させていただきました.私が先生の遺志を継ぎ, 先生のやりのこした仕事を遂行すること,これが残されたものの責任であり, また私の役目であると信じております.政治は弱者のためにあるのだ. この言葉を私は一生涯忘れることなく,政治にまい進していく覚悟であります. どうか,皆様方の絶大なるご支援を賜りますように, 謹んでお願い申し上げる次第であります. 本日はどうもありがとうございました.」
茶番とも知らず,観客から拍手が沸き起こった.
チャンプ「ありがとうございました.真に結構な出馬表明でございました. 私も思わず感激し,感涙に咽びました.ありがとうございました.」
さらに拍手が沸きあがった.
チャンプ「では,ただいまから記者会見に移らせていただきます.」
突然,会場が真っ暗になった. そしてスポットライトを浴びて登場したのは日景だ.驚く富山.
北村「どういうことだい,富山君.」
富山「先生.先生.本当に先生なんですね.ご無事だったんですね.あ.皆さん, あのう,落ち着いてください.いや,落ち着いてください. 代議士が帰ってきたんです.これは奇跡です.あたくしはあのう, 立候補を辞退いたします.」
日景は富山を冷ややかな目で見ていた.
富山「代議士,出馬表明を.」
日景は話し始めた.
日景「皆さん.ご心配をおかけして申し訳ありませんでした.私はこの通り, 生きております.」
と同時にフィルムがスクリーンに映し出された.
チャンプ「皆さん,ご静粛に. これから題して日景代議士殺人計画の全貌をご覧下さい.」
富山の声「明日の夕方だ.三浦のドライブインで休憩する. その隙にブレーキ利かなくしとけ.」
富山の弟の声「兄さん,いよいよやるのか.」
富山の声「ああ.日景が死ねば, あいつの地盤引き継いで俺の当選間違いなしだからなあ.」
富山が叫ぶ.
富山「やめろ.誰だ,こんな悪戯するのは.やめるんだ.よせ. 私はこんなこと喋った覚えはない.やめるんだ.」
そして車が崖から落ちるシーンが映された.
富山「嘘だ.これは作り話だ.私は何にも知らん.作り事だ. 一体,どこにいるんだ.」
続けて富山の弟が自白しているシーンが映し出された.
富山の弟の声「俺がやった.兄貴に命令されて俺がやったんだ.」
富山「違う.」
富山の弟の声「日景代議士を殺す計画をホステスの松井きよこが, (ガスにむせて)うふん,うふん,運転手の水原に知られた. 口封じのために横領して自殺に見せかけて殺したんだ.」
富山「やめろ.ビデオ止めろ.」
富山の弟の声「兄貴と北村の計画だ.俺は命令されていただけなんだあ.」
富山「嘘だ.全部出鱈目だ.」
富山の弟の声「悪いのは兄貴だ.俺じゃないよ.兄貴が悪いんだよ.」
記者の質問が飛ぶ中,富山は白を切りつづけたが,
富山の弟「兄さん.」
富山の弟が登場した.
富山の弟「兄さん,助けてくれえ.」
富山「としお!」
としお「助けてくれえ.」
富山「何があったんだ.なんてこと言うんだ,お前.」
パトカーが駆けつけて悪党達は連行された. そして日景が水原の遺児治を抱き上げているところを, カメラマンが写真に撮っていた.それを見届けてE・T達は去って行った. 途中でE・Tは民友クラブの代議士の選挙カーとすれ違った.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp