第八回

誘拐組織を吊るす.
塀の中から恋人の復讐に脱走!

脚本:柏原寛司 監督:永野靖忠

今週のリハーサル

テニスボール発射装置が3台も並んでいた.的が3つあり, その前に稲川さんやスタッフがいた.
稲川さん「ちょっと,これ何?」
稲川さんは下側に槍がたくさんついている,縄で吊られた板を見て聞いた.
助監督「これはですね,的にテニスボールが当たると落ちてきます.」
ボールは時速170Kmくらいで飛んでくるという.ダメだよ, と稲川さんは文句を言った.だが
助監督「はい,じゃあ,本番行きまーす.」
稲川さんはテニスラケットを持って球を避けていた.だが
助監督「監督,やっぱりラケット…」
永野監督「ラケット,ダメだな.」
稲川さんはラケットなしでボールを避ける羽目になった.
稲川さん「あ,痛い.痛い.」

事件発生

深夜.あるマンションから女が転落し,死亡した.

アイリス,ギャラを上げろとねじ込み,フラッシュ,呆れる.

その頃.もう「Closed」の札を掲げたS.S.C.で, アイリスがと同様, フラッシュにねじ込んでいた.柏原寛司さんはアイリスが嫌いらしい.
アイリス「(物凄い早口かつ大声で)本当に苦しいのよね,うちの経営. タレントと言ってもろくに仕事もできない連中だし, そのくせ文句だけは一人前.そんな仕事はできないとか, 社長は私の才能を買っていないとか,ギャラは安いとか, マネージメント料は高いとか, ホーントにわがままなんだからタレントってやあねえ.」
前半は自分のことを言っているのではないのか? 文句の部分はモルモット小父さんを見ていると最もなことだ. だからフラッシュはアイリスの言葉には耳を貸さず, スタジオの電気を消していった.なおもアイリスはこうほざいた.
アイリス「ねえ,ギャラ上げて.」
フラッシュ「ん?」
アイリス「ゴッドに相談してよ.」
フラッシュ「そんなことできるかよー.」
アイリス「どうして?」
フラッシュ「向こうにだってねえ,予算ってもんがあるんだよ.」
アイリス「そこを何とかすんのがリーダーの役目でしょう. 労働組合で言えば委員長よ.春闘しよう,春闘.」
フラッシュ「ゴッドが怒って分割民営化にするって言ったらどうするんだよ.」
この頃,国鉄が分割民営化され,JRが発足した.
アイリス「売上税払うわよ.」
この頃,中曽根内閣が提案した売上税を導入するかどうかで国会がもめていた. その後,竹下内閣が消費税導入を提案し,自民党が強行採決した.閑話休題. フラッシュは呆れてこう言った.
フラッシュ「売上! わかってんの?」

アンクル,ディスコでナンパし,スポット,呆れる.

その頃.アンクルとスポットはディスコにいた. と同様, アンクルは女の子を物色し,スポットは呆れていた.スポットは帰ろうとしたが, アンクルは人生観を変えてやると宣言.さらに
アンクル「沖田総司か,お前は?」
スポット「え?」
アンクル「女を知らないで死んだら悔いが残るぞう.」
スポットはアンクルを無視.アンクルが女の子二人に声を掛けている隙に, スポットはディスコを出た.そのとき,パトカーのサイレンが響いた. 一人の男(内藤剛志)が人目を避けて歩くのをスポットは目撃した.

仕事開始

翌朝.ホテルでアンクルは鼾をかいて寝ていた. アンクルの腕時計が鳴っているので女の子達がアンクルを起こそうとした. アンクルは「SSC AM. 10:00」というのを見てから寝てしまった. それを見て女の子達は呆れてしまった.アンクルは二人相手にする, と言ったくせに,寝てしまったのだ. ジョギングをしていたスポットも腕時計で連絡を受けた.

運命が響く中
ゴッド「ゴッド指令.誘拐組織を暴き,ハンギングせよ.」
冒頭の事件が起こったのは5日前で死んだのは松本ひろこ. そして前日の晩に関東拘置所に服役中だった松本ひろこの恋人, 飯岡あきら(内藤剛志)が脱獄した.2ヶ月前, 飯岡は町田と言う男を「ナイフで刺し殺し」,逮捕された. 町田は立て続けに2件起こった企業の社長誘拐組織の一員だった. 飯岡も誘拐組織の仲間と思われたが,誘拐組織について飯岡は完全黙秘した. 松本ひろこの自殺と飯岡の脱獄は誘拐組織と何らかの関係があるものと思われる. スポットは飯岡の写真をもう一度見せてくれと言った. 飯岡はスポットがディスコの前で目撃した男であることを, スポットは確信した.スポットはそのことを言おうとした.
スポット「昨日のディスコで…」
だが
アンクル「そうだ.あの女達の電話番号聞いてあるんだ.どっちが良かった?」
アイリス「ロリコン.スポットを誘惑しないで.」
アンクル「こいつを沖田総司にしたくないだけ.」
アイリス「沖田総司.何それ.」
話を遮られたので
スポット「ちょっと,静かにして下さい.」
スポットは机を叩き,警官達が外で捜査していたこと, そして逃げるように飯岡が前のビルに駆け込んだことを話した. フラッシュとスポットは飯岡を追うことにした. アンクルとアイリスは松本ひろこの「自殺」を洗いなおすことになった.
アイリス「アンクルと?」
フラッシュ「ああ.」
そう言い残してフラッシュはスポットと一緒に出て行った.
アンクル「何だよ,その顔.」
アイリス「困っちゃうわ,誘惑されたら.」
(視聴者と)アンクルは呆れてしまった.
アンクル「死ねよ.」
アイリス「本当ね.」
アンクル「俺だって美意識はあるんだぜ.」
去って行くアンクルを見ながら
アイリス「どこによ.」

フラッシュとスポットは例の場所へやってきた. 飯岡はまだこのビルの中にいるとフラッシュは睨み, 飯岡をわざと逃がして組織の人間と接触させる作戦を発案した. スポットもそれに同意した.地下の機器室をフラッシュとスポットは探し回った. その頃,そのビルへ光和警備保障と言う会社のワゴンがやってきた. そして地下室に光和警備保障の警備員が巡回してきた.うまい具合に, フラッシュは警戒した飯岡が光和警備保障の警備員を殴り倒す所に出くわした. 飯岡が警備員から服を奪って着替えようとしているところへ
フラッシュ「探してたんだ,あんたを.」
飯岡は驚いた.
フラッシュ「ここから逃げたいんだろう,飯岡さん.」
そこへスポットもやってきた.飯岡は警戒してナイフを構えたが
フラッシュ「心配は要らん.我々は警察じゃない.」

フラッシュとスポットは警備員を殴り倒し,服を奪った. そして現金輸送をしようとしていた警備員を眠らせ, ワゴンを奪った.そして飯岡を荷台に乗せた.

その頃.
アイリス「帰っちゃダメ?」
アンクル「え?」
アイリス「仕事あんのよ,プロダクションの.」
ふーん.念のためにアンクルは聞いた.
アンクル「それで同じギャラ取ろうって言うのか?」
アイリス「見えないところで随分貢献してるでしょう. あたしの顔見たら和むでしょう.」
(視聴者と)アンクルは呆れてしまった.
アンクル「ふん.和み過ぎてるよ.」
アイリス「自殺した彼女がさあ,この店で働いてるのはわかるけど, 昼間来たって店閉まってるんじゃない?」
アンクル「何か聞くときは昼間の方がいいんだよ.」
アイリス「どうして?」
そう言っている間に店の前に到着.
アンクル「人間ってのはなあ,暗くなると嘘をつきたくなるの. 男と女が騙しあうのもそのせいさ.」
アイリス「きざな台詞,はいちゃって.時間の無駄よ.」
アイリスは帰ろうとした.
アンクル「金の話だったら乗るだろう.」
アイリスは引き返した.
アイリス「わかってるじゃない.」
だが
アイリス「やっぱ,帰る.男と女はねえ,二人っきりにしてあげようっていう, 親心よ.頑張って.」
(視聴者と)アンクルは呆れてしまった.
アンクル「勝手な理屈ってのはよく考えるもんだよ.」
アンクルは気を取り直して店の中に入った. すると女(可愛かずみ)の叫び声が聞こえた.男に襲われていたのだ. アンクルはまず女を助け起こし,男を追いかけた.しかし車で逃げられた. アンクルは車を写真撮影するのであった.

一方,フラッシュとスポットがワゴンを走らせていると
スポット「検問です.」
仕方が無いのでフラッシュはワゴンを停めた.荷台を見せろ, と警官が言うのでフラッシュはワゴンの荷台の扉を開けた. 警官には荷台に載っているのが,現金袋,アタッシュケース, 警備員一人にしか見えなかった.警備員は飯岡の変装.飯岡は帽子を目深に被り, 下を向いていたので警官は警備員が飯岡であることに気がつかなかった.
警官「ご協力ありがとうございました.」
扉を閉める直前に現金袋が動いたので,飯岡は慌てたが, 警官が去った後だったので事無きをえた. 現金袋の中に本物の警備員が閉じ込められていたのだ. こうしてフラッシュ達は検問を通ることに成功した.

アンクルは女に襲ってきた男のことを聞いた.女は男に見覚えが無かった. 店を掃除しようとしていたら,裏口から入ってきたのだ. アンクルはフォトジャーナリストと名乗り, 松本ひろこのことを聞きたいと言った.女は松本ひろこの友人だった. アンクルの頼みを女は承諾し,知っていることを話し始めた. 「自殺」する少し前から松本ひろこの様子がおかしかった. 襲われた女であるめぐみが松本ひろこに奥のテーブルへ飲み物を運んでくれ, と頼むと松本ひろこは嫌がった.その日に松本ひろこは早退し, 翌日から松本ひろこは店を休んだ.その後,松本ひろこは電話でめぐみに, 殺されるかもしれない,と言い,脅えていたようだった. だからめぐみは松本ひろこが「自殺」したと聞いた時, 実は松本ひろこが殺されたと思った. さらに松本ひろこは飯岡の子供を妊娠していた.
アンクル「それじゃあ,自殺する筈無いなあ.」
めぐみはうなずいた.めぐみは松本ひろこが死んだ翌日に飯岡と面会し, 電話のことを話した. だからめぐみは飯岡が脱獄したのは自分のせいだと悩んでいた. めぐみはそのことを警察に話していたが,それっきりだという.

さて運河の脇の廃ビルの部屋にフラッシュ達は飯岡を連れ込んだ. スポットは飯岡のために服を持って来てやった.

その頃,中光商事と言う会社で社長(宮口二郎)が, めぐみを襲った男相沢を叱っていた.社長の安藤はめぐみの始末を厳命した. 松本ひろこから何か聞いてるかもしれないからだ. そこへ部下の宮田から電話が入った. 中島と言う社長のスケジュールをつかんだと言うのだ. 宮田の電話を切った安藤は相沢に飯岡の始末も厳命した.

服を着替え終わった飯岡はフラッシュに,自分に近づいてきた目的を尋ねた. フラッシュは誘拐組織に近づくことだと答えた. 2ヶ月前に組織の人間を殺した飯岡が脱獄したとなれば, 組織の連中は真っ青になり,飯岡を消しにかかるに違いない.
フラッシュ「つまり,あんたと一緒にいれば, そのうち組織の連中にご対面できると言うわけだ.」
飯岡はフラッシュ達が警察の人間でないことをしつこく確認. フラッシュはスポットを監視のために残して去って行った.

アンクルはめぐみの部屋に上がりこんでいた.
アンクル「しばらくこの俺がガードする.心配しなくても言い. 俺,自分で言うのも何だけど,紳士だから.」
そうか? それはともかくめぐみは微笑んだ.

スポットは新宿駅西口のビル街で飯岡に逃げられてしまった. だがスポットはフラッシュと合流して言った.
スポット「うまく行きました.」
飯岡の服には盗聴機や発信機が仕込んであった.
フラッシュ「上出来だ.」

その晩.アンクルはめぐみの働く店にいた.だがめぐみが客を送りに外へ出た時, めぐみはアンクルの視界から外れ,殺されてしまった. アンクルが気がついたときは後の祭.相沢はめぐみを撃ち殺して逃走. めぐみは即死だった.アンクルの目は怒りに燃えていた.

その頃,そばにS.S.C.のワゴンが張り付き,盗聴されているとも知らず, 飯岡は弟分に安藤と宮田の居所を尋ねていた.
弟分「今更会ってどうするんです? けりつけたんでしょう, 兄貴がひろこの身代わりになって.」
飯岡「ひろこは消されたんだ.」
弟分は安藤達が探していることを伝え,飯岡に高飛びするように警告した.だが
飯岡「俺がひろこを安藤に紹介しなきゃ,こんなことにならなかったんだ. 二人,どこだ?」
弟分「会社作ったんですよ,安藤さんと宮田さんは.」
飯岡「なんて会社だ.」
弟分「中光商事です.」
スポットは中光商事へ急いだ.

アンクルはアジトで車のナンバーを確認. ついでにアンクルはめぐみの写真も撮っていた. めぐみの写真をプリンタで出力し,写真を見ながら
アンクル「最高のモデルだったぜ,お前は.」
そこへアイリスがやってきた.
アイリス「(物凄い早口で)ニュース見てびっくりしちゃったわよ. 彼女殺されちゃったんだって.何やってんのよー.彼女,殺され…」
アイリス,そういうお前は何をやっていたのだ? アンクルが写真を見ているのを見て
アイリス「(普通の速さで)ちゃうなんてさあ.」
そしてアイリスはアンクルが持っていためぐみの写真を手にとった.
アイリス「ああ.やっぱりね.」
アンクルはアイリスの言葉を無視.
アイリス「スケベ根性出すから,こんなことになっちゃうのよ.」
アンクルは一本指でキーボードを叩いて検索. 問題の車の持ち主が東京都新宿区北新宿5-3-2に住む相沢浩一であることを, 突き止めた.
アイリス「どうすんの?」
アンクルは無視して出て行こうとした.
アイリス「どこ行くの?」
アンクル「落とし前をつけに行くんだ.」
なおもアンクルはアイリスを無視.
アイリス「私情を挟まないでよ.ハングマンはチームワークなの.」
アンクルは至極最もなことを言って反論した.
アンクル「それをいつも壊してるのは誰だっけ?」
アイリス「(大声で)誰が壊してるって言うのよ.あたしはねえ, ギャラが安いって言ってるだけよ.権利を主張してるの.権利を.」
権利を主張するなら義務を果たして欲しいものだ. 私は義務を果たさずに権利ばかり主張する人間は大嫌いだ. 最も今の私の仕事ぶりはアイリスと同じようなものかもしれない.閑話休題. そこへスポットが戻って来た.
アイリス「あーら,哲平ちゃん.元気してる?」
スポット「今,忙しいんだ!」
アイリスはスポットにも無視された.

飯岡は中光商事へ乗り込もうとしたが,フラッシュに遮られた.
飯岡「邪魔すんな.」
フラッシュ「あんたを殺人犯にしたくないんだ. あんたは松本ひろこの罪を被ってムショに入った. つまり,町田を殺したのは松本ひろこだ.」
この言葉を聞いた飯岡は驚いてフラッシュを見た. 飯岡は松本ひろこを安藤達に紹介したが, 誘拐の手助けをすることまでは知らなかった. そして松本ひろこは組織を抜けようとし, 町田と揉みあう内に松本ひろこは誤って町田を刺し殺してしまったのだ. 飯岡は組織と話をつけ,自分が代わりに刑務所に入ることを条件に, 松本ひろこに手を出さないことにした.しかし組織の連中は松本ひろこを殺した. そこで飯岡は脱獄したと言うわけだ. そこまで見抜かれた飯岡はフラッシュと格闘したが, 飯岡はフラッシュの敵ではなかった.

その頃.誘拐組織は中島を誘拐していた. そして飯岡は運河脇の廃ビルで寝かされていた.そこへスポットがやってきた. 安藤と宮田は以前飯岡が入っていた暴力団河西組の幹部だった. 松本ひろこはまた安藤達に誘拐の手伝いをするよう強要されて拒否し, 殺されたに違いない.後を頼むと言われたスポットは, アンクルが相沢の住むマンションへ向かったことをフラッシュに伝えた.

その頃.アンクルは相沢に言っていた.
アンクル「よくも殺してくれたなあ,彼女を.理由はどうあれ, 若い女を殺す奴は許せないんだ.」
アンクルは相沢に拳銃で胸を撃たれてしまった.倒れるアンクル. なおも相沢は近づき,アンクルの頭に拳銃を向けた.そのとき,隙ができた. 相沢の手をアンクルがつかんだ.そして拳銃を握り落とされ, 相沢はアンクルにぼこぼこにされた.
アンクル「腕がいい奴ほど自分の腕に溺れるもんだなあ.」
そこへフラッシュが現れた.大丈夫かと言うフラッシュに, アンクルは防弾チョッキを見せた.

翌朝.S.S.C.でアイリスはフラッシュとアンクルから話を聞いていた. 誘拐組織が誘拐した中島は大東亜建設の社長だった.
アイリス「じゃあ,楽勝じゃない.ハンギングしよう.」
フラッシュ「ああ.行くか.」
フラッシュ,アンクル,アイリスはアジトの中に入った. その頃,廃ビルの中にいた飯岡は目を覚ました.そのとき, スポットに通信が入った.芝浦の第3倉庫に組織が中島を閉じ込めていると言う. フラッシュはそこで一気に片をつけることにした.
フラッシュ「Say Cheese!」
スポット「Cheese!」
フラッシュ「よーし.」
そのとき
スポット「あ,フラッシュ.」
飯岡はまた逃げてしまった.
フラッシュ「直接現場に向かってくれ.俺達も行く.」
スポット「了解.」
フラッシュ達はサムアップ.出て行くフラッシュとアンクルを見送りながら
アイリス「行ってらっしゃい.(白いハンカチを振りながら)頑張ってね.」
あ,そ.

ハンギング

芝浦の第3倉庫で安藤と宮田は中島を脅かしていた. 安藤達は2億円を要求していた.そこへ飯岡が乗り込んできた. 飯岡は松本ひろこを殺した理由を尋ねた.安藤は自殺だろうととぼけたが
飯岡「ふざけるなあ.新しい事業を始めるから女手がいるだと?」
安藤「誘拐も事業だ.」
飯岡「はじめからそういやあ,ひろこをてめえらに紹介したりはしなかった.」
安藤は冷笑し,お陰で結婚資金ができたんだろう,と嘯いた. 安藤は松本ひろこにまた誘拐組織の仕事をさせようとしたが, 断られたので松本ひろこを殺させたのだ.怒った飯岡は襲い掛かったが, 宮田に拳銃を突きつけられてしまった.
安藤「やれ.」
そのとき,スポットが投げた一脚により,宮田の拳銃は弾き飛ばされた. 素早くスポットが登場し,安藤を倒した.フラッシュも現れ, 安藤を襲おうとした飯岡を止めた.
フラッシュ「前にも言った筈だ.あんたを殺人犯にしたくないってなあ.」
宮田はアンクルに投げられた.
フラッシュ「後は我々に任してくれ.」

早速「寿司元」に電話がかかってきた.
高田「不況で.もう税金高いし,サラリーマン,来てくんないよ,この店.え, 仕事? あ,やる.待ってたの.何でもやる.やるよー.犬と呼んで.ワオー.」
モルモット小父さんは犬の鳴きまねをするのであった.

運命が鳴り響く中,悪党達は3つの的の前に立たされていた.
フラッシュ「これからお前達に制裁が加えられる.だが, 先にやらなければならない男がいるので,しばらく見てるんだ. その次がお前達と言う訳だ.」
というわけで同じような仕掛けの前にモルモット小父さんが登場. ただし,槍つきの釣り天井がモルモット小父さんの上にあった.
モルモット小父さん「馬鹿野郎.何しようってんだ.てめえ.」
テニスボール発射装置にライトが当てられた.
フラッシュ「このマシーンから出る球を受けてもらう. もしミスしてボールがゴールの標的に当たると, 頭上にある槍のついた天井が落ちてくる. この男は子供を誘拐して殺したヤクザ者だ.お前達と同じ人種ってわけだなあ.」
モルモットおじさん「馬鹿野郎.運動神経悪くて, ヤクザがつとまると思っているのかい.」
フラッシュ「ゆっくり見学してろ.次はお前達だ.」
身構える安藤.
フラッシュ「では始めよう.しっかりやれよ,ゴールキーパー.」
という訳で球が打ち出された.始めは余裕だったモルモット小父さんも, 股間に球が当たったあたりから動きが鈍ってきた.
アンクル「結構頑張るじゃねえか.しっかり受けろよ. うっかり標的に当たったら,天井が落ちてくるぞう.」
痛がるモルモット小父さんを見て安藤は真っ青になった.
モルモット小父さん「うわあ.的に当たったら,おっこってきちゃうよ, この槍が.」
なおもモルモット小父さんは頑張ったが,球が顔に当たってかがんだ時に, 別の球が的に命中.釣り天井が落ちてきて,モルモット小父さんに槍が刺さった. このとき,相沢と宮田は思わず安藤に抱きついた. そしてモルモット小父さんは血を流して動かなくなった.
フラッシュ「お待たせしたなあ.次はお前達だ.」
びびる悪党達.
フラッシュ「ま,お前らは悪事を吐くなら命だけは助けてやろう. 一日に4人も殺すのは俺も気が引ける.では,始めようか.」
びびる悪党を見て
フラッシュ「よーし,キャメラスタンバイ.」
カメラが用意された.そして
宮田「やめてくれえ.誘拐をやろうって言い出したのは安藤なんだあ. それでひろこをまた引っ張り込もうとしたんだけど,断られたんで, 相沢が殺したんだあ.自殺に見せかけてよう.なあ,助けてくれよー.」
相沢「俺だって命令されたんだ.仕方なく,ひろことめぐみを殺したんだよー. みんな,あ,安藤が命令したんだあ.」
安藤「人のせいにして恥ずかしくないのか,お前達は! 誘拐が一番簡単に金になるって言い出したのは,元はと言うと,お前だろう.」
そして安藤達は警察に引き渡された. 新聞が「連続誘拐犯 偽装殺人 新宿射殺事件を自供」「中島社長誘拐犯 逮捕!」 「二ヶ月に八件の犯行 誘拐組織ついに壊滅!」と報じるのを,飯岡も見た. そして警察署の中へ飯岡は入って行った.

事件解決して

あちこちに傷を負ったモルモット小父さんはヒーヒー言っていた.
モルモット小父さん「参ったよなあ.あれで結構痛いんだよ,あのボールよー. それから,あの槍.なんだよー,おい.ゴムで作るって言ってさあ, 木なんだもんよ.」
例によって冷たくアイリスが言い放った.
アイリス「予算が無いからね.鉄よりましでしょ.」
モルモット小父さん「いくらねえ,愛ちゃんの頼みでも,嫌だよ,俺.」
アイリス「あ,そう.せっかく元さん,頑張ったから,今度の日曜日, デートしようと思ったのに.」
これを聞いたモルモット小父さんは気が変わった.
モルモット小父さん「愛さん.ライブコンサート行きませんか?」
なぜかモルモット小父さんはチケットを二枚持っていた.だが
アイリス「村田英雄.」
モルモット小父さん「最高ですよ,先生.最高.」
アイリスはモルモット小父さんが言う言葉を無視してバンソウコウを貼った. モルモット小父さんはその帰りに豊島園やらサマーランドへ行こう,と言った. それを逆手に取り,アイリスは
アイリス「じゃあ,さあ,今度のギャラ,デート代にしよう.」
と言ってギャラを値切るのであった.

ギャラが分配された.
アンクル「モルモット小父さんに払ってるんだろうなあ,ちゃんと.」
フラッシュ「なあ.」
アイリス「失礼ねえ.今回なんかねえ,弾んじゃったのよー.」
アンクル「ホントか?」
アイリスは立ち上がった.
アイリス「(十字を切りながら)信じる者は救われる.アーメン.」
スポット「アイリスもこう言ってるんだし,信じてあげましょうよ.」
アイリス「やっぱり若者は純粋でいいわあ.」
アンクル「どういう意味だよ.」
フラッシュ「俺だって若者だよ.」
そしてアンクルは「君の青春を記録しませんか.」と言ってナンパしまくったが, 失敗.スポットは神社で棒術の稽古に励み, フラッシュはジムで筋力トレーニングに励むのであった.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp