第三回

新覚醒剤ルートの全貌を暴く.
胃袋パンクまで水を飲ませろ!

脚本:日暮裕一 監督:小澤啓一

今週のリハーサル

「いーっき! それ,いーっき!」の囃子が響く中, 縛られて椅子に座らされた稲川淳二さんが薬缶から水を飲まされていた. ついに胃袋が一杯になったのか,稲川さんはのた打ち回り,飲むのを拒否. しかし
小澤監督「よーし,もう一つ行こう.」
稲川さん「待って,ちょっと.無理でえ.飲めねえよ.」
助監督「今のうちにねえ,胃袋広げとかないと,後で苦しい思いしますよ.」
稲川さん「なあ見てくれ,俺の腹.膨れちゃって金魚の腹とおんなじだよ.」
助監督「そう,今日は金魚になってもらいますから,金魚に.」
助監督は顎で水槽を指した.中に水が入っており,金魚もいた.
稲川さん「あれか,おい.」
そして稲川さんはまた薬缶の水を飲まされた.

事件発生

港を一人の男が逃げていた.足音がしたので男は身構えた. だが相手は男の知り合いだった.男はインフォーマンであることがばれたらしく, 逃げていたのだ.男は相手にそのことを告げ,さらにネタ元が奴らであることを, 相手に伝えた.相手が車で去った後,男は別の男(団時朗)に撃ち殺された.

アイリスとスポット大騒動

S.S.C.にアイリスが「哲平ちゃーん」と言ってやってきた. 慌てたスポットは写真のパネルを隠した. 女子高校生(森口博子)の写真の撮影を依頼されたのだ. が,あのことしか頭にないアイリスにとやかく言われるのが目に見えているため, パネルを隠したのだ.しかし,それは無駄に終わった. アイリスはスポットに色々言った.呆れたスポットは出て行ってしまった. そこへテニスラケットを持ったアンクル登場.
アンクル「振られたようだなあ.新しい相手探せよ.」
アイリス「うるさいねえ,ロリコン.あたしじゃないの.妹なの,妹.」
それを聞いたアンクルは冷笑した.
アンクル「妹ねえ.」
アイリス「何よ,そのやらしい笑いは.」
アンクルはやってきた女の子と一緒にテニスをしに出かけて行った.

スポットはパネルを依頼主の働く喫茶店へ持って行った. お礼しなくちゃという女の子にスポットは要らないと答え, 代わりに自分の個展のチケットを渡した. しかしそのチケットは日曜日のもので,女の子はオーディションがあるため, 行けないとの事だった.草間のお陰だという女の子. そこへフラッシュがやってきて,スポットと同じ席に座った. フラッシュも彼女のことを知っていた. 彼女は博子と言い,オーディション用の写真を撮りにS.S.C.へ来た子で, ミュージカルスターを目指していたのだ. 博子はレッスン受ける費用を稼ぐためにアルバイトを掛け持ちし, しかもレッスンを一日も休んだことがなかった. それをスポットから聞いたフラッシュは感心した. そのとき,博子が倒れてしまった.

博子を介抱するスポット.そこへ男(中田譲治)がやってきた. 男は博子に薬を渡し,元気が出るぞ,と言った. 早速博子はトイレでその薬を水に溶かして飲んだ. 飲んだ途端,博子は苦しみ,倒れてしまった. そして死んでしまった.フラッシュは博子が飲んだ薬らしきものと, 金魚の形をした,醤油等を入れるビニール製の容器を発見. 博子の死体を見てスポットは怒りに燃えた.

仕事開始

フラッシュはこの事件をゴッドに報告した. 博子は元々心臓が弱かった上に,疲労が重なっていた. そこへ大量の覚醒剤を飲んだ為に薬物中毒によるショックで死んだのだ. おそらく精力剤だと騙されたのだろうというアンクルに, アイリスは今時そんな手で引っかかる高校生はいないと言った.
アンクル「そうでもないぜ.」
アンクルは読んでいた雑誌を見せた.
アンクル「これは金魚って言ってなあ, シャブを水や清涼飲料に混ぜたものらしい.」
博子が使ったものと同じ物が雑誌に載っていた.
アイリス「なるほどねえ,この容器に入っているから金魚って言うわけ.」
アンクル「ああ.今までのシャブと違って注射をする必要がない. 飲むだけでいいらしい.効力は弱いが,その分,長持ちするし, 注射の痕が残らない.だから結構広まってるらしいぞ.」
アイリスは金魚を見て感心した.
アンクル「だがどんなに形を変えても,所詮,シャブはシャブだ. 悪魔の粉だって事よ.」
それを聞いたスポットは怒りに燃え,売人を当たろうとした. そのとき,クラシック音楽が鳴り響いた.

ゴッド「ゴッド指令.新覚醒剤ルートの全貌を暴き, 中心人物をハンギングせよ.」
フラッシュが資料を説明した.現在, 首都圏を中心に新手の覚醒剤が広まっているらしい.通称,金魚だ. 値段の安さ,手軽な使用法から爆発的な流行になるのではないか, と当局も警戒を強めているらしい.続けてフラッシュは冒頭で殺された男を, スクリーンに映した.3日前,横浜港近くで射殺体で発見された. 彼は麻薬Gメンの情報提供者だった.この男が密かに探っていたのが, 食料品の輸入会社を経営する原沢かずお(内田勝正)で年齢は45歳.

店から原沢達が出てきた.フラッシュが説明する.
フラッシュ「奴が覚醒剤の密輸元だ.女は奴の情婦のマリ. もう一人が用心棒の江本(団時朗)だ.」
スポット「奴から物を仕入れた銀竜会が金魚にして売りさばいたってわけか. ターゲットは原沢と銀竜会ですね.」
フラッシュはうなずいた.

ビリヤードをする江本とマリにフラッシュが乱入した.東日警備保障以来の再会だ(嘘). フラッシュはマリのエスコートの権利を賭け,勝負しようと言った. マリはその勝負に乗った.江本の腕は大した物だったが, 9番のボールの処理に失敗した.フラッシュは江本よりも腕が上で, 見事にボールを全て処理した.つまり,フラッシュが賭けに勝利. フラッシュは襲い掛かった江本を倒した. フラッシュは仕事を探していると言った.

原沢にマリはフラッシュを売り込んだ. 原沢はガードマンは揃っていると言ったが,フラッシュは役に立たんだろう, と言い,拳銃を突きつけながら身体検査をする江本から拳銃をもぎ取った. フラッシュは南米で傭兵をしていたことがある,と原沢に言った.

その頃,アンクルはS.S.C.で傷の化粧をしていた. スポットはアンクルにフラッシュが潜入に成功したことを伝えた.
スポット「どうでもいいけど,どうにかなんないんですか,その下品な格好は? 一緒に歩けませんよ,恥ずかしくって.」
アンクル「一緒に歩けない? 歩けるようにしてやるから.」
アンクルはスポットにチンピラの服を渡した. そう,アンクルはヤクザの親分さんに扮装していたのだ. そして親分の本庄は若い者の草間を伴い,銀竜会に乗り込んだ. そして組を預かる大谷と会った.どうでもいいが,お土産は神戸の肉だ. アンクルは大谷に金魚を譲って欲しいと頼んだ.
大谷「何か勘違いしているようだなあ.金魚がほしけりゃ, 夜店へでも行くんだな.」
大谷はとぼけたが,アンクルは仕入れ値の3割増で欲しいと言った. アンクルは10Kg欲しいといった.
大谷の部下「キロ2千万として2億だぞ.」
アンクル「結構だす.」
それを聞いた大谷は部屋の外へ出て原沢のところへ電話した.

電話を受けた原沢は驚いた.そしてフラッシュは盗聴機を仕掛け, お茶を飲んでくると言ってトイレに入った. 早速腕時計に仕込まれた受信機で盗聴を開始するフラッシュ.
原沢の声「大丈夫なんだろうな,その男.しかし, 10Kgともなるとストック分だけでは.いや,明日入荷する分を回せば, 何とかなるが…」

大谷はアンクルに取引することを伝えた.しかし大谷は条件を出した. 時間がかかること,そして「お宅の若いのを行儀見習として預かること」だ. アンクルは渋ったが
スポット「(やたらと力を込めて)お願いします.兄貴, 俺を男にしてやってください.」
アンクル「よーし.びしびし鍛えてもらえ.」
スポットは行儀見習で掃除をしていたが,そのとき,あの売人を発見. 思わずガンをつけてしまったため,怪しまれたが,何とかごまかした.

その晩,スポットはフラッシュにこぼした.
スポット「俺,我慢できませんよ.悪党目の前にして.」
フラッシュ「奴らだけを叩けば原沢達の警戒が強くなる. 両方一辺に叩かなけりゃダメだ.やるからにはな.」
仕方なく,スポットはうなずいた.

原沢のところに商品が入ったと連絡が入った. 見張っている原沢はフラッシュに麻薬Gメンを始末させることにした. 原沢,江本,フラッシュを追う麻薬Gメン.冷凍倉庫の前で原沢は車を止め, フラッシュを連れて入った.麻薬Gメンも中に入ろうとしたが, 江本に殴り倒された.そして原沢とフラッシュは冷凍マグロを取り出した. この中に覚醒剤が詰められているのだ. 原沢は麻薬Gメンの始末をフラッシュに命じた. フラッシュは拳銃を使う必要はないといい,麻薬Gメンを倉庫に寝かした. 傍らに腕時計を置いて.

S.S.C.では
アイリス「アンクル,フラッシュから緊急信号よ.」
アイリスが適当にコンピュータを操作すると「第2冷凍倉庫 東京都築地5-5」と, 画面に表示された.早速その場所へアンクルとアイリスが行ってみると,
アイリス「なあんだ,アンクル,フラッシュじゃないわよ.」
だがアンクルはフラッシュの魂胆を見抜いていた.
アンクル「おーい.」
アンクルとアイリスは麻薬Gメンを介抱した. 麻薬Gメンが意識を回復させたのを見て
アイリス「あのままほっといたら, もう少しで頭の上に輪っかができるところだったよ.」
それを聞いたアンクルは呆れた顔をするのであった.

これで密輸の方法もわかった.フラッシュはS.S.C.に電話し, アンクルにゴーサインを出した. そこへアイリスが砂糖をたくさん抱えてやってきた.
アイリス「もうどうするのよ,こんなに砂糖買い込んでさ.」
アンクル「甘い汁吸ってきた奴に辛い思いをさせるんだ.」

フラッシュは原沢貿易の前にやってきた.そしてフラッシュに鞄を渡した. フラッシュは金庫の鍵を開け,麻薬を取り出した. そして砂糖と交換しようとしたところ
江本「やっぱり,こんなことだった.」
江本がフラッシュを拳銃で狙っていた.手を挙げるフラッシュ. フラッシュは最期の一服をつけていいかと言い,タバコを吸った. 実はライターには信号発信装置が仕込まれていた. 信号を受信したアンクルは原沢貿易に忍び込んだ. そしてアンクルは江本を投げ飛ばした.

翌日.銀竜会へアンクルはやってきた.アンクルは現金取引を要求. 渋る組員だったが,アンクルの怪力には敵わなかった. その頃,原沢達は,江本はどうした,と言いながら「物」を詰めていた. 銀竜会の事務所を出発するアンクル達を見送ってから, スポットは組員を殴り倒し,金魚を確認.シャブを金魚の泳ぐ水槽に入れると, 金魚は浮いてしまった.戻って来た組員たちもスポットはモップで倒した. だが博子を相手にした売人は日本刀を持ち出し, スポットのモップを切ってしまった.スポットは劣勢だ. そのとき,フラッシュがたかれた.
アイリス「お待ちどう.」
アイリスの持ってきた一脚をスポットは受け取った.
スポット「てめえだけは許さねえよ.絶対になあ.」
売人「てめえはあのガキと一緒にいた…」
スポット「ガキじゃない.博子さんだ.」
スポットは組員を倒してしまった.アイリスは脇で適当に組員をあしらった.
アイリス「鼓膜破り.」
という技をアイリスが披露した後,売人はスポットに何発も何発も殴られた. 気絶しても殴りつづけるので,アイリスはスポットを止めるのであった.

取引現場に銀竜会と原沢達が現れた.物を確認してみると
大谷「こ,これは.」
大谷の部下「砂糖だ.」
さらに金を調べてみると
マリ「何よ,これ.」
中身は新聞紙だった.原沢達と大谷達は撃ち合いを始めた. フラッシュは奴らの後ろへ回ると称して脇へ行き,アンクルと合流. そして脇の廃屋の屋根から銃撃戦を文字通り高見の見物.
アンクル「いい眺めだぜ.」
フラッシュ「ああ.」
銃撃戦はなおも続いた. これだけだと以前行なわれた, 手抜き(失礼)のハンギングだ.
アンクル「止めんのか?」
フラッシュ「もちろん.」
アンクル「このままの方が面白いんだけどなあ.」
フラッシュ「そうも行かないさ.」
フラッシュとアンクルは煙幕弾を投げた.そして悪党達を一網打尽にした.
フラッシュ「Say Cheese!」
フラッシュとアンクルはサムアップして応え合った.

ハンギング

早速「寿司元」に電話がかかってきた.
高田「あ,俺ね.仕事? そりゃいいけどさあ,きついかんなあ, 愛ちゃんの仕事.はっきり言っていじめだもん.え? 断るわけないじゃん, 愛ちゃんの仕事.好きなんだよー.何がって? それはこっちの…わかってよー, 俺の気持ち.」

気がつくと悪党4人は囚人服を着せられ, 管を口にくわえさせられた格好で寝かされていた.管は水槽につながっていた.
フラッシュ「今から, お前達同様金魚を売りさばいていた男に制裁が加えられる.まずは, 見学してもらおう.」
というわけでモルモット小父さん登場.
フラッシュ「それから,そやつには金魚になってもらう.」
モルモット小父さん「冗談はやめろー.やめてくれよー,おい.」
フラッシュ「人間のままでいたかったら,お前のやってきた悪事を吐くことだ.」
水槽の水が管に流された.水を無理矢理飲まされるモルモット小父さん.
アンクル「助かる方法は二つだ.全てを吐くか,タンクの水を全部飲むかだ. 安心しろ.たった50リッターだ.」
モルモット小父さんの口から水が出てきた.
アンクル「吐く物が違うぜ.」
モルモット小父さんの胃袋が膨れてきたらしく,腹が盛り上がってきた. そしてモルモット小父さんは「息絶えた」.
フラッシュ「さあて,どうする? お前達も人間やめて金魚になるか, それとも悪事を全て吐くか.」
アンクル「ゲームが始まってからじゃ,遅いぜ.」
悪党達の管にも水が流された.それを見て
マリ「やめてー.やめてー.」
原沢「やめろ.喋る.喋るからやめてくれえ.」
大谷の部下「話すからやめてくれえ.」
大谷「やめてくれえ.」
カメラが用意され,撮影開始.
大谷「覚醒剤を密輸したのは原沢だあ.」
大谷の部下「冷凍マグロに隠して持ち込んだんだよ,あー.」
原沢「何を言うか.金魚にして売りさばいたのは,銀竜会,お前らじゃないか.」
マリ「そうよ.金魚でしこたま儲けたくせにー.」
そして原沢達は警察に引き渡された.新聞は「新覚醒剤ルート 壊滅!」 「10キロの覚醒剤を 押収」と報じた.

事件解決して

腹を大きくしたモルモット小父さんはアイリスの事務所でヒーヒー言っていた. モルモット小父さんが吐こうとしたのでアイリスはバケツを用意.
アイリス「好きだって言ったじゃないの,こんなのがあ.」
モルモット小父さん「違う,違う.俺が好きだって言ったのは,愛…」
と言いかけたところでモルモット小父さんは水を飛ばしてしまった.

ギャラが振り込まれ,フラッシュ達はアジトでギャラを分配した. 出ようとしたスポットに
フラッシュ「スポット,彼女の香典だ.届けてくれ.」
フラッシュとアンクルは3万円ずつ出した.
アイリス「あたしを仲間外れにしないで.」
アイリスは1万円しか出さなかった.それでも
スポット「アイリス.」
スポットは嬉しかったらしい. そしてアンクルは女の子とテニス. スポットはレッスンの学校に博子のパネルを置いた. フラッシュはジムでトレーニングに励んだ.

「ザ・ハングマン6」へ 「ほぼ全話のあらすじ」へ 「ほぼ全話のキャスト」へ 「緊急指令トラトラトラ」へ 「私の好きなテレビ番組」へ 「touheiのホームページ」へ戻る.


東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp