勝鬨橋脇のビルの空室で野村(住吉正博)が男に薬をねだっていた． 金がないので満期になれば500万円になるレジャー証券を担保にする， という野村に対して
男「冗談じゃねえよ，おい．薬の売買というのは現金取引が鉄則だろう． こんなわけのわからない紙切れで物が売れる気かい? 又の機会にしましょうや．あ．」
男は去ってしまった．

その直後．日本橋で今井と言う男が野村に声を掛けられた． 野村は今井にレジャー証券を解約したいので金を返して欲しい，と言ったが，
今井「それはできませんねえ． 契約条項に途中解約は無効だと書いてあるでしょう．」
野村「馬鹿なこと言うな! 自分の金が金にならない契約なんてペテンじゃないか．」
だが今井は取り合わず，会社へ来いと言った． 逆上した野村は今井をナイフで刺し殺した．叫び声をあげる人達． 追いかけられた野村は飛び出してしまい，車に跳ねられて死んでしまった．

この事件は「白昼!! ビジネス街で殺人」「犯人 車にはねられ死亡」 「覚醒剤の常用者!!」と報じられた．この記事を雅則も読んでいた． 雅則はステテコ姿．タバコを吸いながら記事を見せる雅則に
蝶子「あなたも気をつけて下さいよ．意思の弱い人間に限って， そういうのに手を出すんですって．」
壁には「断固! 禁煙」という貼り紙が貼られていた．
雅則「またそんな嫌味を言っちゃってえ．タバコと覚醒剤と一緒にされちゃ， かなわんなあ．」
雅則は禁煙パイポをくわえた．
蝶子「それより早く支度なさって．8時半ですよ．」
雅則が立ち上がった瞬間，雅則のステテコが破れてしまった．

というわけで蝶子は雅則のステテコを買いにスーパーのワゴンセールへ行った． 蝶子が一枚取ると他の人もそれに手を取っていたらしく， 引っ張り合う羽目になった．
蝶子「ちょっと，これ，あたしが．」
マネージャー「ああ，これは趣味が合わんなあ．譲りますよ，奥さん．」

マネージャーとパピヨンは屋上へ場所を移して話を開始した． 周りの風景で判断すると，どうやら浅草の松屋でロケをしたらしい．
マネージャー「ワゴンセールでステテコのお買物とは恐れ入ったよ．」
パピヨン「定価の4割引ですもん．ステテコ一枚でも馬鹿にならないわ．」
マネージャー「お陰で私もパンツ2枚買わされちまったよ．」
二人は座って話を開始した．マネージャーがパンツを出すと， 新聞記事が零れ落ちた．
マネージャー「昨日の事件だあ．犯人が死んじまったんで， 警察は覚醒剤中毒者の発作的犯行で片付けちまったようだが， わたしゃ，どうも割り切れんのだよ．」
パピヨン「というと?」
マネージャー「これを見てくれ．」
マネージャーはパピヨンにファイルを渡した．
マネージャー「二週間前に…」
小田急東北沢駅付近の踏み切りで主婦が電車に飛び込んで死亡．
マネージャー「そして10日前，商店主が酒に酔って事故死． いずれも覚醒剤常用者だった．」
パピヨン「覚醒剤?」
マネージャー「問題は， これだけ一般市民の間に覚醒剤が浸透しとると言うことだよ． この3件の事件の被害者はいずれも犯罪とは縁のない健全な市民だった． それぞれ，経済的にも恵まれているし，それだけの分別もあった． つまりだ，覚醒剤にのめりこむ理由が全く見当たらんと言うことだね．」
パピヨン「でも最近は密売組織の手口も巧妙になってるそうだから， 例えば健康のためだとか美容のためだとか言って．」
マネージャー「うん．もちろん，それもあるだろう．だが， うがった見方をすれば，だ． この事件の裏には別の事件が連動してるんじゃないかと．」
パピヨン「別の事件?」
マネージャー「ああ．これは私の感だから断定するだけの確証は何もない． とにかく一度洗いなおしてもらえませんかね．」

アジトでパピヨンが指令を説明した．冒頭の事件の犯人は野村正男で45歳． 建設会社の設計課長で年収は750万円．性格は温厚．酒もタバコもやらず， 趣味はテニスと音楽鑑賞．典型的な中流サラリーマンだ． 一般市民の間に覚醒剤が浸透していることは前から問題になっていたが， 少なくとも野村と自殺した主婦，事故死した商店主には， 覚醒剤にのめり込む理由も動機もなかった．
ファルコン「それを探るのが今度の仕事ってわけですね．」
パピヨン「あたしは野村って男の交友関係を当たってみる． ファルコンは商店主，エジソンは主婦の線を当たってみて頂戴．」
エジソン「はい，わかりました．その前に頂くものを頂きたいですねえ．」
パピヨンは金庫から札束を取り出した．
パピヨン「今回は経費込みで一人120万．」
ファルコン「ほう．今回は張り込んでいただきましたなあ．」
エジソン「経費込みってのは気に入りませんけどねえ．」
ファルコン「うん．」
喜ぶ部下二人．しかし
パピヨン「それより，こないだの分の精算がまだ済んでないんじゃない?」
ファルコン「え?」
エジソン「昨日，清算書出しましたよ．」
パピヨン「領収書がついてないわ．確か，ファルコンが2万円， エジソンが3万円．」
エジソン「え?」
ファルコン「いやあ，あのう，それ，ほとんどタクシー代ですから．」
パピヨン「タクシーだって領収書発行してくれるわよ．」
ファルコン「一々，タクシー乗ったの，領収書もらうの， カッコ悪いんすよねえ．」
エジソン「俺の場合，聞き込み手数料ですよ．あれは領収取れませんよ．」
冷たくパピヨンが言った．
パピヨン「じゃあ，自腹切って精算してもらうしかないわ．」
当然，部下二人は文句を言った．
エジソン「自腹なの!」
ファルコン「そりゃ，ないっすよー．」
すかさずバニーが大声で言った．
バニー「ひとーつ，経費の精算は各自が責任を持って行なうべし!」
エジソンは頭を抱えながら右往左往し，ファルコンは顔をしかめた．
ファルコン「バニーちゃん．」
バニー「はい．」
ファルコン「バニーちゃん．」
怒ったファルコンはバニーを呼び寄せてビンタした．
エジソン「お前，領収書なしじゃないか．」
バニー「マネージャーの言いつけです!」
パピヨン「そうよ．バニーをせめても仕方ないわ．ルールはルールなんだから．」
ファルコン「わかりました．精算すればいいんでしょ，精算すれば．」
ファルコンとエジソンはお札を出してパピヨンに渡した．
パピヨン「(エジソンに)はい，(ファルコンに)はい，ありがとう． 今度は必ず領収書を忘れないようにね．」
エジソン「はい，はい．」
そのとき，緑美園に一人の女がやってきた．なんと女は赤ん坊を抱えていた．
バニー「誰か来ましたよ．」
パピヨン「え?」
エジソン「いや，いい．俺行く．」
なんと女は赤ん坊がエジソンの子供だと言う． 女は筑波の科学万博の土産物屋で働いていたなつこ． エジソンはハイテクの勉強と称して万博会場を訪れ， そのときになつことやって，
なつこ「で，こうなったんだべ．」
なんとなつこはエジソンと二人で撮った写真を持っていた．
エジソン「おめえよ，肩組んだだけで，もうガキできるわけねえべ．」
なつこ「あんだ，今更，何言ってんだよ．ちゃーんとすることしたでねえか．」
エジソンは指折り数えた．
なつこ「計算合うべ．」
エジソン「計算は合うけども，おら，ガキができるようなドジ踏まねえべ．」
なつこは赤ん坊の顔がエジソンに似ていると言うが
エジソン「似てねえ，似てねえ．」
なつこはエジソンとの結婚を強硬に主張． さらに結婚を了承するまではてこでも動かないと言い張った． エジソンは表で待つように，と言ってなつこを外へ出した． 他の3人も緑美園に出てきた．
パピヨン「驚いたわあ．エジソンに子供がいたなんて．」
ファルコン「一人ですみゃ，いいけどねえ． 他にも何人かいるんじゃないのかなあ．」
パピヨン「そっか．」
と言ってパピヨンは笑った．そこへエジソンが戻ってきた． 病院へ言って血液鑑定してもらい，法律相談所へ行かなければいけないので， 外してくれ，とエジソンは言って，エジソンは出て行った．
ファルコン「当てになんねえ野郎だなあ．(バニーに)ねえ．」
バニー「はい!」
パピヨン「仕方ないわね．その分，あなた達に頑張ってもらわなきゃ．」

パピヨンは野村の住んでいたマンションを訪ねたが，引っ越した後だった． 野村があちこちに借金をしていたためだ． 野村の妻が子供二人を連れて逃げるように出て行ったと管理人が言った．
管理人「それにしても，素人が妙なものに手を出すと偉い目に遭いますなあ．」
パピヨン「覚醒剤のことですか?」
管理人「いやあ．あの例の五豊商事ですよ．ほら．あのう， レジャー証券とか何とか言って， 訳のわからない紙っ切れ一枚で金を集めてる会社があるでしょう． 野村さんのご主人はね，あれに引っかかったんですよ．」

ファルコンが例の山田商店を訪れると，恐いお兄さんが， 「抵当物件に付き 関係者以外の立入りを 固く禁ずる 金田金融」 と言う貼り紙を貼っているところに出くわした． 恐いお兄さんも，ここの商店主がレジャー証券に手を出していた，と話した．

問題のレジャー証券は一口50万円． これを買うと五豊商事直営のリゾートホテルの株主保有権が得られると言う話． だが，3年間は登記上の名義変更も出来ず，途中で換金も出来ない． つまり会社側はその金を他の事業に運用して， それで得た資金を元金と一緒に返還する，とファルコンが報告した． しかし，3年経ってもお金を返してもらった人はほとんどいなかった． 再契約と言う形で会社が強引に引き伸ばしているのだ．
バニー「それじゃ，まるで，詐欺じゃないですか!」
ファルコン「馬鹿．だから世間で問題になってるんだろうが．」
そこでパピヨンは五豊商事から覚醒剤の線を洗って行くことを提案した． ファルコンも同意見だった．被害者と直接接点があったのはセールスマンだ． だからセールスマンを徹底的にマークする手はあるだろう．

というわけでパピヨン達は五豊商事を見張っていた． そのときパピヨンは双眼鏡で五豊商事を見張っている男がいることに気がついた．

その男はマイトだった．マイトにオショウが近寄ってきた．
オショウ「どうだい，様子は?」
マイト「ああ．外からじゃ，よくわからねえなあ．」
オショウ「あ，そ．任して頂戴．」
オショウは立ち去り，マイトは監視を続けた．

パピヨンは双眼鏡を覗いていた男が去るのを見届け，何か考えていた． その頃，オショウは清掃員に化けて五豊商事に忍び込み，中を探りまくっていた． その後，オショウは半袖短パンに着替えて4輪駆動の車に戻ってきた． 中でマイト，タミー，ヌンチャクが待っていた．ヌンチャクは長髪になっていた． サングラスをかけていたので悪人面だ．おい，タミーは服毒自殺した筈だろう． だがそれを言うと物語が成立しないので無視しよう．閑話休題．
タミー「オショウ，御苦労様．」
マイト「どうだった．」
オショウ「ああ．大方の見当はついた．」
オショウは図面を取り出して説明した．
オショウ「どうもお宝詰まってるのは8階のこの部屋らしいわ． ここだけ嫌に警戒が厳重なんだよ．」
マイト「ああ，その部屋の窓だけブラインドが下ろされていた． こら，間違いねえなあ．」
タミー「ホントに現金があるのかしら?」
オショウ「タミー，奴らが一番恐れてるのは国税局だ．査察喰らったときに， ま，銀行口座じゃ一発でばれちまうから，キャッシュが一番安全策よ．」
タミー「でも，関連企業にもかなりのお金が流れてるでしょう．」
マイト「そんなものは微々たるもんさあ．奴らがインチキ商法で集めた金は， 二百数十億に上るらしい．控えめに見ても本社にプールされてるのは， 200億だろうなあ．」
タミー「200億!」
ヌンチャク「一人頭50億って勘定になりますねえ．」
タミー「すごーい．使い道に困っちゃうわあ．」
オショウ「数々の女性を泣かしてきたあたしとしては，ま， せめてもの慰みに寺でも建てますかな．」
「数々の女性」にパン／オショウの妻が入っているのは当然だろうが， よね子が入っているかどうかは定かではない．
タミー「だったら，そのお金，被害者に返した方がいいんじゃない．」
それを聞いたオショウは顔をしかめた．だがタミーの言葉には続きがあった．
タミー「あたし達は，ほら，手数料をもらうだけにして．」
これを聞いたオショウは少し喜んでうなずいた．
マイト「まあ，金の使い道は後で考えることにして， 五豊商事の悪党に一泡吹かせる．これが今回の仕事のテーマだ． つまり，これは世直しゲームってとこだなあ．」

五豊商事の社長は幹部社員に訓示を垂れていた． 五豊商事は新宿西口のビル街に位置するらしい． 出てきた幹部社員をファルコンが，バニーが，パピヨンが尾行した． パピヨンは渋谷の松涛付近で車が走る前に飛び出して強引に道路を横断． それを咎めて(?)緑のおばさんが笛を吹いて声をかけた．
?女「横断歩道を渡ってください，横断歩道を．」
パピヨンは呆気に取られてしまった．
パピヨン「あたしは…」
?女「さあ，こちらへ．」
パピヨン「ちょっと待ってください．用事があるんです．」
?女「ほら，危ないですよ．危ない．」

?女はパピヨンを強引に公園(ロケ地は鍋島松涛公園)に連れ込んだ． 仕事を邪魔する癖は相変わらずだ．
?女「失礼致しました．私，栗原美津代と申します．」
パピヨンは驚いた．
?女「かねがね，あなた様のお噂は伺っておりました． と申しますのも，私もあなた様と同じように， つい昨年までさるお方のお側でお仕えしておりました．」
パピヨン「と仰いますと，神山様のところにいらっしゃった…」
?女はうなずいた．
?女「はい．世間は狭いと申しますが，その裏側はもっとせもうございます． 私，前尾様のこともよーく存じ上げておりますのよ．」
パピヨン「まあ，そうでしたの．」
?女「ところで，大変さしでがましいようですが， 今度の仕事にうってつけのスタッフをご紹介しようと思いまして．」
パピヨン「スタッフ?」
?女「ええ．以前，関西の警察署で署長まで務めた人なんですけど， 特に暴力団関係の情報に精通しておりますので， きっと何かのお役に立つんではないかと．」

今日も女が覚醒剤の毒牙にかかっていた．美容の薬と騙されていたのだ． 女は覚醒剤であることに気がついたが，後の祭だった． 売人が去った直後に，五豊商事のセールスマンが登場． もちろん，売人と五豊商事のセールスマンはグル． セールスマンは甘い言葉を囁いた．覚醒剤を打った直後だったので， 主婦は何も考えずに話に乗り，夫の定期預金50万を解約して買ってしまった． その一部始終をファルコンが見ていた．売人を尾行するファルコン． 橋の下でファルコンは恐いお兄さん達に取り囲まれたが， 見事撃退．その様子を，葉巻をくわえ， 白いオープンカー(昔マイトが乗っていた車)に乗った中年男， つまりチャンプが見ていた．

しばらく経ったある日．チャンプが緑美園にやってきた．
チャンプ「おはようさん．」
バニー「いらっしゃいませ．」
チャンプ「ええっと，何もらおうかなあ．」
バニー「どうぞ，御覧になってください．何でも揃ってますから．」
チャンプ「何でも揃ってる?」
バニー「はい．」
チャンプ「ほな，パイナップルのできるバナナの木あるけ?」
バニー「え?」
チャンプ「へ，へ．ジョーク，ジョーク．ジャスト，ジョーク．」
チャンプは如雨露に葉巻の灰を落とすなどしてバニーをからかった後， 本題に入った．
チャンプ「パピヨン?」
バニーはチャンプをアジトへ案内した．
バニー「来ましたよ．」
パピヨン「お待ちしておりました．どうぞ．」
チャンプ「わしが助っ人の小出英樹だす．いやあ，コードネームはチャンプ． よろしく頼みます．」
パピヨン「あたくし，英蝶子．コードネームはパピヨンと申します．」
チャンプ「パピヨン．いやあ，噂には聞いてたが，偉い別嬪さんやがねえ． ほんな別嬪さんなら，わしもレギュラーに入りたかったわ．」
チャンプとパピヨンが笑うのを見て
ファルコン「すっかりエジソンと同じタイプだな．」
バニー「ええ．」
チャンプ「あん?」
ファルコンはバニーをファイルで叩いた．
ファルコン「何言ってんだよ．ね．」
ずるいぞ，ファルコン．パピヨンはチャンプに途中経過を報告した． とりあえずわかっていることは， 五豊商事と覚醒剤密売組織が結託してレジャー証券の販売拡張を図っている事． つまり，覚醒剤で客を縛り付け， それを餌に五豊商事のセールスマンがレジャー証券を売りつける仕組なのだ．
チャンプ「なるほど，なるほど．島田ならやりかねんなあ．」
パピヨン「島田?」
チャンプ「そ．新宿をしまにしとるシャブの売人や． 兄ちゃん，おまはん，昨日つけとったやろう．」
これを聞いたファルコンは驚いた．
ファルコン「は?」
チャンプ「あの男や．」
ファルコン「何で知ってるんですか?」
チャンプ「ふん．ほな，そんなことはどうでもよろしいがな． 五豊商事がいっちょ絡んどるちゅうことになると， 背後にもっと大きな組織が控えとるかもしれんなあ．」
パピヨン「組織?」
チャンプ「ああ．」
しかしチャンプにも見当はついていなかった．そこで
チャンプ「なんやったら，この辺で島田から情報探ったろうかいな．」
パピヨン「情報?」
チャンプ「そ．わしのお得意科目は盗聴や． この辺で手を打たん事には手遅れになるかもしらん．ほな，ま，失礼．」
チャンプはパピヨンの右手を取り，強引にキスして去って行った．

エアロビクスのクラブにチャンプがやってきた．マリアがここで働いているのだ． マリアの髪型は現役時代とは変わっていた． しかし変わっていない所があった．
チャンプ「ああ，マリア．相変わらず，ええ乳してまんな．」
乳をつついたチャンプに
マリア「チャンプも相変わらずスケベねえ．」
チャンプ「おおきに．」
チャンプは仕事の話を持ちかけた．助っ人だがそこそこの銭になる． マリアは快諾した．

その頃，五豊商事の社長をパピヨンが尾行していた． そのとき，前に赤い車が割り込んだ． 社長は「白夜計画 菅沼周兵法律事務所」に入って行った． それを赤い車に乗ったヌンチャク，そしてパピヨンが見届けた． 社長は白夜計画の菅沼(草薙幸二郎)に呼び出されたのだ． 菅沼は，捜査二課から情報が入り，捜査に乗り出すらしい，と社長に伝えた． 法律的には完璧な商法だが，撤退準備をした方がいい， と菅沼は社長の柏木に言った．

ヌンチャクは新宿西口にある地下のバーに入った． そこはタミーが経営しているらしく，またマイト達のアジトでもあった． ヌンチャクはマイト達に白夜計画のことを報告した． 菅沼は五豊商事の顧問弁護士だった． そして菅沼は船舶疑獄事件の主任検事だった．退官後， 自分で弁護士事務所を開いた，いわゆるヤメ検だ． それだけのやり手が背後についているのだから，一筋縄では行かない． マイトは金を動かそうとしていると睨んだ．
マイト「よーし，こうなったら，先手を打とう．」

その晩．島田(成瀬正)がいるサウナにマリアは潜入し， 島田の服に盗聴機を仕掛けた．早速チャンプが盗聴開始． サウナを去ろうとしていた島田に組長(工藤堅太郎)から電話が入った． 柏木から電話があり，警察が動き出したと言うのだ． 組長は覚醒剤の取引を見合わせろと指示した．その直後， サウナを出た島田は警察に捕まってしまった．これを見たチャンプは驚いた．

その頃，ファルコンは五豊商事に忍び込んでいた．しかし収穫はなかった． ファルコンは警備員が殴り倒されているところに出くわした． ファルコンは警備員が倒れていたところの部屋に入ってみた． 金庫のような扉を開けて中に入ってみたが，何もなかった． すると他の警備員が駆けつける音が聞こえてきた． 慌てて逃げるファルコン．とりあえずファルコンは更衣室に逃げ込み， ロッカーの上に上って警備員を巻く事に成功． そして警備員の前にマイトが登場した．
マイト「動くな．」
マイトは皮ジャンの中にダイナマイトを仕込み， 腰にもダイナマイトを巻いていた．それを見た警備員は立ち止まった． マイトはダイナマイトを一つ取り出し，導火線に火をつけた．
マイト「一歩でも動いたら，こいつが火を噴くぜ．」
後ずさりする警備員達．
マイト「鬼ごっこはやめだ．早く消えろ．」
マイトはダイナマイトを灰皿の上に置いた．そして悠々と立ち去った． 伏せる警備員達．しかし
警備員「ちきしょう，騙しやがったな．追え．」
警備員達はマイトを追いかけた．後ろからファルコンも追いかける． 警備員達は地下駐車場でマイトに追いついたが， マイトと駆けつけたヌンチャクに撃退され，逃がしてしまった． それをファルコンも物陰から目撃していた．

マイトは金の隠し場所と思われる場所に忍び込んでいたのだ． しかし，そこは空っぽだった．先手を打たれた，というオショウに， マイトは，始めから空っぽだったのではないか，と応えた． 最初から金は始めから別の場所に保管されていたのだろう． ヌンチャクは白夜計画かと言うと，マイトは否定した． 警備が手薄すぎるからだ．

その翌日．不忍池でファルコンはボートにパピヨンを乗せて報告していた． 重要書類や現金が跡形もなく消えていたので， ファルコンは証拠隠滅をしたと睨んでいた．
ファルコン「それに，もう一つ引っかかることが． 俺達以外にも，あの会社探ってる奴がいるんです．」
パピヨン「そういえば，あの時も．」
パピヨンは双眼鏡を覗いていた男(マイト)がいたことを思い出していた．
ファルコン「あの時?」
そこへチャンプの乗ったボートが衝突してきた．
チャンプ「(カメラのシャッターを押すジェスチャー付きで)パシャ，パシャ． は，は．人妻と年下の男の密会場面，なかなか絵になりまっせ．」
チャンプは島田が警察に捕まったことを報告． チャンプは裏に何かあると考えていた．
チャンプ「段取りが早過ぎるんだ．逮捕，送検，起訴までの段取りがだ． これはひょっとすると検察側が何か決定的な隠し球を握ってるかもしれんなあ．」
ファルコン「隠し球?」
チャンプ「五豊商事とシャブの密売とを関連付ける証拠や． いずれにしてもこの公判廷は見ものやど．裁判で何が飛び出すかわからん．」

早速，パピヨンとファルコンは島田康広の裁判を傍聴しに行った． 傍聴人は皆ボディチェックされるなど警戒厳重．しかし， ヒットマンが潜り込んでいた．ヒットマンは3人組． 一人が持ち込んだジッポと，一人が持ち込んだペンを， ヒットマン(渡嘉敷勝男)が組み立てて銃を作り， ベルトのバックルから弾を取り出して銃に装填．島田を撃ち殺した． そして3人組は逃走に成功した．

隅田川の水上バスの中で記事を見たチャンプ． パピヨンの描いた殺人実行者の似顔絵を見て
チャンプ「断定はできんけど一人見覚えのある奴がおるなあ． 登龍会の幹部に．」
登龍会は関東最大の覚醒剤の元締めだ．
チャンプ「しかし，今更，この男を追うても無駄やろね．」
チャンプはパピヨンと肩を組もうとしたが，パピヨンに拒否された． チャンプの読み通り，ヒットマン達は海外へ行く飛行機の中にいた． 組長の室田はそのことを柏木に報告．柏木は倉庫街にいた． そして金の延べ棒を倉庫に保管するのであった．

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