第四回

女性関係を清算するために殺人を命じた成金社長を吊るす.
ポルノ女優殺しで玉のこしに乗る!

脚本:鴨井達比古 監督:佐藤武光

事件勃発

夜のマンションに男(佐原健二)が車に乗ってやってきた. 男は運転手に,12時ちょうどに迎えに来るよう命じ,マンションの中に入った. 運転手は自宅へ電話し,息子の健太がもう寝たかとか, 今夜は1時ちょっと前に帰れそうだと言っていた. その頃,男は愛人と情事を行なっていたが,男はあまり乗り気ではなかった. それもそのはず,その男徳永伸夫は, その女マリ子に別れ話を持ち出すつもりだったのだ. 徳永は手切れ金として1千万円の小切手を投げ渡した. ちなみに徳永の住所は東京都渋谷区神山町6丁目2番地12号. 日付は昭和60年10月28日.だがマリ子は納得しなかった.徳永は2年間, マリ子にスキャンダルが色々挙がったことを理由に別れ話を持ち出した. だがマリ子は徳永との関係を世間に公表すると開き直った.

さて運転手は命じられた通りにマリ子のマンションにやって来たのだが, 1時になっても徳永が出てこなかった.そのとき,激しい物音が聞こえてきた. 運転手の佐野がマリ子の部屋へ急行するとマリ子は頭から血を流して死んでいた. 徳永は佐伯を呼ぶよう佐野に指示した. この事件は「人気ポルノ女優 殴り殺される!」「強姦殺人?! 室内に物色のあと」 「熱狂的 ファンの犯行か?」と報じられた.

翌朝.雅則はスポーツ新聞を読み,桜井マリ子の事件を知った. 雅則は振られた男の腹いせだなあと適当なことを言いながら新聞を読んでいた.
雅則「しかしもったいないなあ.殺されるなんてなあ.」
蝶子「もったいないって?」
雅則「ねえ,だからさ,暴力はいけないなあ.」
蝶子「馬鹿なこと言ってないで.ほらほら,もう8時半ですよ.」
雅則は未練たっぷりの様子で立ち上がった.
蝶子「あなた,Yシャツ買ってきてくださいよ.」
雅則「お前が買ってきてくれよ.」
蝶子「だって会社のお昼休みにちょっと足を伸ばせば.」
雅則「君もたまにはデパート歩きしてみたら. いつも駅前のスーパーじゃ老け込むよ.」
蝶子は顔を膨らませた.

というわけでデパートへ出かけると
女「ママ,ママじゃありません?」
パピヨン「京子さん?」
京子「はい.お久しぶりでございます.」
京子は小学校に上がったばかりの息子を連れて買物に出かけていたのだ. 蝶子も挨拶した.
京子「ママ,今でもどこかでお店を?」
蝶子「いいえ.ご覧のとおり,しがない主婦よ.」
京子「まあ.じゃあ,ご結婚なさって.」
蝶子「ええ.ぐーたらサラリーマンの女房.」
蝶子は京子の夫の佐野が元気かと聞いた.そして京子は蝶子を自宅に案内した. 3年前に会社から退職金を前借して家を買ったのだ. それを聞いた蝶子は雅則が本気にならないので家なんて買えない, とぼやいた.佐野は社長付の運転手なので朝は早いし,夜も遅いと言う. だがそのお陰で時間外手当がつくので,ローンが払えると言う.
京子「文句も言わずによく働いてくれます.」
蝶子「いいわねえ.私もうんとねじを巻いて旦那様に頑張ってもらわなきゃ. マイホームなんて夢で終わりそう.」
そのとき電話がかかってきた.電話は佐野からのもの. 佐野は早く帰るつもりだったが,遅くなるかもしれないと言って電話を切った. そう.佐野は冒頭に登場した運転手なのだ. そして桜井マリ子の事件に関する記事を読んでいた. 依然手がかりはなく,捜査は暗礁に乗り上げていた. そのとき,秘書室長からの使いがやって来た.社長室へ来いと言うのだ.

秘書室長(原口剛)は社長からのプレゼントと称して札束を佐野に渡した. 口止め料なのだ.だが佐野は受け取りを拒否して出て行った. 佐野は酒を飲んだ後,しばらく城西警察署の前で悩んでいたが, 中には入らずに立ち去った.それを車の中から誰かが見ていた. 車は佐野を追いかけ,佐野を轢き殺してしまった.

翌朝. 「モーニングデスク」というテレビ番組で庄司アナウンサーが事件を報じるのを, 蝶子は食い入るように見ていた.佐野は徳永産業の車両課に勤務していた. ネクタイどれがいいと聞く雅則の問いに蝶子は適当に答えた. 霊安室で佐野和也の死体を見て泣く京子を見て,蝶子も胸が痛んだ. その帰り道.京子は,佐野が酔って車にはねられるほど酒を飲む人ではない, と信じられない様子だった.
京子「きっと何かあったんだわ.」
蝶子「何かって?」
京子「わかりません.でも,会社で何かあったんです,きっと. 一度チラッと言ったことがあったんです. タクシーの運転手ってどれくらい稼げるのかなあって. 変なこと言うと思いました.」

佐野の墓の前で京子母子にルポライターがやってきて,何か聞き出そうとした. 居合わせた蝶子はルポライターに何を調べているのかを聞いた. ルポライターは徳永と桜井マリ子との関係を調べていたのだ.

とりあえず調査開始

この一連の出来事でピンと来たパピヨンはアジトでファルコン達に相談した. 佐野の事件とマリ子の事件と徳永と関係があるというのだ.だが証拠は何もない. 徳永産業はレジャー産業や別荘地の開発でこの20年間に急激に伸し上がった会社. 今ではゴルフ場が23箇所,ホテルチェーンがハワイも含めて16, 他にも観光会社や不動産会社などがいっぱい.典型的な新興財閥だ. エジソンは徳永が桜井マリ子のパトロンだと言うのは確かなのか, とパピヨンに聞いたが,パピヨンにはそこまではわからなかった. だが,もしそれが事実だとしたら何か臭う.佐野和也はとても真面目な男だった. 車を運転するのが商売だったので酒はほとんど飲まなかったようだった. だから酔って車に轢かれるのはおかしい. エジソンは京子とパピヨンの関係を聞いた. 京子はクラブパピヨンのホステスだった. ある晩,突然赤ん坊を抱えて京子がやって来て雇ってくれと頼み込んだのだ. 静岡に住んでいたのだが,夫がどうしようもないギャンブル狂で, サラ金に莫大な借金を作って蒸発してしまったのだ. それで京子は赤ん坊を連れて着の身着のままで東京へ逃げてきたのだ. それからの京子は赤ん坊を託児所に預け,一生懸命働いた. 随分口説かれたが決して誘惑には乗らなかった. だが京子は真面目そうなハイヤーの運転手だった佐野和也と恋に落ち, 結婚したと言うわけだ.そして佐野はハイヤーを辞め, 給料のよい徳永産業に就職したと言うわけだ.
エジソン「気持ちはよくわかった.でもさあ, 桜井マリ子の事件と関係があるかどうかはよく調べてみないとわからないよね.」
パピヨン「そうよ.」
エジソン「そのよくわかんない不確実な事件にただ働きするほど, 俺達ブルジョワじゃないんだよね.」
パピヨンは苦笑してこう言った.
パピヨン「ただ働きはさせるつもりはないわ.見通しが出来たら, あたしからマネージャーに話すわよ.」
エジソン「見通しつかなかったら.」
パピヨンは絶句した.
ファルコン「エジソン,ま,いいじゃないか. たまには女の直感とやらを信じてみようじゃない.」
エジソン「お,二枚目やってるね.」
ファルコン「二枚目,俺しかいないじゃない.」
突然,バニーが大声で叫んだ.
バニー「人間って言うのはねえ(エジソンは驚いた), 金の為だけで生きてるんじゃないですよ.」
エジソン「よく言った.よくわかった.じゃ,お前,今回のギャラ,俺に回すな?」
バニー「ま,回しません.」
バニー,言うことが二転三転してるぞ.パピヨンは苦笑した.

徳永産業の本社ビルの前に緑美園のワゴンが到着. その頃,徳永は京子が何か知っていないのかと秘書室長に確認していた. 秘書室長は監視をつけていると答えた.警察の動きは特に危険なさそうだ. 両方の事件とも迷宮入りになりそうだと秘書室長は答えた. そこへバニーが花を持って強引に入ってきた.
バニー「毎度,お届け物です.」
秘書室長「なんだ,そんなもの頼まないぞ.」
バニー「はい.桜井マリ子さんと言う方からのご依頼です.」
それを聞いた徳永はバニーを睨んだ.
秘書室長「なんだって.いつだ?」
バニー「はい.今朝ほど電話でご注文がありました.毎度どうも.」
去って行くバニー.徳永を見る秘書室長.
徳永「桜井マリ子?」
徳永は花を持って言った.
徳永「どういうことだ?」

当然のことながら,花には盗聴機が仕掛けてあった. バニーはワゴンに戻ってきた.
バニー「どうですか?」
エジソン「こっち来い.聞かしてあげる.」
バニーはエジソンと一緒に盗聴した.
徳永の声「不愉快だ.こんなもの,捨ててしまえ.」
秘書室長の声「待ってください,社長. わざわざ桜井マリ子からだと言って届けてくるのは何かあると思いませんか?」
徳永の声「ん? 何か知ってる奴がいるって言うのか.」
秘書室長の声「もしかしたら…」
葉っぱをかき分ける探る音がした.
バニー「やばい.」
秘書室長の声「社長,こんなものが.盗聴機です.」
徳永の声「なんだと.」
秘書室長の声「くそー,なんだと.」
物凄い音がした後,音が途切れた.
バニー「(大声で)あーあ.ほら,桜井マリ子なんていうから, 盗聴機潰されちゃったじゃないですか!」
バニーが短絡的なことを言うと
エジソン「そんな狭いところで大きな声出すなよ.いいの. 桜井マリ子って名前にどういう反応示すか,それが知りたかったんだから. 本物だ,こりゃ.」
バニー「じゃ,後はどうするんです?」
エジソン「とりあえず社長さんの行動半径を探って頂戴よ,僕ちゃん.」
バニー「はい,わかりました.」
エジソン「ちょっと.」
出て行こうとしたバニーをエジソンは呼び止めた.
エジソン「これ持ってけよ.食っちゃうなよ.」
バニーはエジソンから渡されたハンバーガー…型のカメラで写真を撮りまくった.

蝶子は京子の家へ見舞いに訪れた.京子は食欲がなく,やせていた. 家を売ってアパートへ移るつもりだと言う.そこへ健太が帰ってきた.
健太「ねえ,ママ,今夜もまた出前取るの?」
京子「そうねえ.何か作らないとねえ.」
健太「やったー!」
それを見て蝶子は微笑んだ.

ルポライターは事務所からどこかへ電話した後,外へ出て行った. 入れ替わりにファルコンが登場し,ネガを探った.

アジトでバニーが報告した.
バニー「徳永社長は社外では秘書室長の佐伯と一緒みたいです.」
ファルコン「で,今の運転手誰なんだよ?」
バニー「佐野和也が死んでからは, 同じ車両課の佐藤っていう社員が社長付になったようです.」
料亭で徳永が誰かと会っている写真が映し出された.
エジソン「これなんだ,料亭か?」
バニー「はい.なじみの赤坂の料亭です.相手は元大臣の大久保せいいち代議士. 料亭の仲居さんに名前を聞きました.」
ファルコン「坊や,だんだんプロらしくなってきたね.」
バニー「この後,銀座のクラブに二人で行きました. 店に入った時は二人だったんですが,出てきた時は四人になってました.」
パピヨン「その二人の身元は調べなかったの?」
バニー「ドアマンに聞いたんですけど,総会屋らしいってことしか. でも時々徳永社長達と一緒に来るそうです.」
パピヨン「総会屋?」
バニー「はい.」
ファルコン「マル暴関係みたいな面してるなあ.俺が調べてみましょう.」
パピヨン「お願いするわ.バニー,御苦労様.」
バニー「いえ,これくらい楽なもんですよ.」
エジソンは手を叩いた.
ファルコン「ホントかよ,お前,この野郎.」
パピヨンは苦笑した.ファルコンは大した収穫はないといったが, 妙な写真を一枚見つけてきていた. 徳永の一人娘のようこが徳永と婚約者と一緒にテニスクラブで写っている写真だ. 婚約者は大久保代議士に紹介された人物で, 国際開発銀行顧問の伊達ともまろの三男坊だ.伊達家は元家族の名門だ. 元華族と姻戚関係を結べば徳永は上流階級の仲間入り. 金で買えない地位を手に入れるというわけだ. そうなるとポルノ女優とのスキャンダルが表沙汰になってしまえば, 名誉を重んじる伊達家との縁組は破談になる. エジソンは桜井マリ子の写真を手に入れ, 徳永と桜井マリ子が会っている写真を合成して作り上げた.

徳永ようこを例のルポライターが見張っていた.
エジソン「先客か.」
エジソンはルポライターが徳永ようこに詰め寄る場面を目撃した. 怒った徳永ようこはルポライターにお茶をかけ,取り巻きに叩きださせた. その後,出てきた婚約者と一緒に可愛い顔をして出て行った.
エジソン「おっかない子.」

その日の夕方.夕刊を持ってファルコンがやってきた. 例のルポライター水野博之が
エジソン「酒に酔って車にはねられた模様. 運転手の佐野の時とおんなじじゃない.」
水野はマリ子のネタで徳永をゆすって金を取ろうとしたのだ. そこでエジソンとファルコンは徳永に仕掛けてみることにした. まず例の合成写真をファルコンは徳永と佐伯に見せた. 徳永達はインチキ写真だと一笑にふした.だがファルコンは, 伊達家との縁組を前にこんな写真が公表されてはまずいだろうと言った.
ファルコン「私はあくまでも親切で申し上げています.」
佐伯「わかった.君の親切,買おうじゃないか.君に1千万円出そう.」
ファルコン「私にじゃなく,死んだ水野の香典として頂きましょうか.」
徳永の顔に緊張が走った.
ファルコン「振込先は追って連絡いたします. ただし私は水野さんみたいに交通事故に遭うのは嫌ですよ.それじゃ.」

ファルコンは車にはねられた. 車から降りた悪党は倒れているファルコンの生死を確認しようとしたが, ファルコンはぴんぴんしており,反撃を食らった. ファルコンは優勢だったがパトカーがやってきたので逃げられてしまった. そこへエジソンがやってきて
エジソン「ま,作戦練り直しましょう.」

その頃,蝶子は京子の家を訪れたが,誰も出なかった. 鍵も開いていて部屋も真っ暗.蝶子が中に入って明かりをつけると
健太「おばちゃーん.」
押入れに隠れていた健太が登場した.京子は誰かに連れ去られたのだ. 京子は徳永の手の者に連れ去られ,水野から何か話したかとか, 色々拷問されていた.

とりあえずパピヨンは緑美園へ健太を連れてきた.健太はエジソンと遊んだ. アジトでパピヨンは京子を取り返す方法を考えていた. ファルコンは徳永の娘ようこと交換にしてはどうかと言いかけたが, ようこ自身が罪を犯しているわけではないとパピヨンは反対した.
ファルコン「しかし,一夜のアバンチュールなら構わんでしょう. 親が勝手に誘拐と思う分ねえ.」
パピヨン「誰がやるの?」
そこへエジソンが入ってきた.
ファルコン「我らがプレーボーイ.」

作戦は決行された.ディスコで徳永ようこは踊り狂っていた. その晩の11時にエンゲージリングを交換することになっていたが, 徳永ようこは婚約者をあまり好きではなかった. その徳永ようこを気弱そうな男に扮したエジソンがじろじろ見ていた. エジソンは徳永ようこの取り巻きにぶん殴られた. 徳永ようこは取り巻きを止めさせた. すかさずエジソンは一目見たときからずっと好きになった, しばらく姿が見えなかったので店の人に聞いたら結婚が決まったと聞かされた, でも一目顔を見たいと通い詰めていた,と母性本能をくすぐることを言った. 作戦は成功.エジソンはまんまと徳永ようこと情事を行なうことに性交, いや成功した.ホテルでエジソンを相手によがる徳永ようこ. 11時になったが
ようこ「いや,やめないで.」
そのままエジソンは情事を続けた. 心配する徳永のところにファルコンから電話が入った. 徳永ようこを預かっているので佐野京子と交換すると言うのだ.

その頃,パピヨンはマネージャーとレストランで会っていた.
パピヨン「送った資料,読んでいただけました?」
マネージャー「ああ.読んだ.しかし,これは個人的な事件だな.」
パピヨン「いけませんか?」
マネージャーは無言だった.
パピヨン「人間は誰でも幸せになる権利があるはずです. 徳永はそれを踏みにじったんです.」
マネージャーはうなずいた.
パピヨン「特に京子さんは不幸のどん底から立ち上がり, やっと人並みの幸せをつかんだんです.徳永はどんな愛人を作ろうと, 娘を政略結婚に使おうとそんなことはどうでもいいんです. でも自分の都合だけで罪もない人間を殺し, 何年もかかってやっと築いた幸せをぶち壊すなんて, どうしても許せないんです.」
マネージャーはしばらく考えていたが,鞄から封筒を出した.
マネージャー「わかった.経費だ.」
パピヨン「やってもいいんですね.」
マネージャー「ああ.せめて子供の母親だけは助けてやってくれ.」
パピヨン「わかりました.」
ここでマネージャーは口調を変えた.
マネージャー「さ,それじゃ,奥さん,頭金が出来ましたらねえ, いつでもご連絡ください.はい.」

徳永ようことの情事を終えたエジソンはアジトに戻っていた. なぜかエジソンはニンニクを串焼きにしたものを食べていた.
パピヨン「マネージャーが気持ちよく出してくれたわ. はい,今回は一人これだけ.」
パピヨンはギャラを分けた.ファルコンは札束であおぎながら言った.
ファルコン「くせえ.エジソンさあ,あの徳永の娘,大丈夫なのかよ.」
エジソン「大丈夫だよ.今帰ると親父にどやされるからって, 一日隠れてるってさ.」
ファルコン「しかし,どういう手使ったのよ?」
エジソン「手だけじゃない.体使ったのよ.」
にんにくを食べていたのは相当激しく体を使ったかららしい.
パピヨン「じゃ,始めましょう.」
蝶の舞うCGが流れた.衣裳部屋からパピヨンが登場.
パピヨン「Let's go!」
ファルコン「Hanging!」
ファルコンはバニーの手を叩いた.バニーとエジソンはファルコンの手を叩き, ファルコンはバニーの頭を叩いた.そしてハングマンは出動した.

ハンギング

徳永と佐伯の手下の総会屋が京子を連れてやってきた.
総会屋「連れてきたぞー.出て来い.」
出てきたのはバニー.バニーに気を取られた悪党達は, 後ろにいたファルコンに気がつかなかった. ファルコンの奇襲を受けたため,悪党は京子に逃げられてしまい, そして捕まってしまった.

捕まった総会屋の村田は電気で脅され, 徳永に徳永ようこを青山病院に収容したと電話を入れた. 騙された徳永と佐伯は青山病院へ行った.エジソンが出迎え, 病室へ案内された.確かに徳永ようこの髪がベッドから見えた.
徳永「ようこ.」
だが起き上がったのは拳銃を持ったパピヨン. 驚く徳永と佐伯は拳銃から噴射された催涙ガスを吸って眠り込んでしまった.

自宅に帰った京子は健太と抱き合った.そのとき, 健太のズボンの尻のポケットに封筒が入っているのに気がついた.
パピヨンの声「本日午後3時より,テレビを見ていて下さい. あなたの御主人を殺害した犯人たちに,制裁が下されます.」

ファルコン「さて,そろそろ始めようか.」
徳永「誰だ.なぜこんなことする.私を誰だと思ってるんだ.」
ファルコン「知ってるさあ.大勢の人間をだまくらかして, 金と権力を握った人でなし野郎だ.」
徳永「何!」
ファルコン「いいか,よく聞くんだ. お前さん達お得意の車とこれから遊んでもらう. そのトラックをよく見ろ.」
悪党達は机の下から頭を出した格好になっていた. 机から床へ板が斜めに渡してあり,おもちゃのトラックが置かれていた. 悪党達の顔の前には小瓶が置かれていた.
ファルコン「荷台に満載されているのはダイナマイトだ. そしてお前達の顔の前に置かれている小瓶がニトログリセリンだ.」
それを聞いた悪党達はビビリまくった.
佐伯「やめろー.一体何をする気だ.」
ファルコン「こういうことさ.」
おもちゃのダンプがマネキンの前におかれた小瓶に突進.ニトロは倒れ,大爆発. それを見た悪党達はビビリまくった.
ファルコン「衝撃を受けたニトロの連鎖反応で, ダイナマイトが爆発する仕組になっている.」
悪党達のダンプカーも始動準備.悪党達はやめろ,とか,ちょっと待ってくれ, と叫んだ.
ファルコン「無論,阻止する方法はある. 君達が乗ってる自転車を時速40Kmに維持できれば車を後退させることができる.」
これを聞いた佐伯がアルファ自転車で働いていた頃 を思い出したかどうかは定かではない.トラックはスタートした. 佐伯と松田は自転車を一生懸命こぎ始めた.
徳永「やめろ.そんな脅しに乗るな.」
だが「スピードメーター」を見て徳永も一生懸命こぎ始めた.
ファルコン「飛ばしすぎは危険だぜ.まだまだ先は長いんだからなあ.」
やっぱり「ヤッホー,ヤッホー」の掛け声が欲しいぞ. 悪党達はトラックが近づいたり遠ざかったりするたびに一喜一憂した.
徳永「やめろ.馬鹿な真似はすんな.」
ファルコン「うるせえな.みっともないぞ.やめてほしければ, 運転手の佐野和也をなぜどうやって殺したのか全部喋るんだ.」
悪党達が疲れてきたのか,トラックが目の前まで迫ってきた. もう汗だくだ.
パピヨン「スタンバイ.」
エジソン「了解.」
アンテナが準備された.なおもトラックは動き回る.そしてついに
松田「やめろー.ゆう.ゆうからやめろー.佐野を殺せといったのは, 佐伯室長だあ.」
パピヨンは秒読み開始.
パピヨン「5,4,3,2,1.キュー.」
エジソンがスイッチを押すと同時に「ON AIR」開始. 「川崎市・多摩区 横畑 豊さん宅」のテレビなどに, 悪党達の姿が映し出された.
松田「佐伯室長だあ.」
佐伯「何を言うか.出鱈目を言うな.」
松田「いや,俺は命令されただけだあ.」
佐伯「そうじゃない.女優の桜井マリ子を殺したのは徳永社長だ.」
徳永「うるせえ.黙れ.」
それを京子と健太も見た.
佐伯「それで運転手の佐野に現場を見つけられたんで, 佐野を殺せと命令したんだ.」
徳永「な,何を言うんだ.佐野の口を塞いだほうがいいって言ったのは, 貴様じゃないかあ.」
佐伯「嘘だあ.」
徳永「黙れ,うるさい.」
松田「ええい.やめろー.命令されただけだあ.」
徳永「知らん,知らん.わしゃ知らん.」
そしてトラックは小瓶に激突.小瓶は倒れて爆発…しなかった.
ファルコン「御苦労様.どうやら瓶の中身はただの水だったようだ.」

また急に明るくなり,薔薇の花を持ったパピヨンが登場.
徳永「誰だ,貴様は?」
パピヨン「闇に舞う蝶,パピヨン.安らかに眠っていただきます.」
薔薇の花から催涙ガスが噴射され,悪党達は再び眠りに入った.

事件解決して…

翌朝.パピヨンはYシャツにアイロンをかけていた. 悪党達は蝶の模様が描かれた箱に詰められ,警察署の前に届けられた. ファルコンは緑美園で顕微鏡を覗いていた. そこへエジソンとバニーが戻ってきた.
エジソン「本日の配達,終了いたしました.」
ファルコン「御苦労様でした.」
バニー「あー,腹減ったー.」
ファルコン「それでは我々も夜の街に, かわいこちゃんでも探しに行きましょうか.」
エジソン「(なぜか外国語訛りで)もう女は当分いりまっせーん.」
ファルコン「まだ臭うよ.」
その頃,雅則はYシャツの襟にキスマークをつけて帰ってきていた. 怒り心頭に達した蝶子.雅則はホステスにもてもてだったと言う. 酔っ払った雅則は床に寝そべってしまい,
雅則「蝶子,僕は君が一番,好きだあ.」
蝶子「そんなことわかってるわよ.」
機嫌の直らない蝶子はやけ食いするのであった.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp