第十七回

巧妙な保険金詐欺のからくりを暴く.
浮気ドライブに追突事故が演出される!

脚本:津田幸於 監督:井上梅次

深夜.ある会社の社長(石濱朗)が女を乗せ,車を運転していた. 信号が赤になったので社長は車を止めた.その脇に別の白い車が止まり, 運転手が社長の方を見た.青信号になったので車は発進. 白い車は強引に社長の車の前に割り込んだ.そして止まっていたダンプの中では
男「あれだ.」
男はダンプを発進させ,男の車の後ろに入った. さらに白い車の前に赤い車が入った. そしてトラックが社長の車を追い抜こうとした. そして赤い車が急停車し,白い車,社長の乗る車は追突してしまった. 赤い車とダンプカーは去ってしまった.

さてタイガーキャブへオショウに電話がかかってきた. 電話はみちこという娘からのもので, みちこの父親でつねさんと言う個人タクシーの運転手が交通事故にあい, 病院へ運ばれたと言うのだ.オショウは病院へ向かった.

さて,ボス(藤岡重慶)が仕事の手際を誉めていた. そこへ部下の西城が救急車で病院へ運ばれたと言う報せが入った. ボスは西城がこの仕事を抜けたがっていたことと娘がいたことを思い出し, 第2の計画に移れと指示した.

病室に現れたオショウをみちこが出迎えた. つねさんはベッドに寝ていたが,意識を回復していた. オショウにどうしたんだと聞かれたのでつねさんはこう答えた.
つねさん「追突されてさあ,鞭打ちで気を失っちゃったんだよ. 意気地のねえ話だよ.」
オショウ「運転のうまいつねさんにしちゃあ,おかしいじゃねえかあ.」
つねさんはこう言った.
つねさん「いや,前の車がさあ,急ブレーキ踏みやがったんだよ.」
オショウ「前の車?」
つねさん「うん.いやあ,急に子供か犬が飛び出してきたんだろう,きっと.」
オショウは納得しなかった.
オショウ「だってつねさん,いつもは車間距離たっぷり取ってるだろうが. 今回に限ってどうしたって言うんだよ.」
つねさん「ついてねえよ,全く.」
オショウ「まあ早く元気になって,また一緒に稼ごう.」
するとつねさんはこう言った.
つねさん「俺,タクシーやめようと思うんだよ.」
オショウ「なんだい,どうしたんだよ.」
つねさん「実はそのことで,一度ゆっくり,あんたに相談に乗ってもらおうと 思ってるんだよ.」
オショウ「なんなんだよ.」
だがそこへ看護婦が入ってきた.もう12時なので消灯しろと言い, 面会は2時から5時までにしろと言った.仕方がないのでオショウは帰って行った.

翌朝.みちこが出た隙に病室に医者が入ってきてつねさんに注射した. そしてオショウと一緒に入ってきたみちこはつねさんの死体を発見した. 医者は偽物.車に乗って去って行った.

タイガーキャブでオショウからその話を聞いたクレイは驚いた.死因は心臓麻痺. オショウは殺されたと見ていた.だが犯人は不明だ.今司法解剖中だが, おそらく毒物が検出されるだろう.オショウは前の晩のことを思い出し, 何かの事件に巻き込まれたんじゃないかと考えていた.

さて社長は病室で妻に,バーの女を乗せて事故に遭った事をなじられていた. そこへ佐々木欣一と名乗る弁護士が現れた.先程つねさんを殺した偽医者だ. 弁護士は西城つねおの代理と名乗り,事故の話をしたいと言っていた. 佐々木は社長が酒を飲み, 前方不注意で追突したことをネタに話を始めた.社長は保険会社と話し合い, 車の破損と西城の治療費を支払うことで話を進めていると佐々木に話した. だが佐々木は西城が死んだことを伝え,示談について相談したいと言い出した. さらにクラブロールスのホステスやすこの件も持ち出した. これを聞いた社長の妻ともこは興奮した.慌てた社長はともこを追い出し, 佐々木から話を聞いた.何と佐々木は, 社長がやすこをマンションに囲っていることを知っていた. そこで佐々木は示談金3千万円を要求した.社長は拒否したが,佐々木は, 社長が先代社長の婿養子になって安藤商事の社長に収まった件を持ち出し, 強請った.

調査開始

サファリがゴッドの屋敷からタイガーキャブに帰ってきた. ゴッドの指令はモラルリスクに関するものだった.つまり保険金詐欺だ. 交通事故を偽装した保険金詐欺事件が続出.今年に入って約200件. 放送日が1月25日ということは,この際置いておこう.被害総額は10億円以上. その方法が実に巧妙で計画的で悪質だ.まず3台の車が1列になって走っている. 1番前が赤い車,2番目が白い車だ.3番目のトラックの横にトラックが走る. そして1番前の赤い車が急停車.当然2番目の白い車も急停車する. 3番目の車が慌てて急停車しようとするが,間に合わず2番目の白い車にぶつかる. ここまで話を聞いたオショウは事故の日時を聞いた.この事故は一昨日の10時頃. そう,つねさんの事故だ.しかも3台目の車は必ずと言っていいほど高級車だ. つまり1台目と2台目の車を利用した偽装交通事故というわけだ. 被害者の話では犯人は保険金ばかりではなく,相手の弱みにつけこんで, かなりの示談金をせしめていると言うわけだ. クレイは手口から見ると完全にプロの仕事だと睨んだ.ゴッドも同じ考えだ. ゴッドは保険業務に詳しい請負グループが関与していると睨んでいた. 突然,それまでじっと考え込んでいたオショウが言った.
オショウ「そいつだ.そいつらに間違いない. つねさんは交通事故なんかじゃなかったんだ.」
サファリはつねさんが2台目の車に乗っていたことをあげ, 一味に加わっていたのかと聞いた.
オショウ「おそらくな.でも無理矢理はめられたんだ. おそらくそのからくりを知ってたから殺されたんだろう.」

オショウはつねさんすなわち西城つねおの娘みちこから, つねさんが300万ほど死んだ妻の治療費のためにサラ金に借金したことを, 聞き出した.それで毎晩朝方まで荒稼ぎしていたのだ. つねさんはみちこには借金の件を内緒にしていたが,取立てが厳しく, みちこの会社にまで取立人が来て,親の借金だから体で働いて返せと言ったので, 借金のことを知ったのだと言う.ところが,1ヶ月ほど前につねさんはみちこに, サラ金の借金はすっかり返したので心配するなと言っていた.オショウは驚いた. みちこは金の出所を全く知らなかった.だが言葉通り, サラ金の取り立てはばったり来なくなった. つねさんが金を借りたサラ金会社は東西商事だった.

サファリの調べた結果,東西商事が4ヶ月前に倒産していたことがわかった. そしてつねさんの借金は野口商事に移っていた.その筋のボスらしいが, 表向きは車の修理工場や六本木でクラブロールスというのを経営している. それを聞いたクレイは, 3台目の車に乗っていた女が六本木のクラブのホステスであることを思い出した. 早速オショウは変装してロールスにやって来た. 商事会社の社長の志村は明美というホステスに入れ揚げていた. それを見たオショウはホステスにあれが野口かと聞いたが, 野口ではなかった.野口は月2回くらい来ていた. ママは野口の愛人かとオショウは聞いたが,ホステスは答えなかった. そこへ鞭打ちのギブスをつけてやすこがやって来た. やすこは安藤社長を見舞いに言ったら機嫌が悪くて大変だったと言う. 賠償金が高くて大変だったからだ.

さてサファリは「大平洋損害保険調査会社 クレーム調査員 結城五郎」と名乗り, 安藤の病室を訪れた.サファリは保険金詐欺の疑惑があると言うが, 安藤はあの事件に関わりたくないと言って話そうとしなかった. しかし,やすこに関して金を強請り取られたことを持ち出すと,安藤は驚いた. だが安藤は相手の素性をなかなか話そうとしなかった. 帰ろうとするサファリに安藤は, やすこを乗せて帰る時は必ず決まったコースを通ることと,事故の2, 3日くらい前から自分をつけている赤いスポーツカーを見かけたことを話した.

さて,ロールスのママは安藤の事故のことを根掘り葉掘り聞いた男がいたことを, ボスの野口に話していた.野口はほっとけと言い, 佐々木に早く西城の代わりを探せと指示した.さらに野口はママに次の鴨を聞き, ママはスリーエー商事の志村社長に明美をくっつけたことを話した. 野口はドライバーが決まり次第仕事にかかれと2人に命じた.

サファリはジャッキーをロールスに潜入させることにした. まずサファリはジャッキーに発信機つきのハイヒールの仕組を説明.
サファリ「これが発信機だ.左足だぞ.忘れるな.」
ジャッキー「おもしろーい.」
サファリ「真面目に聞け.」
クレイ「真面目に聞け.」
オショウ「真面目に.」
サファリ「それから,ジャッキー,この指輪なあ, ここを開けるとナイフが飛び出る仕組になっている.」
ジャッキー「わお.」
サファリは花のブローチを取り出した.
サファリ「それから,このブローチだが, このセンターを押すとクロロホルムが噴射される. いいか,ジャッキー,使い方間違えるなよ.」
ジャッキー「任しといてよ.ここ.ここね.」
クレイはクロロホルムを嗅いでしまい,眠ってしまった.笑うジャッキーに
オショウ「笑ってる場合か!」
オショウは本気で怒っていた.

ジャッキーはロールスにホステスとして潜入した. ジャッキーは志村と明美の席に強引に割り込み,ママに注意される始末. そこへ野口がやって来た.ママは野口に言った.
ママ「あれが志村社長よ.」
バーテンからノグチのことを聞き出したジャッキーはトイレで発信機を操作し, 「ノグチ キタ クチヒゲ メガネ トシ 50ホド カップク ヨシ」 という信号を送った.外で待機していたサファリがその信号を受信. だがその様子をジャッキーはママに見られてしまった.ジャッキーは
ジャッキー「ヒールが高くて足が痛くて痛くて.」
とごまかした.ジャッキーは野口のテーブルにつき, 火をつけるついでにライターに仕込んだ小型カメラで野口の写真を撮影. そして「ノグチ デンワデ ヨバレタ カエルラシイ」という信号を送った. そこへ道路工事の交通整理係が笛を吹きながらやってきた.
サファリ「なんですか?」
交通整理係は?女の扮装.ヘルメットを被り,サングラスをかけ, 付け髭までつけている.?女は笛を吹きながらどけと合図.
サファリ「別に,ここにいたっていいじゃないですかあ. 工事の邪魔になるわけじゃないんだから.」
?女はサファリに笛を吹きながら近寄った.
サファリ「しつこいなあ.もう.」
?女はヘルメットを脱いだ.するとヘルメットの中には札束が入っていた. 驚くサファリ.?女はサングラスを上にあげ,付け髭を取った.そして高笑い.
?女「わからなかったでしょう.やったあ! じゃあ,よろしく.」
?女は去ろうとしたが,
サファリ「ストップ!」
サファリに呼び止められた.
?女「何か御用?」
サファリ「ちょっと下向いてください.」
?女の頭の上に札束が乗っていた.
?女「あらあ,私としたことがあ.ねえ,何か他に御用は?」
サファリ「ありません.」
?女「あ,そ.」
?女はサファリの耳元で笛を鳴らし,去って行った.そこへ野口が出てきた. ジャッキーが合図したのでサファリは野口の乗る車を尾行した. 気がつかれた様なのでサファリは信号弾を打ち込んで去って行った. 野口は大田区田園調布5-3-4のロールスモータース整備工場へ行ったのだ. 整備員は信号弾を発見.野口は信号弾を捨ててしまった.

翌日.サファリはロールスモータース整備工場へ行き, ブレーキを見てもらうように言った. さらにサファリは野口は来ているかと聞いた. だが野口は来ていなかった.野口の知り合いかと作業員に聞かれたので サファリはちょっとなとごまかした. そして腕時計に仕込んだカメラで写真を撮りまくった. ちょうどその頃,佐々木とママが来ていた. 事務所から出てきた佐々木とママは去って行くサファリの1号車を目撃した.

サファリがアジトでロールス整備工場のことを報告. サファリが質問した作業員は支店長の山崎. 野口が来ているかとカマをかけたら乗ってきた. その頃,野口はサファリのことを聞かれ,知らない奴だと答えた. だが,前の晩につけていたタクシーがタイガーキャブの車であること, そして発信機を打ち込まれたことを思い出した. 誰かがタイガーキャブの者に自分のことを報せたに違いない. 野口は新入りのジャッキーを調べるようにママのまさ子に命じた. そしてまさ子はトイレでジャッキーが発信機を操作しているのを発見した. ジャッキーは口にガムテープを貼られ,縄で縛られてしまった. 野口はジャッキーを囮にタイガーキャブの連中を誘い出すことを, 佐々木達に命じた.ジャッキーは指輪に仕込まれたナイフで縄を切った. そしてクロロホルムを噴射したが見事に失敗. ジャッキーは多摩採石所に止められた白い車の中に閉じ込められてしまった.

その頃,サファリ達はジャッキーから連絡がないのでいらいらしていた. そこへ「タマサイセキジョ 二 イル.タスケ タノム !」という信号が入った. 早速多摩採石所に向かうサファリ達.車には盗聴機が仕掛けられており, 野口達はサファリ達の声もしっかり聞いていた. さらに車の中にはダイナマイトも仕掛けられていた. ダイナマイトに気がついたジャッキーはサファリに合図. サファリはダイナマイトに気づき,車の後ろのガラスを割らせた. そしてクレイは線を引っこ抜き,サファリがドアを開けてジャッキーを救出. オショウはジャッキーの口に貼られたガムテープをはがした. そしてオショウはガムテープの裏に貼られた盗聴機を発見.
オショウ「何だこりゃ?」
サファリ「盗聴機だ.」
それを聞いたオショウは盗聴機を持って笑った.そして
オショウ「グッドアイデアですね.切れますから気をつけて下さい. (大声で)馬鹿野郎,こら.」
悪党達は耳を押さえた.
野口「馬鹿たれめえ.」

今度の相手は手ごわい.オショウは自分が囮になることを発案. 辻タクシーという個人タクシーの運転手に扮し, ロールスモータース整備工場へ行った.ご丁寧にも車には西城とも書かれていた. そこへサラ金の取立て屋に扮したクレイが登場.今月中に払えと言い, オショウをぶん殴って帰って行った.それを見た佐々木はオショウに声をかけた. オショウは500万借りていると言うと佐々木は見事に引っかかり,野口に連絡. ちょうど明美が志村を連れて遠出するので,それを狙えと野口は指示した. 佐々木はオショウに金を見せ,仕事を依頼した. オショウは夜までここに待機しろと命じられた.オショウは車に戻って無線連絡.
オショウ「トラトラトラだ.」
タイガーキャブの車は産業ロボットの操作により, 緑ナンバーから白ナンバーに変えられ,ボンネットから虎のシールがはがされ, 虎のエンブレムが屋根からはずされ,色も塗り替えられた. そしてハングマンは出動した.

ハンギング

その晩.志村は明美を連れてロールスを出ようとした. 車に乗ろうとした志村と明美にサファリとジャッキーが声をかけた. その後,車は発進.赤い車とオショウの乗る車が発進した. 実は「志村の車」に乗っているのはサファリとジャッキー. オショウの車が「志村の車」の前に割り込み, さらにオショウの車の前に赤い車が割り込んだ.そしてトラックが出動. トラックが「志村の車」の横についた.
サファリ「逃げ場を塞ごうってわけか.」
オショウ「さあ,そろそろだよう.」
そして野口の指示で赤い車が急停車.オショウもサファリも急停車. しかし,追突事故は起きなかった.トラックも止まった.
オショウ「あぶねえじゃねえか.急ブレーキ踏みやがって.」
山崎「何言ってんだ,ドジ踏みやがって!」
と言うやいなや,山崎は眠らされてしまった. さらにトラックに乗っていた男達はサファリに殴り倒された.その頃,野口達は
野口「連絡が切れたぞ.」
佐々木「ひどくぶつかったかなあ.」
まさこ「事故が酷ければ酷いほど,取れる金が大きいってわけねえ.」
そこへ
クレイ「残念でした.ドライバーの腕が良すぎてねえ.」
佐々木「誰だ?」
クレイ「タイガーキャブからお迎えに参りました.」
野口「タイガーキャブ?」
3人ともクレイに倒された.

次の日.アパートに帰ってきた西城みちこは手紙が来ているのをみつけた.
サファリの声「あなたのお父さんを殺した犯人に審判が下されます. 本日,午後2時,次の場所へおいで下さい.」
場所は「神奈川県・大井松田カートランド」

さて大井松田カートランドでは悪党達がゴーカートに載せられていた.
サファリ「さて諸君.ゲームを始めよう.楽しいゲームだよ. 充分に楽しみたまえ.」
トラックを運転していた悪党達はドラム缶に縛り付けられていた.
サファリ「これからルールを説明する.後ろを見たまえ. あのゴーカートにはダイナマイトが積んである. リモコンで動くが君達のカートにぶつかれば爆発する. 勿論,君達は木っ端微塵に吹っ飛ぶだろう.それでは始めよう.いいかね. しっかり運転したまえ.」
悪党達は手錠でゴーカートにつながれていたため, ダイナマイトから逃げるために一生懸命ゴーカートを運転するほかなかった. ダイナマイトを積んだゴーカートは時々ドラム缶につながれた悪党達のわきも 通った.野次馬が集まってきた.その中にはみちこの姿も見える.
サファリ「さあ,君達の犯罪行為を全て打ち明けてもらおうか. 貴様達がサラ金地獄に追われる人達を甘言で釣り, 交通事故に見せかけて保険金を奪い, 示談金と称して追突者から多額の金を奪ったことはわかっているんだ.」
野口「ただの脅しだ.」
佐々木「何も喋るな.」
サファリ「よーし,脅かしじゃないことを証明しましょう. よくダイナマイトの積んだカートを見るんだ.」
サファリがスイッチを入れると同時にダイナマイトを積んだカートは爆発した. それを見た悪党達は叫び声をあげた.そこへもう一台のカートがやってきた. もちろん,ダイナマイトを積んだカートだ.
野口「ああ,来たあ.」
慌てて悪党達は発進した.助けてくれえと叫びながら逃げ回る悪党達.
サファリ「お前達は金で釣って仲間に引きずり込み, 用済みとなれば虫けらのごとく殺してしまう.誰が西城を殺した? 言え!」
山崎「佐々木が注射で毒殺したんだあ.」
佐々木「俺じゃなーい.俺じゃなーい.俺は社長命令でやっただけだあ.」
野口「馬鹿.何を言う.わしゃ知らん.」
サファリ「マダムはターゲットの客に女を与え,強請る材料に使った.」
まさこ「助けてえ.社長に言われたことをしたまでよ. あたしは知らないわー.」
まさこの脇をダイナマイトを積んだカートが走り去り, まさこは恐怖におののいた.
野口「まさこ,わしを裏切る気かー.」
山崎「全ての計画は社長と佐々木がやったんだあ.」
野口「山崎ー! あー.」
野口の真後ろにダイナマイトを積んだカートが迫っていた.
サファリ「野口げんぞう,吐いたらどうだ?」
野口「わかったー.話すー.保険金詐欺と強請りはわしがやったんだ. みんなも一緒なんだよー.」
ダイナマイトを積んだカートが止まった. 野口はカートを止めたが,恐怖でしばらく動くことができなかった.
クレイ「吐きましたよ.」
オショウ「つねさん,成仏してくれ.」
サファリ「ギルティー.」
悪党達の乗ったカートが急に動き出した.リモコンで操作されており, 悪党達の踏むブレーキは全然利かなかった. そして悪党達は別の悪党が縛られたドラム缶にぶつかりクラッシュ. それを見た野次馬は大笑い.去って行くハングマン. 入れ替わりにパトカーと救急車がかけつけた.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp