第十三回

中東の政治家を暗殺する一味を叩き潰す
裏切り警官あぶり出し作戦

脚本:田上雄 監督:小澤啓一

埋立地でイスマイル副議長の写真を的に男が射撃の腕を見せていた. その様子を写真撮影している男がいた.その時, Mr.X から射撃の腕を検分していた男が, 警察がマークしてるという情報を得た.男は写真撮影している男を確認. 写真撮影した男の頭を撃ち抜かせた.写真撮影した男のカメラは外に転がり落ち, 男の車は炎上してしまった.

さてマイトはテニスのコーチをしていた.
マイト「ほら,ほら,行くよ.はい.」
マイトがサーブをしたが, 相手の若者はマイトのサーブを打ち返せずに倒れこんでしまった.
若者「ああ,恐いよ.」
若者は二本目のサーブも打ち返せなかった.
マイト「いかんな,いかんなあ.全然いかん.すぐに行くよ.」
若者は三本目のサーブも打ち返せずに倒れこんでしまった. 見かねて若者の母親がやってきた.
母親「まあ,健ちゃん,大丈夫.」
健ちゃん「マーマ,マーマ,ここいたーい.」
母親「救急車,救急車,呼んで下さい.救急車よ.」
過保護な母親にマイトは呆れた.
マイト「何が救急車だ.これはゴムですよ,ゴム.まったくもう.」
母親「あなた,もう少し優しく教えてもらわなくちゃ困ります. 健ちゃんは大学入るまでの10年間,一切激しい運動はさせてないんですから.」
マイト「テニスが無理だったら,羽子板から,ラジオ体操から始めなさい.」
母親「まあ失礼な. うちの子はテレビゲームのテニスでは人に負けたことがないのよ.」
健ちゃん「そうだよ.」
マイト「今度は私のゲームセンターにいらっしゃい.ね.」
そこへ呼び出し放送が.
放送の声「インストラクターの日下部さん.お電話が入っております.」
電話はタミーからだった.
タミー「どう,テニスのコーチは楽しい?」
マイト「何でも仕事となりゃ,楽じゃない.」
タミー「もっと楽しくない本職のお仕事よ.今から1時間以内にオフィスに集合.」
タミーはヨガのバイクに乗ってオフィスへ向かった. その後をデジコンの車もついていった.

仕事開始

オフィスにオショウを除く4人のハングマンが集合した. ゴッドが指令を説明する.
ゴッド「昨日の午後,警視庁警備三課の石川と言う敏腕刑事が殉職した. これを見てもらおう.」
ゴッドは石川の写真を映し出した.
ゴッド「死因は事故による焼死と見られていたが, 司法解剖の結果,頭部から高性能ライフルの弾が摘出された.」
マイト「狙撃されて車の運転をミスったんだなあ.」
タミー「殉職と仰いましたが,どんな任務についていたんですか?」
ゴッド「イスマイル副議長の暗殺計画を内偵中だった.」
デジコン「イスマイル副議長?」
ゴッド「そう.中東の石油産出国イラビアの政治家だ.」
ゴッドが戦争の映像を映し出した.
ゴッド「諸君も知っている通り,イラビアではここ数年内戦が続いているが, 今度,日本の財界人グループが調停役となって, 秘密裏に和平交渉が行なわれることとなった.」
ヨガ「何千キロも離れた国のトラブルになぜ財界人グループが.」
マイト「内戦が続く限り石油が手に入らない. つまりエコノミックアニマルの論理さ.」
ゴッド「政府側の代表はすでに東京の大使館に到着し,厳重にガードされている. 後は反政府側の代表であるイスマイル副議長の到着を待つばかりだ.」
ゴッドはイスマイル副議長の写真を映し出した.
デジコン「そういう人物の暗殺を謀るとは, どうやら和平交渉の妨害が目的と見ていいようだなあ.」
ゴッド「和平が成立しなければまた多くの人命が失われる. そこで君達の任務だが,暗殺を未然に防ぎ,一味の正体を突き止めることだ.」
ヨガ「具体的にはどう動けば?」
ゴッド「ここに石川刑事が写したフィルムがある. 現場付近でみつかったキャメラから回収したものだ.」
ゴッドがフィルムの中身を映し出した. 一味の二人のほか,車のナンバーの一部が写されていた.
ゴッド「マイトとヨガはこの写真を手がかりに一味を追求することだ. デジコンとタミーは, 警視庁警防課に内々に設置されている警護団とドッキングして, イスマイル氏の身辺警護に当たること.」

ゴッドの指令に基づき,デジコンとタミーは警視庁に向かった. 警視庁についたデジコンとタミーを出迎えたのは警防課の龍村(三ツ木清隆). 彼の妻は殺された石川刑事の妹だった.つまり石川刑事の義理の弟だ. 龍村は課長の磯貝(早川保)に, 財界人から差し向けられたボディーガードであるデジコンとタミーを紹介した. 磯貝は素人のデジコンとタミーに露骨に嫌味を言った. そこへ龍村の妻が龍村を石川のお通夜のために出迎えたのだ.だが龍村は断った. 龍村は成田までイスマイルを迎えに行くことになっていたのだ. 龍村の妻は帰っていった.それを見たデジコンが龍村に言う.
デジコン「お通夜ぐらいは行ってあげても. 義理の兄さんを殺された悔しさはわかるが,今は冷静にならないと危険だ.」
龍村「わかってます.だが死んだ義理の兄は職務に忠実な男でした. それに戦争で父親を亡くしてるだけに和平交渉の成功を願っていたんです.」
デジコン「それじゃあ,あなたは石川刑事の意思を継ぐ為に…」
龍村「ええ.自分はなんとしてでもイスマイル氏を守り抜く覚悟です.」

さてマイトは車の所有者の元へ向かっていた.
ゴッドの声「例の写真のナンバーから所有者が割れた.立花マリ(奈美悦子). 最近ファッション関係で名前が売れ始めた女流事業家だ.」
マイトは立花のオフィスを訪れた. マイトは名刺代わりにあの二人が写っている写真を秘書に渡した. 立花はマイトを通した.マイトはこの写真に写っているのは何者だと聞いたが, 立花は車が盗まれたと答えてマイトを叩き返した. だが立花は早速どこかへ電話した. そして立ち去ったマイトを誰かが尾行していた. マイトは一芝居打つので例のところで待っていろとヨガに指令した. マイトは急停車した.
マイト「ああ,ああ,ああ.俺に何の用だ.」
マイトは車に乗っていた二人組の男を撃退.
マイト「イスマイル氏暗殺を企んでいるのはお前達だろう.」
マイトは男の一人(きくち英一)を痛めつけるが,男は吐こうとしない.
マイト「言え,こら.」
もう一人の男がマイトを殴り,男達は逃げ去った.
マイト「ヨガ,作戦通りだ.あとは頼む.」
早速ヨガがバイクで男達を追跡した. 男達は立花のオフィスのあるビルに入り込んだ. 男達は立花のオフィスの上の階にオフィスを構えていたのだ.

イスマイル氏が成田空港に到着した.龍村が説明したルートを見て, デジコンは危険だと言う. 暗殺者にとって有利な条件が揃いすぎていると言うのだ. そこで龍村はもっとも危険率が低いとデジコンが算出したルートに変更した. だがコース変更の報せは漏れていた. マイトを襲った男達のいた金森プロダクションに, Mr. X から電話で報せられたのだ. 早速ヨガが金森達(根岸一正,きくち英一ら)を追いかけるが, 見事に巻かれてしまった.その頃,イスマイル氏は東京へ向かっていた. 金森達はコースの途中で待ち伏せていた. そして高速道路の橋の上からイスマイルを狙った.タミーがそれを発見. デジコンが無線で報せ,刑事の一人が盾になってイスマイル氏の命を守った.

このことを磯貝は問題にした. 龍村はなぜルートが漏れたのかが問題だと反論した. 石川が暗殺された件も内通者がいると考えれば辻褄が合う.が, 磯貝はそんな奴がいるはずがないと言った. そしてデジコンとタミーに二度と姿を見せるなと伝えろと龍村に命じた. デジコンは茶室でゴッドにお詫びしていた.
デジコン「申し訳ありませんでした.」
ゴッド「どうやら,敵に内通するスパイがいるようだな.」
デジコン「はい.」
ゴッド「じゃなければルートが知れるはずがない.」
デジコン「で,私は.」
ゴッド「この際,君に責任を取ってもらってハングマンを辞めてもらう.」
デジコンの表情が険しくなった.

その頃,esquire clubで.
マイト「いったい,誰が何の目的でイスマイルを暗殺しようとしているのか, さっぱりわからん.」
タミー「和平交渉に反対する政府側の要人が動いているのでは?」
マイト「いや.それならもっと組織的な方法をとるはずだ. 今度のやり口は暗黒街の連中と同じだよ.」
タミー「それじゃあ,政治的な動機はないというわけ?」
マイト「多分なあ.俺の感では大掛かりな金儲けが絡んでいるはずだ.」
タミー「どんな金儲け?」
マイト「そこまではわからん.立花マリと金森がオフィスを構えている, あのビルの中で何かが進行していることは確かだ.」
そこへヨガがやってきた.
ヨガ「やっぱりここだったね.」
タミー「ヨガ,珍しいわね.お酒に無縁なあなたが.」
ヨガ「ゴッドから連絡が.デジコン,首にしたそうだ.」
驚くマイトとタミー.

立花は金森にアラビア船舶の株価を確認していた. 立花と金森はアラビア船舶の大株主だった. アラビア船舶はイラビア政府にチャーターされて武器や弾薬を輸送していた. つまり内戦が続く限り,アラビア船舶は儲かる. だから和平交渉が成立して戦争が終われば仕事がなくなり,株価が下がる. だからこそ,是が非でもイスマイル副議長に死んでもらわないと困るのだ. そこへデジコンがやってきた.デジコンは酒をラッパ飲みしていた.
デジコン「金森さんだね.」
金森「これはいったい,何の真似だ.」
デジコン「ほんのお礼参りだ.お前さん達のおかげで俺は組織を首になった.」
金森「組織を?」
デジコン「おまけにプライドも傷つけられたよ.」
デジコンは酒をラッパ飲みした.
デジコン「頭に来るぜ,頭によ.」
金森「何のことかさっぱりわからんが,私にいったい何する気だい.」
デジコン「俺を狙撃手に雇ってくれ.」
金森「あんた,相手を間違えてるんじゃないか? 私はモデルを斡旋するプロダクションの社長だ…」
デジコン「とぼけるのはよせ.お前さんがそこにいるエテ公を雇って, イスマイル副議長を暗殺しようとしたのはわかってるんだよ.」
またデジコンは酒をラッパ飲みした. 金森はデジコンの背後にいた「エテ公」に目配せして, ライフルをデジコンに向けさせたが,デジコンは酒瓶でライフルを叩き落した. そしてライフルを拾おうとした「エテ公」の手を踏んづけた.
デジコン「こいつの右手はもうライフルは使えないなあ.」
デジコンは金森の部下も撃退した.デジコンはライフルを手にとった.
デジコン「代わりがいるってなら今のうちだぜ. お望みなら腕前をご披露しようか?」
デジコンはライフルを金森に向けた.
金森「待ってくれ.私の一存では決められない.明日の朝, もう一度出直してくれ.」
デジコン「いいだろう.こいつは預かっておくぜ.じゃあ,待ってるぜ.」
デジコンは帰っていった.金森はデジコンの後をつけさせた. デジコンは地下駐車場でタミーとヨガに遭遇した. そしてデジコンはタミーとヨガに一味に入ると告げた.
タミー「何ですって.それじゃあ,あなたは連中の一味に加わる気?」
デジコン「まあ,そういうことだな.」
ヨガ「デジコン,本気かよ.」
デジコン「もちろん.お前達とは今日限り敵味方だからなあ.」
デジコンは去ろうとしたが.
ヨガ「待て.」
デジコン「まだ何か用か?」
ヨガ「俺はあんたを見損なってた.根性叩きなおしてやる.」
ヨガはデジコンを殴った.それを金森の部下が目撃した.
ヨガ「もっと殴ってやる.」
タミー「ヨガ,こんな人相手にしてもしょうがないわ. それより警察に報せましょう.さあ.」
立ち去るヨガとタミー.デジコンはヨガの背中に二発ライフルをお見舞いした.
タミー「ヨガ,しっかりして.」
なおもヨガとタミーをデジコンは狙った. それを見届けた金森の部下は金森に報告.金森は Mr. X に報告することにした.

さてイスマイル氏が泊まるホテルで指揮を取っていた磯貝に電話がかかってきた. 磯貝は自室に電話を回すように言った.それを見た龍村は不審な顔. 磯貝は自室で電話を取った.電話は金森からのものだった. デジコンが狙撃手として雇ってくれとやってきたこと, そして狙撃手の赤塚が右手を骨折して使い物にならないことを, 金森は磯貝に報告した.磯貝は金森にデジコンを雇うことを許可した.
龍村「案の定,あなたが情報提供者だったんですね.」
磯貝は驚いた.
龍村「正直言って,前からあなたを疑ってたんです. でもそうであって欲しくなかった.」
磯貝「龍村君,これにはいろいろわけが…」
龍村「言い訳は聞きたくありません.出るべきとこへ出て,釈明してください.」
龍村は磯貝に手錠をかけようとした. だが磯貝が素早く拳銃を出し,龍村の額の前で拳銃を止めた.
龍村「課長,今更悪あがきしても…」
磯貝「うるさい.」
磯貝は龍村の手錠と拳銃を取り上げた.
磯貝「後ろを向くんだ.」
龍村は後ろを向き,磯貝は龍村の背中に拳銃を突きつけた.
磯貝「一緒にきてもらおう.」
磯貝はホテルの屋上へ龍村を連れ出した.
龍村「私をどうしようって言うんだ.」
磯貝「ここから飛び降りて自殺してもらう.」
龍村「私には自殺する理由がない.」
磯貝「いやあ,ある.狙撃犯の一味に内通していた事実がばれて, 自らその責任を取った.新聞にはそう発表するつもりだ.」
龍村「卑劣だ.自分の罪を私になすりつけようと言うのか.」
磯貝「そういうこと.ま,身の不運と諦めるんだな.」
磯貝は高笑いした.その隙をついて龍村は飛びかかろうとしたが, 磯貝に殴り倒されてしまった.そして磯貝は龍村を屋上から突き落とした.

次の日.ゴッドが立花マリと金森がともにアラビア船舶の大株主だったことを, マイトに伝えた.それでマイトにも事件の動機が読めた. 続けてゴッドは龍村の容態を伝えた.幸い一命は取り留めたが, 全身打撲で意識は混濁, おそらく一生植物人間として送らなければならないだろう. マイトは龍村が情報提供者であるとは信じられなかった. そこで事実関係を確かめるために, 最初の方針通り作戦を決行することをゴッドは指示した.

さて,デジコンは金森と一緒にイスマイルを狙うために, ホテルの向かい側のビルにこもっていた.
デジコン「弾は二発にしてくれ.」
金森「一発じゃ自信がないのか?」
デジコン「いや,そうじゃない. もう一人お見舞いしてやりたい奴がいるんだよ.」
金森「もう一人? 誰だ?」
デジコン「磯貝課長さ.奴には散々馬鹿にされたからなあ. この際,イスマイルと一緒に片付けてやる.」
金森の顔色が変わった.
金森「いかん.それは絶対にいかん.」
デジコン「なぜ? あんた達だってサツが嫌いなはずだぞ.」
金森は無言だ.
金森の部下「おい,出てきたぞ.早くしろ.」
デジコン「やだね.なぜ磯貝課長を撃っちゃいかんのか, その理由を聞くまでは動かんよ.」
ついに金森が白状した.
金森「磯貝さんは我々の味方だ.」
デジコン「なんだと? ホントか?」
金森「あの人は我々に情報を提供してくれたんだ.」
デジコンはにやりと笑った.
デジコン「そいつが聞きたかったんだ.」
金森「何?」
デジコン「俺はお前達なんかに雇われる気は全くないってことさ.」
金森「それじゃあ,組織を首になったって言うのは…」
ヨガ「お前達を信用させるためのお芝居さ.」
ヨガが登場した.デジコンは金森の部下をライフルで殴り倒していた.
デジコン「警護団の中にスパイがいるのはわかってた.しかし, それが誰かを知るためにはお前達の一味になるのが一番の早道だったんだよ.」
部下「しかしお前は確かこいつを.弾が当たるのを見たんだよ.」
ヨガは防弾チョッキを放り投げた. そしてヨガとデジコンは金森と部下を捕まえた.

さて磯貝はイスマイルが狙撃されなかったのを不審に思っていた. そこへ金森が車で待っていると知らせが入った. 駐車場に向かった磯貝はタミーの撃った麻酔弾で眠らされてしまった.

立花マリはオフィスで金森の帰りを待っていた. 連絡が遅いのでいらいらしていた. 警察に捕まったのではないかという部下の言葉を立花マリは否定した.
立花「予定が変更になったんだわ.」
マイト「そのとおり.大幅に変更されたよ.」
マイトが部屋に入ってきた.
部下「今の言葉,どういう意味だよ.」
マイト「和平会議を妨害し株の値崩れを食い止めようと言う計画は, オシャカになったってことさ.」
部下はマイトに襲い掛かったが,殴り倒された. 逃げようとする立花マリの前にマイトが立ちはだかった.
マイト「女性に手荒な真似はしたくねえが, この部屋もろとも木っ端微塵になるぜ.」
マイトがジャンパーを開けると内側には, 特別太いダイナマイトがたくさん仕込まれていた.

その頃,龍村を妻由美子が一生懸命看病していた. そこへ青い封筒に入っていて蜘蛛が描かれたシールで封をされた手紙,すなわち, デジコンからのハンギングパーティの案内状が届いていた. 由美子は案内状を読んだ.
デジコンの声「本日午後4時,石川刑事殺害,龍村刑事殺人未遂, 並びにイスマイル副議長暗殺未遂の犯人一味に対し制裁の催しが行われます. 場所は下記の地図に示してあります.」
地図が示す場所は銀座四丁目, 「晴海道り」が首都高速の上を渡る個所のそばにある公園だった.デジコン, いくらなんでもこの誤字はみっともないぞ. そしてハングマンは表の仮面を脱ぎ捨ててハンギングに出動した.

ハンギング

さて,明かりがつくと磯貝,立花,金森, そして部下達の五人は小屋に閉じ込められ,柱に縄で縛られていた. 小屋の片一方の壁には黒いカーテンが閉められ, 小さなアームだけのロボットが置かれていた. そして液体の入った小瓶も置かれていた.そこへマイトとヨガがやってきた.
マイト「やあ,お待たせ.そろそろ始めるか.」
金森「何を始めるんだ.」
ヨガ「遊びだよ.」
立花「遊び?」
マイト「そう.命がけのね.」
立花「命がけ?」
磯貝「どういうことだ.」
マイトは懐からスポイトを取り出した. そして小瓶の蓋を開けてスポイトで少し液体を吸わせ,液体を一滴垂らした. 液体は爆発を起こした.
金森「二,ニトロか?」
マイト「その通り.」
マイトは小瓶の栓を閉めた.ヨガは拳銃を取り出した.
ヨガ「これは六連発のリボルバーだ.ここに一発だけ弾を入れる.」
ヨガはリボルバーに弾を込めた.そしてリボルバーの弾倉を回転させた. その音に悪党達はビビリまくった.突然,ヨガは万力でリボルバーを固定.
マイト「見たまえ.この拳銃の銃口はニトロを狙ってる. 弾が当たれば間違いなくこの部屋もろとも諸君も木っ端微塵だ. 引き金はマジックハンドに引いてもらう.弾が飛び出す確率は1/6. 運が悪ければ1回であの世行きだ.つまり,さようなら.」
金森「待て.俺達をいったい,どうする気だ.」
ヨガ「止めて欲しければ,これまでの罪状を洗いざらい, このテープに吹き込むんだな.」
ヨガがテープレコーダーの録音スイッチを入れて悪党達の前に置いた. そしてマイトはロボットのスイッチを押し,ヨガとともに去って行った. デジコンの操作でロボットが拳銃の引き金をひいた.悪党達は緊張する. 一発目は不発だった.ホッとする悪党達. しかし即座に二発目の引き金がひかれた.
金森の部下「やめてくれ.俺は死ぬのはやだ.おい.助けてくれえ. 俺達はイスマイル副議長を暗殺しようとしたんだ.そうだよう.」
だがロボットは止まらない.
金森の部下「俺は死ぬのはいやだ.助けてくれえ.やめてくれ. 俺は死ぬのは嫌だ.おい.助けてくれえ.うわあ.」
二発目も不発だった.立花の部下が腰を抜かした. 全員,溜息をついた.だが三発目の引き金がひかれた.
磯貝「待て.和平会議を妨害して株の値崩れを防ぐのが目的だったんだ. その主犯は立花マリと金森だ.私は金を貰って協力しただけなんだ.」
それでもロボットの動きは止まらない.三発目も不発だった. 磯貝は腰を抜かしてしまった.四発目に入った.
金森「悪いのはこの女だ.計画を立てたのはこの女なんだあ.」
立花「悪いのは私じゃないわ.計画は全員で立てたのよ. お願い,止めて.ロボット,止めてえ.早く.」
ロボットは止められなかったが壁は倒された.野次馬が大勢集まってきた. 龍村由美子も悪党達の顔を見た.そしてパトカーが駆けつけた. デジコンはそれを見届けて去って行った.タミーもヨガも去って行った. そしてマイトは相変わらずテニスに興じていた.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp