第八回

「女子高生売春」の裏に潜む黒い霧を暴く
女子高生ラブホテル殺人事件

脚本:和久田正明 監督:小西通雄

夜のマンション.女(水島美奈子)が帰ってきてエレベータに乗った. すると男が三人強引に乗り込んだ.男達は女を羽交い絞めにし, 女の口を塞ぎ,ビンタし,鍵を奪い,一緒に部屋に入り込んで女を犯した. そして乱暴している様子を写真撮影した.男の一人(内田勝正)が言う.
男「先生.知ってるんだよ. 都内でも有名な名門校鳳女学院の英語担当教師北原高子先生.」
もう一人の男が北原と男性が仲睦まじく写っている写真を北原に見せつけた.
もう一人の男「フィアンセかい,こいつは.」
三人目の男「この激写フィルム,迫力あるからよ,ビニ本一冊こさえられますよ. 名門校の独身女教師,レイプされて,いや,もっと,やめて.」
ひどいという北原に男が女子生徒の写真を見せた.
男「知らないとは言わせないぜ.あんたが受け持っているクラスの生徒, というよりは校長の一人娘だ.あんたに頼みたいことがあるんだけどなあ. この子,外へ連れ出してもらいたいんだよ.」
男は笑った.
男「心配するなよ.誘拐なんかしやしないよ. 黙って俺達の言う通りにした方がいいんじゃないのか.」

カジノ「ダイナ」にて

その頃, マイトとタミーと二人組の女(春やすこ・けいこ)がルーレットをしていた. 結果はタミーの勝ち.悔しがる二人組の女はタミーに悪口雑言の数々. マイトはタミーを連れ出した.
マイト「集合か?」
タミー「集合はまだ.ただある男を内偵中ではあるけどね.」
マイト「誰?」
タミーはマイトを指差した.
マイト「俺?」
タミーはうなずいた.
タミー「内容はマイトの女関係. ただ数が多すぎてかなり時間がかかりそうだけどね.じゃあね.また.」
タミーは去って行った.
マイト「きみこかなあ,さとこかなあ.ひろ子かなあ.」

事件勃発

ある日の放課後,鳳女学院から北原は写真に写っていた生徒笹森を連れ出した. そこにはあのときの男がいた.男は女子高生に関する生態を取材すると称し, 笹森を連れ出した.笹森はホテルへ連れ出され,乱暴された.制服を破られ, 無理矢理犯された.そして笹森は男によって絞殺され, 手に札束を握らされてしまった.この事件は大々的に報じられた.

調査開始

この事件が仕事になった.
タミー「これは都内でも有数の名門校の鳳女学院.そして今の殺された女高生は, ここの生徒で校長の笹森照代(斉藤美和)の一人娘.警察の発表で, この生徒は売春中でモーテルで変質的な客に殺されたことになってるわ.」
デジコン「校長の娘が売春とは大変なことじゃないか.」
オショウ「まったく近頃の娘と来た日には全くもう.」
オショウはあきれ返ったがタミーが反論した.
タミー「いいえ.この女性とは普段から真面目で, もちろん不純異性交遊の前歴はないし,シミの一つもない子よ.」
ヨガ「そんな子が売春を?」
タミー「売春の事実はともかく,母親の校長はとっても良くできた教育者で, 娘がこんな非行に走るような教えはしていないはずよ.」
デジコン「じゃ,どうしてこんなことに?」
タミー「ゴッドは,これは罠じゃないかって言ってるの.」
マイトは鋭い鷹のような眼差しをタミーに向けた.

鳳女学院ではこの事件が問題になっていた. 照代の責任問題に発展していたのだ. 職員会議で照代はボーイフレンド一人いないことを挙げて反論したが, 照代は退職するよう糾弾された.我慢しかねた北原は何か言おうとしたが, やめてしまった. 校長室で照代は「ママへ いいえ 私の尊敬する校長先生へ ユミより」 という書き込みの入った本を見て,涙を流すのであった.その頃, 校長室の前に北原が立っていたが教頭(近藤宏)が来るのをみかけると, 北原は去って行った.そのことが一味の黒幕(北原義郎)に早速伝えられた.

さてマイトは鳳女学院の生徒に探りを入れていた.
マイト「うーん.さあどんどん飲んで,どんどん食べちゃって. それにしても凄いねえ.君達さあ,鳳女学院だって? あそこ都内でも一流だって言うじゃあん.」
女子生徒A「女のエリートなのでーす.」
女子生徒B「厳しい校則にもめげず遊ぶのが好きなのでーす.」
女子生徒C「このままぶりっ子して大人になりたくないのでーす.」
女子生徒達は「ですう.ですう.ですう.」とコーラス.
マイト「はい.そう.凄くうまいじゃん.それどう.音楽.」
マイトは女子生徒達とじゃれた後で核心に入った.
マイト「それでさあ,新聞見たんだけどさあ,お宅たちの学校の事件.」
女子生徒C「ユミかわいそう.」
女子生徒A「ふれないで,そのことには.」
マイト「わかった,わかった,わかったから,ね. それでさあ,先生でいやな奴いるだろうねえ.」
女子生徒A「はい.」
女子生徒の一人が挙手した.
マイト「はい,君.」
マイトが挙手した女子生徒を指した.女子生徒は立ち上がった.
女子生徒A「私さあ,今度校長になるって言う教頭の吉田,大っ嫌い.」
女子生徒B「私も嫌い.」
女子生徒C「私も大っ嫌い.」
女子生徒は全員立ち上がった.
マイト「どうしてえ.」
女子生徒達「虫が好かないのです.」
マイト「座って.」
女子生徒達は座った.
マイト「その次は?」
女子生徒A「先生じゃないけど,区会議員やってる理事長の宇田川.」
女子生徒C「あいつ,大っ嫌い.」
マイト「ねえ,ねえ.どうしてそんな嫌いなのう.」
女子生徒C「だってさあ,威張っててさあ,うちの学校, 自分の持ち物みたいに思ってるのよねえ.」
女子生徒A「そう,そう,そう.校則なんかもさあ, 理事会動かして勝手に決めちゃうんだよ.」
マイト「そう.」
女子生徒A「笹森校長が今まで私達の味方してくれたんだけど, 今度は宇田川の天下よ.もう最悪.」
女子生徒B「帰ってきてほしいなあ,笹森校長に,ねえ.」
女子生徒C「悪いのは理事長の宇田川よ.あいつが一番悪いのよ.」
マイト「そう.そいじゃあ,わかったよ. 悪いのは教頭の吉田と理事長の(突如口調を変えて)宇田川だあ.」

一味の黒幕宇田川の屋敷を照代が訪れていた.宇田川は慇懃無礼に出迎えた. 照代は一つだけ宇田川に頼みたいことがあるため来たのだ.
照代「あたし前から,理事長としてのあなたの運営方針とは逆の道を歩んで まいりましたが,辞めるに当たってはっきり申し上げておきますが, あなたの金儲け主義をこれ以上…」
宇田川「私には理事会の支持がある. あんたにとやかく言われる筋合いはないよ.」
照代「その理事会も,いいえ教師さえもあなたは自分の意のままにしている. 自由でのびのびとした生徒を育てると言うのが, 鳳女学院の長く受け継がれた精神です.どうか, これだけは守っていただきたい.」
宇田川は冷笑し,冷たく言い放った.
宇田川「もうあんたがそんなことを心配する必要はないだろう. 話はわかったよ.おい,校長先生はお帰りだ.」
照代が帰った後,教頭の吉田が姿を現し, 校長を自分にしてくれと宇田川に頼み込んでいた. そして宇田川は北原に注意するよう, あのときの男(内田勝正)に釘を刺していた.

その頃,デジコンは北原に接触していた. デジコンは笹森ユミの中学のときの担任だと名乗り, ユミが売春をしているのは信じられないと言った. そしてデジコンは北原に何か事情を知らないかと聞いた. だが北原は体調が悪いと言って断った. マンションに戻った北原がエレベータを開けると, あのときの男がいた.そして北原の部屋で男は北原に迫っていた. 男は北原が書いていた照代宛のメモ書きを見つけると北原をビンタし, 写真をたてに脅迫した.だが北原は部屋を逃げ出し,屋上へ登り, 身を投げてしまった.デジコンがマンションに駆けつけたときは, 北原が死んだ後だった.だがデジコンは怪しい男が出てくるのをみかけた. そこでデジコンは男を尾行した.男が尾行されているのに気がついたので, 途中でヨガのバイクと交代.ヨガは男の事務所を発見.デジコンに報せた. 男は窓からデジコンの姿を見かけ, 部下と一緒にデジコンを締め上げるために外へ出た. その隙にすかさずヨガが事務所へ潜入し, 北原を脅迫するのに使った写真を発見した.
ヨガ「こういうことか.」
そしてヨガは写真をカメラに収めたのであった.

照代はユミの墓に花を供え,線香をあげていた.そこへマイトがやってきた. マイトは照代に北原高子が自殺した事件を報じた新聞を見せた.
照代「あなたは?」
マイト「草野と申します.公にはしていませんが, 北原高子とは将来を誓い合っておりました.」
照代「まあ,それは.わたくしもそれを知ったときは驚きました.」
マイト「どうしてこんなことに. 校長先生,あなたなら何かわかると思って参りました.」
照代「わたくしがこうして学校を辞めたのは,いえ,娘の不始末のせいですが, それ以外にも…」
マイト「おっしゃってください.」
照代「いえ,それはちょっと.」
マイト「校長先生,もしかして理事長の宇田川さんのことでは. そうなんですね.」
照代「前からあの方とは意見が合わなくて.ああいう方ですから, 何度かあたしに辞職を迫りました.そのためにあたくし戦ってまいりましたが, でも今度だけは,やはり負けますわね.」

マイトはタミーに宇田川を当たるように指令を出した. 早速タミーはマッサージ師に化けて宇田川に接近した. 宇田川は美人のマッサージ師が来たので大喜び. タミーはトイレへ行く振りをして宇田川の家の電話に盗聴機を仕掛けた. 早速マイトが盗聴した.男が電話してきた.
宇田川「はい,私だ.」
あのときの男「あ,夜分にどうも.江崎ですが.」
宇田川「ほう.」
江崎「例の三千坪の敷地の件ですが…」
マイト「三千坪だと? なんのことだ.」
江崎「二,三の大手筋にそれとなく当たってみたところ, やはり45億はくだらないそうです.は,は. どこも目の色を変えて欲しがってますよ.」
宇田川「は,は,そうか.」
江崎「ところで,先生にちょいと相談があるのですが.」
宇田川「何だね?」
江崎「一年後に45億貰うまで,こちらの懐が持ちそうもないのですよ. ほんの二,三千万都合してもらえませんか.」
宇田川「いやあ,それはちょっと.私もこのところいろいろと物入りでねえ. 今無理だなあ.」
江崎「そうですかあ.そこんとこ,何とかなりませんか?」
宇田川「しつっこいね,君も.無理と言ったら無理だよ.」
江崎「わかりました.」
宇田川「目前の45億だ.もう少し我慢しなさい.」

ゴッドのオフィスでオショウを除く4人のハングマンが盗聴テープを聞いた. タミーの調べでとんでもないことがわかった. 宇田川は鳳女学院を千葉のはずれに移転する計画を持っていた. 千葉の安い土地はすでに購入して登記も済んでいた. だが移転は名目だけで事実上,宇田川は鳳女学院を潰す気だった. 名門の子女がそんな田舎には通えない.要は都内の一等地にある学院を売却して, 45億円を手に入れることが狙いだったのだ. しかも理事も教師も大半は宇田川に抱きこまれている. 反対していたのは照代と北原だけだったのだ.
マイト「よーし,オショウに連絡しろ.」
その頃,オショウは…

今週のよね子 その1

オショウ「奥さん,すいませんけど,電話出ていただきませんか?」
だが,よね子は襖や雨戸を閉めるのに夢中で取ろうとしない.
オショウ「ちょっと,奥さん,電話鳴ってんですけどねえ.」
オショウはよね子によって柱に縄で縛りつけられていたのだ.
オショウ「なんっすか,表明るいってのに雨戸閉めて.電話.」
よね子「はいはい,出ますよ.」
よね子は受話器を取ったが,すぐに切ってしまった.
よね子「出ましたよ.」
オショウ「奥さん,檀家に死人でも出たら,坊主としては, お経あげに行かきゃいけないんですよ.」
よね子は縛られているオショウのところへ駆け寄った.
よね子「死人はあたくしです.」
オショウ「え?」
よね子「今日こそ,和尚様に,死ぬような思いさせていただきます.」
よね子はオショウに抱きつき,オショウは叫び声をあげた.
オショウ「ちょっと.奥さん.」
よね子「もう,駄目.」
オショウ「よ.」
オショウはよね子の腹を膝蹴りした.するとよね子は伸びてしまった.
オショウ「ああ,ごめんなさい.」
オショウは縄抜けした.
オショウ「奥さん,ごめんなさいね.痛い思いさせて.今度ゆっくりね. ああ,寝顔がかわいい.」
懲りないオショウはよね子にキスして出て行った.

マイトは吉田に文具屋と称して会い,千葉に移転話が出ていることを話した. そのことを知らなかった吉田は宇田川に詰め寄った. 宇田川は馬鹿馬鹿しいと言って取り合わなかった.その後, 宇田川は江崎に吉田を監視するように命じた. 早速吉田を見張りに出ようとした江崎の部下は地下駐車場でヨガに倒された.
ヨガ「お前達の行き先は桜田門だ.」
そしてタミーは宇田川から情報を得たと称して例の写真を江崎に見せ, 江崎に500万を要求した.不審に思う江崎. そして宇田川の事務所にデジコンとヨガが乗り込み, エアコンから催眠ガスが噴射されるように細工を施した. さらに時限装置と盗聴マイクをセットした.早速マイトが宇田川に電話した.
マイト「あのう,私,先生の事務所のあるビルの管理人なんですが,あのう, 今,先生の事務所のところで変な音がしたんで私が覗いてみたところ, おかしな連中が部屋の中かき回してるんです.あのう,私でよかったら, 警察に連絡をしてみましょうか?」
宇田川は騙され,事務所へ向かった. 吉田のところにも宇田川の秘書と称するものから, 宇田川の事務所へ来いと電話が入った.

まず事務所に江崎が入った.そして江崎は机を探し回った. 江崎はエアコンのスイッチを入れた.そこへ宇田川が現れた. 窓から覗いていたデジコンが録音スイッチを押した.
宇田川「何をやってるんだ,江崎?」
江崎「理事長,きたねえじゃねえか.あんた,俺を騙したな.」
宇田川「何?」
江崎「俺は今まであんたを信じて尽くしてきたつもりだ. そのためには随分と手を汚してきた.校長の娘を殺したのも女教師を犯したのも, みんなあんたの指図じゃないか. 学院を売っ払って儲けた金を俺にやるのが惜しくなったのか!」
宇田川「ちょっと待て.それより,お前,どうしてここへ?」
江崎「とぼけるない.安っぽい女,使いやがって.」
宇田川「女?」
怒った江崎は何も事情を知らない宇田川の胸倉をつかんだ.
江崎「ふざけるな.その女に写真を渡して俺をゆすろうなんて, そうはいかねえ.」
そこへ吉田が入ってきた.
宇田川「吉田君.」
吉田「みんな聞きましたよ,理事長. あんたはやっぱり,私を校長にするなんてうまいこと言って.」
宇田川「何? いやいや,それはだなあ,吉田君.」
江崎「金を独り占めにさせねえぞ.」
ここでデジコンとヨガは車に戻った.
デジコン「よーし,催眠ガスを入れるぞ.」
ヨガ「Ok!」
デジコンがスイッチを入れ,催眠ガスが噴射された. そして三人は眠り込んでしまった.

笹森照代が郵便物をポストから取り出した.郵便物の中に黒い封筒に入っていて, 導火線に火のついたダイナマイトを手に持ち, 葉巻をくわえたギャンブラーが描かれたシールで封をされた手紙,すなわち, マイトからのハンギングパーティの案内状も入っていた.照代は案内状を読んだ.
マイトの声「明日,午後4時に鳳女学院の体育館へおいで下さい. 伝統ある鳳女学院を, 邪悪な欲望で汚そうとした悪党たちのエンディング・ショーが見られます.」
そしてハングマンは表の仮面を脱ぎ捨ててハンギングに出動した.

ハンギング

鳳女学院の校内放送で,宇田川達が喧嘩をしているときのテープが流された. 生徒達は体育館へ向かった.体育館には宇田川達が縛られていた. 宇田川達はハンドボールのゴールで四方を固められていた.生徒達, そして照代は「俺は関係ないんだ」という江崎や吉田をしばらく見ていた.が, 生徒の一人がボールを投げると同時に,生徒達はどんどん宇田川,江崎, 吉田に向けてボールを投げ始めた.それを見る照代. すると生徒が照代を見つけた.生徒達はボールをぶつけるのをやめ, 照代の元へ集まってきた.
照代「これで,これでやっとユミは…」
パトカーと入れ替わりにヨガが校門を出た.デジコンはヨガとすれ違った.

今週のよね子 その2

よね子「和尚様,お待ちになって.」
多摩川の土手をオショウが逃げ,よね子が追いかけていた.
よね子「あたくしもう駄目ですわ.和尚様.」
オショウは前から転がってきたテニスボールを拾い,コートの方へ放り投げた.

そして…

マイトはタミーとテニスに興じるのであった.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp