第二回

悪徳政治家の愛人の娘と悪徳政治家の悪事を追及するジャーナリストとの 道ならぬ恋を手助けする.
女王がなめた苦い水

脚本:鴨井達比古 監督:永野靖忠

川瀬の屋敷.娘の典子は親子三人で写っている写真を破り捨て, 家を出るために荷物をまとめていた.そこへ母親がやってきた. お父さんを裏切るのかという母親に対し, 典子は父親が本当の父親ではないことを知っていると言った. だが典子が家出を決意したのは別の理由だった. 彼らとは別の世界で生きたいと言うのだ.そして典子は出て行った. 母親は男(今井健二)に手筈通りやれと命じていた.男は部下に典子をつけさせた.

その頃,週刊スティングの副編集長宮地洋平(森次晃嗣)は編集長に辞表を提出し, テープを編集長に託していた.それを典子の母親の手のものが見ていた. そして宮地は喫茶店で典子と会っていた.
宮地「後悔しないね.」
典子「しないわ.ついて行くって決めたんですもの.」
宮地「離婚手続きも終わったし,辞表も出した. 例のテープも編集長に渡してきたよ.」
宮地は懐から航空券を二枚取り出した.
宮地「飛行機は9時半.明日の朝パリだ.二人から0からスタートする. 再出発だ.」
典子「きっと,幸せになれるわね.」
宮地は自動車を取りに地下駐車場へ向かった. それを典子の母親の部下(二家本辰巳)が見ていた.

典子が喫茶店の外で待っていると爆発音が.宮地の車が爆発したのだ. 典子が駆けつけると宮地ともう一人の男が倒れていた. 典子は宮地を介抱しようとするが,車で連れ去られてしまった.

ダイナにて

コマ劇場脇の新聞売り場でマイトが買った新聞では, あのときの爆発でもう一人の男が死んだと報じていた. ダイナでは外人の二人組(浮世亭ジョージとニック・バレンチーノ)が, チンピラ達に殴られていた.
チンピラ「おら,起きてみろ.ふざけやがって,こら.」
外人「別にふざけてまへんがな.」
チンピラ「なんでダイヤのAが二枚あるんだ.」
外人「それはやねえ,カードの製造元がまちごうとるんや.」
チンピラ「何が製造元だ,こら.」
チンピラ達はまた外人をぶん殴った.
外人「こら,なめたらあかんで,ほんま.」
外人「ええかげんにせえよ,ほんまに.」
外人「わいら二人を誰やと思うとんねん. わいらはほんま言うたら悪いけどなあ,本場マフイアのなあ…」
外人「マフイアのなあ.」
外人「そら,わかっとんのか.」
チンピラ達にこのハッタリは通用せず,外人達はまたぶん殴られた. そこへマイトが登場.
チンピラ「なんだ,お前は.」
マイト「俺がマスターだ.」
チンピラはマイトに軽くあしらわれた. ナイフを出したチンピラはナイフを奪われ,手を机の上に置かされた. 指と指の間を指したり抜いたりする早業をマイトに見せ付けられて, チンピラはビビリまくった. さらに逃げようとしたチンピラに向けてマイトが投げたナイフは, チンピラのネクタイに命中し,壁にネクタイごと刺さった. チンピラ達は逃げていった.
外人「進駐軍,帰れ.」
外人「おまえやで.」
マイトは外人達にカードをくわえさせた.
マイト「二度といかさましたら出入り禁止だ.ええな.」
そこへタミーから電話がかかってきた.

ヨガとデジコン

ヨガのアクセサリー売り場(路上に止めたバイクの上に, アクセサリーを並べただけ)にタミーがやって来た. そしてヨガがバイクで秋葉原へ行くとデジコンが子供を追いかけていた.
ヨガ「みっともないね,ガキ相手に.」
デジコン「何言ってんだ.今取られたのは1個3500円もする部品なんだぜ.」
ヨガ「3500円?」
デジコン「ああ.」
ヨガ「本業の方も忘れないで欲しいね.ゴッドの集合命令だ.」

今週のよね子

妙徳寺でオショウはお経を唱えていた.お勤めをしているのか,と思ったら, 実際にはゴルフのパターの練習をしていた.そこへよね子が登場した.
よね子「こんなところで玉入れして.憎い人.」
オショウは大慌て.
オショウ「奥さん!」
よね子「奥さんだなんて水臭い.」
よね子はオショウに向かって駆け寄った.
よね子「よね子って言って.」
よね子はオショウに抱きついた.オショウは弱ってしまった.
オショウ「いやいや.先日の過ち以来, 亡くなられたご主人が夜毎夢枕に立たれて私を責めるんですよ.ですから, もう二度と…」
オショウはそう言いながら逃げ回るが,よね子はしつこく追いすがった.
よね子「和尚様,何をおっしゃいます.ご心配には及びません. 過ちは何度も何度も繰り返したら過ちではなくなるんです.」
オショウ「冗談じゃありませんよ.」
よね子「いいえ.私が喜べば主人も草葉の陰で…」
これを聞いたオショウは態度が一変.
オショウ「は,は,は.そういうことになりますかね.」
よね子「和尚様…」
よね子はオショウに抱きついてほお擦りした.
オショウ「でも,ここじゃあ,ちょっと.ちょっと待ってくださいねえ.」
よね子「うーん.」
オショウは仏像の顔にきれをかけた.
オショウ「仏様,ちょっと目つぶっててくださいね.奥さん.」
よね子「和尚様.」
そこへ電話がかかってきた.
オショウ「はいはい.え.ゴッドから? あ.はい,了解.」
オショウは電話を切った.よね子はなにやら疑いの目.
よね子「ゴッドって誰よ.金髪女でしょ.」
よね子はオショウをつねった.

調査開始

ゴッド「今日,諸君に集まってもらったのは他でもない. 一週間前に起こった例の爆弾事件のことだ.爆発物は車のドアに仕掛けられ, 車の持ち主がドアを開けると同時に爆発した. たまたますぐ近くで車に乗ろうとしていた, 近くのレストランの支配人が巻き込まれ, この男は意識を回復せぬまま今朝病院で息を引き取った.一方, 狙われた本人である宮地と言う男は名医会病院の特別室に入院させられ, 重態と言うことで今日にいたるまで面会謝絶が続いている.」
タミー「宮地洋平39歳.元毎朝新聞社会部記者. 五年前の週刊スティング誌創刊のとき引き抜かれて副編集長に就任. 週刊スティング急成長の立役者と言われている腕利きのジャーナリストです. 一ヶ月前に妻のゆきこと協議離婚しており子供はありません.」
ゴッド「捜査当局の調べに対して入院中の宮地は, 狙われる覚えはないと一点張りで捜査は完全に行き詰まっている.」
デジコン「別れた女房が怪しいんじゃないですか? 離婚騒ぎのもつれかなんかで.」
オショウ「まさか.そんな下らん事件でわざわざ我々を呼び出すもんか. ねえ,ゴッド.」
ゴッド「そのとおり.女房は関係ない.タミー,先を続けてくれ.」
タミーはさらに資料を説明した.
タミー「実はねえ,宮地は事件発生前の30分前に雑誌社に辞表を出してるの. しかもその夜の九時半のAF273便でパリへ発つ事になっていた. 単なる観光旅行ではなく,長期滞在のビザを取ってね.」
デジコン「女房も仕事も捨ててパリへ.」
タミー「そうなの.そして航空会社の予約名簿を調べたら, このパリ行きには同行者がいた.」
マイト「女だ.」
タミー「ご名答.さすがマイトね.」
スクリーンにその女の写真が映された.
マイト「若いなあ.なにもんだ.」
タミー「川瀬典子23歳.城南大学仏文科大学院生. と言ってもわからないでしょうけど, この女の一人娘と言えば興味がわくでしょう.」
スクリーンに母親の写真が映し出された.
オショウ「ん? これどっかで見た顔だよ.」
マイト「川瀬,川瀬初江だ.例の今淀君と評判の.」
タミー「そう.その淀君よ.闇将軍と呼ばれ, 現在航空機汚職の法廷に立つ身でありながら, 今も日本の政治を動かしていると言われている山野栄一元副首相58歳. その山野の長年の愛人であり,山野派の金庫番と言われる川瀬初江. その一人娘がこの典子ってわけ.」
ゴッド「諸君も知ってる通り, この週刊誌スティングは航空機汚職追求の急先鋒だった. 宮地は言わばそのキャンペーンの仕掛人だ. その宮地と川瀬典子が人目を忍ぶ仲だったとすると…」
オショウ「悲しい恋の物語,ロミオとジュリエットか.」
デジコン「仕事も国も捨てて外国へ逃げる二人には それしか方法がなかったんだろうなあ.よくわかるよ.」
マイト「しかし一番驚いたのは闇将軍と淀君だろうなあ. 駆け落ちなんかされちゃあ夜もおちおち眠れないからなあ.」
オショウ「そして爆弾事件か.ゴッド. 捜査当局やマスコミにやっぱり闇将軍から圧力がかかったんすかねえ.」
ゴッド「それは私の口からはなんとも言えん. ただ私の希望はこの冷酷無比な爆弾の仕掛人が罪の報いを受け, 同時に航空機汚職の裁判があくまでも公正に行なわれてほしい, ということだけだ.」

マイトは宮地の友人と称して名医会病院に乗り込んだが 看護婦(牧れい)に追い返され,会うことはできなかった.
マイト「松本さんか.怒った顔もチャーミングだけど, 笑った笑顔の方ももっともっと素敵だろうなあ.」
一方,ヨガは川瀬家の電話回線を工事し,盗聴できるようにした. そこへマイトがやってきた.現場にいたヨガ,デジコン, オショウにマイトが病院での件を報告した.5階の特別室近くまで潜り込んだが, 妙な連中がガードしていて近づけない.しかも名医会病院の院長は大塚派. 山野の主治医は大塚のぼるで医師会の顔役だった. マイトはデジコンに川瀬典子が家にいるかどうか聞いた. デジコンは家で軟禁状態にあるのは間違いないと答えた. そこへ川瀬家に電話がかかってきた.早速4人は盗聴を開始した. 電話は山野栄一からのものだった. 初江は典子が食事をとらない状態が続いていると答えた. 山野は北海道の知事選への応援を強化するよう指示していた.

自室に軟禁されている典子のところへ初江がやってきた. 典子は初江にいつまでこんな暮らしを続けるのかと聞いていた. 初江は20年間山野に賭けてきたと言ったが, 典子は自分の一生は自分で選ぶと言い,外へ出ようとした. が,典子は初江の部下に止められた.そして初江は屋敷を出た. 早速デジコンの車が後を追った.初江は山野派の総本山山栄クラブに入り込んだ. オショウはデジコンの車から降りて山栄クラブを覗いた. 初江は一億円くらいの現金を渡していた.

そして山野は保釈された. 記者に囲まれた山野の身を山野の私設第一秘書月丘敏男(今井健二)と, 戦後最大のフィクサーと言われたこじまただお直系日本至誠塾の隊長, 今村政男が守った.その様子を観察していたデジコンのところへ, タミーがやってきた.川瀬初江が山野の愛人になったのは今から22年前, つまり山野が政治家として初当選した年だった. そのとき初江は生まれたばかりの女の子をつれていた.それが典子だったのだ. つまり,典子は山野の娘ではなかったのだ.

その頃,週刊スティングの編集長がテープを聞こうとしていると, ヨガが来来軒というラーメン屋の出前持ちに扮してやってきた. 慌てて編集長はテープを隠した. そしてヨガは丼を岡持ちにしまった後で盗聴機を仕掛けた. ヨガが立ち去った後,編集長はテープを聞いた.
宮地の声「じゃあ, 君のお母さんが自分の家で誰かにその十億円を受け取ったんだね.」
典子の声「ええ.」
宮地の声「お金を持ってきたのか?」
典子の声「太平洋航空の久保田常務と月丘さん.」
宮地の声「それで?」
典子の声「さあ.あの人に電話をして相談してたわ. お金をいつまで預かっていれば良いのかって.それで宮地さん,このテープ, 本当に公表するの?」
宮地の声「いやあ,まだ決めてない.公表されるといやかい?」
典子の声「あたしは平気.だってそうでもしないとお母さん,あの人と…」
ここまで聞いたところで電話がかかってきた.岡田編集長が電話をとった. 電話の相手はテープの件を持ち出し,3千万円で買いたいと言い, さらに言うことを聞かないと岡田の妻と子供に危害がおよぶことも示唆した. 岡田がマンションに着いた途端,今村の部下が岡田を襲った. 今村の部下が岡田を車に乗せようとしているところへ, 車のボンネットに乗って瞑想しながらヨガが登場. 今村の部下3人を一人で撃退し,車を運転していたタミーが部下を撃退した. ヨガとタミーは部下を多摩川のゴミ捨て場に捨ててきた. そして典子は窓から逃げ出そうとした.それをヨガが目撃した. だが典子は部下に捕まってしまった.

岡田にオショウとデジコンが刑事と称してテープのことを聞いたが, 岡田は白を切った. デジコンは岡田が妻子を九州の実家へ帰していることを指摘した. そしてオショウが言う.
オショウ「もしテープがあるんなら警察に渡すなり, お宅の雑誌で公表するなりするのが, ジャーナリストとしての使命じゃありませんかねえ.」

マイトは名医会病院の看護婦(牧れい)に会い,看護婦に花を渡した. 看護婦はマイトに心を許してしまった.そしてついに看護婦と寝るのに成功した. 次の日.すっかり看護婦をたらしこんだマイトは, 看護婦に婦長から情報を聞き出させることに成功した. 宮地の意識は回復していたが,病室の周りを変な男が固めていた. そして宮地は次の日の朝に退院する予定だと言う.別の病院へ転院させるのだ.

ゴッドのオフィスにハングマンが終結した.
オショウ「航空機汚職の裁判は山場に差し掛かっている. 有罪になるか無罪になるかは五分と五分だ. 山野側にしてみればあと一つ不利な材料が出てくれば, それこそは命取りとなる.だから手段なんて選んでいられないってわけよ.」
ヨガ「しかし岡田編集長テープをどうする気かな.」
オショウ「中身の重大さに決めかねてんだろう.」
タミー「宮地があんな目にあったし,おびえてることもあるわね.」
デジコン「奴ら,宮地をどこの病院へ移すつもりかなあ.」
マイト「今度こそ山野の主治医大塚のぼるの病院だろう.」
オショウ「だあめだ,駄目だ.それなら宮地は本当に助からんよ. なんとかしなくちゃ.」
タミー「川瀬典子もほっておけないわ. 何もかも捨てて恋に生きようとした二人ですもの. せめてその願いだけはなんとかしてやりたいわ.」
マイトはうなずいた.
マイト「タミー, ゴッドに頼んで口が堅くて腕の立つ医者を手配してもらってくれ.」
タミー「了解.」

翌朝.名医会病院の宮地の病室に医者がやってきた.宮地を転院させるためだ. 宮地は薬で眠らされ,救急車で運ばれた.救急車をタミーが尾行する. するとガードをくぐったところで救急車は工事現場にぶち当たり, 停車を余儀なくされた. 「工事」をしていたのは工員に扮したオショウ,マイト,デジコン,ヨガ.
運転手「なんで,なんで,おい.」
オショウ「あ,は,は.どうもすいません.工事やってるんですよ.」
運転手「なんでトンネルの入口にしょうしきださねえんだ,え.」
マイト「公務員のわりには君は言葉使い荒いねえ.」
オショウ「確か出てたはずなんだけどなあ. おい,出しとけって言っただろう.」
デジコン「いや,親父さん出すなっていったじゃないか.」
マイト「じゃあ今から出しましょうか.」
オショウ「ではバックしてくれますか.」
マイト「バック,バック,バック,バック.オーライ,オーライ,オーライ, オーライ.」
だがいつのまにか後ろについたタミーの車によって, 救急車は退路を塞がれてしまった.
運転手「通れないよ.」
運転手達は救急車を降りたが,ハングマンに倒されてしまった.

救急車は大塚中央クリニックに着いた.それをデジコンが見届けた. デジコンが盗聴機のスイッチを入れた.病室には大塚と月丘と今村がいた. そして包帯で顔をぐるぐる巻きにされた男がベッドに寝かされていた.
大塚「相当回復が早いようだなあ.」
月丘「目が覚めたようだなあ.週刊誌のキャンペーン記事くらいだったらいいが, お前さん,少々やりすぎたろう.」
今村「宮地,せっかく命拾いしたんだ.このまま生きたかったら質問に答えろ. テープは編集長に渡した一本だけだな.」
月丘「どうだ.どうだんだ.ほう,言わんのか. じゃ,ゆっくりと死んでもらうぞ.先生,薬で喋らせてください.」
大塚が自白剤を用意したところへ月丘の部下がやってきて異状を報せた.
今村「貴様,何者だ.宮地じゃねえな.」
包帯を巻いた男は突然起き上がった.男はなぜか右手にも包帯を巻いていた. 今村が右手の包帯を抜き取ると男は右手に薬の入った小瓶を握っていた.
マイト「これがなんだかわかるか.この病院くらい簡単に吹っ飛ぶぜ. ニトロだよ.」
男はマイトだったのだ.小瓶の蓋には鎖がつながっており, マイトは鎖の端を握って小瓶をぶらぶらさせた.今村はビビリ, 月丘は一歩下がった.
月丘「何者だ,貴様.」
マイト「名乗るほどでもないが,正義の味方,包帯仮面よ.」
今村「ふざけるな.」
今村は拳銃を向けたが,マイトは拳銃を左手でおろさせた.
マイト「嘘かホントか,見てもらおうか.」
マイトはスポイトで小瓶から液体を吸い取り,放り投げた.スポイトは爆発した.
マイト「これでも冗談かい? 宮地の車にどうやって爆弾を仕掛けたか, はじめから話してもらおうか.取引はそれからだ.」
月丘「取引? する気あんのか?」
マイト「条件次第でな.」

一方,オショウとタミーは手配した医者に宮地をみせていた. 医者はあと二週間で松葉杖なしで歩けるようになるといい, これで百万円とはいいなあ,と喜んで去って行った. そこへマイトとデジコンとヨガがやってきた. 爆弾の仕掛人は月丘と今村でばっちり全員喋った. そして現金5千万円,川瀬典子を自由にすること, 宮地とテープを引き渡すことで交渉が成立したのだ. 一方,月丘と今村は初江に交渉の件を告げていた.

宮地はある公園のベンチに寝かされていた. そこへマイトからハンギングパーティの案内状が届いた. そこへ自由の身になった典子もやってきた.抱き合う二人. 二人は案内状を読んだ.
マイトの声「午後六時に下記の場所に来てください. あなた方が完全に自由を保障された事実をおめにかけます. 航空券はパリまでの片道.明朝九時半の飛行機に座席を予約してあります. お幸せに.」
そしてハングマンは表の仮面を脱ぎ捨ててハンギングに出動した.

ハンギング

芝浦の倉庫に月丘と今村が現金の入ったトランクを持ってやって来た.
今村「金は持ってきた.どこにいるんだ.」
今村と月丘が中に入ると,ベッドに顔を包帯でぐるぐる巻きにされた男が, 眠らされているのが見えた.月丘の指示で今村は男を撃ち殺した.
マイトの声「残念だったなあ,お二人さん.この男は宮地じゃない.」
包帯巻きの男は宮地ではなかった.
マイトの声「テープ類は全て警察にわたった. なお,今の君達の行動も全て撮影した.」
今村と月丘が振り返るとビデオカメラが置かれていた.
マイトの声「まもなく,警察がお迎えに来る頃だ.」
今村の部下が縛られていた.今村と月丘は逃げようとしたが, 駆けつけた警官に捕まってしまった.その様子を宮地と典子は見た. 二人で寄り添いながら,宮地と典子はパトカーとは反対の方角へ去って行った.

その頃,初江は検察庁に電話をかけた.翌朝. 初江が検察側の証人になること,そして今村と月丘が捕まったことを, 宮地と典子は成田空港で朝日新聞を読んで知った. そしてテープも週刊スティングで後悔されることになったことも. 宮地は新聞をゴミ箱に捨て,搭乗手続きに向かったが,転んでしまった. 松葉杖をマイトは拾ってやり,宮地に渡してやった.飛行機を見送るマイトは, いきなり振り返り,両手でVサイン.その様子をオショウ,デジコン,タミー, ヨガもゴッドのオフィスのテレビで見ていた.
オショウ「ああ,よかった,よかった.」
いきなりヨガは瞑想を開始した.

そして

ダイナではタミーがスロットマシンをしていた.だが全然当たらない.
タミー「あーあ.ちっとも出ないわ.」
マイト「お嬢さん,隣りの方が出ますよ.」
タミーは隣りの台で遊んでみた.
タミー「やった.」
コインがたくさん出てきた.マイトはタミーにウインクを送るのであった.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp