2002年7月3日

「太陽にほえろ!」第246話「赤ちゃん」

脚本は小川英と四十物光男と丸田勉.監督は竹林進.主役はボン.

ある日曜日.白昼の歩行者天国で赤ちゃんがさらわれる事件が発生した. 父親と母親,そして警官が追いかけたが逃げられてしまった. この報せが七曲署にも入った.

さて赤ちゃんをさらった男は, 工事現場にとまっていたトラックの荷台に赤ちゃんを隠し, 自分は工事現場のプレハブ小屋に隠れた.見事警官を彼はまいたのだが, その間にトラックが発進してしまった.赤ちゃんをさらった男は, 車の中にいた仲間に赤ちゃんを連れてこなかった事をなじられた. 男は安全なところに隠したと言った.早速車は発進. その車を一人の女(浜美江)の乗った車が追跡していた. さて男達が工事現場に着くと車はいない.事務所で聞いてみると男は言ったが, 警官が出てきたので断念.仕方なく去って行った. 女の車に追跡されているのに気づかずに. さて例のトラックの運転手は何も知らずにトラックを走らせていた.

ボンとゴリさんは警官が男を見失った角のところまでやってきた. 角を曲がった時に急に赤ちゃんの泣き声が消えたという.ボンは, 男が赤ん坊を誰かに手渡したかどこかに隠したかしたに違いない,と考えた.

さて赤ちゃんをさらった男達は, 例のトラックが昭和寝具という貸蒲団屋の物である事を突き止めた. だがその貸蒲団屋は休みで,電話しても電話番の男がいるだけだった. トラックを運転していた吉永は家に帰ったばかりで, しかも吉永の住所はわからないという.男達は誘拐実行犯をなじった.

赤ちゃんの両親原の自宅へ長さんと殿下が原夫妻を連れてやってきた. その時,長さんは窓ガラスが割れている事に気がついた. 何者かが原家に押し入ったに違いない.早速中に入ってみると, やはり何者かが赤ちゃんの正のベビーベッドをあさり, さらに正のアルバムを開きっぱなしで出て行った跡が残っていた.

ボス「どうやら単純な営利誘拐じゃなさそうだな.」
ボン「ボス,それじゃあ,原さんのうちに入った空き巣も, 誘拐と同じ犯人なんですか?」
ボス「いやあ,それはまだわからん.ただし,原親子が出かけたすぐ後, 郵便配達が立ち寄った時に既に侵入口のガラス窓が破られていた.」
つまり犯人は原親子が出かけるのを待って空き巣に入った. だが目当ての物はなかったので,正をさらった.狙いは判らない. だが一番の問題は正の行方だ.そこへ長さんと殿下がやってきた. 原家から検出された指紋および誘拐犯を追いかけた警官や原夫妻の証言から, 空き巣および誘拐実行犯が木内民雄である事が判明したのだ.傷害恐喝前科二犯. 愚連隊あがりだが特定の暴力団には属していない.ボスは指名手配を決断. ただし,誘拐の件は伏せることにした.

刑事不在の七曲署に電話が掛かってきた.
村岡「藤堂係長いらっしゃる?」
アッコ「いいえ.ちょっとお待ちください.」
アッコが相手をしているとボンが戻ってきた.
アッコ「ボスに.女の人.」
ボン「へえ.」
ボンは鼻の下を伸ばし,咳払いしてから電話に出た.
ボン「もしもし.どちらさまでしょうか.」
村岡「聞いた声じゃないけど…ああ,新入りの刑事さんね.」
ボンは憮然として答えた.
ボン「新入りじゃありませんよ.」
村岡「じゃあ,あなたでもいいわ.木内民雄の事について大事な話があるの. 矢追町一丁目の喫茶店ロダンまで来て頂戴.」
ボン「あなた誰ですか? もしもし.もしもし.」
電話は切れてしまった.
ボン「ふざけた女だな.名前も言わずに.」
そこへ長さんが戻ってきた.長さんはボンが怒っているので,どうした, と訊いた.ボンは木内の事で何か知っていると言う匿名の電話があった事を話し, 脱兎の如く出て行ってしまった.

ボンのテーマの変調曲が流れる中,早速ボンは例の喫茶店へやって来た. そこには村岡房江がいた.だがボンは村岡の事を良く知っている訳ではない.
ボン「あのう…」
村岡「かけなさいよ,突っ立ってないで.」
ボンは座りながら言った.
ボン「じゃあ,あなたが電話を.」
村岡「あら,あたしで悪かったかしら.」
ボン「いえ.でも,どうして僕が刑事だと判ったんですか.」
村岡「すぐわかるわ. 名前を言わない女をとっちめてやろうって言う顔してるもん.」
村岡にかかってはボンは赤子同然だ.
村岡「田口さんね,七曲署の.」
それを聞いたボンは驚いてしまった.村岡はボンを外へ連れ出した.

村岡はボンに訊いた.
村岡「木内民雄がこの街で何をしたのか,詳しく話してくれない?」
ボン「それはできません.」
だが村岡はそんな答えが返ることくらい,お見通しだった.
村岡「木内民雄が誰に使われているのか知りたくないの?」
ボン「ちょっと待ってください.一体,あなたは…」
村岡「ギブ・アンド・テイクで行きましょう.」
ボン「は.ギブ・アンド・テイク?」
ボンは村岡に主導権を握られてしまっていた.
村岡「あなたが木内民雄が何をしたのか教えてくれれば, あたしは彼を使っている連中の事を話してあげるわ.」
それを聞いたボンは村岡の正体に気がついた.
ボン「ボスの事もよく知っているようだし,なぜか指名手配の情報もつかんでる. そういう女性の話を聞かされた事があります.」
村岡は無言.
ボン「厚生省麻薬取締本部捜査官村岡房江さん.違いますか?」

ボンは村岡を乗せて車を走らせていた.
村岡「それでその赤ちゃん,まるで手がかりがつかめないの?」
ボン「ええ.泣かれて困った犯人が, どっかに置いたまま逃げた可能性もあるんです.」
村岡「仲間の車に逃げ込んだ時,木内は赤ちゃんを抱いていなかった.」
それを聞いたボンは驚き,村岡の方を向いた.
村岡「前を見て運転して.」
慌ててボンは前を向いた.
ボン「張ってたんですね,木内の仲間を.いやあ,驚いたなあ. 赤ちゃん誘拐事件と麻薬事件が絡んでいたなんて.」
村岡はにやりと笑いながら言った.
村岡「麻薬が絡んでるなんていつ言って?」
ボン「隠したって駄目ですよ.村岡房江の現れるとこ麻薬あり. 先輩から耳にタコができる程,聞かされてるんですから.」
それを聞いた村岡は車を止めさせ,外へ出てしまった.そこは公衆便所の前. 村岡は公衆便所の中に消えていった.ボンがピンと来た時は既に遅かった.
ボン「くっそう.やられた.」

ボスはボンが村岡に捜査状況を全て話した事を聞いた.
ゴリさん「だからお前はお人好しのボンボンだって言われるんだよ. 彼女にはあれほど注意しろって言っただろうが.」
山さんはゴリさんをなだめ,こう言った.事件の背後には麻薬組織がいる. 木内達が狙っていたのは麻薬で, 麻薬は赤ん坊が身に着けるような物に隠されていたのだ.
ゴリさん「そうか.その麻薬を取り戻そうとして赤ちゃんを誘拐した.」
ボン「それじゃあ,連中にとって赤ちゃんはどうでもいいんじゃないですか. 麻薬さえ取り戻したら,赤ちゃんは殺してしまうかもしれませんよ.」
ボスは二の句が告げなかった.
ボン「ボス,村岡房江さんは木内の背後の連中を知ってるんです. それさえ彼女から聞き出せば…」
ボス「喋ると思うか,彼女が? 彼女の任務はなあ,麻薬組織の摘発だ. そのために彼女達は長い月日を掛けて組織をマークし, 情報や証拠を丹念に集め,一気に殲滅するチャンスを狙ってる. 滅多な事で捜査協力なんかするはずがない.」
ボン「でも,ボス!」
そこへ長さんから連絡が入った.木内が車で轢き殺されたというのだ. タイヤの跡からしてスピードは時速40Km.しかしそれにしては傷がひどい. どこかで撲殺,あるいは気絶させた上で轢き殺した可能性が高い.

ボスはボンを連れ,村岡房江の籠っているビルの一室に乗り込んだ.
村岡「さすがね.どうしてここがお判りになったの?」
ボスは村岡が持っていた双眼鏡で窓の外を覗いてみた.
ボス「アムール商事.話してもらえないかな,何もかも.」
村岡「あの連中に手を出さないと約束してもらえるなら.」
ボスは肯いた.村岡は話した.全国の暴力団組織に流れるヘロインの40%は, あのアムール商事から流れていると村岡達は睨んでいた. だがどうやってそこに運び込まれるかよくわからなかった. それが原正のお蔭で判った.この三年ばかりアムール商事は, ヨーロッパからオムツカバーを輸入して産院や病院に無料提供していた. ある産院ではこの一年に生まれた赤ちゃんを対象に, 最近オムツカバーをプレゼントし始めていた. 何かの手違いでその中にヘロイン入りのが紛れ込み, 原親子のところに流れたに違いない.だが証拠はない. それを受けてボスが言った.原親子は確かにその産院から, しかもその二日ほど前,アムール商事から新品と交換したいという話が, 度々来ていたと言う.だが原正の母は今ので充分使い易いと交換を断っていた. そして事件が起きた.組織の連中はかなり焦っている.となると, 発見が遅れると正が危ない.
村岡「でも今の状態では手入れはできません.」
ボス「木内は死んだよ.前のある木内は, おそらく連中にとっては初めから捨て駒だったんだ. 我々の唯一の手がかりはこれで失われた.組織の連中に尾行をつけたい. メンバーを教えてくれ.」
村岡「それはできません.それに木内を使っていた連中は, 尾行をまかれて,今,居場所も判りません.」
ボス「名前を教えてくれ.」
村岡「藤堂さん.」
ボス「麻薬の押収は後でもできる.組織は消えてなくなりゃしないんだ.」
村岡「う,うん.消えてしまう.証拠を隠滅されたら, あたし達にとっては消えたも同じよ.」
村岡はボスの部下(マカロニ,ジーパン, そしてテキサス)に何度も仕事を台無しにされている. ボスと村岡はしばらく睨みあった.
ボス「どういう事も赤ちゃんの命には代えられない.頼む.協力してほしい.」
村岡「できません.赤ちゃんを探すのはご自由ですけど, アムール商事には手を出さないで頂きます.」
ボン「村岡さん!」
ボスはボンをたしなめて外へ出た.

ボンはボスに進言した.
ボン「僕,彼女,張りますよ.手がかりがつかめない今, 彼女も重要な手がかりの一つです.」
ボスはこう言った.
ボス「麻薬組織の連中より手ごわいぞ.まあ,頑張って来い.」
そしてボスはボンを置いて去って行った.

その晩.あのトラックの運転手吉永がアパートに戻ってくると, 赤ちゃんの泣き声が聞こえた.トラックの荷台を見てみると, 中には赤ちゃんがいた.吉永は驚いた.

その頃,ボンは村岡を張っていた.
ボンの声「もうこんな時間か.アムール商事は営業していない筈なのに, 作戦会議か.よーし,こうなったら意地でも村岡さんをマークだ.」

さて吉永はオムツを取換える時, 「アムール」と書かれたオムツカバーがついている事に気がついた. だが吉永にその意味が判る筈がない.吉永の妻は赤ちゃんに離乳食をやった.

村岡がビルから出てきた.そして車に乗ったが,しばらく走って急停車.
村岡「どう,懲りた?」
後部座席に寝転んでいたボンは頭を打ってしまった.ボンはこう言った.
ボン「どうして判ってくれないんですか.あなただって女性なら, 赤ちゃんが可愛い筈でしょう.」
村岡「私の言っている事が聞こえないの.」
ボンは身を乗り出して言った.
ボン「こうしてる間にも,赤ちゃんは殺されてしまうかもしれないんですよ.」
また車が発進.だが今度はジグザグ運転.
村岡「まだ降りたくならない?」
ボンのテーマの変調曲が流れる中
ボン「麻薬患者は大人です.自分の意志で麻薬を打つんだ. だけどねえ,赤ん坊には何もできません.何も出来ないんですよ.」
村岡はアクセルを吹かした. 村岡の頭の中にもボンの頭の中にも赤ちゃんの笑顔が浮かんだ.
ボン「お願いします,村岡さん.こうやっている間にも赤ちゃんは.」
赤ちゃんの笑顔が浮かんだ.
ボン「お願いします.」
だが村岡は無言だった.
ボン「わかりました.あなたが事故を起こさない内に降ります.」
村岡はボンが ボン「畜生.あれでも女か.よーし,こうなったら…」
とそこへゴリさんの車が.ボスの指令で,ボンが車から降ろされた時に, ボンが深追いさせないようにするためにやってきたのだ.だが
ボン「いえ,降りません.徹底的に追います.」
ボンは強引に村岡の車をつけさせた.
ボン「それ以上は追うなって,どういう事ですか. あんなガリガリ亡者にね,どうしてボスまでが遠慮するんですか.」
ゴリさん「ボスだけじゃないんだよ,ボン.実は俺も彼女には逆らえん.」
ボン「ゴリさんも.何でですか.」
ゴリさん「彼女はなあ,テキサスやジーパンの命を助けてくれた過去があるんだ. 大きな麻薬組織という獲物を取り逃がすのを百も承知でなあ.」
ボンは納得しなかった.
ボン「じゃあ,どうしてあんなに冷たいんですか. まるで赤ん坊の命なんか,どうでもいいような顔つきですよ.」
ゴリさんはボンの方を見たが,すぐに前を向いた.
ボン「もしかすると,もう二度と七曲署には邪魔をさせないと, 決心してるんじゃないですか.そうですよ.きっとそうだ.」
ゴリさん「兎に角だ.彼女はどうあろうと, 俺達は一刻も早く赤ん坊を救い出しゃいいんだ,そうだろう?」
ボン「そりゃまあ,そうですが.」
ゴリさんは南郷建設の工事現場へ向かうと言った. 犯行時刻に幌着きのトラックが駐まっていると言う情報があったからだ.

ボンとゴリさんは事務所で貸し蒲団屋のトラックが止まっている事, そして組織の者らしき男が前日に貸蒲団屋の事を聞き出していた事を, 聞き込んだ.運転手の名前は吉永やすお.木内と関係はなさそうだ. だが住所は判らない.責任者の出勤前だったので当直の者しかいなかったからだ. ボスは公開捜査に切り替えた.

ちょうどその頃
村岡「あたしよ.藤堂チームが何かつかんだようよ.」
村岡は応援を要請していた.

その頃,吉永は正をトラックに乗せて運転をしていた. その時,ラジオのニュースのアナウンサー(鹿島信哉)が誘拐のニュースを報じた. 吉永は犯人にされるのを恐れ,青葉ベビーハウスという託児所に正を預けた.

その直後,組織の連中は吉永のトラックを発見. 荷台の中を調べたが赤ちゃんはいない. そして組織の連中は警察と称して吉永を羅致した. 一足違いでボンとゴリさんがやってきたが,連れ去られた後. ただしを探す手がかりは断たれてしまった.

青葉ベビーハウスでは保育士が正をあやしていた. 保育士は正のオムツを取換えた.勿論,保育士にはアムールの意味はわからない.

村岡はボン達が組織の連中に先を越された事を部下に伝え, そのままボン達をマークするように命じた.

組織の連中は吉永を痛めつけていた. そして遂に連中は青葉ベビーハウスに正がいる事を聞き出した. 吉永を連れて出ようとした瞬間,村岡は車を降りる振りをして連中の邪魔をした. そして吉永を逃がす事に成功した.

村岡は七曲署へ電話した.
ボス「はい,一係.君か.」
村岡「赤ちゃんは青葉ベビーハウスです.それから吉永は救急車で運びました. 組織の連中にやられて軽い怪我をしています.じゃ.」
ボスはこの事を無線で伝えた.組織の連中と村岡も向かっている事も. 七曲署の面々は青葉ベビーハウスへ直行. だが一足早く組織の連中が正を連れ出して行ってしまった. 七曲署の面々よりも早く着いた村岡は青葉ベビーハウスでその事を知った. だが組織の連中は間が抜けていた.肝腎のオムツカバーを忘れてしまったのだ. 保育士がオムツを取換えていたからだ. これを聞いた村岡はオムツカバーを調べた.するとヘロインが出てきた. 早速村岡は課長に報告.課長はアムール商事の摘発を指示した. だが,村岡はしばらく青葉ベビーハウスにいた. すると組織の連中から電話が掛かってきた.連中も, オムツカバーが取換えられていた事に気がついたのだ.村岡は保育士を制し, 自分が保育士の振りをして電話に出た.組織の連中はそれに気づかず, べらべらとオムツカバーを持って来て欲しいと喋ってしまった. 電話からは赤ん坊の泣き声も聞こえていた. 電話を切った村岡の脳裏にボンの言葉が響いていた.
ボンの声「麻薬患者は大人です. だけどねえ,赤ん坊には何もできません.何も出来ないんですよ.」

村岡が自分達よりも先に赤ん坊の居場所(青葉ベビーハウス)を調べ上げたと知り, ボンはなぜだろうと思っていた.ゴリさんは逆尾行されていたと睨んだ. そして青葉ベビーハウスに着いたボンとゴリさんは,村岡から報せを聞き, ヘロインを持って喜ぶ麻薬捜査官と出くわした. これでアムール商事を摘発できる.十年に一度の大捕り物だ, と喜ぶ麻薬捜査官の胸倉をボンはつかんだ.
ボン「あんた達,それがそんなに嬉しいのか. 正がどうなってもいいのか!」
ボンをゴリさんがたしなめた.
麻薬捜査官「でも正君のことは心配するなって村岡さんが…」
そこへ山さん,長さん,殿下もやってきた.山さんは村岡の行先を尋ねた. だが麻薬捜査官はそれを知らなかった.ただヘロインの包を渡され, 「任務は終わった」と言われただけだったからだ. さらに保育士から電話の件を聞き,ボンは車に飛び乗った.

ボンのテーマが流れる中
ボン「彼女は独りで赤ちゃんを助けに行ったんです. 我々が着くのを待てないくらい,夢中で飛んで行ったんだ.」
ゴリさんがたしなめるほど,ボンはスピードを出していた.
ボン「彼女の本心だったんです,それが.」

村岡房江は組織のアジトに乗り込んでいた.
村岡「オムツカバーを持って参りました.」
と同時に拳銃を構えた.だが,一人に拳銃を蹴り飛ばされ, もう一人に拳銃で狙われてしまった.
組織の一人「こうなったら,赤ん坊と一緒に消えてもらうしかないなあ.」
村岡房江,絶体絶命のピンチ.このおいしい場面に,ボンとゴリさんが登場. ジーパンのテーマに乗ってボンとゴリさんは屋外で組織の連中をボコボコにし, 見事逮捕に成功した.そこへ山さん,長さんと殿下もやって来た. 正を抱いて外に現れた村岡にボンが言った.
ボン「いくらなんでも独りで乗り込むなんて無茶苦茶だ.」
だが村岡は平然とした顔でこう言った.
村岡「さ,度胸がいいのはこの赤ちゃんの方よ. 拳銃の音がしたらぴたっと泣き止んじゃったんですもんね.ほら.」
村岡は赤ちゃんをあやした.それを見てボン達も頬笑んでいた.

こうして村岡はアムール商事を叩きのめす事に成功した. 七曲署の面々は村岡におめでとうと言った.
村岡「いえ,手柄はあたしじゃないのよ.癪だけど, このボンの新人刑事に一本取られたわ.」
ゴリさんにからかわれ,照れるボン.
ボン「いやあ,僕のことじゃないでしょう. だって,僕は村岡さんにつっかかってばかりで.」
村岡「そうよ.だから効いたの.赤ちゃんは何もできませんっていう, あの一言.ダウン寸前だったのよ,本当は.」
さらに照れるボンにボスは目くばせしていた.

次回は殿下主役編.視聴者からの要望に答えて作られた一編です. 岡田プロデューサーも自著でベスト100の一つにあげています.

「2002年7月」へ 「テレビ鑑賞記」へ 「私の好きなテレビ番組」へ 「touheiのホームページ」へ戻る.


東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp