2002年6月15日

「太陽にほえろ!」第82話「最後の標的」

脚本は長野洋.監督は高瀬昌弘.主役はジーパン.

公園で若者が喧嘩していた.ジーパンと長さん達が駆けつけ,連中を捕まえた. だがジーパンが捕まえた娘はかつてジーパンが射殺した町田(小原秀明)の妹, 町田和子だった.
和子「人殺し.」
その言葉にジーパンはショックを受けた.連行される和子を見ながら
長さん「ジーパン,あの娘は確か…」
ジーパン「町田和子.俺が殺した犯人の妹です.」
思わず長さんはジーパンの方を見た.

七曲署に戻ったジーパンはショックを受けていた. それを見たボスはゴリさんに,ジーパンを射撃練習場へ連れて行け,と命じた. 長さんもシンコも止めたが,ゴリさんはボスの真意を見抜き,連れて行った. 相変わらずジーパンの腕は下手糞.そこへ
男「何を遊んでるんだ.西部劇ではあるまいし.」
現れたのは根来新平という初老の男(北村和男)だった.再会を喜ぶゴリさん. きょとんとするジーパンにゴリさんは根来を紹介した.
根来「なるほど.七曲署のジーパン刑事っちゅうのは君か.」
ジーパン「こんちは.」
ゴリさん「何だ,お前,根来さん知らんのか. 今でこそ本庁の庶務課に勤めてらっしゃるが,その前は一係の部屋長さんだ. その上,元警察学校の射撃教務担当で拳銃の神様って言われた人だ.」
根来「おいおい.いつからそんなにお世辞が上手くなったんだ.」
ゴリさん「え,だって本当のことですよ. 俺が射撃に多少自信が持てるようになったのはな, 警察学校時代にこの根来さんにみっちり仕込まれたお蔭だよ.」
ジーパンは感心し,ぶっきらぼうに根来に挨拶した. 根来は足を引きずりながら歩き始めた.
ジーパン「根来さん,遊びってのはどういう意味ですか?」
根来「警官は何のために拳銃を持っていると思う?」
ジーパン「それは,凶悪犯に対抗するためでしょう.」
根来「その通りだ.そういう凶悪犯にはプロと呼ばれる連中もいるんだ. こんな奴等と対決した時に一瞬の抜き撃ちで勝負が決まる事もあるんだ. 肩だけ狙うなんてやり方で勝てると思ってるか?」
ジーパン「しかし,そんな事は滅多にないでしょう.」
根来「ないと言い切れるか?」
ジーパンは黙ってしまった.
根来「一度でもあったら,君の命はもうないんだぞ. 奴等プロにとって最高の標的は生きた人間だ. 君自身がその的になりたくなかったら, 腕を磨いて一発で仕留める事だな.」
ゴリさんは根来に今の職場はどうかと聞いた. 根来は現場上がりの人間にとっては退屈で仕方がないので辞める事にした, と答えた.驚くゴリさん.根来は今日で辞める事にしたので,ここへ来たのだ.
根来「こいつ(拳銃)とも今日限りお別れだ.」
寂しそうに笑う根来.
ゴリさん「根来さん…」
根来はジーパンに言った.
根来「どうだ.付き合ってみないか?」
ジーパン「何をですか?」
根来「こいつ(拳銃)だよ.」
根来はジーパンと一緒に拳銃を撃った.歩きながら飛び出す的を撃つのだ. それを見て
ゴリさん「まるで大人と子供だな.兵士と産まれたての赤ん坊ぐらい違うよ.」
根来はジーパンを指導した.
根来「横ばかり見て歩くな.撃て.」
ジーパンが撃つのを見て.
根来「うん,スピードは未だ未だだが,狙いはいい.どうした?」
ジーパン「駄目ですね.ああ,右の肩口狙ったんですよ.」
根来「右の肩口? 未だそんなこといっとるのか.撃つ以上は急所を狙って撃て.」
ジーパン「俺達が射撃練習するのは人殺しが目的じゃありませんよ.」
根来「おい.いざ撃ち合いになったとき, 相手は馬鹿みたいにつったってやしないんだぞ. そんな甘い考えで相手を倒せると思ってるのか.」
根来は続けざまに4発撃ち,全弾,右胸に当てた.

その夜.射殺事件が発生した.山さん達は現場に駆けつけた. 被害者は心臓を一発で撃ち抜かれていた. 被害者と一緒にいた女性は泣いてばかり.長さんはもてあましてしまい, ジーパンを呼んだ.ジーパンは嫌がったが丁度殿下が来たので殿下と変わった. 殿下の甘い口調に女はやっと話し出した.どうやら暗がりから撃たれたらしい.

犯人はルガーオートマチック口径9ミリを使っていた. ボスと同じ型の拳銃だ.しかも28mもの距離から命中させていた. この拳銃は命中率が高いが使いこなすのにも時間が掛かる. ゴリさんはプロの仕業と睨んだ.被害者は金融ブローカーでとかく風評があった. 恨みを持つ者はたくさんいる筈だ.長さん,シンコ,ジーパンは, 被害者に恨みを持つ者を当たることになった. 殿下は被害者と一緒にいた女の線を当たる事になった. ゴリさんは拳銃の出所を洗う事にし,山さんはプロの殺し屋をリストアップ.

ジーパンのテーマが流れる中,捜査が続いた. 被害者の金融ブローカーを憎んでいる者は大勢いた.金の取立ては激しく, 自殺者も出たという.シンコの報告を聞いて
久美ちゃん「ひどーい.これじゃあ, 今まで殺されなかったのが不思議なくらいだわ.」
ボス「久美!」
実際に被害者の脇田は刺されそうになったが反対に相手を殺した事があった. だが正当防衛ということになった.おそらく目撃者は脇田に買収されたのだろう. そのとき,また射殺事件の通報があった.しかも弾丸は脇田の物と同じ.

今度の被害者は観光会社社長の矢野健太郎. 一介の不動産屋からここまでのし上がった.相当あくどい事をした点が, 脇田との共通点だった.しかも10年前に殺人容疑でマークされた事があった. 少なくとも 30m 以上離れたところから撃たれていた. そこへ山さんがプロの殺し屋のリストを持ってやって来た.

七曲署の面々はリストアップされた殺し屋を一人を除いて全員当たったが, 犯人はいなかった.山さんはまだ当たっていない殺し屋の写真を取り出し, ボスに見せた.その男の名は岩井.ルガーを好んで使う男で, プロの殺し屋でも一,二を争う腕前だ.ボスは岩井の写真のコピーと, 拳銃の携帯をジーパンに命じた.

シンコはジーパンに拳銃を渡しながら,こう言った.
シンコ「柴田君,まだあの事,気にしてんのね.」
ジーパン「何だよ,あの事って.」
シンコ「人殺しって言われた事.」
ジーパン「その話はよせ.例え相手がどんな奴でもなあ, 生身の人間を殺した者でないとこの気持ちは判らない.」
黙って出て行ったジーパンをシンコは心配そうに見つめていた.

病院の前でジーパンは根来と出くわした.根来は退職してから, 一気に体調を悪くしたと言う.
根来「ところで,やってるかね?」
ジーパン「は?」
根来「射撃だよ.」
ジーパン「いやあ.忙しくてそれどころじゃないですよ.」
根来「いかんな.朝の出勤前ならやれるだろう.」
ジーパン「出勤前?」
根来「良かったらつきあってやるぞ.」
ジーパン「いやあ,折角ですが,俺, そんなにしてまで上手くなりたくないんです. 今だって仕方なくボスの命令でこんなもんぶら下げてますが, 本当言うと…」
根来「素手で充分というわけだな.」
ジーパン「ええ.」
突然,根来はジーパンに近寄り,あっという間にジーパンの胸から拳銃を奪い, ジーパンの腹に拳銃を突きつけた.
根来「これでも充分か?」
ジーパンは無言だ.
根来「いくら腕力に自信があっても,これでも勝てるかな? その気になったら言って来い.いつでもつきあってやる.いいな.」
そう言って根来はジーパンと別れた.

その頃,山さんはたれこみ屋から岩井が現れたという情報を得ていた. 夜になったが,ジーパンとゴリさんは岩井を見つけることができなかった. 果たしてガセネタなのか? ゴリさんと別れた直後,ジーパンは岩井を見かけた. ジーパンは発砲したが岩井の敵ではなかった. そのとき,ジーパンの目の前で岩井が射殺された.

岩井を射殺した拳銃もルガーだった.ボスは何事か考え込んでいた. 殿下はホシはどんな奴だろうかと言い, 山さんは動機はなんだろうかと言っていた. ボスは脇田,矢野,岩井,ルガーとメモして何か考え込んでいた. それを見た山さんはピンときて本庁の資料室へ出かけていった. ボスは殿下に,ゴリさんの応援でルガーの出所を洗え,と命じた.

翌朝.射撃場で待つ根来のところにジーパンが現れた.
根来「やっとやる気になったか.」
根来は手を出した.
根来「拳銃を見せろ.」
ジーパンは黙ったまんま.
根来「どうした?」
ジーパン「弾はまだ入っていませんよ.」
根来「握ってみりゃ判るさ.」
根来はジーパンから拳銃を受け取り,両手で握った.
根来「可愛そうに冷え切ってるな.」
拳銃に息を吹きかける根来を見て
ジーパン「なーにやってるんですか?」
根来「あっためてるのさ.」
根来はジーパンに拳銃を渡しながら言った.
根来「俺はもう退職したから実際に撃ってみせる事はいかん. 撃つのは君だけだ.いいな.」
こうして根来の指導とジーパンの特訓が始まった.
根来「いいか.ただ抜くだけじゃ駄目だぞ.抜く,構える,撃つ. この三つが一瞬のうちにできなきゃ何にもならん.」
そして実射に入った.まず止まっている標的を撃たせた. 根来はジーパンの腰が高い事を指摘.
根来「いいか.拳銃は当たらんもんだという間違った常識があるが, それは狙ってないからだ.よく狙えば必ず当たる.目標の黒点の上を狙うんだ. よし,さあ,撃ってみい.」
何とか的に当たるようになった.だが真中に命中しない.
根来「何の勝負でもそうだが,銃撃戦の場合でも,太陽を背にした方が有利だ. それから風の計算も大事だ.特に横から来る風は,向かい風の時は, その動きを頭の中によーく入れてないと,とんでもないことになるぞ.いいな.」
ジーパン「はい.」
しばらく経って,今度は歩きながら標的を撃つ練習が始まった.
根来「駄目.なぜ言われた通りに心臓を狙わん.相手は動いてるんだ. 心臓を狙えば多少は外れても肩か腹に当たるんだ. 何べん同じ事を言わせるんだ.さ,もう一回やってみろ.」
ジーパンは一発撃ったが…
根来「おい,柴田.」
ジーパン「俺は根来さんとは違うんですよ.」
根来「何?」
しばらく二人は睨みあった.
根来「ふん.強情な奴だ,貴様.」
ジーパンのテーマに乗せ,今度は転がりながら撃つ練習が始まった.
根来「今,何発撃ったか覚えとるか?」
ジーパン「え.いや,数えてなかったです.」
根来「馬鹿.自分の撃った弾数ぐらい,ちゃんと勘定してろ. 何だ,同じとこ,全然かすってもおらん.」
ジーパン「駄目だ,俺は.」

ジーパンは根来の家に招かれ,朝食を食べた.根来の家には, 表彰状がたくさん並べられていた.ジーパンは,うまい,と誉めた. 根来は三年前に妻を亡くして以来,ずっと一人暮し. そのとき,根来が倒れこんでしまった.根来はジーパンに薬を取って貰った. 丁度その頃,ボスが根来の病状を医者に問いただしていた. 一方,ジーパンは根来を介抱している時, 根来が拳銃を撃っている写真がたくさん飾ってあるのをみつけた.
ジーパン「へえ,随分色んな拳銃使ってるんですねえ.」
根来「はあ.随分使ったな.軍隊時代から勘定すると,一体, 何種類の拳銃を使ったかな.ピストルには一つ一つそれぞれ違った個性がある. その一つ一つの手ごたえが今でもこの手に残ってる…」
ジーパン「ルガー使った事は?」
根来「勿論,あるさ.あいつもいい拳銃だった.ああ,考えてみると, 俺の一生って言うのは,拳銃を撃つ事で続いて来たと思うよ. この手に染み込んだ硝煙の匂いはおそらく一生消えんな.」
ジーパンは一つの写真に気がついた.
根来「そいつはSWミリタリーポリスの22口径だ.」
ジーパン「22口径?」
根来「ああ.威力は弱いが命中精度は抜群だ. 今でも本庁の銃器室に保管してあるはずだよ.」
その写真を見てジーパンは何事か考え込んだ.
根来「よせ,よせ.そいつは元々競技用のピストルだ. 実際にはそう役には立たん.」
ジーパン「しかし,これならいくら下手糞な俺だって…」
根来「おう.当たりどころによっちゃ死ぬさ.いくら22口径でもな.」
ジーパンは根来に疑念を持った.
根来「何をそう気にしてるんだ? さ, もうそろそろ署に出た方がいいんじゃないのか.」
ジーパンは玄関で
ジーパン「根来さん,山歩きなんかするんですか?」
根来「ああ,そいつか.そいつは甥に買ってやったんだよ.」
根来の家を出たジーパンはポケットから記事を取り出した.
ジーパン「マイセカンド・ハウス産業開発公団総裁富山平太郎氏とその令嬢. 根来.」
その頃,根来は部屋のカーテンを締め,タンスからルガーを取り出していた.

長さん,シンコ,久美ちゃんは他の面々の出勤が遅いのを気にしていた.
シンコ「ゴリさんと殿下は直接聞き込みに巡ったんじゃない?」
そこへボス登場.山さんも後からやってきた.
山さん「見込み通りですね.殺された脇田と矢野は, 根来さんが一課時代に手がけて結局起訴できなかった連中です.」
長さん「なんだって?」
山さん「それに殺し屋の岩井ですが,噂じゃあ, 根来さんの足を撃ったのは奴だとか.」
丁度そのとき,ゴリさんと殿下から電話が入った.報告を聞いた後で
ボス「ルガーの出所がわかった. 買った男の特徴は根来新平にぴったり一致する.」
山さん「これで決まりですな.」
ボス「緊急手配だ.」

その頃,ジーパンは使用許可書も持たず,本庁からルガーを勝手に持ち出した. それを電話で聞いたボスは長さん達に言った.
ボス「ジーパンの奴,独りで根来を追ってるぞ.」
そしてジーパンの行方が判った.ボスはゴリさんと長さんを応援に行かせた.

ボスの睨んだ通り,ジーパンはルガーを持ち,根来を捕まえに行っていた. 富山の屋敷の庭に忍び込んでいたのだ.森の中でジーパンは, 走る子犬や鳩の飛び立つのにびっくりしていた.ジーパンは叫んだ.
ジーパン「根来さーん.そこにいるのはあんただろう.どこにいるんだ.」
根来「殺人犯に向かって『さん』づけはないだろう.よくここだと判ったな. お前はいい刑事になれそうだ.」
ジーパンはまっすぐ走り,根来に狙われた.
根来「馬鹿も―ん.銃を持った相手に向かってまっすぐ走るなと教えた筈だぞ.」
なぜか根来の口調は自分を捕まえに来た刑事に対するものではなく, 若い刑事を指導する時の口調になっていた.そのとき,富山の娘の声が. ジーパンはまた撃たれた.根来はジーパンに当てなかった.
根来「巡る方角が反対だ.それでは太陽にお前が顔を向ける事になる.」
富山父娘がベランダに出てきた.銃声を聞きつけたのだ.ジーパンは言った.
ジーパン「根来さん.あの男を狙う訳を教えてくれ.」
だが根来は答えなかった.ジーパンは威嚇の為に一発撃った. そしてジーパンは富山達に狙われてるぞと叫んだ. 慌てて富山達は屋敷の中に入った.一安心するジーパン.
根来「柴田.無駄な真似はよせ.お前がどうあがこうと, 俺は必ずあの男を殺す.邪魔をすればその前にまずお前をな.」
ジーパン「無駄なのはそっちだろう.今ごろあの男は警察に連絡している筈だ. それまでは俺が食い止める.」
根来「は,は,は,は.電話線はとっくに切れてるぞ. それに山荘までの距離は俺の方がはるかに近いんだ.まあ,諦めるんだな.」
ジーパン「ふざけるな.」
ジーパンは走った.ただし,あちこち横へ動きながらだ.根来が撃った.
根来「柴田,今,何発撃ったか覚えてるか? いつもその計算を忘れるな. さあ,そこでおとなしくしてろ.俺が最後の標的を撃ち落すまでな.」
ジーパンは弾の数を確認.
ジーパン「どこにいるんだ.」
根来「俺の体が自由に動くのももうしばらくの事だ.」

その頃,七曲署ではボスと山さんが話していた.
山さん「ガン?」
ボス「医者は隠してたんだが,根来は薄々勘づいてたらしい.」
山さん「じゃあ,命があるうちに法律で裁けなかった奴を自分で…」
ボス「多分な.そのために根来は警察官を辞めたんだ.」
山さん「馬鹿な事を…」

その頃,根来はジーパンに自分が富山を狙う理由を話していた.
根来「柴田,あの男はな,役人時代に汚職で捕まる寸前に助かったんだ. なぜ助かったか判るか?…奴は直属の部下だった課長補佐を殺したんだ. 勿論,奴が直接手を下した訳じゃなし,証拠はないんだ…だがな, そのせいで奴がのうのうと生きてる事だけは確かなんだ. 俺はそんな奴が絶対に許せん…おい,柴田.聞いてるのか,貴様.」
遂にジーパンは根来のすぐ近くまで来た.
ジーパン「根来さん.」
ジーパンは根来の拳銃を撃ち落した.
根来「は,は.俺とした事がうかうかと喋りすぎたな. だが風の計算を入れなかったのはお前の失敗だ. そっからは一発で仕留められた筈だぞ.」
ジーパン「俺はあんたを殺すつもりはない.」
根来「は,は,は,は,は.俺にお情けをかけるというのか.」
ジーパン「そうじゃない.」
根来「おい,柴田.俺は左手でも撃てるんだぞ.今度こそ,貴様を殺す.」
根来はジーパンに向かって撃った.ジーパンのテーマに乗せ, ジーパンは根来を追いかけた.足を引きずりながら歩く根来. 疾走するジーパン.根来が発砲した.仕方なくジーパンは撃った. そして根来は倒れこんでしまった.ジーパンに ルガーを押収するジーパンに根来は言った.
根来「お前の勝ちだ.は.」
ジーパン「根来さん.」
根来「おい,俺を殺してくれ.お前のピストルには未だ弾が残ってる筈だ. 頼むよ.俺はベッドの上で安らかに死ぬ権利はないんだ.頼む.」
ジーパン「俺はあんたを病院に連れて行く.」
そこへ長さんとゴリさんが駆けつけた.

ボスからジーパンは聞いた.
ジーパン「根来さんが?」
ボス「今朝方息を引き取った.肩の傷はすっかり治ったんだが, ガンの方はやっぱり手のつけようがなかったらしい.根来はな, ベッドの上で死ぬのを喜んでいたぞ.」
出ようとしたジーパンにボスが言った.
ボス「まだ用事が残ってるんだ.やっと使用許可が下りたよ. ただし,その前に始末書を書いてもらうからな.どうした. また拳銃嫌いに戻ったか.」
ジーパン「ボス.」
ボス「行って来い.根来の供養にもなる.」

ジーパンは射撃場でルガーを何発も何発も撃った. それをボスは暖かく見守るのであった.

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