2002年5月25日

「太陽にほえろ!」第79話「鶴が飛んだ日」

脚本は長野洋.監督は竹林進.主役は殿下と山さん.

早朝.一係の面々が変装して張りこんでいた.麻薬取締りなのだ. 午前5時45分.BAR 黒猫に皆踏み込んだ. ジーパンは隠し扉を発見.中に入ってみたが
ボス「もぬけの殻か.」
覚醒剤精製所を発見したと思って踏み込んだら既に逃げた後, というのがこれで三度目.なぜいつもこうなのだろうか? 長さんは憤った.山さんは情報提供者が内部にいるためと考えた. そして山さんは伊藤という刑事が舶来のタバコを持っている事に気づき, 彼の腕を見た.彼の腕には注射の痕があった. 慌てて逃げる伊藤をジーパン達は追いかけたが,逃げられてしまった. そして伊藤は川端で死体となって発見された.死因は首の骨の骨折. しかも人為的な物だった.

さて殿下は麻江と喫茶店でデート.殿下が疲れている様子なので, 麻江は医者へ行くように勧めた.麻江と別れた後, 殿下は幻暈を起こして倒れてしまった. 気がつくと殿下は高橋(中井啓輔)と言う医者に注射を打たれていた. 医者は疲れから来る貧血なので栄養剤を打っていたと殿下に言った. ここは喫茶店のママ(北島マヤ)の家.ママが高橋を呼んだのだ.殿下は感謝し, その家にあったアルバムを見てみると殿下にも見覚えのある写真があった. ママの名前は高沢のりこ.殿下とは小学校で一緒だったと言う.

それからの殿下は度々幻暈がするようになった. そして高橋に注射を打ってもらう日が続いた. あるとき,2時半に注射を打ってもらった後に眠ってしまい, 3時半に目が覚めた事があった.高橋は疲れていたんでしょうと言ったが
殿下の声「おかしい.どうしたんだ.おかしい.やっぱりおかしい. 一体どういうことだ.」
そんなあるとき,殿下は気づいた.
殿下の声「どうもおかしい.あの何ともおかしい空白の時間. まさか,まさか,この体に麻薬を…」
高橋医院を出たところで殿下は山さんに出遇った. 山さんは殿下が考え事をしている事を見抜き,喫茶店へと誘った. 山さんは何か話してみろと言ったが,そこへ高沢が現れた. 殿下は高沢を紹介した.高沢が去った後
殿下の声「あの医者を紹介してくれたのは彼女だ.まさか,昔の同級生の彼女が. もしそうだとしたら…」

殿下はボスに,大学病院で精密検査を受けることにしたいので休暇を取りたい, と言った.ボスは殿下の頼みを了承したが,殿下の後姿を見て不安を感じていた. 殿下はその足で高沢のアパートに出かけていた.高沢が怪しいとにらんだからだ. 殿下は高沢を食事に誘った.高沢は着替えと称して部屋に入った. 殿下が電話の受話器を取ってみると,電話は親子電話になっていた.
高沢の声「わかりました.ええ.ええ.じゃあ.」
高沢は誰かと電話としていたのだ.高沢は部屋から出て, いっそここで食事をしようと言った.

その頃,ジーパンとゴリさんは麻薬の売人を捕まえていた. 売人は電話番号の書かれたメモ帳を持っていた.

一方,殿下は料理を出す高沢の手が震えている事に気がついた. 高沢は慌てて部屋に籠った.殿下が乗り込むと高沢は麻薬を打とうとしていた. 殿下は高沢から注射器を奪い取った.禁断症状に高沢は苦しんでいた.

七曲署ではジーパンとゴリさんがメモ帳に書いてある所へ電話をしまくっていた. だが一箇所だけ出ないところがあった. 山さんはその番号を電話局に問い合わせる事にした. ああ,そう言えばこの時代は「電話局」と呼んでいたんだなあ.

さて高沢は殿下に薬をくれと叫んでいた.

シンコの調べで高橋が偽医者だと判明した. 出なかった番号が高沢のりこ名義である事を知り,山さんは, どこかで聞いた事があると引っかかっていた.

殿下は知った.高橋が殿下に覚醒剤を打っていた事を. 殿下は高沢にその理由を訊いたが,やってきた男に殴り倒されてしまった.

山さん「あの女だ.」
山さんはシンコと一緒に高沢のアパートに乗り込んだがもぬけの殻だった. 山さんは注射器を発見.シンコはネクタイピンを拾った.
シンコ「殿下のです.あたし,見覚えがあります.」
山さんは殿下の身の上を案じていた.

殿下は一味のアジトに監禁されていた.ベッドに縛り付けられ, 寝かされていたのだ.親分(深江章喜)は殿下が寝ている間に, 麻薬をたっぷり殿下に打ち込んでいた.伊藤と同じような内通者に仕立てる為だ. 殿下は,その手には乗らない,と言ったが,親分は,伊藤も初めはそう言った, 麻薬中毒者がどうなるかはよく判るだろう,と言い放っていた. 高沢は苦しむ殿下から顔をそらしていた.

ボスは殿下の失踪を受け,アジトを調べ上げることを考えていた. ゴリさんは高橋を締め上げようと言ったが,下手に手を出すと殿下の命が危ない, とボスは反対.その代わり,ボスはゴリさんとジーパンに, 長さんを助けて高橋を徹底的に見張れと命じ, 山さんには売人を徹底的に取り調べろと命じた.
ボス「シンコ,殿下の家族と恋人には…いや,俺が行く.」
シンコ「ボス,麻江さんにはあたしから言います.女同士です.」
シンコは麻江に事件の事を話した.麻江は失神してしまった. 山さんは売人を取り調べたが,売人は知らないと言うばかりだった.

殿下は高沢を盾に脱出を図ったが,親分は,逃げると麻江の命が危ない, と逆に脅した.仕方なく殿下は脱出を諦めた.

売人の供述から,山さんは石山町の辺りに目をつけた. 黒猫を引き上げるとき,親分の中尾が運転手に石山町までどれくらい掛かる, と訊いていたと言うのだ.石山町は工場の多い場所だ. それを聞き,ボスはゴリさんとジーパンに命じた. ゴリさんとジーパンは高橋の所に乗り込み, 警察が動き出しているので迎えに来た,と言った. 高橋はうっかり「中尾さんが」と名前を出してしまった. 嘘だと思うなら電話して確かめろ,とジーパンが言うと, 高橋はまんまと引っかかって電話をしてしまった. 素早くゴリさんは電話を切り,ジーパンがしっかりと電話番号を覚えたのを確認. 高橋に警察手帳を見せた.

禁断症状に苦しむ殿下を見て,一味はまた麻薬を打った. 麻江は園児達と鶴を折っていた.その頃,殿下も薬包紙で鶴を折っていた. そして天窓に鶴を置いた.鶴は風に飛ばされていった.

長さんは高橋が電話を掛けた先が中尾(深江章喜)の店である事と, 中尾が石山町に土地を持っていることを突き止めていた. その頃,山さんは石山町で殿下の折った折鶴を発見. 早速ゴリさんとジーパンがアジトに乗り込んだ. それに気がついた殿下は脱出しようとした. 改心した高沢の助けもあり,殿下はゴリさんとジーパンと山さんに助け出された. だが高沢は中尾の銃弾により命を失ってしまった.中尾はゴリさんに逮捕された.

ボスがやってきた.
ボス「殿下はどうした.」
殿下は禁断症状に苦しみ,麻薬を打とうとしていた.その時
山さん「苦しいか.打てば楽になる.だがその後がまた地獄だぞ.」
殿下「判ってます.しかし,しかし,僕はもう駄目なんです.この体は, もう薬なしでは生きていけないんです.そうですよね. 僕はたった一人の女性さえ助けることが出来なかった.」
山さん「違うな.確かに高沢のり子は一度はお前を罠にはめようとした. お前をこんな体にした原因はあの女だ.だが土断場で女はお前を救おうとした. 命を張って助けようとしたんだ.その気持ちを無駄にしてもいいのか.」
殿下は注射器を投げ,こう言った.
殿下「山さん,僕を縛ってください.禁断症状が終わるまで, 僕を縛って監禁してください.山さん.」
山さんは決意した.まずドアに鍵を掛けた. そして殿下の手と自分の手を手錠で繋いだ.
山さん「俺も付き合ってやる.長い夜になるだろうからな.」
殿下「山さん.」
それをボスは外から見ていた.こうして長い闘いが始まった.禁断症状に苦しみ, 暴れそうになる殿下.それを静かに見守り,時には必死に押さえる山さん. ボスは外にいた.そこへゴリさんとジーパンがやってきた.
ゴリさん「取り調べは一応終わりました.」
ジーパン「ボス,島さんは…」
殿下の叫び声は外にも聞こえていた.暴れる殿下を山さんが必死に押さえた. 叫ぶ殿下.黙って付き合う山さん.シンコと麻江もやってきた. シンコは耳を押さえた.中へ入ろうとする麻江をボスが止め,こう言った.
ボス「殿下は今晩が山だ.それさえ乗り切れば後は大丈夫だ. 今は山さんに任せよう.」
殿下は「薬,薬,薬…」と叫び,暴れていた.黙って殿下を押さえる山さん. 遂に山さんは口を開いた.
山さん「殿下.苦しいのはお前だけじゃないんだぞ.ボスも,みんなも, そして麻江さんも,同じように苦しんでるんだ.殿下,頑張れ.頑張れ. 頑張るんだ.」
手錠の掛かった手首にはいつしか傷ができていた.麻江,シンコ, そしてボス達はじっと七曲署で待機していた.顔に脂汗を浮かべる殿下. じっと見る山さん.眠れずに起きている麻江.暴れる殿下. 必死に押さえる山さん.それでも暴れる殿下を山さんはビンタ.
山さん「殿下,頑張るんだ.」

そして夜が明けた.ボスは石山町のアジトにシンコと麻江を連れてきた.
ボス「山さん.」
山さんが出てきた.
麻江「島さん.」
山さん「やりましたよ.彼は立派に頑張りぬいたんです.もう大丈夫です.」
シンコは山さんの手首の傷をハンカチで巻いてやった. 山さんが外へ出るとゴリさん,長さん,ジーパンも来ていた. 長さんは山さんにタバコをつけてやった.一服吸う山さん. 麻江はベッドで眠る殿下に言った.
麻江「良かった.良かったわねえ.」
ボスが外へ出てきた.
ジーパン「島さん,立ち直れるでしょうか.」
ボス「立ち直れるさ.あいつには家族がいる.恋人がいる.そして俺達がいる. 行こうか.」

次回,シンコが犯人を逃がしてしまい,自信を喪失. そのシンコを立ち直らせたのはジーパンの一言でした. だがジーパンは犯人の凶弾に倒れます.女として,刑事として, シンコが活躍する回です.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp