2002年4月17日

「がんばれ! レッドビッキーズ」第44話「友情にアーチをかけろ」

脚本は鷺山京子.監督は奥中惇夫.

ブラザーはスランプに陥っていた.一生懸命練習した時, 勢い余ってバットが飛んでしまい, 練習を脇で見ていた少年に当たりそうになった. ブラザーは謝ったが,少年は馬鹿野郎,と殴りつけて去ってしまった. 練習の帰り,ブラザーはあの少年と出会った.ブラザーはぶん殴ろうとしたが, 少年は謝り,こう言った.
少年「スタンスが広過ぎる.」
ブラザー「え?」
少年「構えた時,顎が上がってる.(顎に手をやり,顎を引きながら)引いて, (ジェスチャー付きで)脇を絞めて,ボールを充分引き付ける.いいな. これでさっきのお相子だ.」
少年はさっさと立ち去ってしまった.
ブラザー「なんだ,あいつ?」

次の日の練習.コーチからも同じ事を言われていた. そしてブラザーは思い出していた.
少年「顎を引いて,脇を絞めて,ボールを充分引き付ける.」
ブラザーは見事ヒットを打つ事ができた.

ブラザーは少年にコーチしてくれるよう頼み込んだ.
少年「嫌だ.」
ブラザー「お願いだよ.ちょっとでもいいから.」
少年「俺,野球はやめたんだ.あんなもんやるのは馬鹿だ.」
少年は立ち去ろうとした.だが
ブラザー「君の欲しいもん,何でもやるよ.なあ.このままじゃ,俺, レギュラー外されちゃうんだよ.」
と言う言葉を聞くと,態度が豹変.
少年「え,レギュラーを?」
少年は俺に着いて来れるか,とブラザーのコーチを買って出た.
少年「よし.いいか.レギュラーは誰にも渡すな.」
そして特訓が始まった.少年の作った練習メニューは,柔軟体操,ランニング, タイヤ引きなど体力トレーニングばかり.その理由は
少年「君は基礎体力が弱い.だからフォームが固まらないんだ.」
ブラザー「それにしてもハードだなあ.」
ナッツ「お兄ちゃん,三日坊主だもんね.大丈夫かしら?」
ブラザー「馬鹿.」
それからブラザーは少年と一緒に特訓を開始した. 少年は熱心にブラザーを指導した.だが…

ブラザーのスランプはさらにひどくなっていた.
ジュリ「ブラザー,あの人(少年の事),信用していいの?」
ブラザー「一時は落ち込んでも必ず打てるようになるって言ったんだよ.」
太郎「感じの悪い奴だなあ.何だか信用できないみたいだ.」
トータス「僕は特訓なんてやめた方がいいと思うよ…と, トータスも言っています.」
ジュリ「私もそう思うわ.」
ブラザーは少年のところへ駆け寄った.
少年「未だ脇が甘いぜ.」
そこへよし子登場.コメッツの若松監督を連れて来たのだ. 若松は練習試合を申し込みに来たのだ.若松は少年に気がついてこう言った.
若松「あれ,うちの柴田たかおがお邪魔でも?」
何と少年はコメッツのメンバーだったのだ. たかおは若松を見ると走り去っていった.
令子「ああ,彼は大山君の臨時コーチをしてもらってます.」
若松「コーチ? じゃあ,野球をやる気が出てきたか.」
令子「何かトラブルでも?」
若松「いやいや.大したことじゃないですが,あいつが気にしちゃって. なーに,そのうち落ち着くでしょう.」
若松は慌ててこう言ったが,令子の顔に不安がよぎった.

シゲはオーナーからたかおの情報を仕入れ,ジュク,ノミさん,カリカリ, 太郎に報告.翌日,シゲ達はブラザーに話した. シゲは少年たかおの「正体」を話した. たかおはコメッツのメンバーだったが,レギュラーを外されたので, 代わりにレギュラーに入った少年をバットでぶん殴り, コメッツから追い出された,と言うのだ. オーナーが成増へ出前に行った時に話を聞きつけたと言う. ジュク達はブラザーに,たかおが信用できないのではないのか,とまで言った.

だが真相は微妙に違っていた.ブラザーはコメッツのメンバーから話を聞いた. たかおがレギュラーを外されたのは事実だったが, 努力家のたかおは練習して取り返してやる,と一生懸命練習していた. だが,バッティング練習の時に勢い余ってバットが飛んでしまい, 代わりにレギュラーに入った少年に当たってしまったのだ. その後,冗談でコメッツのメンバーが, レギュラーを外されたからわざとやったのだろう,と言った.そのため, たかおは怒り,コメッツから出て行ってしまったのだ.コメッツのメンバーは, 悪い冗談を言ってしまったと後悔していた.
ブラザー「そうか.そうだったのか.」

公園のD51の前に座るたかおのところへブラザーがやってきた.
たかお「もう来ないかと思ったよ.」
ブラザー「なぜさ.」
たかお「聞いたろう,俺のこと.」
ブラザー「そのことか.君は馬鹿だよ.」
たかお「何!」
ブラザー「君がわざとやったなんて誰も思っちゃいないよ.チームに戻れよ.」
たかお「ふん.表面じゃ奇麗事言っても,肚の中じゃ疑ってるんだ.」
ブラザー「そんなことないよ.」
たかお「そうさ.君だってそうだろ. トレーニングのために俺を利用してるんだ.」
ブラザー「君は何故利用されてるんだ?」
たかお「え?」
ブラザー「縁も由縁もない俺のために,どうしてあんなに汗を流すんだ?」
たかお「それは…」
ブラザー「君は俺の気持ちをわかってくれた.俺も同じだ.」
たかお「明君.」
ブラザー「俺は君を信じるよ.」
こうしてブラザーとたかおはまた特訓を開始した.だが, この関係は長くは続かなかった.遠くで見ていたナッツはこう思っていたからだ.
ナッツの声「今度はお兄ちゃん,三日坊主ではないわ.でも,きつ過ぎるわ.」

疲労の為,ブラザーはフォームを崩していた. コーチはブラザーをレギュラーから外す事を考え始めていた. ナッツは皆に相談した.このままでは体を痛めない限り, 兄は特訓を止めないだろう.そこでメンバーはたかおを呼び出し,こう言った.
シゲ「ブラザーが自分じゃ言い難いから伝えてくれって.」
たかお「明君が?」
シゲ「特訓をやめるんだよ.」
たかお「嘘だろう.」
太郎「本当だよ.」
ノミさん「効果は上がらないし,疲れるばかりだから, これ以上はやれないって.」
たかお「それならそうとどうして自分で言いに来ないんだ!」
カリカリ「逆らったら何されるかわからねえもんな.」
たかお「何?」
怒ったたかおはカリカリの胸倉をつかんだが,皆に止められた. ナッツがとどめを刺した.
ナッツ「兎に角,もうやめたいって言うの.お願いだから,もう放っておいて.」
これがたかおの心の傷を深くしてしまった.何も知らないブラザーに, たかおはこう言った.
たかお「お前がこんなに卑怯な奴だとは思わなかった.」
ブラザー「え?」
たかお「俺が恐いのか? 義理押ししていただけか.」
ブラザーは怪訝な顔だ.
たかお「信じるって言ったのも嘘だったんだな!」
ブラザー「何の話だよ.」
たかお「とぼけるな.お前なんかと付き合うのはこっちから断る!」
たかおは去って行った.ブラザーはナッツから事情を聞いた.

その晩.ブラザーは令子の元を訪れた.
ブラザー「監督からみんなに言ってやってください. たかお君に本当のことを言うように.」
恵子「怒っちゃいけないわ.皆さん, あなたのことを思ってしたことなんだから.」
ブラザー「だって.」
恵子「それに,みんなでぞろぞろ謝りに行っても解決にならないわ. きっと信じてもらえないと思うの.」
ブラザー「でも,何とかしなくちゃ.」
恵子「難しいわねえ.一旦閉ざされた心を開くのは.」
どうすればいいんだと悩むブラザーに令子はこう言った.
令子「信じたこと,最後までやりぬくのよ.」
ブラザー「え?」
令子「悔いを残さないためにはそれしかないわ.遠回りかもしれないけど, いつかはきっと判ってもらえるわ.」

翌日からブラザーは独りで特訓を行なった.
令子の声「信じた事を最後までやりぬくのよ.」
ブラザー「よーし.」
たかおの声「レギュラーを誰にも渡すな.」
ブラザー「よーし.」
ブラザーは一生懸命頑張った.

そして試合当日.3対2とリードされてレッドビッキーズは5回裏の攻撃を迎えた. たちまち2アウトになってしまった.その時,センター,令子, ブラザーはこっそり試合を見に来たたかおを見つけた.たかおは逃げた.
ブラザー「逃げるなよ.自分が正しいと思うなら,何故堂々としていないんだ.」
たかお「ほっといてくれ.」
ブラザーはたかおを殴ってこう言った.
ブラザー「俺は君を信じる.君は何故俺を信じてくれないんだ.」
ブラザーの目を見たたかおはブラザーの心を信じた. そしてブラザーはたかおにホームランを打つと宣言.
ブラザー「君を信じてやるだけやったんだ.打てない筈ないよ.」
令子はシゲの代打にブラザーを出すことにした.当然,オーナーは渋ったが, シゲはいいんだと言った.オーナーがいい加減な情報を仕入れた為に, 話がこじれたからだ.オーナーは渋々ブラザーの代打を承諾した.
ブラザー「さあ,来い.」
ブラザーの声「きっと打てる.打ってみせる.」
ブラザーは二球連続空振り.オーナーは,シゲが入っていれば,と言って, シゲの顰蹙を買った.
令子の声「信じたこと,最後までやりぬくのよ.」
ブラザーの声「俺はやった.やりぬいたんだ.」
三球目は外角に大きく外れた.
たかおの声「脇を絞めて,ボールを充分ひきつけて.」
そしてブラザーは見た.たかおが顎に手をやり,顎を引け,と指示するのを. ブラザーはたかおが脇を絞めるしぐさをするのを見て肯いた. そしてブラザーは見事四球目をジャストミートし, 外野の頭を超える大飛球を打った. しばらく呆然と打球の行方を追っていたブラザーは,オーナーに促され, 一生懸命ダイヤモンドを一周した.
ブラザー「やったあ!」
こうしてブラザーはスランプを克服した.ナインに胴上げされるブラザーを見て, たかおは拍手した.喜び合うブラザーとたかお.それをコメッツのメンバー, そしてコメッツの監督若松も見た.若松はユニフォームと帽子をたかおに渡し, こう言った.
若松「たかお,お前のお蔭で同点になったぞ.ちゃんと自分で取り返せよ.」 ブラザーとたかおは握手しあった.
ブラザー「ようし今度は敵同士だ.」
たかお「待ってろ.今度はお返ししてもらうからな.」
こうしてたかおも心の傷を癒したのであった.

次回,太郎がメンバーの信頼を失って一騒動起きます.

「太陽にほえろ!」第235話「刑事の娘が嫁ぐとき」

脚本は田波靖男と四十物光男と小川英.監督は児玉進.主役は長さん.

長さんは休暇を願い出ていた.娘が嫁ぐ前に家族旅行するというのだ. そこへ矢追町の派出所勤務の警官桜木の妻(結城しのぶ)が, 長さんを訪れてやって来た.最近,家へ脅迫電話が掛かって来ると言うのだ. 出ると桜木を殺すぞ,とか,覚えてろ,とか言うだけで切れてしまうという. 桜木は悪戯だとか放って置けと言うばかり. 桜木に心当たりがあるかどうかは不明で,そんなことを気にしていたら, 仕事にならない,と桜木は妻に言っていた. 桜木と妻は同郷で一年前に見合い結婚した. 桜木の妻は東京には桜木以外誰も知り合いがいなかった. 桜木は長さんを目標に働いていた.それで桜木の妻は長さんに相談したのだ. 長さんは交番勤務から刑事になっていた.桜木は, 俺も必ず本署の刑事になってみせる,と言っていたのだ.

長さんから脅迫電話のことを聞いた桜木(峰竜太)は何故知っているんだと驚いた. そして,大した事はない,心当たりはない,と桜木は答えていた. 桜木の妻は身重で今妊娠三ヶ月.だから神経質になっていると桜木は言った. 捕まえた者の中に凶悪犯はいないのかと言う長さんに, 桜木は最近自動車強盗の現行犯で池本としおという男を捕まえたと答えたが, その男は現在拘置所にいた.

その日の夕食の時,長さんは休暇の話を家族に話した.娘の良子は大喜び. 息子の俊一はまた事件で駄目になるさと冗談を言った.そこへお客さんが. やってきたのは桜木の妻だった.桜木の妻は電話のことを長さんに話したことで, 桜木から怒られたと言う.
桜木の妻「私,どうしてあんなに怒られなきゃならないのかわからないんです. いつも仕事,仕事でろくに話し相手にもなってくれないし,こんな風じゃ, この先一緒にやっていける自信がなくなってしまう.」
それを聞いた長さんは驚いた.
長さん「奥さん.そのう…桜木君も行かんなあ.仕事熱心なのも結構だが, 程々にせんとそのう…」
そこへ長さんの妻の康江がお茶を持って来た.長さんは康江に経緯を話した.
桜木の妻「警察官だからそんなことぐらい我慢しろって言われても,私, 我慢なんかできません.それに,お腹に赤ちゃんがいるんです.」
康江「わかるわ.あたしもそうでしたもの.生んで主人に死なれたらどうしよう, 子供を抱えてどうしたらいいんだろう,そんなことばっかり考えたりしてねえ.」
長さんはたしなめたが
康江「あなたは黙ってて.」
その様子を長さんの子供達が立ち聞きしていた.
康江「特に最初の娘の時など,深刻に考えたものよ.生むのをやめて, 別れようとまで.」
思わず立ち聞きしていた俊一は呟いた.
俊一「お姉ちゃん,危ないとこだったなあ.」
同じく立ち聞きしていた良子が「シー」と人差し指を手にやった.
康江「でもね,無責任なようだけど,生まれたら途端に, そんなこと嘘のように消えてしまったわ.」
そこへ桜木がやってきた.妻をなじる桜木を見て長さんは奥さんを庇った. 桜木夫妻は去って行った.
良子「あーあ.私,警察官の妻にならないで良かった. お父さん,刑事の嫁になれって言ったらどうしようって凄く心配してたの.」
この言葉を聞いた長さんは衝撃を受けた.

あっと言う間に土曜日になった.長さん達は祖師谷大蔵の駅まで来た. 長さんは新聞を買って記事を見た.何と桜木が狙撃されたと言うのだ. 長さんは署へ行くと言い残して去って行った.
良子「やっぱりこうなるのね. お父さんと一緒の旅行なんて二度とできないのに…」

病院の玄関でボンから桜木の怪我が軽いと聞いた長さんは一安心. 病室で桜木は犯人に心当たりがないこと, そして暗がりで犯人の姿が見えなかったことを聞いた. そこへ桜木の妻とも子が現れた.長さんは犯人を見つけてみせると誓っていた.

長さんは一係室へも顔を出した.私も捜査する,という長さんに, ボスは,まず休暇をちゃんと取って旅行に出ることを命じた.

長さんを除く七曲署の面々は桜木の身辺を当たった. 暴力団関係者で桜木に逮捕された事のある者には全員アリバイがあった. 条痕検査の結果,三ヶ月前に城東銀行を襲った強盗が使った拳銃と, 桜木を撃った拳銃が一致した.現金500万円を盗み出して逃げた4人組だ. 現場付近の聞き込みによるとエンジンをかけっ放しの車が近くに止まっており, 銃声のした後,一人の男を乗せて走り去ったと言う.
ボス「その男の人相,特徴は?」
ゴリさん「残念ながらそれは…」
そのとき
長さん「40過ぎのジャンバーを着た背の高い男です.」
皆,長さんが現れたので驚いた.長さんは休暇返上で調査していたのだ. 長さんはスナックの近くのタバコ屋のおばさんからその事を聞いていた. そこへボンから電話が.何と桜木は中野拘置所にいた.その時, 長さんは思い出した.
桜木の声「は.池本としおです.車を盗もうとしていたんです. でもこの男が凶悪犯人のはずはありません.今,拘置所ですから.」
ボスはボンに桜木の護衛を続けろと言って電話を切った.
長さん「桜木巡査は拘留中の池本としおに会いに行ったのかもしれません.」
池本は窃盗常習犯だった.拘置所に入っても仲間を使う手はあるかもしれない. 桜木は何かをつかんでいるのかもしれない. 長さんは外へ出ようとしたスコッチに言った.
長さん「スコッチ,桜木を責めるのはやめてくれ.」
スコッチ「は?」
長さん「いや,君のように順調に刑事になれた警察官にはわからんだろうがな, 刑事になりたくてもなれずに派出所勤務,交通整理のような地味な仕事に, 黙々と耐えている連中もいるんだ.どんなに危険でも, このホシは自分の手で挙げたい. 大きな手柄を立てて刑事になるチャンスをつかみたい. 桜木がそう思っても無理はないんだよ.この俺だって,そうだったんだ. 同じような思いをした末に俺もやっと刑事になれたんだよ.」
それを聞いた一係の面々は心打たれた.
長さん「桜木巡査が何かつかんでいるんなら俺が聞く.俺に任せてくれ.」
ボスは決断した.
ボス「長さん,わかった.兎に角,桜木に会ってくれ.」

長さんは桜木の家を訪れた.桜木は机に向かっていた. 寸暇を惜しんで勉強かと感心する長さん.桜木は何かのメモを辞書に挟んでいた. そして桜木は長さんと話をした.やはり桜木は池内に会いに行ったのだ. だが個人の資格では面会は出来なかった. 桜木は池本の背後関係が問題になるのかもしれないと考えていた. 盗難車の古売組織が怪しいと考えたのだ.だが手掛かりはつかめていなかった.

山さんは池本と接見した.池本は仲間を使って桜木を撃たせた事を否認. 一方,長さんは池本の仲間である車の古売組織が怪しい, と桜木が睨んでいた事を報告.丁度その時,スコッチが戻ってきた. 池本の交友関係から,池本から頼まれて桜木を撃つ可能性があるのは3人浮上. 皆,前科者だ.長田道彦(片桐竜次),及川三郎(堀活之祐), 会沢たけし(刈谷俊介).池本が前に刑務所にいた頃に一緒にいた仲間だ. 長田には強盗殺人の前科があった.歳は42.背の高い男で, いつもジャンバーを着ていた.
長さん「ボス.」
ボスは三人の居所を探すように命じた.

捜査の結果
長さんの声「三人共犯の線が強くなってきた. しかし長田も及川も会沢も行方がわからない.」
長さんが家に戻ると俊一が勉強をしていた. 康江と良子から何度も何度も電話が掛かって来たと言う. 二人とも夕食も食べずに長さんが来るのを宿で待っていたのだ.

翌朝.ボンは桜木に撒かれてしまった.それを聞いた長さんは, 桜木の家を訪れた時,桜木がメモを辞書に挟んだ事を思い出した. 出て行こうとする長さんをボスが呼び止めた.
ボス「長さん,話してくれないか.ここのところ何か, 一人で背負い込んでいることがあるんじゃないのか.」
長さん「ボス.これだけは言うまい,こんな恥かしい事は誰にも言うまい, そう思っていたんですが.先日,桜木君の奥さんがうちに来た時, 私もはじめて気がついたんです.娘の婿に, 一度も刑事を考えた事もない自分に.」
余談だが,シンコの父宗吉がシンコとジーパンの結婚を反対した理由も, ジーパンが刑事だったことだった.閑話休題.皆,返す言葉がなかった. ジーパンのテーマのスローバージョンが流れる中
長さん「警察官の仕事を誰よりも誇りに思っていた筈の私が, 実は無意識の内に,自分の娘は警察官にやりたくない,と思っていたのです. ボス,だから私は桜木夫婦をどんなことをしてでも守ってやりたいんです. あの若い警察官夫婦を自分の娘夫婦だと思って, 自分の娘夫婦なら私がするに違いないことをしてやりたいんです.」
ボス「他の者はもう一度奴ら三人を当たってくれ.山さんは拘置所の池本を.」
そしてボスは長さんの肩を叩いた.

長さんは桜木が辞書に挟んでいたものを見つけた. それは何かの地図をメモした物らしかった. 去っていく長さんの車をジャンバーを着て背の高い男, すなわち長田が見ていた.

長さんは池本を尋問した.桜木が持っていたメモは池本が持っていた物だと, 長さんは考えていた.池本は脅えていた.池本は喋れば殺すと脅されていたのだ.

喫茶店にいた桜木のところへ電話が掛かってきた.何とそれは脅迫電話だった. 長田が桜木の家に乗り込み,妻のとも子を人質に取り,公園へ行って何もするな, と言うのだ.しかも警察に連絡したらとも子を殺すと言うのだ. その様子を及川が見ており,外の会沢に合図していた.

山さんから電話が掛かってきた.あの地図は新宿のルミネの物だと, 池本が供述したのだ.実行日は日曜日.ただし今日かどうかは池本にも判らない. 一同,ルミネの近くへ直行.ルミネの近くの喫茶店で, 長さん達は桜木が脅迫電話を受けていた事を聞き出していた. レジの女の証言によると桜木は「とも子」と叫んだと言う. ボンのテーマに乗り,ボンは桜木を探し回った. そして公園にいる桜木を見つけた.ボンに気がついた桜木は慌てて逃走. 今度はジーパンのテーマに乗ってボンは桜木を追いかけた. そして桜木に聞いた.
ボン「君,何故逃げるんだ.」
桜木「刑事さん,何も訊かないで下さい.何も.」
ボン「馬鹿野郎!」
ボンは桜木を殴るのであった.

その夜.長さんは桜木の家の前にやってきた.桜木の家は静まり返っていた. 長さんは近くに車を止め,車を降りて桜木の家の様子をうかがった. 夜だと言うのに小鳥の籠が外に出ていた.とも子が家の中に籠を入れた. 長さんは窓が不自然に開いているのに気がついた.

その頃,閉店したルミネに会沢と及川が入り込んでいた. 荷物の搬入を装って侵入し,警備員を殴り倒した. だが中であらかじめ待機していた山さん,ゴリさん,スコッチ,殿下に見つかり, 逃げ回った.二人は拳銃を乱射したが,スコッチの機転により隙ができ, 二人とも逮捕された.
及川「おい,俺達を捕まえたらな,桜木巡査のかみさんも死ぬぞ.」
ゴリさん「何!」
会沢「あと十分だ.あと十分で俺達が電話しなきゃ,かみさんも死ぬんだ.」
山さん「桜木巡査の奥さんは何処だ?」
及川「誰が言うかい.女も死ぬんだ.てめえらも殺したことになるんだよ.」
及川は高笑いしたが…

その頃,長さんは桜木家の呼び鈴を押した. とも子を連れて,長田は玄関に出たが外には誰もいなかった. その時,物音が.気付いた時は遅かった.長さんが中に乱入していたのだ. 激しい格闘の末,長さんの活躍により,とも子は無事に救出された. 長さんは長田のナイフにより,左手を怪我したが,犯人逮捕に成功した. 桜木がパトカーとともに駆けつけた.ボンのテーマが流れる中, 桜木ととも子は抱き合った.ボンは長さんに大丈夫かと確認. 桜木の無事を確認して,長さんは小鳥の籠をかけた.

犯人は全て自白した.ボスは言った.今からでも伊豆には間に合う. ボスはあらかじめ電話し,もう一泊するように伝えていたのだ. 物入りだと心配するかもしれないと察したボスはクーポン券を用意していた. そして署の慰安旅行の下見をするよう命じるのであった.

次回はスコッチ主役編.非情に見えるスコッチのやり方に潜む, スコッチの心遣いが光る一編です.なおゲストは紅林刑事こと横光克彦.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp