2002年4月10日

「がんばれ! レッドビッキーズ」第43話「おやじ大戦争」

脚本は上原正三.監督は奥中惇夫.

神雷太のいるハンマーズから挑戦状が届いた.前回引き分けに終わったので, 決着をつけたいというのだ.
ジュリ「私,対決が楽しみだわ.」
令子「そうよ.その意気よ.」
意気上がるナイン達.だがカリカリは, 太郎が新しいファーストミットを持っている事に気がついた. 何と令子の指示でファーストを守る事になったと言う. カリカリは令子に詰め寄った.令子はコンバート作戦だと答えた. ハンマーズとの試合は打ち合いになる. だから太郎を先発で使って活かしたかったのだ.
カリカリ「そんなあ.」
令子「強いチームと当たる時は9人じゃ勝てないわ. ベンチも含めて総動員でぶつかる体制をとらなくっちゃね.」
これが大騒動を引き起こすとは,令子は予想だにしなかった.

家の魚屋,魚八に帰ってきたカリカリは元気はなかった.その様子を見て, 父の魚八(小鹿番)と母(大坪日出代)は心配した.カリカリは食事も喉を通らず, おかわりもせずに部屋に入ってしまった.
魚八「西郷太郎に勝てねえとなると,あとねえ…」
そして魚八はレッドビッキーズのポジション表を見て
魚八「掛布だ.うん.決まった.おーい,剛,降りて来い.剛,速く速く. もたもたすんな,ほら.」
カリカリ「何だよ,騒々しいなあ,全く.」
魚八「ファーストが駄目ならサードがあるさ.」
カリカリ「え?」
魚八「ワンちゃんが駄目なら掛布になれよ.」
魚八の意図にカリカリは気がつき,強く肯いた.

カリカリはサードをやりたいと申し出た.令子もコーチも賛成したが, オーナーは激怒.
カリカリ「父ちゃんが言ったんだ.掛布になれって.」
これを聞き,オーナーは激怒.
オーナー「あのタコスケ!」
カリカリの父が営む魚屋魚八に乗り込み,大喧嘩.魚八の妻が仲裁に入ったが
オーナー「ふん.覚えとけよ.歴史的に見たってなあ,サードベースは燃える男, 長嶋さんのもんなんだ,馬鹿.」
魚八「しゃらくせえ.若虎掛布の叫びを聞きやがれ! わあーーーーーー!」
オーナーも魚八も息子に発破を掛けた.息子達も影響され, カリカリとシゲはノックの順番を争って喧嘩する始末.遂には
カリカリ「何だよ,七光り.」
の一言がきっかけでカリカリとシゲは掴み合いの喧嘩を始めてしまった.

令子はオーナーの所や魚八へ出向いたが, どちらも引っ込むつもりは毛頭なかった.まずオーナーは令子にこう言った.
オーナー「うちのシゲはねえ,三番バッターなんだよ. 10試合の打率は3割2分1厘.今絶好調なんだ. ハンマーズ戦には欠かせないと思うけどね.」
この後,令子は魚八と会ったが
魚八「あっしはねえ,女監督のコーン,バターって言うのかい?」
令子「コンバート作戦…」
魚八「そうそう.そのコンバート作戦,大賛成.蕎麦屋のガキなんかより, うちの剛の方が長打力はあるしよ,チーム力をアップするには, グッドアイデアだと思うわけ.兎に角見てくれ,ハンマーズ戦を. 必ず打つぜ,でっけえ奴をよ.振りが違うもん,振りが,うちの剛は.」

翌日もカリカリとシゲはノックの順番を巡って大喧嘩. 見かねたコーチは二人を呼び出し,こう言った.
コーチ「俺はプロ野球のファームで肩を痛めた. それからはゲームには出してもらえず,ただ見てるだけ.辛かった.」
滝の音だけが響いた.
コーチ「先じゃなきゃ,やだの,やめただの,そんなのは贅沢ってもんだぞ. 甘ったれてるぞ,お前ら.」
カリカリ「俺は負けたくないんだ.」
シゲ「俺だって.」
二人は睨みあった.遂にコーチはサジを投げた.
コーチ「そうか.いつまでもいがみあってろ.そうやってな.」

親同士の争いは江咲家への贈賄合戦に発展.まず恵子が魚八へ買物に行くと, 魚八がお刺身を大サービス.さらによし子が出前をサービスで持って来た.
令子の声「魚八と長山庵のサービスは裏工作だわ. どちらも我が子をレギュラーポジションにつかせたいが為の親心. あたしも決断して,回答を示してあげなくっちゃ.誰を選び, サードベースを守らせるか.こんな時,どうすればいいの, お父さん…自分で考えろですって? あは,やっぱりそうね.」
令子は一晩考えた.

翌日は親が現れ,応援する始末.肝腎のハンマーズとの試合で, サードのポジションについたのは何とペロペロ.オーナーも魚八も詰め寄った.
令子「一晩考えた末,決めたんです.冗談なんかじゃありません.」
理由を聞きたいと言うオーナーと魚八に令子は言った.
令子「シゲとカリカリはチームワークを乱しています. レッドビッキーズの基本理念はチームワークです. チームワークを乱す選手はどんな優秀な選手でも使いません.」
呆気にとられる魚八,そしてオーナー.そしてプレーボール. 打球は太郎の左へ飛び,太郎は捕ることができなかった.
魚八「あーあ.剛なら捕れたボールだぜ.」
オーナー「ふん.どうだかな.」
ハンマーズの監督(成川哲夫)はサードへのバントを命じた. ペロペロがお手玉し,さらに悪送球してしまった. こうして一死も取れずに2,3塁になった.
オーナー「言わねえこっちゃねえ.シゲなら絶対刺したんだよ.」
魚八「そりゃわからねえよ.」
次の打者は凡打に倒れ,とりあえず一死は取れたが,一点入れられてしまった. 次は神雷太だ.ノミさんはコントロールを乱してしまい,フォアボール. 次の打者の打球はサードへ飛んだ.ペロペロはエラー. 初回の表にハンマーズは二点を入れた.オーナーと魚八は息子を使えと大騒ぎ. 遂にはつかみ合いの喧嘩を始めた.
令子「落ち着いてください.4,5点なら取り返せます.」

裏の攻撃.ナッツ,センターが連打で出塁.
ジュリ「太郎,ホームランよ.」
太郎は肯いたが,ハンマーズの監督は太郎の敬遠を指示.敢えて満塁策を取った. ノミさんはファーストへのファールフライに倒れた.
魚八「剛が4番ならランナー一掃だよ.」
ペロペロは惜しくもショートライナーに倒れ, 飛び出したセンターもアウトになった.
オーナー「ついてないね.こんな時シゲちゃんがいればねえ.」

試合はハンマーズ5点,レッドビッキーズ0点で最終回を迎えた. ノミさんはまた打たれ,太郎とペロペロのミスも重なり,無死一,二塁のピンチ. コーチは令子にジュリをリリーフに起用することを進言した. それを見たカリカリはコーチの言葉を思い出した.
コーチの声「俺はプロ野球のファームで肩を痛めた. それからはゲームには出してもらえず,ただ見てるだけ.辛かった. 先じゃなきゃ,やだの,やめただの,そんなのは贅沢ってもんだぞ. 甘ったれてるぞ,お前ら.」
カリカリは令子に進言した.
カリカリ「監督,シゲをサードに交代させてください.ペロペロじゃ無理だよ.」
それを受け,シゲも令子に進言した.
シゲ「カリカリ,お前,やれよ.」
カリカリ「俺はベンチでいい.」
シゲ「俺だって.」
二人はお互いに譲り合った.その様子を見て令子は親達に言った.
令子「(オーナーに)カリカリでもいいのね?」
オーナー「え? (よし子に促され)ああ,ああ,いいとも.」
令子「(魚八に)シゲでもいいのね.」
魚八「そりゃ,しかし…」
カリカリの母「父ちゃん.」
魚八「あ! ああ,そうよ.二人とも実力者よ.どっちもこっちもあるけえ.」
令子は頬笑んで決断した.トータスをベンチに下げ,太郎をライトに回し, ファーストはカリカリ,サードはシゲ,そしてピッチャーはジュリだ. こうしてレッドビッキーズはピンチを乗り切ることになった. なお,トータスはベンチに下がる時, 「ちきしょう!」と呟いた事を付け加えておく.

そして迎えた最終回裏の攻撃.ナッツとセンターの連続ヒット, および太郎の敬遠フォアボールによりレッドビッキーズは一死満塁のチャンスに. カリカリの二塁打,そしてシゲの三塁打で四点を入れた. スタイルはサードライナーに倒れたがフォアボールが二つ続き, また満塁のチャンスを得た.この美味しい場面でジュリは初球を打ち, サヨナラタイムリーヒット.こうしてレッドビッキーズは勝利することができた. それを見て
オーナー「どんなもんだい,うちのシゲは.」
魚八「うちの剛の打球を見たかい.」
二人とも本当に親馬鹿だ…

次回はブラザー主役編.

「太陽にほえろ!」第234話「おさな子」

脚本は小川英と高階秋成.監督は児玉進.主役は山さん.

山さんは隆の寝顔を見た.そして山さんは手紙を読んでいた. それは亡き妻高子の母(赤木春恵)からの物.親族の会議により, 隆を松山の自分のところに引き取った方がいいと決まり, 山さんにそれを伝えるために手紙を出してきたのだ. 皆,山さんの仕事が刑事であることを気にしていた.

そんなある日.男(松山政路)が飛行場の脇のT字路の交差点に車で陣取っていた. そして車で走って来た男を一発で射殺した.殺された男の車は横転.丁度その頃, 山さんの家を山さんの義母が訪れていた. 隆を引き取りに飛行機でやって来たのだ.そこへ電話が. 殺人事件が起きたというのだ.

早速山さんが現場へ駆けつけた.運転手は即死.銃の破壊力は物凄く, 窓を貫通し,さらに運転手の胸,そして座席を貫通し, 後部座席にめり込んでいた.ただのライフルじゃなさそうだ. 何と使われたのは44口径のマグナム拳銃. その手口から山さんは九条という男の仕業だと考えていた. 殿下は新聞配達の男が,現場近くのT字路で車が止まっているのを見たと報告. それを聞き,犯人はその車の中から狙撃し,そのまま逃走した, と即座に見破った.ボンも殿下もゴリさんも, 山さんの意見を聞いて呆気に取られていた.

試しにボンは44口径の拳銃を撃ってみたが,反動が大きく, ボンは倒れてしまった.しかも標的は大破.山さんはボスに九条の仕業だと報告. 44口径の拳銃を座ったままで撃てるのは九条以外にいないと考えたからだ. 被害者は時速60キロで九条の車の方に向かって走ってきたので, 拳銃の威力は倍増したはずだ.九条はプロの殺し屋.被害者は土木公団業務課長. 今汚職で騒がれているところだ.6年前にも九条は事件を起こしていたが, 状況証拠ばかりで尻尾をつかめず,アメリカへ逃げられてしまった. 山さんはしつこく九条を追いかけたが,力及ばなかった.アメリカへ渡った後, 彼は大学に(名目だけ)入学した.学生ビザは6年で切れる. だから九条は日本へ戻ってきたのだ.

山村家では隆と高子の母が遊んでいた.山さんはなおも調査を続けていた. ゴリさんの調べで九条がやはり日本に戻って来た事が判明した. そこへ電話が.電話は高子の母からの物で,隆が熱を出したと言うのだ. 早速隆は入院した.その頃,九条が山村家を訪れていた. 近所の人から九条は山村が不在である事と, 隆が熱を出して病院へ言った事を知った. 大胆にも九条は近所の人に「古い知り合いで九条と申します.」と言った.

そうとも知らず,山さんは情報屋から九条が現れたという情報を聞いていた. 廃屋同然の元病院に九条がいると言う.一方,隆は急性肺炎で入院していた. 付き添っていたボスは,交代に現れたアッコから, 九条と名乗る男が山村家を訪れた事を聞かされた.ボスの顔に緊張が走った. そうとも知らずに山さんは元病院に独りで乗り込んでいた. そこで山さんは狙撃されそうになった.ジーパンのテーマが流れる中, 山さんは銃を撃った男を追いかけた.だが車で逃げられてしまった. 後から殿下と長さんが例の元病院へやってきた. 銃声を聞いたと言う報せがあったから駆けつけたのだ. 山さんは罠に落ちて殺されかけた事を二人に話した. 6年前に山さんは九条をしつこく追い回していた. 邪魔に思ったのかもしれない.山さんが邪魔だと言うことは, 九条は他にも殺しを行なおうとしていると言うことだ. 山さんは鑑識へ回ると言って去ろうとしたが, 長さんと殿下は隆が入院したことを山さんに伝えた.

山さんがやって来ると隆は転院した後だった.
山さんの声「ボスか.ボスが何故?」
山さんは病状を確認.そこへスコッチがやってきた. 山さんはスコッチからボスが隆を転院させた事を聞かされた. 九条に狙われる可能性があったからだ.だがあの一件で山さんは警戒. 自分に見張りがついているかもしれないので, 山さんは病院へ行かないことにした.
スコッチ「しかし,九条はなぜ山さんを狙うんですか?」
山さん「昔,俺に追い詰められたためとはじめは思った.だが子供にまで…」
スコッチ「6年前に九条を殺し屋として雇ったと思われる人物は?」
山さん「容疑者は3人いた.いずれも大物とか,黒幕とか言われる連中だ. 俺はその一人一人に食い下がった.三田村修一.山下義夫.そして森清三.」
スコッチ「今度九条を呼んだのも同じ黒幕かもしれませんねえ.」
山さん「しかし,わからん. 一体奴らは俺の知っている何を恐れているのだろう?」

山さんは例の情報屋から情報源を聞いた.情報屋は, 行きつけの飲屋で隣りのやくざが話しているのを聞いたと言ったが, 恐くて顔も見なかったと言い張った.山さんは金を渡した.
スコッチ「信じるんですか,あんな言い訳を.」
山さん「首を絞められた痕があった.おい.俺は署に戻って6年前の事件を洗う.」
スコッチは情報屋をマークすることにした.

山さんは一生懸命6年前の事件と今度の事件を共通点を探したが, 全く見つからなかった.そこへゴリさんから電話が掛かってきた. 九条の宿泊先が判ったと言うのだ. 何と九条は赤坂の東京ヒルトンホテルに堂々と本名で泊まっていた. その頃,あの情報屋のところに男が現れていた. やはり情報屋は九条の手の者に指示されて偽の情報を流したのだ. もう一度男は偽の情報を流せと言ったが,情報屋は渋った. そこへスコッチ登場.男を追いかけたが,射殺されてしまい, さらに狙撃されそうになった後で車で逃げられたので追跡を諦めた.

ボスから電話で山さんは,男が殺されたこと,44口径のマグナムが使われたこと, そして隆の熱が下がったことを知った.そこへ九条が戻ってきた.
九条「これは山村さん,お久しぶりです.昔は随分あなたにいじめられたけど, 懐かしくってねえ.お宅まで伺ったんですよ,今日.」
山さん「うん.」
九条「お子さん,ご病気だそうですね.いかがです?」
山さん「いや,大したことはないよ.しかし変わらんね,君は.」
九条「そうかな.変わらないのはあなたでしょ. 今でも私の事を殺人犯だと思ってる.」
山さん「お互い様ってとこかな. しかし日本へ帰ってホテル住まいとはどういうことかね.」
九条「すぐまたアメリカへ行くんですよ.大学を卒業して, 向こうの会社へ就職が決まってるんでね.」
ゴリさん「なるほど.そこで日本で荒稼ぎってわけか.」
九条「妙な引っ掛けはよして下さいよ. 僕はただビザの書き換えに帰ってきただけなんですから.」
山さん「青森のご両親はお元気かね?」
九条「ええ.お蔭様で.あのう,悪いけど,僕ちょっと疲れてますんで. またいつかお目にかかれるかもしれませんね.」
山さん「ああ.きっと取調室でな.」
九条は堂々とエレベーターに乗って去って行った.
ゴリさん「あいつが人を三人も殺した男ですか? あの健康優良児みたいな奴が.」
山さん「そうだよ.あいつがだよ.九条にとって殺しは一つの商取引でしかない. 商社が不動産や米に手を出して大儲けしたように,奴は人の命で儲ける. そういう商売が成り立つのも大金を払う奴がいるから殺しで儲ける, それが九条の考えなんだ.」
その時,山さんは気がついた.エレベーターが七階を通り過ぎて行ったのだ.
山さん「奴の部屋は七階だったな.」
ゴリさん「ええ.」
山さん「まず二階に止まった.」
フロントに聞くと,二階には非常階段があり,外へ出られるという. 非常階段へ行った時には九条の姿はもうなかった.

殺された黒田は麻雀屋をやっているが,東京生まれと言う以外には, 前身は判らなかった.念のため,山さんは麻雀屋へ行こうとしたが, 出ようとした時に長さんにぶつかりそうになり,思い出した. 黒田は三田村の運転手だった.山さんは自分が狙われる理由も判った. 公団汚職にも三田村が一枚咀んでいた.山さんを狙ったのは, 黒幕の正体がばれることと次の仕事が出来なくなることの二つを恐れたためだ. 森清三はかなり前から三田村にはむかっていた.九条が狙っているのは森清三だ. ボスは長さん,殿下,スコッチに,森を警護するよう命じた.
ボス「山さん大丈夫だよ.朝までには熱は下がるさ.」
山さん「私にも決心がつきました.坊主が元気になったら, やはり四国のおばあちゃんに預けます.」
ボス「山さん.」
山さん「我慢できないことではありません.いくら抱いてやりたくても, 抱いてやれない.今日みたいな日が,何日も続くだけなのです.何年も何年も. それだけのことです.」
ボスには返す言葉がなかった.

森は山さんから自分の命を狙われていると聞き,大笑した. そんな筈がないというのだ. 山さんは吉澤課長と同じ理由で狙われていると言った. 証拠はあるのかという森に山さんは「ありません」と答えた. 森が狙われれば,それが証拠だ.

出かけようとするアッコのところへ女から電話が掛かってきた. ボスが人手が足りないので病院へ来てくれと言うのだ. アッコはタクシーを拾って病院へ向かったが, 病院で誰も電話を掛けて来なかったと聞き,驚いた.そう.九条の罠だったのだ. そこへ高子の母が現れた.高子は熱が下がったと言ったが,隆は病室に一人きり. 慌ててアッコは病室へ向かった.隆が遊ぶ姿を確認し,アッコは一安心.だが…

山さんが森のところにいた頃,隆の病室に銃が撃ちこまれた. 慌てて殿下とボンが病室へ駆け込んだ.皆無事だったが,間違いなく, 銃はマグナム44だ.それをボスから山さんは電話で知った. 山さんとボスは同じ事を思っていた.森はこの事件を聞いて, どうやら狙いは別だと言って出かけることにした.だが安心するのは早かった. 山さんの懸念通り,九条の本当の狙いは森だった.あの時と同様, T字路の交差点に陣取り,九条は森の車を狙っていた.森の車が近づく. 九条が拳銃を構えた.だが
山さん「やめろ,九条.」
九条の拳銃はゴリさんの拳銃で撃ち落とされた.
山さん「お前が病院狙撃で替玉を作っておいてくれたお蔭で, ここが30分も前から判っていたのだ.観念しろ.」
九条は逃げようとしたが,スコッチと長さんの車に阻まれた.
九条「畜生.何故.何故そこまで俺を付けねらうんだよ.」
九条は車から降ろされた.
九条「山村さん,俺一人捕まえたって何にもなりゃしないよ. 一人一人の人間なんてどうせ商売の道具でしかないんだよ. もっと大っぴらに命を取引する時代がきっと来るぜ.」
山さんは首を左右に振った.
山さん「そうはさせん.お前の言うその時代は, 俺の子供が育っていく時代なんでなあ.」
山さんは九条に手錠を掛けた.連行されていく九条を見送りながら, 山さんは九条の拳銃を見るのであった.

隆は高子の実家へ引き取られることになった. だが山さんは玄関先で見送る事にした.ボンの運転で隆の乗る車は去って行った. 車の中で隆は泣いた.ボスは山さんに夜勤を代わってやると言ったが, 山さんは断った.その時,山さんは哺乳瓶を渡し忘れた事に気がついた…

次回は長さんの娘が遂に結婚します.

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東平 洋史 E-Mail: hangman@basil.freemail.ne.jp